と・思うが

時代逆行の勧め 

今や、大企業へのCall Centerへの最初のインターフェースは、人でなく、システムが殆どのようだ。 音声ガイダンスに従っ  て、電話のプッシュキーを押して行く。 
説明の途中でキーを押す事も、最初の説明でなく、途中でわかる場合が多い。 また社内の教育用に録音をするとの説明も 必 ずと入っているようだ。  
0120から始まる無料でのサービス提供だから、このプロセスが実に効率悪く、時間がかかっても問題ないと考えているのだ  ろうか。 また企業によって多少の内容の違いがあるが、実に楽しくないプロセスだし、何か生身のお客様を、血の通っていな  いシステムに対応させ、コスト削減を主張しているように感じる。 
長いプロセスの最後に登場する生身の人間、これがまた日本語が上手でない方が登場する場合もある。 それもそのはず、 こ れまたコスト削減の為に、日本でなく 
アジア諸国に居る外国人による対応だと言う。  
私は、良く、チェックマーク対応とか、チェックマーク主義との言葉を使うのだが、やるべき事をリストアップし、完了したもにチェ ッ クマークを入れ、終わらせる対応をさす。 ここで問題なのは、やるべき事、課題、問題を終えたと判断する質の問題である。   多くの場合、マニュアルにあるプロセスとか会社の決めたポリシー等をクリアーする事で、この完了のチェックマークが対応 者 自身の判断でつけられるのではないだろうか。  特に、この対応の先に人、特にお客様が居たとすれば、このチェックマー クを つけるのは、対応者ではなく、対象相手であり、お客様であるべきだと思う。 
だから、Call Centerでの対応を受けた時、提供者はチェックマークを完了とするだろうが、対応してもらった方は、完了のチェッ  クマークをつけてくれるだろうか。 

私は、今迄うけた、Call Centerのシステムと人との組み合わせによる対応に満足した事は一度も無いと言い切れる。  ま  た、人が出てきても、”ポリシーです” 
”そう決められておりますので” 等々の説明によってこちらの希望を全く受け付けてくれないような対応にも100%の不満が 残 る。 

コンピューターが発達し、IPによって、国を超えた長距離の通信がフラットになり、企業が競って、Call Centerを人件費の安い  海外へ移動し、更なるシステム化によりより少人数での対応を可能にしている。  Call Centerを利用する私自身も、既に、こ  のやり方を普通の事と考え、私のように一々違和感を感じないように慣らされている。 この事により、Total Cost of   Ownership(安く買える)から良いではないかと思っている人も多くいるかもしれない。 
でも、こういう企業に限って、巨額の広告宣伝費を使っている。 ようするにMass Advertisementである。  
ようするに、人件費を削り、システムで無機質な対応と言う、客を人間扱いしない合理化で生じたお金を、Lip Serviceに近い、  人を騙しているような宣伝広告費に 
競って投入しているのである。  
私だったら、今こそ、美しい日本語を話し、一人一人のお客様に対して、丁寧で、心のこもった対応をするCall Centerを用意  し、一切のMass Advertisementをせずに、ひたすら、個別対応の良さを感じてくださった一人一人のお客様の口コミ、口アドの  対応を打ち出すと思う。  正に、Mouse Advertisementである。 

時代とか、トレンドとかに逆行する事、そこに抜き出るチャンスがあるのではないだろうか。 
今は、まさに良い差別化を、良い人間により簡単に出来る時代なのだと思う。 




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