どうしたらいいのか。
どうしたらいいのか。
どうしたらいいのか。
「ゆうた」
声を掛けると、なかったことにされてしまう。
僕は、君と共通の好きなものが見付かって、
嬉しくて、うれしくて、
だから人より上手くなってしまった。
それだけだったのに。
「ゆうた」
名前すら届かなく、なってしまった空間が、
堪らない。
死ぬことができない。
だって優しい裕太は、僕が消えたら自分を責める。
僕は僕で裕太を傷付けたくなんかない。
だけど僕がいることで、
僕は裕太を苦しめてる。
寝ている君の額に触る。
君の健やかなる寝顔を見る。
君とで成り立つこの部屋にいる。
寝息が漏れるたび、
僕はこれでいいような気がしてくる。
僕は。
僕は。
ただ君がいて、
ただ僕がいて、
それでもういいんだって思っている。
だけどそれで済むわけないことも分かってる。
だけど、
だけど、
僕を認識するたび、みるみる変わる色を見て、
僕の左の胸はぎゅうと掴まれる。
「ゆうた」
ねえ裕太、
僕は、どうしたらいいのかな。
07.01.17