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what‘s new
2004.4.4
久しぶりの更新になります。まぁ3月がとりたてて忙しかったわけではないのですが(むしろ鬼のように暇だったというのが正しいですが)、サイトを更新するモチベーションというか、タイミングというか、要するにきっかけがいつものごとくつかめないでずるずる更新せずにきてしまいました。

そんな状況を変えるべく、今日からこのwhat's newをはてなダイアリーに場所を変えてつけてみることにします。場所はこちらです。↑にもリンクつくっときましたのでそちらからもどうぞ。これで携帯からも更新できるようになったらしいので、更新頻度をアップさせていきたいな、と思います。ネタももっともっと些細なこと含めてやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

2004.2.29
コンサート:NHK交響楽団第1510回定期公演(2.28)

たった1泊2日ながら函館旅行から帰って(詳細は後述)、新しいシーズンのオケが始動する最初の練習の前にN響の定期公演を聞きにNHKホールへ。本日も当日学生券でD席。席は3階Lブロックです。

プログラムは、ニコライ/「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲ーヒンデミット/「画家マチス」ードヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲ーワーグナー/「タンホイザー」序曲。指揮はハインツ・ワルベルク、ヴァイオリンソロはヴァディム・グルーズマン。

画家マチスとドヴォルザークのVn協が目当てで行ったのですが、むしろ期待していなかったウィンザーやタンホイザーもかなり好印象。プロアマ限らず(特にプロは?)、オープニングの序曲って聞き手、弾き手共にまだ演奏会にシンクロしてなくて感動することは今まであまりなかったのですが、今回はウィンザーは白眉。透明な響きでかつ、淀みのない流れのあった演奏で、今まで数回行ってN響に対して持っていたイメージが変わったかも・・・というくらいに。ワルベルクの影響か分からないけれど、ハーモニーが透明で豊かでしたね。
続いては目玉でもあったヒンデミット。こっちは・・・正直イマイチだったかもなぁ。プログラミングの問題かもしれないのだけど、どうもウィンザーの後にヒンデミットがきたときどうも食い合わせが悪いような気がしてしまったというか。何より、求めるものが違っていたかも。3楽章は特に綺麗にまとまりすぎたんじゃないかなぁ。緊張感や背筋がもぞもぞするような感覚がなかったな。

後半はドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲。ドヴォルザークの協奏曲と言うとチェロが先に挙がってしまい、ヴァイオリン協奏曲は影が薄いのですが、個人的にはコンチェルトに留まらず、ドヴォェルザークの曲の中で一番好きな曲。で、演奏は結論から言ってしまうと、今まで聞いた協奏曲では最高だったと思います。ソリストのグルーズマン自体も最高音部で若干和音が甘かったり、かすれるかな、とは思ったけれども、カンタービレの歌い方深く分厚くては好みだし、勢いはもちろんあるのだけれども、それでひた走りにならずオケ・指揮との対話を実に緊密に行いながら音楽をソロだけでなく創りあげているというその姿勢が大好きだなぁ。tuttiが弾いている時も、音楽の流れに乗って、コードの進行に合わせて舞台上で首を振っていたりするし・・・そのイイヤツぶりですっかり虜になってしまいました。協奏曲があくまで「協」奏曲であるということを改めて認識させてくれた快演でした。なんというか、協奏曲って本当に音が溶けるとこういう響きができるんだ・・・と。ワルベルクのサポートもオケ全体も方向性がまとまっていてましたし。演奏後の拍手にも熱がこもっていたのにも納得。アンコールはイザイのソナタ第2番の1楽章。曲の変わり目、変わり目で一旦止まって、また急加速というスタイルの演奏だったけれど、テクニックの確かさが充分伝わってきました。
・・・と、これだけ感心してしまうような演奏だったので、余韻を楽しみつつ演奏会自体このまま終わってくれても良いような気がしたのですが、最後はタンホイザー。このプログラミングは少し意図が掴めない印象は残りますね。演奏自体は弦楽器の目立たない動きが素晴らしかったのか印象的。ワーグナーにしい管弦楽の豊かさが充分に感じられる演奏でした。というわけで、個人的には大満足の演奏会でした。

演奏会後は、松屋で初めて豚丼を試し、パート練習へ。豚丼、個人的には松屋に行くような場合に求めるものはほぼ満たしているかと。値段が多少高いけれど、まぁ色々とお世話になりそう。吉野家も豚丼やれば良いのにね。

パート練習はワーグナー「ニュルンベルグのマイスタージンガー」の2ndとバッハ「管弦楽組曲第1番 序曲」の1st。ワーグナーは割とまともにさらっていったつもりでもtuttiになるとオケ勘が1ヶ月練習がなかったために鈍っているのか、全然ダメだったなぁ。全体としてはまだどうこう言う段階ではないと思うのだけど、ワーグナーは毎年やっているから麻痺している部分もあるにせよ、この難しさをまず理解しないといけないかな?もう自分が表として引っ張っていかなければならない立場かと思うと、それもプレッシャーだな。それを思うと普段何気なく見ているけれど、トップの重圧というのは相当なものだなぁ。バッハは自分がオケの一員として初めてのバロックだけに全奏が楽しみだなぁ。和声が分かりやすいし、きちんとアンサンブルできれば楽しい曲であることは間違いないし。

練習後は当然!飲みになり、なんとか終電には乗れたものの、トイレを我慢できずに結局渋谷に朝までいました。今回、初めて漫喫で一晩過ごしたのですが、個室のようになっているし、普段読みたいけれど、わざわざ買ったり、探したりするほどではない漫画も読めたし、ネットもできるし、ケーブルテレビも見られるし・・・色々出来て1200円なのだから、これはこの先使えるなぁ、と新たな発見に目を細めたり。
 

2004.2.25
最近すっかりテストもなく、オケの全体練習もないのになれきってしまっている生活を送っています。他の人に比べてもあまりにも楽をしすぎてやいないか>自分。テストもレポートもあと1つずつあるという事実に心の隅では気がいたりして、少しだけ現実を・・・見ようかな。最近は深夜に借りてきたDVD(not エロ)を見るのが恒例になっていつも4時くらいにならないと寝ないですし。最近見たDVDは「Dolls」「ジャンヌダルク」「マイフェアレディ」「冷静と情熱のあいだ」etc...。
とはいえ、この生活ももう終わり。週末からはまた週3回のオケサイクルに移行です。

その前に、明日からは1泊2日で函館へ。主要な目的は随分昔に八戸まで延びた東北新幹線「はやて」に乗ることだったりします。函館駅も新しくなったと聞きましたし、お約束の函館山に登るのも、駅近くにあるメモリアルシップ摩周丸へ行くのも、市電に乗るのも楽しみだなぁ。少ない時間を目一杯楽しんできます。
 

2004.2.20
コンサート:フレッシュ名曲コンサート(読売日本交響楽団、浅草公会堂、2.20)

この1週間は本格的に休暇モードです。昼近くに起きて、学校へ楽器の練習に行き、行き返りを中心に本を読み、たまには飲みをする、という堕落大学生を地でいく自信が今ならあります。と言い切ってしまえるくらいにモラトリアムな毎日です。

