「嫌いなのに。」







んぅー、そうだなぁ。嫌いだ。

スカしててさ、前にオレ「ドベ」って呼ばれてさぁ。ムカつく。

今だって色々云われてる。

まぁ、それは別に気にしてないんだけど。



でもあいつは強い。

波の国でだってそうだ。

忍者としては初めての実践だったのに、怖がりも叫びもしないで。

ごく当たり前だったかのような顔してやがって。

自分で涙目だったのがすごく悔しかった。

でも、強いんだ。



ごく当たり前に。

自然に。

オレを助けたんだよな。

自分が死ぬって――

わかってんのにさ。

なんで、なんだろ。


オレのこと、命懸けてかばいやがってよ?




そんときオレはこう云ったんだ。

「余計なお世話だ」って。

どうしてって訊いても答えてくれなかった。

口を開いたのに、それは答えになんかなってなかった。


――「知るかよ。体が勝手に動いちまったんだよ、バカ」


そうなのか?

オレは、“知らないで”人のこと助けられない。

お前にも理由があるん、だ、ろ?

流石にそれはオレも知らないけど。


守られたんだよな、結果的には。



あいつは、強いよ。







云われた時はホントにからだがビリビリした。

そんなのオレも気付かなかったけど、そういやそうだ。

闘いたい。

――「俺はお前とも闘いたい。」


自分は強くないのかもしれないって思ってた矢先だったから。

ホントに、ビリビリしたんだ。

心臓がサ、一回ジャンプしたんだ。

だってコレ、俺が強いから、ってことだろ?


でも、なんかサ、嬉しかった。ちょっとだけどな!

――「オレも、お前と闘いたい。」



ていうか、他にもいろいろあったけどな。

マジで! あいつはライバルだってばよ!

オレも強ぇーもん、負けねぇー!!


















けど、なんでだろうなぁ。




嫌い、なのに、








死んで欲しくない。






絶対。






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ナルトはサスケのことこんな感じに思ってるんだろうなって。
サスケはライバルだから負けない!俺だって強いんだって思ってるけど、
命張って助けてもらったり、強がった事を云われても、
彼は無器用だからわからないんじゃないかな