受 身 型 嘘 吐 き
















 

 

 

 

 

言葉を信じない不二は、オレの言葉を信じない。もしかしたら、オレの存在そのものも信じてないかもしれない。というか、多分関心がないんだ、オレなんかには。だからこっち見てほしかった。でも逆にオレがあっちを見るはめになってて、気が付けば夢中になってんのはオレだった。


「好きだよ?」

「そう」

「本気でだよ?」

「そう」

「不二の為なら何でもするよ?」

「そうなの」

「信じてないの?」

「確信させるものがあるの?」


例えば、携帯のメモリを全消去したら信じてくれる?思うけど、実行は出来ないよ。無反応の不二がいるに決まってるし、オレには慰めのコールとかメールとか必要不可欠だから。


「でも好きなんだよ」

「ふうん」

「こんだけ言っても伝わんないの?」

「信じてないの」


例えば、ここで不二を犯せば信じてくれる?思うけど、やっぱり実行は出来ないよ。自分から嫌われるようなこと出来るほど鈍感じゃないよ。


「好きなんだよ、好き好き好き好き、不二が好きなんだよ」

「うん」

「どうしたら信じてくれる?」


例えば、君の為なら死ねるとか言って果てれば信じてくれる?思うけど、やっぱり実行は出来ないよ。オレはそんなに被虐的でも厭世家でもないし。メランコリーな情緒は持ち合わせてないし。こんなで死んだら間違いなく成仏しそうにないし。これで不二がオレの気持ち気付いてくれたとしても、オレがいなくなってたら元も子もないじゃんて、当たり前の気持ち持ち合わせてるし。どうせほんとの所、不二はそれでもふうん、で終わっちゃうだろうし。


「僕を」

「え、なに?」

「僕を」

「不二?」

「僕を殺してくれたら」

「え?」

「僕を殺してくれたら信じるよ」


どういう理屈だよ、と吐こうと思ったら眩暈。立ち眩み。オイオイ、しっかりしろよ足。倒れてる場合じゃないっしょ。


「僕のために、何でもしてくれるんでしょ?」

「そんなの―――」

「嘘なの?」


出来るはずないじゃん、の言葉を遮られる。


「嘘吐いたの?」


傷付いたような瞳でこっちを見る。何でそんな目が出来んの。信じてないって言ったばっかじゃん。なのに何でそんな傷心めいた目が出来んのさ。


「冗談キツイって」


切羽詰って、やっとのことでそれだけ言うと、不二は俯いて、そしてまた顔を元の位置に戻す。表情が変わってた。不二は本当ににこやかに微笑んでた。


「僕を殺してくれたら信じるよ」


勝ち誇ったような笑みを浮かべ、両手をいっぱいに広げ。何てことを言うの。ちぐはぐ君め。


「さあ、英二」


薄れゆく意識と視界の中、不二は一生オレを許してくんないんだろうと思った。



















イイワケ
「ない者ねだり」の彼らな雰囲気ですね〜とか思いますが、よく分からんモノな御味ですね☆
人間不信不二。自分に好意を持つ人間を信じらんないです。だから菊ちゃんが自分のこと殺せるはずないのを知った上での発言してんです。確信犯です(笑)そうまでして人間不信な自分を確保して、自分を守ってんです。っつー話なんでしょう…なァ…(えー?)書いてて出来たっつーか、珍しく頭の中で出来た話なんで、意味付けがあんま出来ないんですー!ギャー!(乱)
02.02.05