身の回りに使っているものに変化がありました。まずは携帯。今までは2年前に携帯を使い始めた時から使っていたものでしたが、長年の使用で遂に液晶がウンともスンとも言ってくれなくなってしまったので、急遽買い換え。新しく買ったのはSANYOのA5503SA。一応最新の機種などで、機能が充実しているのは当たり前なのですが、とにかく前の機械との落差が大きくて、びっくり。カメラがついているは当たり前にしても、GPSもあるし、液晶もやたら綺麗だし・・・いきなりステップアップした戸惑いと嬉しさで、前より携帯いじりの時間が増えているのは間違いないかも。

もう一つ、修理に出していた楽器が2週間ぶりに戻ってきました。ニスの塗りなおしを中心に色々と治しました。楽器を買ってから10年で最大の修理で、当然修理によって少し響きが変わった印象でそれがプラスかマイナスかはまだ分からないですが、鋭意馴染ませ中です。というわけでそろそろ譜面が配られ始め、学校の卒業式・入学式、音楽教室、サマーコンサートと色々さらうべき曲が一気に増えて嬉しいやら、大変やら。

さて、そんな中今日は浅草公会堂へ、読売日響のフレッシュ名曲コンサートへ行ってきました。今回の目玉はなんと言っても村治佳織。昔からファンでしたが、やっと生で見られるというのを聞いて、ほかの事は確かめもせずチケットを購入。

渋谷から銀座線を終点まで乗って浅草へ。浅草の街を歩くのは、実はほとんど初めてで、記憶にある限り雷門を見るのも初めてじゃなかったかなぁ。江戸というと浅草や深川のイメージがあるけれど、東京のイメージの世界に暮らしてきた自分にとってこの界隈は同じ都内とはなかなか信じがたかったですね。

プログラムは、小曲色々(ソプラノ:薗田真木子)ーロドリーゴ/アランフェス協奏曲ーベートーヴェン/交響曲第5番。指揮は小林研一郎、ギターソロは村治佳織。

プログラムはいかにもビギナー向け、と言った感じで場所柄からしても、演奏会の趣旨にしてもあまりクラシックに馴染みのない聴衆が多いとは思っていたのですが、それは聴衆だけではなく運営もそうであったような。すごく不慣れな雰囲気が会場全体に漂っていて、前半はそれに結構気を削がれたかなぁ。予想は出来ていたけれど、演奏会のマナーって重要だよ、ということは改めて再認識。どんなジャンルでもそうだけど、ライブの現場に居合わせるということは聴衆にせよ観客にせよ、場を作り上げているんだという意識を持ちたいと自分は思っているけれど、それを他の人に求めるのはいけないことなのかな。特に目当てにしていた村治佳織のアランフェスの時に客の了解の不足やマナーの悪さが目立ってしまったから残念だったという部分もあるにせよ。楽章間のフライング拍手には目をつぶるとしても、2楽章で携帯が鳴った音が聞こえたときはさすがにムッとしました。それくらいはちゃんとやっておけって思いますよね。・・・そんな感じで客層には不満があったのですが、動じることなく演奏したソリスト陣はさすが。指揮のコバケンもその辺りはちゃんと分かっていて、客とオケの橋渡し役として舞台上のマネージメントをやっているところは好印象でした。と愚痴を並べても仕方ないので、肝心村治さんはと言うと、ソロは綺麗な音色でまとめていたし、オケとのバランスもちょうど良かったんじゃないかと。アランフェスに関してはオケに少し瑕疵があったとは思いますが、状況を考えたら及第点かな。

後半は、ベートーヴェン第5番。あまり期待しないで聴いていたのですが、コバケンの面白さを発見することになろうとは。コバケンを見るのはこれが初めてだったのですが、とにかく面白い。音楽としてどうとかこうとかではなくて、ひたすら面白いくて笑いをこらえるのに必死でした。演奏自体はブライトコップ版を使って、テンポは落ち着きめで、少しロマン派的な歌わせ方、というちょっと古いタイプ。指揮を見ていると表現重視で、指揮ぶりが大仰なので、何がやりたいのかすぐ分かってしまうあたりがその面白さの根本なのかも。しかも跳ねる、唸る、吼える。こんなにヒートアップしてよいのかと思うほどハイテンションで、さすがにオケも放っておくわけには行かないな、という感じで低弦を中心に次第に今までの読響で見たことのないくらい火が付いたような演奏に。もうチェロなんかは特に「どこのアマオケ?」と思うくらいの打ち込みように思えたのですが・・・。4楽章の途中ではほとんど棒を振ってない箇所もあったし、とんでもないものを見た印象。客席も緊張感があり、かなり興奮してしまいました。とにかく、エンターテイメントとしてこんなに見てて面白い5番は初めてかも。怪演というか、爆演というか、クラシックを離れた面白さがコバケンにはあるな、と。これは数ヶ月に一度見ると、絶対面白い指揮者であることは間違いないです。思わぬ収穫でした。
 

2004.2.13
コンサート:NHK交響楽団サントリーホール特別演奏会(2.10)
コンサート:オーケストラ・ダズビダーニャ第11回定期演奏会(2.11)
コンサート:東京都交響楽団584回定期演奏会(2.12)

10日でテストは一段落して、これからはレポートがぽつりぽつりとある程度。これでいよいよ早いけれど春休みに突入です。さて、10日からは3日連続でコンサートという我ながら、呆れるスケジュールで怒涛のコンサートウィークとなりました。

まず初日はテストの解放感が覚めやらぬままにサントリーホールへN響の特別演奏会を聴きに。席はC席で2階のLAブロックの最前列。曲が今年の夏にうちのオケがやる&去年の夏にやった曲だけにただ聞くだけじゃなくて色々と確認したいな、と思っていたので格好の席でした。そのせいもあって近くに何か見たようなお顔もちらほらと・・・。

プログラムは、ブラームス/交響曲第2番ー交響曲第4番。指揮は外山雄三、コンサートマスターは篠崎史紀。

とにかく今回ブラ2に関しては、ひたすらお勉強モードになろうかなと意気込んでいたのですが、前日は一応付け焼刃で本当の勉強していたこともあり微妙に睡魔が襲って来るし、肝心の演奏自体もブラームスの交響曲2曲プロということもあってか、前プロのブラ2は流し気味の演奏のような印象。一番1楽章で期待していた1st、2ndVnのアンサンブルもいまいちだったし、2,3楽章も割合平坦に過ぎてしまっていたかな。4楽章でやってエンジンがかかって来て帳尻は合わせて来たとは思いますけど。生で聞いて分かったのはこの曲、思っているほど楽じゃない、ってことですかね。ブラームスの交響曲の中では異彩を放って終始穏やかなために、演奏側がよっぽどメリハリを付けないと聞いている方は退屈してしまうんじゃないか、と心配になりました。
後半のブラ4は、1楽章の第1主題の出だしは「うーん」と思いましたが、全体的には良かったのでは。アンサンブルも曲全体としても力が入っていたように思われました。欲を言えば4楽章の主題はもっと決然としていた方が好みではありましたが・・・。フルートソロにはため息・・・上手い。

