sakura & ichiro

同窓生のお宅、お店、縁の地、お勧めのスポットetc
どこかで見たような「さくら」と「一郎」が皆さんをご案内します

第七話

TVコマーシャルを作りたい!

登場人物(注意:さくらと一郎は実在の人物ではありません)
さくら----目黒区緑が丘出身。11中を卒業後、何をしていたかはよく判らないが、 ステキなだんな様と巡り合い、カワイイ二人の子供達に囲まれて幸せな日々をおくる。

一郎----目黒区自由が丘出身。11中を卒業後、自分を磨くため職を転々とし、22歳からは遠洋マグロ漁船の乗組員として世界の海でマグロを追う。生活のほとんどを船の上で過ごすこと15年。その後、手にした資金を元手に事業を起こし、今は目黒に住む。


物語(注意:さくらと一郎はフィクションですが、同窓生との話はノンフィクションです)

(株)一郎組の会議室。 ここのところ建設業界、若干ではあるが景気が上向いてきた。
社長の一郎、しかしながら、険しい顔で今後の対策を役員達と検討中。
一郎「・・・何か、一発ババーンと・・・」
専務「社長、ここで派手に宣伝してみては? 」
一郎「・・・宣伝ねぇ〜」
専務「今だからこそ、『前向き』なのがいい・・・のでは?」
一郎「う〜ん、そうだな〜『前向き』ね〜・・・ま、考えとこッ。」


重役会議終了後の社長室。
どっからみつけてきたのか、一郎は「手鏡」を持ちシゲシゲと自分のカオを見ている。
一郎「そうか、ついにオレもコマーシャルで芸能界デビューか。専務のヤツ『前向きのカオがイイ』なんて、よく見てるなぁ。いや〜、まいったな〜。宣伝かあ、そういえば、広告代理店に桜井君が勤務してたなぁ。桜井君に依頼してみるか、ついでにさくらさんも同行してもらおう」
と、いう訳でさくらと一郎、日比谷にある桜井君のオフィスに出向く事となった。


さくら「こんにちは、一郎さん」
一郎「や、今日はね、私のビジネスの話がらみなんだけどね」
さくら「桜井君でしょ?確かね、現在ロゴ(アサツー ディ・ケイ)という業界屈指の広告代理店にお勤めよね。もとは第一企画、この1月1日から旭通信社と合併して、新生ロゴという会社になったらしいね」
日比谷国際ビルヂング 新橋から徒歩5分、近代的なビルの立ち並ぶ、まさにオフィス街。
<ビルの入口にて>
一郎「あった、ここだね」
さくら「今日は土曜日の午後という事で人もまばらだけど・・・あ、桜井君!!」
桜井「やぁ、ようこそ、しばらくぶり」
一郎「ひさしぶりだねぇ」
さくら「こんにちは」
桜井「さぁ、エレベーターで9階のオフィスへ行こう」
エレベーターが開く・・・・・と、そこがロゴ

三人
そして、三人でオフィスロビーへ・・
さくら「このロビー今日は人がいないけど、いつもは?」
桜井「いつもはねぇ・・・訳のわかんないヤツでいっぱい。芸能プロダクションやら、外人モデルとか女子高校生もいたり、グループインタビューもしてるし、とにかくごった返してるね・・・」
桜井君 一郎「広告代理店というからには、やっぱり桜井君も制作に携わっているんでしょ?」
桜井「今の仕事は営業だよ。[広告代理店]=[コマーシャル制作の会社]って思われがちだけど、それでは食っていけないんだ。60〜70%は媒体扱いの手数料。制作料では30%くらいなもんよ」
さくら「そうなの!?」
桜井「代理店は媒体スペースを確保してその手数料をもらいます。媒体スペース確保ってえのが、たとえば、テレビ15秒間買い付ける、新聞の3分の1ページを買い付ける、雑誌の1ページを買い付けるとかね。中には、車内吊り、屋外広告もあるねえ。テレビ番組に提供をつけるとなると、放送局・ネット局数(地方のネット)によってまちまちだけど全国ネットの番組がゴールデンタイム30秒で一ヶ月1500万〜3000万位」
一郎「桜井君は今、どんな営業に携っているんだい」
桜井「NTTとNTTドコモの媒体担当の営業をここ3年しているね」

