Coda//She prays for the fallen...


Scene 16 (アングルス・正位置)

GM:えーと、まずは全体としてのエンディングなんですけど。ルシアさんは気絶してて起きあがらない。でも息はあるようですね。
シャイニー:ナイスだジュリアン。
ファリィ:とりあえず起こしに行かなきゃですよ。
コロ:さあ、抱き起こすんだ!
ジューダス:(嫌そうに)誰が。
コロ:あんたが!
ジューダス:(←ホントに嫌そう)えー。
コロ:倒れてる女の人を放っておくんですか!
シャイニー:こっちは事情知らないんだから、当然君が抱き起こすべきだと思ってるよ。
ジューダス:いや、でも……。
ジュリアン:何だ、意気地のないヤツだな。それならこの俺が抱き起こし、「さあ、山賊団に入るんだ!」と目で訴えて……。
一同:やめんかぁ!(笑)
ファリィ:ほら、またジュリアンさんに任せるといっぺんにギャグになりますよ。
GM/トリアイクス:「……アレにやらせるよりはマシではないか?」
ジューダス:わかった、わかりましたよ。やればいいんでしょ!
ファリィ:何をそんなに嫌がってらっしゃるんです?(笑)
ジューダス:……えーと、彼女目覚ますの?
GM:んにゃ。まだ気絶中。
ジューダス:……どうしよう。このまま埋めてしまえば……。
一同:…………。
ジューダス:ウソです。ごめんなさい。
コロ:……ねー、おにいちゃん。この人どうする?
GM/何故か帰ってきたネモ:そうだな。∵絶対攻撃∵と∵死神の手∵はまだ残ってたかな。
ファリィ:多分∵模倣∵か∵活性化∵のどちらかは残っていたはずですわ。
ジューダス:えーん! だからごめんなさいって!
GM:(冷たい目)で、結局どうするんです?
ジューダス:しょうがないから担いで帰りますよ。俺が。
シャイニー:だから、何がそんなに嫌なのかねぇ?(笑)
コロ:ところで、ジュリアンは? 一緒に来てんの?
ジュリアン:ん? んー、しばらくシャイニーのとこにいようかなあと。
ジューダス/ハンス:「ししょー! ひょっとして僕たちのこと忘れてませんかぁ?」
ジュリアン:別に忘れてないぞ。家が建つまで帰る必要は……(わざとらしい咳払い)。
一同:ひでー!(爆笑)
GM/AB:「俺たち、このまま大工さんになっちまおうかなぁ」「俺ら平和だよなあ」(笑)
コロ:AとBは自由を満喫してるっぽいんですケド。
GM/AB:「おやびんがいねーと空気がうまくていいやね!」……ってそれはともかく(笑)、皆が帰ってくると、門の前でルシアさんが所在なげに待っている。
一同:は?
ジューダス:えー、えーと?(背中を振り返るポーズ)
GM:そこにもちゃんとルシアさんがおるですよ。
シャイニー:ひょっとして双子とか。まさかね。
GM/ルシア?:「あ、貴方がシャイニー様でいらっしゃいますか?」
シャイニー:はい? そうですけど、あなたは?
GM/ルシア?:「初めてお目にかかります。私、神聖騎士団のティアル・セレスファイと申します」
コロ:え? え? え?
シャイニー:……えーと、あなたはひょっとしてルシアさんの……。
GM/ティアル:「(シャイニーの後ろを覗きこむ)ああ、やっぱりここにおりましたか。姉が大変ご迷惑をおかけしたようで恐縮です」
ジューダス:……双子?
GM/ティアル:「はい」
シャイニー:マジで双子だったのか(笑)。まあ、こんなところで立ち話も何ですから、中へどうぞ。
GM:では、応接間か何かで、ビットくんがお茶をだしてくれて。
ジューダス:(おずおずと)えーと……で、結局どういうことなんでございましょう?
GM/ティアル:「一言で説明するのは難しいですね。まずそちらで何が起こったかうかがってもよろしゅうございますか?」
シャイニー:では全部お話しましょう。
ジューダス:……ちょっと待った。
シャイニー:何?
ジューダス:洗いざらいって、どこまで話すの?
シャイニー:(平然と)知っていること全部。
ジューダス:だー!
シャイニー:私はやましい隠し事なんていたしません。
ジュリアン:俺はそもそも隠し事をする頭がないぞ。
一同:(爆笑)
ジューダス:おまえにそんなもん期待しとりゃせんわー!
コロ:あっ。そう言えば、あたしにも隠し事する知性なんてないや。
ファリィ:私、隠し事ってやり方を存じませんわ(笑)。
ジューダス:お、おまえら……。
GM:つまりジューダスがエストを殺っちゃったことまで話しちゃうんだね?(笑)そうすると「そうですか、あなたがエストを……」
ジューダス:(か細く)あ、あのー、アレって正当防衛だと思うんですけどぉ……。
GM/ティアル:「は?」
ジューダス:いえ、ですから……。
GM/ティアル:「実は私、国王陛下のご命令でエストを倒した方を探しておりまして」
ジューダス:(思わず立ちあがって逃げ出そうとするポーズ)
GM/ティアル:「感謝状をお預かりしております」
ジューダス:えっ、金一封?!
GM/ティアル:「……もありますけどね」と金貨の入った袋を。
ジューダス:わーい。ありがとうございまーす♪
一同:(爆笑)
コロ:さっきと全然態度が違うんですけどー!