翌日は10日前には舞台に立った芸術劇場へショスタコ演奏では有名なアマオケ、オーケストラダズビダーニャを聴きに。席は1階RBブロック。

プログラムは、ショスタコービッチ/映画「馬虻」の音楽による組曲ー交響曲第5番。

実は3日連続で行ったコンサートの中で最も楽しみにしていたのがこれ。ショスタコと言えばアマオケではダズビの名が自然に挙がるくらいですから。会場もほぼ満員でした。このオケは3年前に1回聴きに来ているみたいですが、3年前はショスタコは勿論クラシックの曲もほとんど知らないくらいだったもので、全く記憶にありません。その時は第12番「1917年」をやっていたらしく今だったら飛びつきそうなものですが。さて、演奏ですが前プロは初見(というか初聴)の組曲でしたが、今日はこれが白眉。映画音楽らしく様々な雰囲気の曲があったのですが、とにかくオケとしての安定感、方向性がすごいのです。普通アマオケを聴く時は自然プロオケとは目線が違ってくるのですが、ここに関してはプロと同じ視点で聴いても良いほど安心感がありました。全セクションが高いレベルで安定しているのは本当に羨ましい限り。特に、金管・打楽器に関してはショスタコらしさ溢れる音をきちんとした音程で出せていてそれだけで聴きに行った価値はあったなぁ。50分近い曲だったのに、あっという間に終わっていました。ショスタコらしからぬ?とても聴きやすい曲だったので今度CDを探してみよう。
後半はここ3ヶ月で3回目となる交響曲第5番。出だしの低弦の鳴りは1月の読響を上回っていたのでは、と思えるほどでした。満を持して、というだけあり各所の解釈でなかなか斬新なものが聴けたかな。2楽章の終わり方もびっくりしたし。各ソロも瑕疵はあったにせよ充分聞かせてくれるものでしたし、何よりも思い入れたっぷりの演奏は自分も好きな作曲家だけにより一層見ていてわくわくしますね。難をつけるとするならば、管楽器の音程が吹き疲れからか少し前プロより悪かったような気がしたくらいですが、それも充分許容範囲。アンコールも盛り上がり、実質2時間20分ほどのコンサート。年に一度のショスタコ好きのお祭りだと思うと、これはこれで本当に楽しい恒例行事になりそうです。来年も絶対行きたいな。

最終日、12日は上野の東京文化会館へ、都響の定期を聴きに。席は3階のLブロック。この位置からだと1stVnの真ん中より後ろの動きが見えないのですね。Vnは視界に収めておきたかったので文化会館に行くときはこれから席にも注意して選ばないとなぁ。

プログラムは、モーツァルト/ピアノ協奏曲第25番ーショスタコービッチ/交響曲第10番。指揮はジェイムズ・デプリースト。

文化会館に行ったのは久しぶりでしたが、やっぱり歴史があるというか、正直イスのつくりや客席のつくり方、舞台構造を見てもちょっと古いなぁと。サントリー、芸劇と回ってきただけに余計そう感じるのかも。さて、前半はモーツァルトのPf協。ピアノソリストのコンスタンチン・リフシッツはすごく澄んだ音で、堅実な演奏をするな、という印象。オケと共に私が抱いていたモーツァルトの音を出していたので、リラックスできました。メインはショスタコの交響曲第10番。見所は色々なのですが、前日のダズビとはまた違ってさすがプロというショスタコでした。弦楽器のショスタコービッチダウンも生で見ると迫力がありますね。指揮のデプリーストは見ている方にもやりたいことが伝わってくる、緻密で明快な指揮振りで、すごくアンサンブルも全体の構成も見えて良い演奏でした。都響=デプリーストの組み合わせが良かったからか、2月の2回で都響はちょっとお気に入りになりつつあります。

・・・というわけで、今週はコンサートばかり行っていたのですが、これだけ続くと。金曜にどこにも行かずに帰ってくると・・・何か物足りない気分がしたりして、いや慣れというものは恐ろしいというか、中毒症状というのはこういうことを言うのかな、と思ったりします。
 

2004.2.7
コンサート:東京都交響楽団プロムナードコンサート No.307(2.7)

2月6日、21:30ある悪友からの電話・・・

「お疲れ様です〜」

あの瞬間、平和と安定は侵蝕され、波乱に満ちた冒険が始まった。

・・・まぁひらたく言えば、寝巻きまで着てそろそろ寝ようかというところで、かかってきた電話で1時間もかけて渋谷まで行き、飲んでしまったと、そういうわけです。電話の相手を見た瞬間、もう行動は分かっていたようなものだったなぁ。どんどん行動がバカになってきていることを実感した次第。

2時までワインを2人で2本空けて、その友だちの家に転がり込み朝帰宅。久々に良いペースで飲んだからか二日酔い気味。そんな中昼から向かったのは・・・

サントリーホールでの都響のプロムナードコンサート。都響はこれが自身初。席はちょっと奮発してS席、2階のRBブロック。初めてサントリーでP席以外に座ったのも感慨深いかも。2月はコンサート月間と勝手に決めているのですが、その第1弾。

プログラムはメノッティ/交響組曲「黙示録」ーガーシュウィン/「ラプソディ・イン・ブルー」ーアダムス/ライド・イン・ア・ファースト・マシーンーバーンスタイン/「ウエストサイドストーリー」よりシンフォニックダンス。指揮はジェイムズ・デ・プリースト、コンサートマスターは山本友重。

アメリカ物中心のプログラムで、ラプソディ・イン・ブルーとシンフォニックダンスの2曲は主要なメロディーを知っているものの曲全体はあまり知りませんでしたし、他の2曲に至っては聴くのも初めてでした。こういう時のコンサートって割としんどく感じることもあるものなのですが、今日は2時間がすごく短く感じられたなぁ。クラシックというよりもジャズに近い小品のプログラムだったことや、ミニマルあり、ジャズあり、マンボありと内容も盛りだくさんだったことなど色々あると思いますが、やっぱり演奏が良かったですね。各ソロは勿論、弦楽器の響きがすごく良かったな。よくアンサンブルされているし響きはかなり好きな方かも。指揮も無理なくオケを鳴らせていたと思うし。

一番良かったのは、ラストのシンフォニックダンス。「マンボ!」は生で見た価値あり。ちょっと真面目っぽいかな、という印象はありましたけど。アンコールで同じ部分を再演したときは、ノリノリになっていた人もいてその違いが感じ取れて面白かったですね。ひたすら楽しいコンサートで終演後の拍手もかなり熱烈で照明が明るくなるまでずっと続いていました。・・・ということですごく良かったので、12日の上野東京文化会館での定期公演のチケットもその場で買ってしまいました。
 

2004.2.4
コンサート(出演):東京大学音楽部管弦楽団第89回定期演奏会(1.31)

・・・というわけで、息つく暇もなかった1月は東京芸術劇場での定期演奏会で〆。会場の池袋、東京芸術劇場は今までで一番演奏会に行った回数の多い会場(読響だとかアマオケ多数・・・とは言え10回は来てないか・・・)だったためか、舞台に乗れたことに感慨はひとしおではありましたが、とりたてて緊張はしなかったような。自分がいつも眺めている舞台から客席を見るとこんな風に見られるんだ、ということをかみ締めてリハーサル、本番と弾いていました。なんだろう、もうここはそんなに違和感がないのですよね、自分がいることに。

規模が違うとは言えtuttiの立場として迎える久々のオケの演奏会でもあり、リラックスして望めたことは間違いなかったかな。だからと言って弾けなかったところが弾けるようになる、と言うわけではなかったですけれども。

本番のプログラムは次の通り。ボロディン/歌劇「イーゴリ公」序曲ーコダーイ/ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲ーラフマニノフ/交響曲第2番。

