もう嫌だ。
嫌だ、嫌なんだ。



嫌い、ないし嫌なんだ



頭が痛い。
目が乾く。

着替えもせずに、放課後の教室で一人、
椅子に深く腰掛け机に肘を付け、頭を抱える。
目を閉じていると頭の痛みが強まる気さえする。
両の手から覗く口元から、もはや溜息以外なにも出ない。

上履きと床の摩擦音、否応なしに突きつける存在感。
何で君は、そんな人種なんだ。

僕の心中にお構いなしに、君は僕に視線を傾ける。
声を掛ける。
本当は僕の心中を知ってるくせに、あえてしているのかもしれない。
いや、そんな甲斐性がこの男にあるわけがない。
いや、そんなことはどうだっていい。
僕はその顔をど真ん中の視界に入れる。
嗚呼、不変を絵に描いたような男だな。

不面目を調べようとして、不毛を辞書で引いて柄にもなく滅入った僕。
そのくらいのところに、僕はもうきている。

もう、やめたい。
こんな一方的で気色悪いもの、消してしまいたい。

「おまえは何がしたい?」

だって君、僕のこと好きじゃないじゃない。
僕のことどうだっていいじゃない。
君に話しかけられない日、君と目が合わない日、君の声色が違う日、
僕がどれだけ絶望を感じるか。

どうでもいい風に僕を見る。
誰とでも一緒の顔をして、僕に接して。
そんな君を特別視している僕。

空しい、虚しい。

「おまえは何がしたい?」

聞かれて、僕は何も答えられない。
返事に窮するなんて、僕が最も嫌うことなのに。

僕は切り返しに2秒かかったのちに、いつもの顔をして君を見た。
君は本当にどうでもいい風に僕を見限った。
一人にされる教室は、本当に広い。
どんなに明かりが灯ろうとも、関係なしに、僕は落ちていく。

「おまえは何がしたい?」

笑っていいよ。
僕は今になって気が付いたんだ。

君に助けてもらいたい。




イイワケ
何か書こーと思って勢いで書きました。 不二は絶対報われないんだろうなーとやっぱり思います。
それにしても塚不二は一番書きやすくて助かる。
05.08.16