僕は彼に裏切られました。

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" ヘルプミー " セッド トゥーユウ




僕の心を鷲掴みにした彼は、酷く冷静で賢くて強くて、僕の羨望を一身に浴びていた。彼がコートにひとたび立てば静寂が立ち込め、空気は一変し、見る者全てを捕らえて放さない。僕の関心と興味は彼に注がれ、そして又彼も僕に関心を持ったようだった。多分、彼が頂点を極めた物において、僕は周りの中で1番彼に近かったから、だから僕らは親しくなった。普通のクラスメイトと何ら変わりなく、彼は僕に接した。だから僕もそんなふうに接した。そして僕らに1つ、生まれたものがあった。時間をかけてゆっくり作られたもの。それは暗黙の信頼。僕らはお互いに依存こそしなかったけど、頼りにはしていた。彼と一緒にいれば安心したし、頼り甲斐があったから、お互い同じ目線の高さで物事を話したり、色んなことに取り組んだ。

それを壊したのは、他でもない彼だった。


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僕はいつものように彼を家に招いた。
毎週水曜は、彼は僕のうちで夕食を食べる習慣がついていた。お互いの得意科目を、お互いに教え合うというのが僕らの中で合って、それが僕のうちで行われていた。お互い細かい所が気になる性質で、勉強会は遅くまで及んだ。だから母の勧めもあって、彼は夕飯をうちで食べることになった。その日がテスト直前の場合、彼は僕の家に泊まることもあった。それほどまでの距離になっていた。今まで僕の家に泊まったことがあるのは、英二と彼だけで、母は仲が良いのねと言って喜んでいた。
その日、家には誰も居なかった。ダイニングテーブルの上に、親戚の葬式に行くから夕飯は温めて食べておけという、母の文字で書かれたメモが置いてあった。その横にはラップの掛かったシチュー皿が2つ置いてあった。2つということは、姉さんは今日は遅いってことだ。よくあることだから別に何も気にせず、自室へ2人分の足音を起てて階段を上がった。本当にいつもの日常が行われていた。

それを壊したのは、他でもない彼だった。


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「やめてッ、やだ、やだァ・・・・・・!」


手塚に影が過ぎった、と思った瞬間アレ、と思った。予感がした。そういう雰囲気であることを悟った。怖いと思った、初めて手塚を。眉間に刻まれた皺とか、ぐっと力んでる唇とか、すごく威力のある鋭い目とか。僕は反射的に、背を手塚と反対側に反らす。でもそこにはもたれていたベットがあって、僕の動きを遮った。そして更に僕を遮るもの。者。僕の隣にいる者が、僕の太股を両手で跨いで顔を近付けた。彼の顔には影が出来ていて、本当に険しくて、知らない人が目の前にいた。両手で迫る肩を押しのけようと力を込めたけど、体重体型体力、何一つ勝てるものはなくて、自分の膝と手塚の手を視界に入れながら言葉で拒否をした。でも圧迫感は増すばかりで、僕は屈辱と恥辱と虚しさ、悔しさを噛み締めながら、痛みを受け入れるしかなかった。天井がやけに遠くてもどかしかった。


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n e x t








イイワケ
「何を書いてるのピカ子さん?」誰もが思ったことでしょう。御尤も。アタシもワケが分かりません、本気で。しかも何故続けてるの自分ーーーッ!!アホだ、ここにアホがいますよーー!!何だこのムッツリ手塚は!アタシの手塚像はこんなじゃなーいーのーにー!!まぁムラムラきちゃったんですよ、手塚さん。てゆーか続けてほんとに大丈夫なのか自分。
02.01.16