本番は、前プロのボロディンとメインのラフマニノフの出演。前プロには自分でもびっくりするくらい楽に入っていけました。一年前に前プロに乗ったときはこんなに色々なことが見えていなかったよな、と思いながら本当に普段どおりに、トータルでは普段以上に弾けたかな。楽屋に戻る時テンションがすごく高かったし。オケとしても本番の緊張がところどころで事故を誘発していたもののなんとか上手くまとまって悪くなかったんじゃないかな。
メインのラフマニノフは、このオケに入ってからの一番の難曲で、満足に弾けない部分も多々ありましたし、もっと基本的な部分で弓順を間違えてしまったり、個人的には最高ではなかったですけれど、オケ全体としてはかなり良い感じにまとまった演奏になったと思います。3楽章では弾きながら、今までの2年間がフラッシュバックしてきましたし。思えば個人的にもオケ的にも、12月の頭から考えると本当によくここまで来たな、とそのことでいつもの演奏会とはまた違った充実感がありました。こんな曲がここまでできるなら、うちのオケ、マーラーでもブルックナーでも、ショスタコービッチでも!なんとかなってしまうんじゃないかと思ってしまうほど。
アンコールもノリノリで、2年の締めくくりとしては、納得の演奏会でした。

もちろん演奏会後はレセプション→2次会と徹夜で飲み。2年間お世話になった先輩たちがこれで卒団なんて信じられないと思いながらも、今度の練習からは来ないんだと思うとやっぱり寂しい気分だったな。

1日は家に帰って昼まで寝てから、友だちと近くの温泉施設「万葉の湯」へ。久々にゆっくりお風呂に浸かって、ビールを飲んで・・・。演奏会の翌日に温泉は本当に良かったなぁ。これからも恒例にしたいかも。

2日は楽器を修理に。オケに入って本格的にメンテナンスをする(特にニス塗り)をするのは初めて。というわけで2週間近く長期入院なさることになりました。お金もかかりそうだけど、でも必要なものだからなぁ。楽器が戻ってくるまではオケ所有の楽器を使わせてもらうことになりました。
 

2004.1.29
なんとか地獄のテスト週間を乗り切ることが・・・できたかな?戦果は朝鮮語が引き分け、英語は延長勝ち・・・くらいなものかな。それより何よりも終わったことの解放感がすごいな。後は演奏会に向かって残り2日しかないけど頑張るだけ、というすっきりした気分です。1年前を思い返して現状を比べると、今の方が充実していると思えますね。オケに主体的に参加できるようになってきたからかな?

今日はその演奏会前の最後の練習であるGP。各曲を一通り通しました。ボロディンの「イーゴリ公序曲」はともかく、ラフマニノフ交響曲第2番は精神的にも肉体的にも半端でなく疲れました。本番は4楽章まで持つのだろうか・・・と改めて不安も感じたり。・・・しかもこの期に及んで弾けないところもまだあるしなぁ。でもま、それはさておくとしてG.P.という練習はやっぱり特別なものがありますね。

オーケストラに入っていて、自分たちの演奏に感激したりすることはそんなに多くなく、むしろ愚痴ばっかりが蓄積されていくのが常なのですが、G.P.をやっているとああ自分はオーケストラに入って本当に良かったな、と思える瞬間があります。普段の練習のように細かく止めて練習するのでもなく、かといって本番でもない。すぐそこに控えた本番を目標に収斂しつつあるオケ全体の気持ち、集中力を肌で感じることができるG.P.だからこそ、自分が曲を弾いているという単純な事実にすごく感動を覚えるのではないかな、と思います。今日もぶっちゃけてしまうと、演奏は割とムチャクチャではありましたが、あるときすうっと自分の世界から色々な物が消えて、目の前には音楽だけがある、という瞬間を感じることが出来ました。見慣れた練習場所で、この曲をこのメンバーで弾くのは最後だという思いがそういう気分にさせるのかも。とりあえずこのあさってが本番のこの演奏会で4年間の大学オケでの生活の半分が終わり。そういう意味でも2年間の総決算になるような演奏がしたいな。

ラフマニノフも最初の頃はぶーたれていたけれど、今ではやっぱりすごく好きな部分もできたし。
 

2004.1.26
今週は今年最初の山場。留年がかかるテストが2つに、オーケストラは定期演奏会の本番。気は抜けないなぁ、という毎日です。2月になれば自由度は増すのですけれど。

日曜日は2回目のホール全奏。場所は去年もおととしも練習で使ったことのある板橋区立文化会館。さすがにテスト勉強をしなければならない立場で、さらう時間が減少気味(言い訳にはならないのですが)だったためもあるのかまだしっくりこない練習だったなぁ。あと本番までは当日のリハーサルを含めて2回しか練習機会がないですし、自分が特にダメなところはどこかくらいは分かっているつもりだから、もうちょっと迷惑をかけないように頑張りたいな。まずはテストをなんとか終えないとどうにもならないのでしょうけれど。

ホール全奏の後は、なんだかんだ言いつつ、池袋で少し飲み。・・・もうこういうのからは抜けられなくなってますね、ホント。このまま帰ったら絶対に勉強もしない自信があったので、渋谷へ行きスターバックスで閉店の4時まで何人かで勉強。こういうシチュエーションでも整えないと勉強できないのが現状なのですよね。・・・ここでは少し眠いながらも3時間しっかり勉強できて相当良かったです。その後1限の専門のテストを受ける前に1回家に帰ったのですが、今日は初めて駅が開く様子を見ることが出来ました。シャッターが開いたり、電源がoffになっていた自動改札が動いていったり、一つ一つの物が動きをもっていつも見ている姿になっていくのは、結構感動的なものがありました。

1限は人類学概論という講義のテスト。友だちから貰ったノートを前日読んだだけで臨みましたが、うーん、どうだろう。単位が絶対来ないという感触はないものの、絶対に来たとも言いがたいのですよね。でも、それほどプライオリティの高くない科目(実際これで単位がくれば非常においしい話です)だけに、明日以降の良い弾みになってくれると良いのですが・・・。さて、明日からは先学期落とした朝鮮語とこちらも絶対に落とせない英語が2日連続で。負けられないです、絶対に。
 

2004.1.24
コンサート:読売日本交響楽団第52回東京芸術劇場マチネーシリーズ(1.24)

新年2回目(・・・ってもう新年でもないか)の更新はもう1月も末に近づいてしまった季節になってしまいました。うーん、忙しかったといえば、忙しかったのだけれどもなんともパソコンに向かってキーボードを打つ気にならなかった、というのが正確なところかな。演奏会が近くて練習は多いし、留年に関わりがある期末試験間際でさすがに勉強しないわけにはいかない、という事情もあり。

演奏会の方は、指揮者が急病で降板という多分ここ十数年のうちのオケでもなかった事態が発生。代振り、急遽頼んだ本振りと含めて3人の指揮者を同じプログラムで1ヶ月以内に経験するということなりました。本番の指揮者が始めて来たのが成人式の日だったために、指揮者の指揮に合わせるのが大変ですね。完成度ももちろん不安ですし。・・・まぁ、そんなことを言う以前に自分もまともに弾けてないのも痛いですけど。でも、演奏者の立場からは非常に良い経験になりました。テンポや歌い方やそして重点を置いている箇所、して何より曲に対して持つイメージの違いを数日間で感じることが出来、面白かったです。その分混乱もしていますけれど。

