◇◆◇◆オーロラ観測◇◆◇◆




 オーロラ観測。
今回の旅の主な目的である。
フィンランド語ではオーロラはrevontuli(レボントゥリ/狐の火)。夜の闇の獲物を求める狐の尻尾が振られる時、無数の火花が飛び散ってオーロラになるという伝説があるそう。
 冬のリゾート地であるサーリセルカには、各国から観光客がきているわけだが、何故かオーロラに執着しているのは日本人のみ。ほかの国の人たちはあまり関心がないようで。なんでかなあ。


コタ ピークは21時から25時、眠くならないように、もったいないなあと思いつつ夕方は昼寝する。 2月のサーリセルカの夜の気温は-30℃〜-10℃。着られるだけ着て、カイロをあちこちにつっこんで出発。
写真はホテルからあるいて数分の場所にある観測用の小屋。中の薪ストーブで暖をとりながらオーロラ出現を待てる。しかし小屋には窓がないので、お客は交代で外にでて見張り番する。順番は何となくでお互いに。



2月14日

吹雪。

外真っ白。外出無謀。無理無理絶対無理。早寝する。


2月15日


20時くらいにオーロラ小屋へ。
空はさえわたり、星はすばらしく輝いている。
オーロラの観測条件に「あたりが暗いこと」があるが、ここは残念ながら周りの明かりが結構あるので 見つけやすいように山の上の方にいったりしてみる。 寒い、限界→小屋のストーブで暖まるを繰り返しているうちに23時。このくらいの時間になると小屋に出入りしている人たちの表情が暗い。昼の疲れと、オーロラがでてくれないがっかり感。畢竟みな無口にうつむいて座っている。


「あのー、もしかしたら・・・」
小屋の扉が開いて、外で見張りをしていた人から声がかかる。
北の空に、地平線いっぱいにかかる広い大きなオーロラ出現。
とたんみんな活気づいて外へ。
やや緑色のカーテンは刻々姿を変えて光を強くしたり弱くしたり、水平方向に広がっていたその形を天上に向けて垂直にのばしたりしていた。
そのピークはわずか10分。それから光がだんだん弱まっていく。また大きいのがでないかなと欲張って待っていたが、足先の冷えが限界になったので小屋に戻って暖をとる。再び外にでたときにはだいぶ薄くなっていた。半月状の薄明かりになったりして、つい期待をしてしまうが、無理せず引き上げる。


2月16日


21時。
空は厚い雲に覆われている。
とりあえず散歩がてら小屋に行って、外でそり遊びなんかしてみるが、雲は厚いまま。 「天気予報だと2時くらいにはれるらしいですよ」と居合わせた人に聞いて、いったん引き上げて仮眠。


25時。すっかり雲は消えて星は美しい。オーロラは影も形もないが。 運動でもしようと、山の上に上ってみる。と、東側にひゅっと白い光が。こりゃいいかなと思ったけど、淡いままで終了。
星だけがひたすら美しい夜。白銀の世界に流れ星を数える夜。足の寒さ限界。→小屋でお通夜状態 。を繰り返しているうちに28時(4時ですね)に。

 さすがにもう帰るかなーと思ったとき、急に周りの温度が下がった気がした。まつげぱりぱり。遠くにいぬの遠吠えが聞こえる。
はい、でました〜。上空に白い淡いカーテン。
でもそれはそれ以上発展しないままで、今日の成果はいまいち。


2月17日


21時に小屋へ。
まだストーブに火がついていない。 居合わせたグループの人たちとがんばって火をおこす。
やっと起こしたストーブで、↑のグループの人たちがコーヒーをいれてくれて、ごちそうになる。 みんなでオーロラの話とか旅行の話とかしているうちにオーロラ出現。
早。
 しかも大きい。緑色の光が虹のように半円状に天空にかかっている。めまぐるしくその形は変わり頭上にカーテン状に広がる。うわーと眺めているとほかの場所からも出現してゆるやかな明滅を繰り返した。
このときばかりは、いつもオーロラ観測をしている我々をみて笑っている(?のか?)夜に歩くスキーをしている人たちも立ち止まって歓声を上げていた。

 かれこれ3、40分くらいで続けて、光が弱まりだした。雲も出始めていたのでそろそろ引き上げることにする。
ホテルに近づいていくと、ホテルの後ろから強い光が1本天上に向かってのびている。一部、雲に隠れているけれど、かなり強い光で、これで雲がなかったらすごいのになと惜しみながら帰る。昨日に比べるとなんという贅沢でしょう。




カメラ



一応カメラのデータを書いておきます。

  • 電池式シャッターの一眼レフ
  •      
  • レンズ28mm〜105mm F2.8〜F4 28mmで撮影
  •      
  • フィルム ISO800
  •      
  • 露出 10〜20秒くらい(レリーズなし、タイマー使用)
  •      
  • 三脚
  •      
  • 懐中電灯
     

書いておいてなんですけど、↑これは参考にならないから。
電池式シャッターでなく機械式シャッターのもの、レリーズも持参したほうがいいと思います。 我々はアウトになるかもしれないのを覚悟で、あるもので間に合わせてしまいました。
電池式シャッターは低温時に動かなくなるのでカイロをまいてだましだまし撮影。 必須といわれるレリーズもなかったのでタイマーで時間をいろいろ変えてみる。
・・・なんとかとれるものだね。

懐中電灯は足下を照らしたり、カメラの調整をするのに必須。ほかの人の撮影のじゃまはしないように注意。ちなみに撮影中に「写るルンです」かなんかもった人に、横でフラッシュたかれるとかなり悲しいので・・・。(真っ白です。)

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