sakura & ichiro

同窓生のお宅、お店、縁の地、お勧めのスポットetc
どこかで見たような「さくら」と「一郎」が皆さんをご案内します

第九話

=ビートンズのライブが見たい!=

登場人物(注意:さくらと一郎は実在の人物ではありません)
さくら----目黒区緑が丘出身。11中を卒業後、何をしていたかはよく判らないが、 ステキなだんな様と巡り合い、カワイイ二人の子供達に囲まれて幸せな日々をおくる。

一郎----目黒区自由が丘出身。11中を卒業後、自分を磨くため職を転々とし、22歳からは遠洋マグロ漁船の乗組員として世界の海でマグロを追う。生活のほとんどを船の上で過ごすこと15年。その後、手にした資金を元手に事業を起こし、今は目黒に住む。


物語(注意:さくらと一郎はフィクションですが、同窓生との話はノンフィクションです)

この日、緑が丘の実家を訪ねたさくらは、その帰り、自由が丘駅のホームで桜木町行きの電車を待っていた。
電車が着き、さくらが乗ろうとしたドアから男が降りてきた。目が合う二人。お互いにどこかで見た顔である。
さくら「もしかして、広瀬くん?」さくらが先に口を開いた。
広瀬「ありゃ、さくらさん、同窓会以来だね、久しぶり」
さくら「やっぱり広瀬君だね。今、帰り?」さくらは電車に乗らず、ホームでの会話が続く。
広瀬「うん、まあね。でも今日は自由が丘でこれの練習なんだよ」広瀬は背負った物を見せてそう言った。
さくら「それって、もしかしてギターなの?広瀬君ってギター弾くんだー」
広瀬「下手なんだけどバンドを組んでるんだよ。今週末に年に一度のライブがあるんで今、大変なんだ」
さくら「ライブもやるの!凄いじゃない!私も見に行っていい?」
広瀬「エ゛、来るかい?ホントに?来てくれるのは嬉しいけど、演奏は期待しちゃ駄目だよ。それから、曲は全部ビートルズだけど、それでもいいかい?」
さくら「ビートルズ!懐かしいネ。好きな曲がたくさんあるよ。聞きたいなぁ。そうだ同窓生の一郎さんも誘ってもいい?」
広瀬「一郎って、まぐろ船に乗ってるんじゃないの?」
さくら「一郎さんはもう海から上がったよ。知らなかった?」
広瀬「よし、それじゃこれがチケット」
チケット
さくらは二枚のチケットを受け取り広瀬と別れた。


ライブの当日、さくらと一郎は会場に近い地下鉄表参道駅で待ちあわせた。
一郎「やぁ、さくらさん、今日は誘ってくれてありがとう」
さくら「一郎さん、広瀬君とは久しぶりでしょ」
一郎「そうねぇ、広瀬とは中学の頃よく一緒に遊んだけど、ずっと会ってないな。年賀状のやり取りは続いているけどさ」
さくら「開演は6時30分になってるけど、まだ4時よ。どうする一郎さん」
一郎「とにかく会場に行ってみようよ」
二人はチケットに刷り込まれた地図を頼りに会場へと向かった。


広瀬君 なんとか会場にたどり着いた二人。
建物の地下に降りると広瀬君がいた。
さくら「こんにちは広瀬君、ほんとに来ちゃったよ」
広瀬「いらっしゃい。おお、一郎も一緒だね。よく来てくれたね」
一郎「よう、広瀬、バンドやってんだって?さくらさんから聞いて驚いたよ」
広瀬「そうなんだよ、照れるね。今からリハーサルをやるから中で見ててよ」


リハーサルを終えて三人の会話。
さくら「こりゃ、ぶったまげた!広瀬君のバンドは、ビートルズのコピーバンドなのね。ビートルズしかやらないの?そういえばバンドの名前もビートンズ」
広瀬「バンドを組む話がもちあがった時、僕がどうしてもビートルズをやりたいって頼んだんだ。ビートルズがずっと好きだったから」
一郎「リハーサルを見せてもらったけど、ヒヤヒヤするね。バンドを結成してどのくらいになるの?」
広瀬「今年で7年目かな。始めた頃はメンバー4人とも楽器の経験が全く無くて、ギターの調律にも四苦八苦だったんだ」
さくら「メンバーの方は皆さん区役所の人なの?」
広瀬「そう、以前同じ職場にいた先輩、同僚、後輩で元はチームで野球をやってた仲間なんだ。メンバー不足と体力面で野球をすることが少なくなって、それで突然バンドを始めたのさ。変だろ」
一郎「もう何度かライブをやってるのかい?」
広瀬「バンド始めて間もないころから、今でも下手だけど、もっともっとヘタッピだった時から人前で演奏してる。最初は9曲しかレパートリーが無くてね。招いたお客さん達が何度もアンコールして助けてくれてたんだ。野球だって練習だけじゃつまらないでしょ。試合がなくちゃね。それで年に一度はライブを開くようにしているだよ」

