| 4月13日 | 8:00 紀伊田辺の文里港を出港。海上保安部の最新の黒潮情報 に従い、その中央部まで南下を続ける。 | ||
| 4月23日 | 前日から季節外れの台風1号が北上を続け、N25°、E140°にあり、 東北東に進んでいることを、オケラネットの無線で知る。 | ||
| (中略) | |||
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| 18時から時化はじめた海は、波高8mに達し、経験したことのない海況となった。 チャートテーブルの真上からも海水が噴出し、 無線機などの機材が使用できないような被害を受ける一歩手前、非常事態となった。 | |||
| (中略) | |||
| 日頃、揺れない大地に生活する人たちにとって、常に激しく吠え、大きな 波を泡立たせて、片時も私を許すことのないこの 大きな海を創造することは難しいと思う。 | |||
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| (中略) | |||
| 5月16日 | 夜明け1時間半前、バースで眠っていた。 | ||
| 激しい衝撃音とともに、私の身体はフォクスル近くのトイレの前まで飛ばされて、 背中を打った激しい痛みで動けなくなった。 | |||
| 背中の痛みから、身体を引きずるようにしてハッチを開いた。 私は血の気が引いた。「マストが倒れる」 | |||
| (中略) | |||
| 6月4日 | セント・フランシスヨットクラブの桟橋に、頭を雨に打たせるにまかせて 横付けした瞬間、達成感で胸が熱く、生きる証しを見た思いに | ||
| 「よくがんばった」と自分とそして”SPICA3”に言い聞かせた。 | |||