アメリカからのレポート(第3回)

アメリカ、ニューヨク事情

我が家のメインバスルーム1  皆さんお元気ですか。
日本はもう、ぽかぽか陽気ではないでしょうか。
今回は、「アメリカ、 ニューヨク事情」と題してお届けいたします。あらかじめお断りしておきますが、食事前、食事中、それから食事後にはこのレポートを読まないようにお願いします。

 さて、皆さんが海外に滞在する事になったとしたら、一番の関心事はトイレやお風呂の事ではないでしょうか。(違うかなー?)温泉大好きの私には、このレポートを書き出している今も、温泉にドボーンとつかりたくなってきました。とにかくお風呂の入り方には、もうすぐアメリカ滞在10ヶ月になる今も思考錯誤しています。何か良いアイデアがあったら教えてください。

 アメリカ人の友達何人かにお風呂の入り方について聞いてみました。

 1. お湯をためて入浴剤を入れる。(いろいろな種類があって香りはちょっときつめかも。水は硬質で温泉と同じ成分を含んでいるのですが、うちではもちろん、「バスクリン」、「バブ」、「旅の宿」などを使っています。)

 2. ゆっくりと体を伸ばして湯につかる。(フムフム、いい感じ)

 3. 自分が使っている湯で頭を洗う。(???)仕上げには大型カップでお湯を汲み、洗い流すかシャワーですすぐ。

(これは余談ですが、夫は現在シャンプーや化粧品の研究開発に携わっているのでご報告しますと、日本では女性の髪は「さらさら、しっとり」が好まれますが、こちらでは「ボリュームのある髪」が望まれているようです。ですから、こちらのシャンプーで洗うととたんに髪がブワーンとふくれてしまいます。美容士さんいわく、実に8割近い女性が髪を染めているとか。ですから日本の若い人達が髪を茶髪にしたがるのも無理はないかとも思えます。私の高校生の娘も、親の反対をよそに栗色に染めてしまいました。私も美容士さんから、「白髪隠しにいかがでしょう」と勧められています)
 4. 最後に、映画のシーンのようにそのお湯に入ったまま体をスポンジなどでこする。(エーーッ!)

 5. そのままお風呂から上がってしまうか、シャワーをざっと浴びてでる。

 いくら自分の愛する体の垢とはいえ、これではさっぱりするどころかかえって気分が悪くなってくるような感じです。我が家では料理用の大きなメジャーカップを買って、上がり湯を浴びる時に使っています。でも、娘はこのお風呂の入り方が嫌だと言って、まだ2−3回しか入ったことがありません。

我が家のメインバスルーム2  我が家のバスタブはとても古く、お湯をためても、底と、底から6分目ぐらいのところに排水口がついていて(あふれないように)、お湯を一杯にためることができません。ということは、どんなに寝そべっても肩か足は必ずでてしまう事になります。もう少し上のほうに排水口がついていればこんな苦労をせず、ゆっくりと体を伸ばしてお湯につかる事ができるのですが・・・。 

(写真は、我が家のメインバスルームです。最初に見たときにはあまりのハデさにびっくりしました。入居時に白い壁紙に張り替えることになっていのですが、何度催促しても替えてもらえず、今はもあきらめました。不思議なもので、私達の目もすっかりこのギンギラに慣れてしまいました。慣れとは恐ろしいですね)

 また、どんなホテルでもシャワーは壁の上のほうに固定されているので、まるで滝に打たれるような感じです。日本のようにハンドシャワーが備わっているホテルは、今までに1軒しかありませんでした。 蛇口もノブを1回転させてやっとお湯が出てきたり、ほんの少しまわしただけで熱いお湯から冷たい水になってしまったり、適温に調節するのに非常に時間がかかります。

あるホテル(比較的新しいホテルでしたが)に泊まった時にはこんな事もありました。

1日の観光も終えてお風呂につかって休もうかと思い、バスルームに入りました。まず、バスタブの点検。
「ちゃんと磨いて掃除もしてあるから大丈夫。」
排水口も上のほうについてあるから、 お湯をたっぷりためられました。ビニールのカーテンをバスタブの内側にかかるように引いて、ドボーン!
ああー、いい気持ち。」と思いきや、正体不明の汚れがぷかぷか浮かびだしました。
「ひゃー、何だこれ?」と、慌てて栓を抜き、シャワーを浴びました。なんとカーテンには前に泊まっていた人たちの垢がびっしりついていたのでした。タブは掃除してあっても、カーテンは洗っていなかったのです。それ以来、ホテルでお風呂にはつかる時には、ガイドブックに書いてあるようにカーテンを内側にかかるようにして入る事はしなくなりました。けっして!(でも、あふれてこないようにお湯のたまり具合を見張っておかなければなりません。)

 トイレについてもいろいろな発見があります。皆さんもご存知かと思いますが、トイレのドアはひざ下ほどのところまで空いているので、使用中かそうでないかはちょっとかがんで覗いてみると分かります。自分が個室に入って隣の人の足が見えるのも、なんとなく変な感じで落ち着きません。便座の高さは日本に比べるとかなり高いように感じます。ですから、日本に帰ってトイレに腰掛けると、腰が砕けたかと思うほど下に落ち込んでしまいます。「こんなに低かったかなー。」と感じます。

 ホテルやどこの家庭に行っても、ウォシュレットのようなホット便座や便座カバーはありません。いくら室内は暖かくても、ひやっと冷たい便座に座るのはとても苦痛です。ホカロンか何かで「使い捨てホット便座」を作ってくれないかなと思うほどです。
 どこのお店にもカバーが売っていないので、私は日本の両親に頼んで、タオル地の便座カバーを送ってもらいました。ところが便座自体も大きいサイズですので、ちょっと手を加えないと使えませんでした。雪が降っている寒さの中でも半袖や半ズボンの人がいるくらいですので、便座の冷たさなどまったく気にならないのかもしれません。

 又公共のトイレに入った時に、あるお母さんが子供や自分のジャケット、バッグなどを抱えていたので、どうやって用をたすのかなあと思っていましたら、なんと個室に入ったときにどさっと床の上において(見たくて見たのではなく、下があいていたので見えてしまったのですが)済ませていました。げーっ、汚い!でも、はたくこともせず、平気で又そのジャケットを着ていました。自分の家のトイレならともかく、公共のトイレの床ではとてもきれいと言えませんよね。そのお母さんが手を洗って横を通り過ぎるときには、自然と一歩下がって道をあけてしまいました。

 今回は汚い話ですみませんでした。でも、お風呂やトイレの事でもこんなに文化の違いがあるとは思いませんでした。「郷に入れば、郷に従え」で段々慣れてきましたが、それでもやっぱり日本の温泉に入りたーーーい!

春は遠く、まだまだ「厳寒の地」である、ウェストポートから

  2001年4月    丸田ゆかり


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