サザエさん
火曜日版OP-1-


さて今回はいよいよ、核心に触れてみたいと思う。
そう、1997年11月に終了した"火曜日版サザエさん"の主題歌についてである。
この"火曜日版サザエさん"の主題歌にこそ、日本国民のすべてを単一思考の従順な羊へと改造せんとする、恐るべき政府の陰謀が隠されているのだ!

サザエさんの火曜日オープニング、解説と対訳

♪窓を開けましょ ルンルルル

「窓」は心理学において「目あるいはコミュニケーション」の象徴とされる。フロイトによれば窓の出てくる夢を見たときには、その窓が閉じていれば"閉じた心"を、開いていれば"開いた心"を表していると言われている。ここでは「窓を開けましょ」と歌っているので、クローズドマインドからオープンマインドへの転換、すなわち現代人をとりまく様々な閉塞感からの開放を暗示しているのである。結果"開放"された人々は「ルンルルル」といった気分の高揚感を得ているのであろう。そして日頃自分に対して閉塞感を抱いているような視聴者はこのフレーズを聞いただけで「ぼくも私も、この歌のように"開放"されるかも知れない!」と考え、"サザエさんワールド"に引き込まれてしまうのだ。この手口は近年話題になっている"自己啓発セミナー"のものと何ら変わりはない。これは一種の"催眠"といえよう。

♪呼んでみましょう サザエさん

ここではさらに、視聴者に対し"窓を開けたらサザエさんを呼べ"という"事後催眠"までをも施しているのだ。そして次に続く、不可解なフレーズに続く。

♪明るい窓の お向かいさん

……??
この短いフレーズの中に含有される拭い切れない違和感に、読者の皆さんはお気づきになったであろうか? 磯野家とその周囲の家の配置をよく思い出して欲しい。"裏"には「裏のおばあちゃん」宅が、隣には「イササカ先生」宅があるが、正面玄関側は塀で囲まれているうえ玄関までは石畳の小路があるので、磯野家の「明るい窓」の見える「お向かいさん」などは絶対にあるはずがない。そう、磯野家には「お向かいさん」など存在しないのだ!

2へ続く
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