いきなり近況になってしまいますが、そんな中で今日は東京芸術劇場へ。来週の演奏会場でもあるから下見・・・も兼ねていたかなぁ?席は例によって当日学生席(1000円)。1階の前から2列目で通常の席割りだとA席(7000円)相当の席です。去年も1回学生券で読響のこのシリーズに来ていますがほぼ同じ場所でした。

本日のプログラムはモーツァルト/交響曲第40番ーショスタコービッチ/交響曲第5番。指揮はマンフレッド=ホーネック、コンサートマスターは藤原浜雄。

前プロのモーツァルトはイマイチ。特に1stVnの音色が気になったかな。カツカツした音の入りや発音で、個人的にはもっと軽やかな発音がモーツァルトのイメージだったので、違和感がちょっとあったなぁ。そんなこともあってか室内楽的な雰囲気も少し薄かったです。テンポは疾走感があって悪くなかったのでは。

メインのタコ5は12月にN響でも聴いたし、来月にもショスタコ演奏では有名なオーケストラ・ダズビダーニャで聴く予定で違いの聞き比べが楽しみな曲でした。席がほぼ最前列だったので、今回の聞きどころはとにかく音が小さい場所。特に3楽章は「これは3階の最後部では絶対無音にしか聞こえないでしょう〜」というとんでもないpも聞こえて(N響の時はこんな音聞こえなかったものなぁ、それとも聞こえるのかなぁ)、聴きに来て正解!
Vnのトレモロも間近で聴くとさすがプロと唸るようななんとも言えない素晴らしさ。正直、自分ではトレモロって普段適当にやっているむきがないでもないけれど、トレモロ一つでソロが生きるんですね。うーん、新たな発見。タコ5は1,4楽章よりもやはり2,3楽章が実際の演奏会では見所だなぁ。普段家でCDをかけている分には意識しない音を楽しむことが出来ますから。
タコ5のもう一つの楽しみである2楽章のコンマスソロは12月のN響の篠崎さんに軍配かな。あそこはもっと人をコケにしたようなある意味でグロテスクな感じが好みなので。
4楽章は冒頭のテンポは遅めの設定で安定感がありましたが、最後の弦tuttiによる刻みと金管がかなり派手にずれて崩壊しかけた気が・・・。どうするんだろうとハラハラの展開でしたが、なんとかギリギリでコンマスが踏みとどまって流れを合わせていました。プログラムにはこの部分について指揮者から言及があっただけにちょっと残念。
全体的には雰囲気にメリハリがあり、テンポ設定も好みに近く、満足できました。ただ全体的にオケtuttiの場面では弦の音が薄い気が。聞こえて欲しい部分で金管にかき消されたり、1楽章の冒頭ももっと低弦が出してくれたら更に良かったのに。
 

2004.1.2
イブ以来の更新が年明けになってしまいました。・・・というわけで、おめでとうございます。色々と企画は考えていながらも結局what's newの更新しかしないサイトですが今年もよろしくお願い致します。

年末近況。
25日〜28日までは沖縄旅行でした。日本の47都道府県の中で唯一行ったことのなかった沖縄県に行って、これで日本47都道府県を制覇です。那覇ではゆいレールにも乗ったし、大体有名な観光地と呼ばれているところは結構行けたと思うので、ガイドブックなぞりの沖縄は今回でオッケーでしょう。次はいつ行くか分からないけれども、次行くときはもっとゆっくりと泳いだりしたいですね。観光施設では、海洋博公園の美ら海水族館と玉泉洞あたりが印象的でした。泡盛も結構飲めたし、楽しかったな。

29日からは大体家にいて、ちょっとばかり外に出る程度。30日からはTVで「N響第九」→「東急ジルベスター」→「ウィーンフィルニューイヤーコンサート」という感じで3夜連続で見ていました。N響はイマイチ。東急ジルベスターは青木先生がコンサートマスターと知っていたらオーチャードへ行けばよかったなぁ。
大晦日は例年ほどテレビに釘付けになることもなかったのですが、まぁ一応サップVS曙は見ておきました。さすがに曙はあれじゃあ勝てないだろ・・・。そう言えば日付が変わってから見た新年初めての番組が、J-SPORTSのWWE。うーむ。

元旦は久々にきちんと天皇杯の決勝をテレビで。磐田の柳下監督が今シーズンから札幌の監督就任ということでもなければあまり魅力のないカードではありましたが・・・。J1の試合は去年ほとんど見ていなかったので、なかなか基準が置きにくかったのですが磐田は総合力は高いと思うのだけど、やっぱり一時期の手をつけられないすごいサッカーはしてないなぁ。あと洋平は一人ファンタジスタ。セレッソは前線は面白いのだけれども、DFが集中できなくなってきてからは粗が目立つ展開。大久保は上手さは感じるのだけど、イマイチ。後半の中山投入以降の流れは面白すぎ。中山投入でモチベーションが異常なまでに代わる磐田、グラウ看板越えイエロー&2枚目退場。アドリアーノよりはましだけど・・・自作自演〜。全体的には面白かったですね。

そうそう、で今年の札幌なのですが、去年のほぼ関係できなかったシーズンに比べれば今年はちょっとは余裕がありそうです(って毎年同じ事思っているな・・・)。というわけで等々力・平塚・横浜・大宮×2、甲府・水戸×1くらいは行けたら良いなぁ。テレビでも見られるのはしっかり見よう。5ヶ年計画最初の年ですから多くは望まず、今年こそ初心に帰って弱いチームを応援するのが大好きな性分でチームを見ていきたいな。実際他チームの補強状況見ていると戦力的にはJ2でも中位の下クラスっていう印象ですから。

今年のチームに望むものを箇条書きするとこんな感じ。

1、昨年以下の成績にはならないこと。目標は6位、最低ラインは8位。勝ち点は最低60。
2、弱いのは明白なので、やる気のない試合だけはしないこと。
3、点差のついた試合でも最後まで失点しない、1点でも差を詰める姿勢が見たい。3840分間の1ゲームだという意識が欲しい。

4、とにかく走り回る試合がみたい。

こんな感じ。今年からはオケも秋口に楽になるし、早く日程発表にならないかな・・・。
 

2003.12.24
オケの練習も月曜日で終わり、いよいよ年末だな、と実感しますね。年末というとやはり飲み。やっぱり飲みの回数は増えてますね。11月の方がアホみたいに飲んでいた気もしますけど、去年に比べれば回数・量ともに増えていますねぇ。クリスマスらしい飲みもしたし、楽しいですけど、女ッ気はないのかよ・・・。

さて、23日はオケ恒例の初見大会。やりたい曲を練習もなしにいきなり楽譜を見て弾いていしまおうと言う、楽しいような怖いような企画です。前日が徹夜飲みだったので、午後から参加。ホルストの「惑星」より「火星」や第九は楽しかったですね、音はさすがに10%も出ていなかったですが・・・。第九はセカンドをやってみましたが新たな発見が多かったなぁ。気がついたのは大変な難曲であるということと、音楽の作り方が少しベートーヴェンっぽくないところ。むしろロマン派の曲を弾いているみたいでした。それは聞いていも他のベートーヴェンの交響曲とは違うのは感じていたことだけれど、はっきりそう認識できて新鮮でした。第九はやっぱり夢の曲だなぁ。是非オケをやっている間にステージでひいてみたいな。

