僕は嘘ばかり吐くけれど
「ケチ」
と言われても、僕にケチってゆう自覚が湧かないのは僕のせいじゃないと思う。
「不二クンのケチケチケチケチケーーチ!」
連呼されたって・・・ねえ、って感じは相変わらずで、僕は呆れてため息をついた。それがまた気に食わないらしく、僕より少しだけ背の大きい、オレンジ色した髪の毛の人は、
『ドケチ』
と、ぶーたれた口で音を出さずに言った。なのにコレすらもうるさく聞こえるってどうゆうこと。
「いいじゃんよ別にさー・・・」
未だブーブーうるさい人は、ごろんとベットに仰向けになった。つまり諦めた、ってこと。
「だって好きじゃないのに、僕は出来ないよ」
隠された主語、それはキス。いつもこの人は、しつこいくらい僕にキスをせがむ。だけど一言僕が嫌と言えば納得してない顔して、コレは引き下がる。そうすると、決まり文句みたいになったお馴染みのセリフを言うんだコレは。
「ケチんぼう」
今のはちょっと違うけど、色んなバリエーションがあるらしい。
「なんだよもー、好きじゃないって。俺のどこが好きじゃないって言うんだよー」
ドタバタ足をベットの上でやって、ボスボス音をたてながら今度はわめく。
「好きじゃないってゆうか、早い話、嫌いだから」
ニコニコしながら僕がそう言い終わるなり、ガバっとベットを軋ませながら跳ね起きてカツゼツ良く言った。
「あんまり嫌い嫌いって言ってると、好きって言ったって信じないからね!」
・・・ソレはちょっと・・・困るから、
「言う機会ないから別にいいよ」
逃げてみたら、千石クンはキーとか言ってうるさくなった。