冷蔵庫とオカン

◆ローカルルール

うちのオカンは、何でも冷蔵庫に入れちゃう人で。
ある日、冷蔵庫を開けたら、お皿が10枚ぐらい入ってた事がありました。ビックリしてその事をオカンに伝えると、「あっ、間違えた!」とかいって慌てて冷えた皿を取り出して、食器棚に入れなおしてた。どうやら、洗って拭き終った皿を、食器棚と間違えて冷蔵庫にしまっちゃったらしいです。

「家じゅう探したけど、携帯が見つかんないなー」って時に、仕方なく家の電話から携帯にかけてみたら、冷蔵庫の中から「♪ピロピロ〜」って鳴り出したって事もありました。後でオカンに聞いたら「あっ、ウッカリしてた!」やっぱり犯人はお前か。 つーかどんなウッカリだよ。

「家じゅう探したけど、財布が見つかんないなー」って時に、まさかと思って冷蔵庫開けたらシッカリ冷えてたって事もありました。
そんなことがあって、我が家には「とりあえず冷蔵庫も探しとけ」っつーローカルルールが出来たわけです。

先日、友達がウチに遊びに来たんですよ。ひとしきり遊んで、そろそろ帰るわー、じゃあ駅まで送るわー、って時に車のキーが見当たらない事に気が付いて。カバンの中とか、ジーパンのポケットとか、とりあえずキーの有りそうな所を探してみたんだけど、全然見つかりませんでした。
はっ、まさか…!
急いで冷蔵庫を開ける僕。 しかし、そこにキーの姿は無かった。小棚や野菜室、チルド室もチェックしたが、結局見当たらなかった。
やっぱ、いくらオカンでも、さすがに車のキーまでは冷やさないよなぁ、と思いながら冷蔵庫の扉を締めた僕に、友達が背後から声をかけてきました。
「なぁ…。 お前んちって、車のキーを冷蔵庫で保管するか…?」
「…あ、いや、まて、違うんだ、これは、つまり、その…!」
慌てて、我が家のローカルルールを説明する僕。
そして、そんな僕を哀れみのまなざしで見つめる友人。

…冷え切ったキーが冷“凍”室から発見されたのは、それから1時間後の事であった。


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