最近1ヶ月間に読んだ本リスト。
三島由紀夫「潮騒」、「仮面の告白」、「美徳のよろめき」、「音楽」
筑紫申真「アマテラスの誕生」
宮本常一「忘れられた日本人」
網野善彦「海と列島の中世」
「芥川賞全集-十九-」(町田康「きれぎれ」、松浦寿輝「花腐し」、青来有一「聖水」、堀江敏幸「熊の敷石」、玄侑宗久「中陰の花」)
感想は色々あってパスですが、共通項のある本を同時期に続けて読むのは理解の側面から見ると、非常によいと感じました。あと純粋に読んでいて話の連環が見えてくるのが楽しいですね。
 

2003.12.20
コンサート:東京大学柏葉会合唱団第50回記念定期演奏会(12.20)

来年のサマーコンサートの曲決めのための総会。事前はマーラー第1番が有力と言われていましたが、蓋を開けてみたら決まったプログラムは自分の予想とは大きく違ったものになったなぁ。
プログラムは、ベルリオーズ/ローマの謝肉祭ーデュカス/魔法使いの弟子ーブラームス/交響曲第2番。
けれども、いつものようにがっかりというわけではなく決まったプログラムにはかなり満足しています。明るいサマコンになりそうで、これで良かったかなと納得しました。後は外務としてたくさんのお客さんに来てもらえるように、宣伝頑張ろう!

夕方は昭和女子大学人見記念講堂へ中学からの友だちが出演する柏葉会を聴きに三軒茶屋へ。去年もほぼ同じ日、同じ時間、同じ会場での柏葉会の演奏会に行ったので、会場に向かう途中も、会場に入ってからもまたこの一年間のことが思い出されてきました。
毎年決まった時期に決まった団体の決まった会場へ演奏会を聞きに行くというのは演奏を聴くだけでなく、こういう副作用もあるのだなぁ、としみじみ。
人見記念はそうでなくても大学1年のサマーコンサート東京公演でステージに乗った場所でもありますし(演奏に関しては全く覚えてないけれど・・・)、思い入れの深いホールでもあります。今回は今までステージ、1階席と座ってきたので、2階席へ。

さて、肝心のステージですが合唱に関しては言及するほどの知識もないのですが(オケや楽器についてはどうよ?と問われるとそれはそれで返答に窮してしまいますが)、去年初めて合唱の演奏会を柏葉会で聴いて、ただただ目新しさに圧倒されていた時とは少し違い、合唱伴奏の本番も緑会で経験したこともあり、割と曲そのものを楽しんだり、声のハーモニーが自然に耳に入ってくるようになってきたかな、というのが2回目の柏葉会を聴いての自分の変化でした。やっぱりオケ生活が2年近くになってきて、少し耳は鋭くなってきているのかな。
曲では4thStageの委嘱初演作品のラストが非常に印象的で、合唱ってこんなことも出来るんだと驚かされました。「ハレルヤ」と歌い続ける中、舞台上から少しずつ団員が退場していき、ステージ照明もどんどん暗くなっていき、最後には舞台上からは合唱が全てはけているのは指揮者だけ、歌は舞台裏からなおも少しの間聞こえ続け、聞こえなくなったところで舞台上の照明がONになり、曲が終わるという終わり方。すごく幻想的で良かったです。
あと、柏葉会はプログラムがすごく凝っていますね。合唱団ってオケよりおしなべてプログラムに力を入れる傾向があるような気がしますが柏葉は別格に凝っています。表紙はとりあえずびっくり。
 

2003.12.19
美術館・博物館:国立近代美術館「旅展」(12.19)

定期演奏会の練習は、ラフマニノフの4楽章はまだまだ譜面を並べられるかどうか?という段階ですが、他の楽章についてはそろそろ回りを気にする余裕が出てきたかな。ただ単にうぬぼれかもしれませんが。自分なりに今回の定期の目標は3連符だったりします。ラフマニノフには1・3・4楽章に3連符が頻出なのです。特に3楽章はクラリネットソロを乗せる役割が2ndVnにはあるし・・・全奏中ではまだ指揮につけきれていないですけど。
今週の練習で一番新発見があったのは、木曜の弦分奏に来た堀了介先生の練習。「イーゴリ公 序曲」冒頭のコラール部分を例にとっての和音の変化によって弾いている側が自発的に出す音、引っ込める音を意識するという練習。自発的に音楽に参加するということは、多分こういうことをすることなんじゃないかと気づかされましたね。

木曜で一サイクル終わった気分になって、今日は国立近代美術館へ21日まで開催の『旅ー「ここではないどこか」を生きるための10のレッスン』を見に竹橋へ。竹橋で降りるのは初めてで、毎日新聞本社を見たり東京に通うようになってもう10年近いのにまだまだ見ていないところがたくさんありますね。東京が広いのか、自分の世界が狭いのかどっちだ?
さて、旅展は溝口修造の「リバティーパスポート」に始まり、雄川愛のインスタレーション「New World」まで10人の様々な種類の作品が展示されているのですが、個人的に印象深かったのは、一般的に「旅」から連想されるような展示の写真よりも、「旅」との関連性がパッとは見えてこない作品でした。全体としては今年行った美術館の展覧会の中でも(っていうほどには行っていないですけれど)一番充実していました。

一番心を奪われたのは、大岩オスカール幸男の「WWW.com」と「ガーデニング(マンハッタン)」。
「WWW.com」は店の軒先に肉のようなものが吊るされている光景。それをよく見ると毒々しい朱をしたその肉一つ一つが世界各国の形。それが見えてきた瞬間、題名のWWW.comとの繋がりが見えてきて、空恐ろしい気分になりました。でも、目が離せない、そんな作品でした。
「ガーデニング(マンハッタン)」は、マンハッタンの鳥瞰図の全体に花が広がり、マンハッタンの上空全体が一つの花園になっている絵。喩えようもなく美しい光景である反面、グロテスクさをも内包しているような印象でした。

他には、ビル・ヴィオラ「十字架の聖ヨハネの部屋」と雄川愛「New World」のインスタレーションが五感に不安と期待を煽るように訴えかけてきて、印象的でした。

旅、というのは難しい問いだというのはずっと考えてきたのですが。旅を日常からの離脱と考えると旅は解放の側面を持ちます。日本において、あるいは世界の多くの国で近世までの旅は巡礼と分かちがたい関係にあり、巡礼としての旅を経ることで個人の人格に聖性が付与され、ある意味で新生した人となってまた元の社会に戻っていったのだ、というのはどこかで読んだ話。今現在においても、この要素は意外にあると思うのです。日常のリセットと非日常からもたらされる昇華。それは、とれだけ遠くへ行って来たかではなく、どれだけ遠くへ行けるのか、なのだと思います。それは今いる位置との距離を測る対話であったりもして、ふとした瞬間に作品の目の前にいる、生活圏とは違う場所に立つ、自分を遠くから冷静に眺める、そんなものであるとも思うのです。
 

2003.12.14
コンサート(出演):東京大学法学部緑会合唱団第47回定期演奏会(12.13)

13日は緑会合唱団の本番。色々な意味で新しい体験でした。まず、舞台上であれだけ冷静になれた演奏会は多分今までなかったなぁ。もちろん、普段の演奏会に比べてあくまで合唱の伴奏なんだという気持ちがあって、それで自分が主役!みたいに弾こうとは思わなかったこともあるし、編成が小さいとは言え合唱とソリストと合わせるためには本当に冷静に聞きあわせをしなければならないこともあるし、いくら直前1週間でさらったとは言え、こう言っては合唱団の方には申し訳ないけれどいつもの演奏会に比べると完成度の点で不安があったことも事実であるし・・・。なんというか、冷静に対処せざるを得ない状態であったことは確かなのですよね。でも、楽しくなかったかと言えばそんなことはなくかなり楽しかったです。不謹慎ではあるけれども、舞台上で起こる事故を把握してそのリカバリーの具合を追ったり、あとは自分が純粋に弾いていて楽しい箇所もあって。