さくらと広瀬君 さくら「広瀬君のギターを触らせてもらっていい?」
広瀬「どうぞどうぞ」
開演前のステージに上がり広瀬のギターを持たせてもらうさくら。
さくら「これがエレキギターかー。ギョーエーンって鳴るの?」
広瀬「弦を弾けば鳴るんじゃない。ほら」ビヨ〜ン
さくら「ステージ衣装もビートルズ風にお揃いなのね」
広瀬「そうさ。良かったら着てみるかい?」
広瀬君の衣装を着せてもらうさくら

ステージの上で三人
ステージの上でステージの上でさくらと一郎
ついでに他のメンバーのバイオリンベースを持たせてもらうさくら

一郎「今日は何曲くらい演奏するんだい?」
広瀬「全部で28曲。練習中の曲も含めて全部披露する予定。この1年間の成果をお客さんに見てもらうつもりなんだ。さあ、もうすぐ開場の時間だ。お客さんが入ってくるから二人は前の方の席で応援しててよ」


開場の時間になり、ホールに観客が入ってきた。サンドイッチが配られ、アルコールも用意されている。
一郎「だいぶお客さんが入ってきたね。もう満員じゃない。100人くらいかね」
さくら「そうね、みんな広瀬君達のバンドのお知り合いの人達みたいね。私たちがこんなに前の席にいていいのかしら」
一郎「かまうもんか。かぶりつきで盛り上げようよ」

場内の照明が落とされ、バンドが登場
演奏する広瀬君
演奏する広瀬君 オープニングナンバーは[Can't Buy Me Love]ボーカルは広瀬君
一郎:「ついに始まったね。広瀬が歌ってるよ。ちょっと緊張ぎみかな。こっちまで緊張しちゃうよ」とウイスキーをがぶ飲みする
さくら:「ビートルズっていいよね。私も昔LPレコード持ってたよ」
一郎:「俺はあんまりビートルズ知らないけど、昔、広瀬に聞かせてもらったような記憶があるよ」
・A Hard Day's Night
  ・All  My Loving
    ・P.S.I Love You
・Please Please Me
  ・She Loves You
    ・Help!
・Love Me Do
  ・Ticket To Ride
    ・From Me To You
        ..............
演奏する広瀬君 演奏する広瀬君
ビートンズはジョン・ポール・ジョージ・リンゴの4人になりきって、曲ごとにボーカルをとって熱演
演奏する広瀬君 一郎:「広瀬が一瞬ジョンレノンに見えたよ。緊張から開き直りに変わったみたいだ」
さくら:「生の演奏ってスゴイ。こんなに近くで見ることってないしね」
一郎はさくらが百円ショップで買ってきた紙テープを投げまくる。広瀬君も嬉しそう(少し迷惑そう)
一郎
ラストナンバーは[抱きしめたい]会場のお客さんは皆立ち上がってフィナーレ

ライブが終わるとお客さん達が会場の椅子やテーブルをかたづけ始め、ゴミを綺麗に分別。これは毎年恒例のスタイルのようで、とてもアットホームな雰囲気。
会場で広瀬君の奥様にお会いしました。奥様も目黒区役所にお勤めです。


さて、お待ちかね、広瀬君から読者の皆さんにプレゼントです。
プレゼントのお知らせはこちら


ビートンズの皆さんと記念写真
ビートンズのメンバーと
左からジョージ樋口さん、リンゴ宮本さん、さくら、ポール小原さん、広瀬君、一郎

ビートンズにはファンクラブがあるそうです。
ビートンズファンクラブのホームページは ビートンズファンクラブのホームページへ

おまけ・・コンサート後にYGPへ行って

第十話に続く・・(はず)


シリーズ<さくらと一郎の「遊びに行こう!」>では、 さくらさんと一郎さんが皆様をお訪ねします。どうぞよろしく。

さくら役は芹沢啓子(A組)・一郎役は梶誠一郎(A組)でした


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