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観察タイム


東京プリンスホテル パークタワー (2005/05)

4月の半ばに、芝公園の中にオープンした地上33階建てのホテル。
最近、外資系ホテルが乱立しまくっているにもかかわらず出来て早々には足を運ばないのがつねなのだが、
最近の西武グループといえば結構世間を騒がせた事もあって、どんなかなぁと怖いもの見たさに行ってみた。

外観は一見最近流行の高層タワーマンションという印象。ホテルって感じはしないなぁ。
ホテルのフロントの人に聞いたら先日お亡くなりになった丹下健三の設計だそうだ。

ざっとホテル内をめぐっての感想は、
最近の国内ホテルの目指しているスタイルから完全に逆行して、インテリアといい施設構成といい古いタイプという感じ。
そのポイントは、

・インテリアが流行のモダンな和を取り入れつつも既存のプリンスのスタイルである白い大理石を基調、まさに赤坂プリンスに似た感じ
・レストランが全て直営でしかも和食は天ぷら、寿司、焼き鳥、懐石すべてよりどりみどりの総合和食

・誰が買うのか分からないが、ホテル内高級ブティックの存在、カルチェ、ダミアーニなどなど。
・巨大な大規模コンベンションホール、ボールルーム(イメージとしては台場のメリディァンに近いか?)
・600室以上の客室数
だろうか。最近の新しいホテルにはちょっと見られない傾向だ。
面白かったのがホテルが出来る前にあったというボウリング場がなぜかホテルの地下にあることだ。
これ結構いけてて、大人の遊び場という感じで、ボウリング場のあの場末の感じが全くしない洒落たつくりになっているのだ。
洒落感をだしているのは、スナックバーやダーツ、ビリヤード台の存在と少しシックなインテリアのせいか。
それに、プライベートレーンを2本づつ、2部屋に仕切れるようになっていて、
カーテンをひくと中が見えないようにもできるのだ。ははーん、芸能人のご来場を意識しているのか。

スポーツクラブ&スパがお隣にあったので、見学させてもらった。
ここは、ホテルのスポーツクラブにしては、スタジオが結構広くてオリンピック認定マシンが多数置かれている。
是非是非みたかった天然温泉とプールは会員がいるので見学不可とのこと。雰囲気としては、地下で採光されていないので、
最近流行のリゾート感覚のリラクゼーションスパという感じよりは、機能重視のスポーツクラブといった感じかなあ。
なかなかいい感じとおもったのは、33階最上階のメインダイニング。
ここフレンチだそうで天井がトップライトになっていて、非常に明るい。星や月までみえそう。
やっぱり白を基調にしたクールモダンなテイストのインテリア。でもコースが12000円と15000円でちょっと高いかなあ。
1階ラウンジは、店舗内席配置に工夫。窓面の外にある滝にむかって、
階段状のフロアに席がカップルシートもしくは、コの字型に配置されている。数えたらなんと130席近くもあった。
インテリアは落ち着いた木目調でスカイラウンジより私の好み。でも紅茶、コーヒーが1200円。ちょっと高いかなあ。
客室を案内してもらうと、19から32階がエグゼクティブフロアで一般フロアとインテリアは一緒。
違いは、ベットリネンとベット。エグゼクティブフロアはシモンベットだそうだ。それからエレベーターがちがうこと。
接触式セキュリティカードをつかって乗るエレベーターだ。これは乗るエレベータから分別される。
最近のホテルの客室のインテリアは、パークにはじまってモダンインテリアを志向する傾向にあり、どこも似たような感じなのだが、
プリンスはホテル全体と同様独自のスタイルを追求しているのだが、ちょっと垢抜けない。絨毯の柄のせいかなあ。
でも、客室内の食器は「大倉陶園」だったし、全室共通でバス、シャワー分離タイプ。使いやすそう。。。
38uで定価57000円はちょっとお高いかなあ。
エグゼクティブフロアと一般のフロアはフロア階数が違うだけで、差別化というのはちときついような気もした。
スタッフの接客はできたばかりと言うこともあって、1階のラウンジ、エントランスのベルといい何をきいてもあたふたとして
時間がかかっていたけれど、まあこれはしょうがないでしょう。
場所がターミナル駅とは言えない赤羽橋駅で決して便利なところじゃないこの立地で、
ビジネスマン、観光客、どんな人をターゲットにしているのかなあ。
恵まれない立地だと、だいたい目的性の高いホテルつまりホテルで過ごすためにホテルに行くというコンセプトで作るのが常套なんだけど、
ここは、わざわざそこで時間を過ごすための要素もあんまりないような気もしたし、どんな戦略で営業していくのだろうか・・・・。
まあ、見てみてもいいかなぁと思うのは、バカラのシャンデリア21灯(1灯2000万円)をぶら下げた2層分の高さのある巨大なボールルームといったところか。
でも、まあここも宴会で招かれれば行くけど、わざわざこのために行くわけでもないでしょうし。
私はあんまり都内のホテルに泊まるようなジャンキーではないので客室の泊まり心地とかよくわからないのだが、
外資系ホテルだとか、最近流行のモダン系インテリアを売り物にしたホテルは、どうも落ち着かなくて
こと飲食施設で言うとやっぱり旧御三家ホテルと言われるところのラウンジとかレストランとかが安心できる。
根がコテコテの日本人だからなのかもしれないが。
これからもコンラッドだとかマンダリンだとか外資を迎え撃つ厳しいホテル業界で、久々のドメスティックブランドのこのホテル。
どんな戦略で闘っていくのか楽しみでもある。