曲の出来はメンデルスゾーン「詩篇第42番」については最低限の役割は果たせたかな。難曲とされていた3曲目の1stと2ndVnが延々掛け合うところはさすがにアンサンブルがかなり乱れてしまって、音が並びきらない・発音し切れないパッセージがあったのは残念。終曲のメンデルスゾーンらしさのにじみ出た早回しは大体良かったけれども、まだ音程が甘い箇所が多々あったなぁ。他の曲は一応無難にこなせた感じだけれども、独唱曲では(いや、オケでも!)それよりもソリストのニュアンスに合わせる難しさを実感しました。

アンコールはモーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。オケだけの出だし2小節で何が起こったのだろうか?と思ってしまうほど崩壊したのが心残り、すごくシンプルで静謐で綺麗な曲の怖さを改めて知った思いでした。来年機会があったらまたリベンジしたいな。

色々ありましたが、合唱と共に弾くのは楽しい体験でした。
 

2003.12.12
定期演奏会の2週目。全奏は初サイド。手も足も出ない感じでした。後ろのプルトだと出来ることでも前に行くと、他の色々なことにも注意を向けなくてはいけないし、結果まだ譜面を追うので精一杯な段階では物理的に落ちてしまうことも多くて。力不足を実感しましたね。

水曜日は午前中に損保ジャパン東郷清児美術館に「ゴッホと花展」を見に行きました。何よりも久々に新宿の高層ビルから東京を眺められたのが良かったですね。何ちゃらと何ちゃらは高いところが好き、といいますけれどやっぱり見晴らしの良いところに行くのは気持ちの良いものですね。平日の午前中で展覧会のテーマが花ということもあり奥様方の姿が多くて、なんだか居心地はあんまり良くなかったなぁ。その夜はパート練の後ディープな徹夜飲み。大学生してるって思いました。これからは忘年会も多そうで、かつてない量の酒を飲む月になる・・・なんてことはないようにそれなりには自制しよう。札幌の横断幕みたいに「俺たちにアウェイはない」ならぬ「俺たちに休肝日はない」なんちって・・・。ちなみに木曜日は人生初でおそらくこれからもないであろう(ないであろうことを祈りたい)壮大な電車の乗り過ごしまで経験してしまい、ますます大学生チックになっています。

さてさて、なんてバカばかりやっているようですが、明日は緑会合唱団の本番です。メンデルスゾーンの詩篇第42番。初の合唱合わせでの本番だからどんなものになるか楽しみだなぁ。さすがにこの1週間毎日さらったからなんとかなるだろうし。
 

2003.12.7
土曜日はほぼ何もなすことなく家でゴロゴロ。最近は家にいると本当に何もしていないのです。以前みたいにゲームに熱中している方が、物の方向性としては前向きかも知れないと思ってしまうほどです。うー、そろそろPS2を本格的に買いたくなってきたな。

今日はそれとは正反対に、1日をフルに使ったという実感がありました。家を8時に出て10時過ぎには学校へ行き、すこし楽器をさらって午後は御茶ノ水女子大で緑会の最後の練習でした。あまりにも色々な事があった関係でほとんど練習していなくて、最後の練習だと言うのにまだ譜読み段階だったりするのですが、なんとか今週末の本番までには間に合うようにさらおう。ただで行けるレセプションで美味しい酒を飲むためにもね。練習後はまた学校へ戻って今度は定期のラフマニノフを。いくらさらっても終わりが見えないのが辛いです。1楽章はテンポが揺れなければそれなりに弾けるし分かるのだろうけれど、センチメンタリズムを地で行くラフマニノフじゃあそれは考えられないから全奏で慣れていくしかないなぁ。・・・なんて考えていたらパートリーダーから明日の全奏のサイド指名を受けてしまいました。うわー、迷惑をかけないために明日は全奏前に音を少しでも体に覚えこませるようにさらわなければいけないなぁ。そんなこんなで久々にこれ以上はムリ、ってくらいにさらって帰宅しました。

最近めっきりサッカーについて触れていないですが、札幌に関してはちゃんと情報をチェックしています。なんとか天皇杯3回戦進出できたようで、最低限のノルマは果たしたのはめでたいですね。決勝までたどり着いてくれなければ観戦は出来ないですけど。
 

2003.12.5
コンサート:NHK交響楽団第1502回定期公演(12.5)

ほぼ1ヶ月ぶりに翌日に目立った予定のない金曜日。なんだかだらだらしてしまいがちでしたが、夕方N響の定期公演へ行ってきました。N響を生で聞くのも、バカでかいと評判のNHKホールで聞くのも初めてで、しかも曲目が全て自分が良く知っているブルッフ/バイオリン協奏曲第1番、ショスタコービッチ/交響曲第5番、更には指揮が何枚もCDを持っているクルト・ザンデルリング息子ということで行かないわけにはいかない条件が勢ぞろいしていました。

NHKホールは学生優待で3階のD席。もっともっと舞台が遠いかと思っていたのですが、想像よりはよく見えました。けれど、やはり他のホールに比べるとクラシックを聞くという点での一体感は薄いかなぁ。席のせいかもしれないですけれど、全体的に音が薄い気がしました。

さて、演奏は前半のブルッフはソロがウート・ウーギ。自分が今まで聞きなれていたブルッフとはテンポやための具合が違った解釈でした。全体的にはソリストのテンポの揺れにオケが対応しきれない印象で、ずれは目立っていましたが、ソリストの音はさすがに良かったですね。3楽章は自分も今レッスンでやっているので興味津々でした。3度の重音の音程がすこし微妙だったのと、テーマの弾き方が好みとはちょっと違った点は残念でした。とはいえ、10度の重音はぴったりと当てていたのにはさすが。やっぱり3度音程って難しいんだな、と実感しました。ソロアンコールはパガニーニのカプリスをメドレーっぽく編曲したもの。これはもうノリノリでたっぷりと超絶技巧を見せてもらいました。ブルッフよりも面白かったかも。

後半はショスタコの5番。クルト・ザンデルリングの息子がどういうアプローチをするかが注目でしたが、かなりテンポに振幅があったように感じます。正攻法のアプローチというよりは少し熱演系だったかな。自分のショスタコ像とは若干ずれがあったかも。感想は1,4楽章<2,3楽章でした。ゆっくりと歌い上げる楽章が非常に旋律が美しくてショスタコの5番のイメージを変えてくれるような演奏だったと思います。2楽章のバイオリンソロは、コンマスの篠崎さんが色々と遊んでいて思わず笑ってしまいました。1,4楽章はすこし演歌調で、ショスタコ本来の持っているものとはすこし違う気がしましたが、まぁ4楽章の最後の盛り上がりでオールオーケーでした。やっぱりショスタコの使う打楽器群は生で見ないことにはその迫力が伝わりません。CDでこの5番は色々な演奏を聞いたけれども、やっぱりショスタコのショスタコたる良さを感じるには生だなぁと思います。ということで、かなり堪能させていただきました。これだけ楽しめて学生は1520円なのだからお得ですね。
 