一郎はなんだか、頭の中で考え事でもしている様だ。
時々、指なんかで勘定している。

桜井「気をつけなきゃいけないのが、そのスペース取りだね。ライバル社とかち合わないようにしないとね、記事内容にも気を使うよ。例えば、新聞広告でJTのコマーシャルの上に『未成年の喫煙防止の記事が出た』なんてのは、まずいので一晩中新聞社に張り付いていたりするよー」
桜井君とさくら 一郎「なるほどねえ」
さくら「気を使うお仕事ね」

窓から外を見るさくらと桜井君。
さくら「いいながめね。勤務はずっとこのビルなの?」
桜井「そうだね。入社してから20年近いけど、ずっとここだよ」
一郎「やりたかった仕事なの?営業って・・」
桜井「営業だと企画制作・媒体扱い・プロモーション・マーケティング全てに関わることが できるから面白いよ。今は大きなクライアントに付いているから媒体扱いを専門に営業しているけれど、 制作担当の営業もしてきたし、小さなクライアントの場合だと企画制作からマーケまで、自分一人で全てのジャンルの営業担当 になることもある。営業担当として社内の各セクションのスタッフに指示を出すわけ。 大体一通りやったかな・・・。市場調査にも関わるしコマーシャル制作にも顔を出す。 キャンペーンにも参加したし、サンプルの配布なんてのもある」
桜井君 さくら「駅前とかで、『はい、どうぞ、どうぞ・・』って配ってるあれですか?」
桜井「そうそう」
さくら「『はい、どうぞ・・ナニ?!いらない?ざけんなヨなめんなヨ!!あ、コラーッ、捨てるなヨ〜・・・もうもう・・』ってやってたんですね」
桜井「わたしゃ、配りませんよ。遠くで様子見てんの。クライアントと一緒にね」
一郎「いろいろやってるんだねえ」
桜井「広告制作は、ある意味で「アート」「才能」「ひらめき」みたいな物が価値を生み出す部分が大きいから単純に金額換算するのが難しい。とてもアバウトな世界だよ。バブルの頃はもう本当アバウトの極致、見積もりなんてムチャクチャ適当で、スタッフの昼弁当一式30000円也夜食一式70000円也なんて出してた。それでそれが通る・・どうでも良かった」
一郎「うわー、どうでもいいなんて傍若無人もうヤクザみたい」
桜井「そうだね、ヤクザだよ〜・・・なんて、でも今はとても厳しい時代になっちゃった。でもね、やっぱりアバウトなんだ」
さくら「どういったところが?」
桜井「TVにしても新聞にしても、空きスペースが放送日・掲載日までに埋まらなかったら、大変な事になっちゃうんだよね、そうすると媒体社(TV局・新聞社等)も広告代理店も何とか埋める為セールスする訳だけど、なんていったって時間に制約のある「なまもの」だから、いよいよになると、「夕方の魚屋」状態。1000万、2000万の物件が100万とか50万とか、最悪はサービス、もう、タダだ持ってけ、なんてこともある」
一郎「な、なんちゅー、エエかげんな!!・・」
桜井「そうです、大変、エエかげん」
一郎「じゃ、その、サービスって時に、うちの会社のCM入れてよ、画面が動かないヤツでいいから・・私の顔写真の下に『家を建てるなら一郎組』ってだけでいいからさ」

にこやかに、営業スマイルの桜井君でありました。


デスクの桜井君<その1
机の上には趣味のスキューバダイビングで潜った南の島の海中写真がいっぱい。みごと!!美しい!!
デスクの桜井君<その2


アサツー ディ・ケイ社制作エンタテイメントホームページのご紹介
とっても楽しいのでリンクしました。覗いてみて下さい。

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リンク4総合バラエティ
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・死語の世界
・当社の奇人変人


さて、お待ちかね、桜井君から読者の皆さんにプレゼントです。
プレゼントのお知らせはこちら


第八話に続く・・(はず)


シリーズ<さくらと一郎の「遊びに行こう!」>では、 さくらさんと一郎さんが皆様をお訪ねします。どうぞよろしく。

さくら役は芹沢啓子(A組)・一郎役は梶誠一郎(A組)でした
企画・取材・出演・撮影・執筆のスタッフ一同<写真

おまけの写真


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