11中48年度卒の同窓生の皆様、お元気ですか?
今、日本は真夏の暑い季節ですね。
ここ、アルゼンチンはまったくの逆で今、真冬です。
でも冬といってもブエノス市内は雪が降るほど寒くなることはなく、東京の11月下旬〜12月上旬くらいの気温です。ヨーロッパのように冬は連日曇り空ということもなく、東京の冬のように寒いけど空気の澄んだ太陽がいっぱいの日が多いです。
(アンデス山脈の方はもちろん雪がたくさん降り、スキーが楽しめます)
前回の便りで、アルゼンチンの代表的料理は「アサード」という肉の厚切りを炭火で豪快に焼くものだ、と紹介しましたが、これがその写真です。
<日本人学校の運動会の後行われたアサード大会で、これを約40家族で食べました> →
肉が焼けるとアサード用の木のお皿にのせ、普通のものよりもギザギザしたアサード用のナイフとフォークで食べます。アルゼンチンでは誰もが個人のアサード用ナイフとフォーク、それにお皿を持っています。アルゼンチンの牛は、飼料ではなく牧草だけを食べているので、とてもおいしく安いです。
・アサードの下準備に肉に塩を振りかけているところ
このアサードと同様、アルゼンチン特有のマテ茶という飲み物があります。
マテ茶はビタミンが豊富で、アルゼンチン人達は私たち日本人が日本茶を飲むのと同じようにこれをよく飲みます。飲み方はひょうたんのような実をくり貫いた入れ物にマテ茶の葉を入れ、砂糖とお湯を注ぎ、先端に小さな穴の空いた銀のストローで飲みます。スーパーへ行くと様々なメーカのマテ茶が売られています。最近はティーバックもあるようです。
← <ガウチョという馬を世話する人と、マテ茶の入れ物、銀のストロー>
さて、先日はサッカーコパアメリカが南米パラグアイで行われましたが、この大会前、全日本の選手達はブエノスで合宿をしました。そのとき、アルゼンチンの名門チーム、ボカジュニオルズ(あのマラドーナがいた事で有名かつアルゼンチンで人気No1のチーム)のBチームと練習試合があるというので友人と見に行ってきました。井原、中山、名波、川口、城、ロペス・・・・フランスワールドカップの時と同じ選手達を目の辺りにして大興奮の私でした。
<全日本vsボカジュニオルズ> →
それにしてもアルゼンチンのサッカー熱はすごいです。
時々まわりのマンション中から「うおーーーーー!!!」という歓声が聞こえてくるのですが、そんな時、テレビをつけてみると、きまってサッカーの試合でアルゼンチンが得点したときなのです。
フランスワールドカップの時はそのサッカー熱も頂点に達し、アルゼンチンが勝利した時はいつもの大歓声のみならずベランダから爆竹を投げ落とすは、ラッパを吹き鳴らすは・・・で恐くて外へ出られないほどでした。特にフォークランド紛争で負けたイギリスのチームに勝利したときは、街中が興奮しきった人で大混乱になり、けが人も大勢出たほどでした。日本対アルゼンチン戦で万が一日本が勝つような事になったら、1〜2日間、日本人は外出しない方がいい、とまじめに話されていたほどです。サポータも熱血を通り越して恐怖を感じます。
・アルゼンチンの港町、ボカにあるボカジュニオルズのサッカー場。青と黄色がチームカラー
しかし、ここは一般の人がスポーツをするにはとてもいい環境にあります。
休日には公園のあちらこちらで子供からおじいさんまでサッカーをして楽しんでいますし、サッカーの他にもテニスやゴルフ、ポロ、バスケ、などさまざまなスポーツ施設があります。そして対抗試合等の時はメンバー全員の参加を目指します。初心者でさえ試合に出させてもらえます。スポーツを楽しんでいるという感じがとてもいいです。
また郊外のカンポという広場に行くと1時間700円くらいで乗馬もできます。(アルゼンチンは馬もとても多いのです)一応ガウチョという馬の世話をする人が見ていてくれるのですが、初心者でも簡単に左右の曲がり方、止まり方を教わるだけで、「さあ、乗っておいで」と言われます。初めはいきなり走り出したりしないかとても心配でした。アルゼンチンは子供から大人まで、色々なスポーツを気楽に楽しめる国です。
・乗馬を楽しむ子供たち
・馬の世話をするガウチョ、観光用のところでは、一般の人も馬に乗ることができる
それでは地球の裏側、アルゼンチンより同窓生の皆様へ。
また駐在報告します。
1999年8月 野口みや子