平成24年度
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1月 岐阜  赤塚喜代子様 雨よりも風に尖りし冬木の芽
所沢  榊原ゆり様 初日記先づは楷書の一字かな
2月 浜松  大谷苑子様 峠路の日のあはあはと雲雀東風
3月 名古屋 中垣昌子様 にび色の湖水をゆらし鳥帰る
4月 浜松  鈴木和代様 石庭の石のこゑ聞く暮の春
5月 浜松  大谷苑子様 声いつか母似となりし更衣
名古屋 中垣昌子様 藍深き折り目残りし夏のれん
6月 古河  向田明子様 我が影を水の余白に末草
7月 浜松  林 悠江様 沖雲のむくむく育つ大暑かな
8月 富士宮 渡井ふじ子様 田を染めて火の列つづく虫送り
9月 富士宮 遠藤東子様 草紅葉水にいとまのなかりけり
10月 富士宮 渡井ふじ子様 丹の橋の丹の色うつし水澄めり
富士市 鞍 悦子様 鐘の音をうながす釣瓶落しかな
11月 岐阜  赤塚喜代子様 人去れば人来る古都の小六月
12月 古河  向田明子様 数へ日や不言不語なる事多き
掛川  近藤浩子様 けふもまた雪の一日と加賀だより
藤枝  堀田敏男様 雨粒のつとに耀ふ冬木の芽