2003.12.3
月曜からは正式に定期演奏会へ向けた練習サイクルが始まりました。月曜日は駒場祭後初の全奏。ラフマニノフは未だに自分はともかくオケ全体としてもボロボロの状況で、これって本当に1月末に東京芸術劇場で演奏できるのかな?とさすがに危機感を感じてしまいましたね。やっぱりやる以上はそれなりの形で来てくれる人に届けるのが、義務であると思いますから、しかも結構高いチケット金額設定をしているのですからその金額で買ってくれるかどうかはともかくそれだけの責任は果たさないとなぁ。とりあえずの目標は今週中になんとか音並べを完了させて、来週は1,2楽章を中心にまともにさらいはじめて、再来週は3,4楽章・・・という風に12月で一通りさらって1月からは積極的に曲に参加できるようにする、というプランで行きたいですね。さて計画通り行くでしょうか。

と定期演奏会に思いを馳せてみても、やっぱり駒場祭が終わって一つ重責から解放されたという感は拭えないですね。心にもやっと余裕が生まれたようで、久々にDVDを借りてきて見たりしています。熊澤尚人「陰陽師 妖魔討伐姫」、ジェームズ・マンゴールド「ニューヨークの恋人」、ピータージャクソン「ロード・オブ・ザ・リング」など。

「陰陽師」はこの手の話が好きなこともあって借りてみましたが、安藤希もいまいちだったし、全体の話もB級の域を出なくて、うーん?
「ロードオブザリング」はとりあえず映像がすごいですね。FFを実写化という表現はこの劇中の風景や造形がほとんどCGであることを考えればあたらないのかもしれないですが、ともかく、やっぱりこういうファンタジーものには単語の一つ一つや展開にすっかり自分が慣れきっているので、安心して見られました。
「ニューヨークの恋人」が借りてきた中では一番良かったと思いました。まぁ割と、話自体は破綻しているというか少しでもまともなSF読み( 僕はそうではないですけれど)が読んだら、物語の設定の破綻を指摘しまくるのだろうってくらいにファンタジーとしての設定は適当なんですが、この話の主眼はそんなところにはないから良いのか。まぁ、結局この話はですね、メグ・ライアン最高!の一言に尽きてしまうのです。もうお約束のラブコメでどうってことないのだけど、見終わってほっとできるし、前向きになれたのが良かったなぁ。久しぶりに自分も何物かを生み出したい、という気分になりました。
 

2003.11.28
少しずつ日常への復帰、若しくは本来正常とされている学生生活への回帰を図りたいな、と思っています。けれども、すぐに始まった定期演奏会の練習で、改めてラフマニノフの難曲ぶりが明らかになりまして、冷静に考えたら本番まで2ヶ月足らず。その前には緑会の本番も控えているということもあって。なかなか落ち着けなそうな予感がしています。とりあえずここ1週間くらいはないやる気を奮い起こして、音くらいはちゃんと並べなきゃなぁ。

最近読んだ本。フィリップ・プルマン「黄金の羅針盤」、三島由紀夫「午後の曳航」、松本清張「点と線」、桐野夏生「光源」「ローズガーデン」。割と広いジャンルに渡って読めたかな。これからは国文科に進学もすることだし、本はもっともっと読み込まないといけないなぁ。

一冊ずつのコメントを。「黄金の羅針盤」はとりあえずそこまで素晴らしいわけじゃないけれど、お約束を忠実に押さえてあって、FF世代にとっては安心感がある印象。続編が出たら惰性で読んでしまいそうです。

三島は高校時代に読んだときは難解で(今でも文中に出てくる語彙レベルが充分難解である、という気はしますが)読んだといってもあまり理解できなかった気がしましたが、今読んでみると結構文体に惹かれるものがあるなぁ、と。これからはもっと読むべきだろうな、と感じました。

松本清張はこの期に及んで初めて読みました。鉄道ファンだった身としては知らない時代ながらも純粋に急行列車の名前とか、連絡船とか、廃止になって路線名がたくさん出てきてそれだけで楽しかったですが、物語自体もすごく古典的な形というかこの手の鉄道を使った推理小説の走りだけあるな、と感心しました。まぁ一箇所だけご都合主義にすぎる点があったような気もしますが・・・。

桐野夏生はこの前に読んだ「玉蘭」が個人的にイマイチだったので、「光源」にもそんなに期待はしていなかったのですが、これはヒットでした。桐野夏生らしいハードボイルドなテイストに映画を巡って絡み合う様々な人間ドラマがマッチしていて、一気に読んでいけました。この人はやっぱりファンタジーに走るよりも絶対リアリスティックな世界を書いた方が良いですね。「ローズガーデン」は探偵村野ミロシリーズの番外編的な短編集。こっちは素材の選び方が正に桐野夏生でこれは期待通りでした。
 

2003.11.25
駒場祭が終わりました。昨日、特設ステージでベートーヴェンの演奏を終えたとき、そして指揮者の先生に花束を渡されて思わず泣いてしまったとき、舞台裏に引けてから感情を抑えられなくなったとき、その一瞬一瞬に今まで参加してきたどんな演奏会よりも自分がこの駒場祭の演奏に賭けていたこと、そして今まででは味わうことのできなかったより深い充実感を味わえたことを実感しました。本当に絶対に忘れられない1日でした。

それまでの駒場祭期間は恒例の室内楽喫茶。事務面でも仕事はほとんどなく、自分の出演はヴィヴァルディのVn協奏曲「四季」より「冬」の2ndVnということで演奏面でも別にたいした事をしたわけではなかったですが、それでも演奏前は緊張しましたし、事務的なことでも最終日の本番に向けた準備で大忙しでした。そんな中でも特設ステージで演奏する他の団体の公演を見たり、高校時代の友人の演奏を見に行ったりと、去年よりも他の企画を見て回ることもできました。

本番は、全員が集中して良い音楽を出来たのではないかな、と満足しています。もちろん100%じゃないけれど、みんなが今の自分を精一杯表現しきれた、そんな雰囲気がステージ上にあって、このメンバーでやるオーケストラに参加して、運営に携わることができて幸せだな、と感じました。撮っていたビデオを見ていても、すごく一体感もあるし、音楽の方向性も見えたし、緊張感がプラスに働いて、自分たちの音楽に自信を持って、講堂を埋め尽くしてくれたお客さんに音楽を届けられたと思っています。

これまでの人生でここまで、何かをやりきったという思いを抱けたのは、初めてでした。それを成し遂げるのに、多くの人の支えがあったことも忘れられません。全ての人に感謝を。そして、最後の片付けを終わって、一人無人の講堂の電気を消していって、入り口の扉を閉めた時、この楽しかった「夢」の時間が終わったんだな、と今でも実感はないながらもどこか心の隅で感じ始めたら急に力が抜けてしまいました。今日は、もうほとんど廃人みたいな状況です。しばらくは浮上できないでしょうけれど、実は3週間後には、緑会の本番があるらしいので、それまでにはなんとか浮上したいな。

去年と比べたとき、確実にオーケストラで演奏することに対する喜び、単純に楽器を弾ける喜びが自分の体の中に染み付いてきている気がします。まだ弾きたいと思う曲がいくらでもあるし、ただ単に音を出すだけでも楽しいし、どうしようもなく不安な時も楽器を弾くことで救われている自分をこの駒場祭期間中に発見しましたし。

でもま、しばらくは遊び暮らします。