九州編

枕崎

     訪問日 1999年3月24日

  終着駅は無人駅。その言葉の響きがぴったりとくる、枕崎はそんな駅である。かつては鹿児島交通も伊集院に向かって線路を伸ばしていたが、今は草生した空き地がその存在を物語るだけである。また、指宿枕崎線の線路も草生した路盤にゆがんだ2本のレールが伸びているだけである。
  南国、かつおの香りのする街。枕崎駅は立派な駅舎はあるが駅員はいない。枕崎市の代表駅であるのにだ。しかし、1日6本の列車が発車するだけの駅である。バスは1時間おきに1時間半ほどで鹿児島まで行くのに対し、列車は鹿児島まで2時間20分かかるのだから、列車が廃れてしまうのもしかたがない。この立派な駅舎は列車乗り場としての役割より、枕崎市の顔、ランドマークとしての役割が主なようだ。列車は少ないが駅には人が集まり、土地の会話が聞こえてくる。南国ののどかな雰囲気が駅を包んでいる。






  ホームで静かに発車を待つ気動車に乗り込む。そしてゆっくりと南国の最果ての地を去った。







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