けだるい吐息とベットの軋む音、偶に漏れる嬌声。汗ばむ肌と、それに比例するようにな、獣のように貪り合いながら得る快楽。飽きることなく繰り返される痴態。それなのに何故か重なり合う2人は、その行為に没頭している。虚しさを形にしたら、多分こんな感じだと思う。
「喉乾いた」
事の後は必ず水を摂る。疲労感を補うというよりも、喉の渇きを潤すというよりも、渇いた気持ちに恵を与えているように覗えた。
「ボクさぁ、最近疲れやすいんだよね」
冷蔵庫から取り出した水の入ったペットボトルを、一口飲むと、形の良い赤く艶っぽい唇が奏で始める。
「手塚の所為だと思うんだけど、自覚ある?」
ギシリと音をたてて、ベットに腰を下ろす。さっきまでの一体感も、ひとたび終えてしまえば跡形もない。夢での出来事ではないのだけど、現実味があるわけでもなく。凍った君に愛撫を加えても、結局溶けることもなく。
「最近の君って、ちょっと突っ走りすぎじゃない?」
妖しく微笑む唇は、てらてらと光を帯びていた。目が細く笑ってる。何を考えているのか分からない。君が分からない。
「ボクのこと考えてない証拠だよね」
「違う」
「違わない」
「・・・・違う」
如何に身体と精神の統一性を説いた所で、何が如何こう変わる訳では無いけれど。自分の気持ちは思いかけず素直だった、情緒よりも先に手が出た、そういうことだ。なのに分からない、不二の言葉が分からない。伝わってこない。同時に、伝わってもいない。君が分からない、君だけが分からない、言葉が通じ合ってない。只でさえお互い言少なであるのに。疎通が生まれるはずもなく、
「手塚って、結局ボクのこと嫌いなんだ?」
生まれて初めて味わう劣等感に、只只困惑するばかり。
イイワケ
えーっと・・・塚不二両思い、でも行違い!的文だと思います。「コンテージョン」の手塚と一緒ですかね。「劣等生モノ(?)をしよう!」と思った時は、こんな感じではなかっと思うのですが、如何せん忘れてしまったのでございますよ・・・ですからこの様なブツになってしまったんだと思われまッス。弱い攻めは手塚にしか出来ないと、勝手に思っています(笑/何だそれわ)
ま、何でも出来ちゃう手塚部長は、恋愛に関しては全然優等生じゃないぞーっていうお話なんです。
01.11.29