土方さん、あのね、
僕、気付いたんだ。
どうしたら土方さんを悲しませないか。
あのね、とっても簡単なことだった。

傷を付けて、放り投げて、笑いかけもせず、
土方さんから一番遠いところに行けば。

あなたのせいで傷付いた僕を、
ひとたびあなたの前で露呈こそすれば。

僕らはきっと破綻して、それで終わりになって。
土方さんが僕を呼ぶことさえもなくなって。
なかったことみたいに、してしまえば。

想像の中で傷付く土方さんの後姿に、
胸は踊り、そして軋む。

駄目だ。
傷付くあなたが歯止めになっているのじゃない。
あなたの怒声が浴びれない侘しさが、自制している。

ごめんなさい、やっぱり僕、
最期にあなたを泣かせてしまう。

ごめんなさい、
土方さんを誰より大切に思っているのに僕は、
僕は自分の願望を最後まで優先します。

ごめんなさい、
ごめんなさい、

自分を失っても、
あなたの声だけは失いたくないよ。




2005.9.14