き み は す き




「不二くん」


少しの真剣さが交じり合った笑顔を浮かべて、


「好きだよ?」


ほんの少しの刺を含んだ優しい口調を垂れ流す。
そんな君にイライラする。何も知らないその全て、どうにかしてよ。


「・・・僕のどこが好きなの?」

「そうだなあ・・・ウーン、分かんないや。
でも好きに変わりないんだ」


ねえ、笑いながら普通に言いのけられてもね、って感じだよ?
理由見付けられないで、何が好き?
僕を知りもせず、よくそんなこと言える。

君が思うほど僕は真っ白でもないし
泣きもするし嫌な顔だってするよ。

君は僕の笑った顔しか見たことないんでしょう?
そんな君に好きをもらって、僕が喜ぶとでも?


『不二くんもそんな顔するんだ』


そう言うであろう君を、受け入れる理由なんてある?


「不二くんも俺んこと好きだよね?」


微笑み返すこの意味を、君はまだ知らない。
そもそも自から教えるつもりこそない。
無知な君が全部全部悪い。


「俺ねえ、とっても好きだよ不二くん。
両思いって嬉しいもんなんだねえ。不二くんも嬉しい?」


無知な君に好かれたって
嬉しくない。


けど、
君は好き。








イイワケ
速攻出来た(笑)好きなことは好きだけど、簡単に好きとか言ってくれる千石について、みたいな。「そうであっても」の不二視点のような気がしないでもありません。幸せモードじゃない千不二って楽しいなあ!!(こんなこと言ってんの私だけなんだろうナ…)
02.06.24