ライン・マイン・ドナウ運河
The Rhine-Main-Danube Canal
運河によって北海・大西洋と地中海をむすぶことは古くはライン川沿いのマインツやケルンを支配下においたローマ帝国時代からの長い間の夢だった。
793年にボヘミアのカール大帝はライン川とドナウ川を結ぶ運河の建設に挑戦したが難工事のため挫折した。
1921年ドイツ帝国政府主導で会社が作られ工事に着手した。第二次世界大戦で中断があったものの62年まででマイン川部分297キロメートル(アシャフェンブルク-バンベルグ)の運河化が行われた。
次いで、1950年からドイツ・オーストリア共同でドナウ川の運河化に着手、ケルンハイム-パッサウ間209キロが完成。
いよいよ残されたこの欧州の2つの大河川を分水嶺を越えて結ぶマイン・ドナウ運河であるマイン川(バンベルグ)-ドナウ川(ケルンハイム)間(写真の赤線部分)171キロの運河掘削工事が1960年に始まり、1992年9月に世紀の事業として完成した。
これによって、北海から黒海まで3463キロを1500トンクラスの船の航行が可能になった。
分水嶺はヒルポトシュタイン村だがライン川側のバンベルグとの標高差176メートル(距離107キロ)、ドナウ川側のケルンハイムで68メートル(距離68キロ)。
この標高差を乗り切るための閘門の数を出来るだけ少なく、また頂上部の水を保持するため貯水槽を設けた節水型大落差閘門16基で繋いだ。
Main-Danube Canal(Red Line)
Bamberg(Main side) to Watershed(107km, 176m elevation) and Kelheim(Danube
side) to Watershed(68km, 68m elevation) with 16 locks.
閘門の仕組み Lock mechanism
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上流へ
下流へ
閘門へのアプローチ
approaching a lock
閘門の入り口
entering a lock
閘門内部、長いものは110m長の船が2艘入る。閘門内水位落差は17-25メートルだがポンプを使用せずに16分以内で作業は終了する。
A long lock can contains 2x110m boats. Water level difference is 17-25m.
Feed or drain water within 16minutes without any pumps.
上下スライド式扉
Vertical slide door
観音開き扉
Swing type door
節水のための貯水槽。閘門内の水の60%は貯水され、40%だけが放流される。
Water basins to save 60% of displaced water.
ドック幅12mに対して船幅11.4m 細心の注意で出渠する
Leaving a lock with full prudence since a lock width 12m while ship width
11.4m