平成19年度
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1月 富士  田辺百子様 表かけがへのなき淡交の酢茎かな
2月 富士  仁藤稜子様 神寂ぶや一条白き滝の春
3月 浜松  林 智津子様 前山に雲のとどまる入彼岸
4月 藤枝  岩本あやこ様 あますなく舟を囲みし花筏
5月 静岡市 鈴木とめ子様 殉教の碑にたてまつる草の笛
富士  田辺百子様 火の山を北に据ゑたる籐寝椅子
菊川  篠原はまな様 夕づきて風のしづもる青岬
6月 所沢  榊原ゆり様 桑の実やほろほろつもる里心
7月 所沢  榊原ゆり様 深深と連山更くる夜振りかな
静岡市 鈴木とめ子様 風涼し車座で聴く落城史
浜松  鈴木みちゑ様 消し炭の色に暮れたり遠河鹿
名古屋 中垣昌子様 川風の吹かれにまかす合歓の花
8月 静岡市 鈴木とめ子様 底紅や幾世を経たる長屋門
9月 浜松  鈴木みちゑ様 島ひとつ沖に暮れゆく青蜜柑
10月 富士市 鞍 悦子様 鬼の子の機嫌の糸を揺らしをり
11月 富士  仁藤稜子様 みみんこを束ね吊りして堂小春
12月 菊川  篠原はまな様 寒林の鼓動とききし風の音
※朱書きは当年度最優秀作品です。