「人間故の不幸」







 ―― 何度夜を重ねれば、俺達は全てひとつになれる? ――







 真っ暗な部屋。
すっかり覇気をなくして、それでも息の切れたまま不敵に笑う金髪の青年と。
その少年を包むかのように隣で何も喋らずに目を閉じた青年。
眠っているわけでは、ない。
ただ、快感を味わった満足感の余韻、そして嬉しい疲労感の中を漂うのが心地良くて。

 金髪の青年が、呟いた。

「へたくそー」
「うるせえ」
「もう何回目かなぁ」
「知るか」
「明日って任務あったっけ」
「ない」
「ふーん、じゃ、一日中寝てられるわけだ?」

 彼は笑う。
悪戯な瞳を、この真っ暗な月明かりだけの部屋ですら輝かせて。
その瞳を見てしまった瞬間から、黒髪の青年は後悔するのだ。
ただ感情に任せてことを運んできた自分と彼の、その末路をそっと見て。
 良いのだろうか、彼は。

「まだやるのかよ、九尾の体力使ったら際限無ぇじゃねーか」
「無くていいよ。ていうか、今夜は流石の俺でも疲れた」
「じゃあもう、寝るか」
「ああ寝る」
「服は」
「面倒臭え」

 布団の中で伸びをして、彼はそれきり魅惑の眼を閉じた。
あの空色は、月明かりを帯びてあんなに怪しげに光る。
なのに昼は違う、太陽の光を浴び水より透明に光る。


 もう寝たのだろうか。
いやまだ寝ていない。
俺もまた、眼を開けたままぼうっと宙を眺めていた。

「俺達って不幸だよな」

 やっぱりナルトは起きていた。ぽつりと、儚げに空中へ消えたその言葉に。
サスケはどう返事をして良いのかよくわからないでいた。

「この世に生まれてきた時点でもう、不幸だろ。幸せなんて」
「幸せなんて? どこにでもあるのにどうして俺にはないんだろう」
「この時間は幸せじゃないのか」
「いや、生まれてきた中で唯一幸せだってばよ」
「安心した」
「……人間になんて生まれなきゃ良かった」
「は?」
「考える力なんて無い方が楽だった」
「そりゃそうだ」
「知ってるか? 猿にマスターベーション教えると死ぬまでヤり続けるんだってさ」
「なんだそれ」
「カカシ先生が言ってた」
「あいつ何処まで変態教師なんだよ」
「俺もおまえも人の事言えんのかよ」
「そりゃ言えねえな」
「だろ」

 それきり会話は止まった。



 しばらくして、ナルトの寝息が聞こえてきた。




 サスケは、快楽の絶頂の中で死ぬ猿の幸せを思って、少し眉をしかめた。
隣で眠る彼は、猿より不幸なのだろうか。






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ヤってる最中書けなくてごめんなさい。
それ期待してた方ごめんなさい。ヌルいですねー