ジュリアン:ジューダス。俺たち友達だよな?
コロ:あんたもやめんか!(笑)
GM/ティアル:「それと我ら神聖騎士団への紹介状が」
ジューダス:それはやめれ。
GM/ティアル:「は? でも……」
ジューダス:お願いだからやめて。(シャイニーに)代わりにいる?
シャイニー:私はここから離れる気はないからねえ。
GM/ティアル:「こう申し上げるのもなんですが、騎士団に入ることを夢見ながらかなわぬ人間は大勢いるのですよ? 姉にしてからが……」
ジューダス:え?
GM/ティアル:「……いえ、何でもありません」
ジューダス:……だいたい、あんたらは俺に対する隔意とかないのかよ?
GM/ティアル:「何故です?」
ジューダス:何故って、エストを殺したことに対して……。
GM/ティアル:「何か誤解があるようですね。私たち神聖騎士団とエスト・オーガストは無関係です」
ファリィ:でもルシアさんは? 確か任務でエストを殺した人物を追ってきたのですよね?
GM/ティアル:「……と、姉は言ったのですね?」
シャイニー:違うのですか?
GM/ティアル:「そもそも姉は神聖騎士団の一員ではありません。入団を許されなかったのです」
シャイニー:許されなかった?
GM/ティアル:「エストが死んだ時、姉は自ら騎士への道を閉ざしたのです。それも、心の病というかたちで……」
ファリィ:そんな……。
コロ:あれ? じゃあ「賊を追ってきてる」ってのも?
GM/ティアル:「姉の妄想です。いえ、実は我々神聖騎士団が連続殺人犯を追っていたのは事実なのです。ジューダスさん、姉はエストを殺した人が『大勢人を殺している』と言いませんでしたか?」
シャイニー:え? ……そういやそんなことを言っていたような。
ジューダス:ちょっと待ってくれ。俺はやってない。いや、人を殺してないとは言わないが、いくらなんでも「殺人犯」と言われる覚えは……。
GM/ティアル:「わかっています。その殺人犯というのは、姉のことなんです」
ジューダス:……は?
ジュリアン:まさか自分が人を殺しておいて、それがジューダスの仕業だと言ってたのか?
GM/ティアル:「いえ、そんな整合性もあったかどうか……。たぶん、姉はエストの行動をなぞり、エストになりきるつもりだったのではないかと」
一同:…………。
GM/ティアル:「つまり、姉の頭の中では、人を殺してまわるエスト、人を殺してまわる自分、そしてエストを殺したあなたとがごっちゃになっていたんです。私の言っていること、おわかりになりますか?」
ジューダス:エストになりきって、エストのように人を殺す。そうしてやはりエストがまだ生きているのだと確信する……でも彼女はエストがそんなことをするはずないとも思っている。だからそれをエストを殺した憎い犯人のせいにしてしまう……。
GM/ティアル:「姉の心の中のことです。推測するしかありませんが、恐らくは……」
ジューダス:…………。
GM/ティアル:「ジューダスさん、あなたが怒るのも当然だとは思いますが……」
ジューダス:いや、怒るっていうか。
GM/ティアル:「呆れますか?」
ジューダス:いや、呆れるっていうか……。
シャイニー:ティアルさん。肝心のことを訊くのを忘れていました。
GM/ティアル:「え?」
シャイニー:あなたは連続殺人の犯人を、ルシアさんを捕らえに来たのですね?
GM/ティアル:「……そうです」
シャイニー:どうします? 彼女を連れて帰りますか?
ファリィ:でもシャイニーさん、ルシアさんは病気なのでしょう?
ジュリアン:病気だからといって罪が許されるとも思わないけどな。
GM/ティアル:「そうですね。法によって裁かれるなら、姉は死んで詫びねばならないでしょう」
コロ:でも、でも、おねーさんはそれでいいの?
シャイニー:ティアルさん、姉上のことは大変お気の毒です。
GM/ティアル:「え?」
シャイニー:当方としてはあなたに事件の当事者をお引渡ししたいところですが、すでに亡くなられたとあればいたしかたございません。そうですよね?
GM/ティアル:「はい……はい、そうです」
シャイニー:では、このままお引き取りください。(全員に)これでいいんでしょ?
一同:いよっ大岡!(拍手)
GM:ティアルさんは黙ってシャイニーに頭を下げる。では、ここでシーンを変えます。


Ending 1

GM:一応個別エンディングをやろうと思ってたんだけど、実はコロってあんまりすることない?
コロ:んー、ルシアさん助けるのはシャイニーに任せておけばおっけーだし。今回からみが少ないからなー。
GM:んじゃまぁ、ネモが帰ってきましたけど。
コロ:あ、おにいちゃん! お帰りー!
GM/ネモ:「……よぉ。元気にしてたか?」
コロ:うん、元気にしてたよ。また[殺戮者]が来たけど(笑)。
GM/ネモ:「……おい」
コロ:だいじょぶだよぉ。悪い人が来て、それが女の人捕まえて鎧オバケになっちゃったんだけど、ジュリアンがどかんってやったら女の人は助かってめでたしめでたしなんだ。
一同:(笑)
GM/ネモ:「…………」
コロ:どしたの?
GM/ネモ:「……あとでシャイニーに事情聞こう……」
コロ:うにゅ?
GM/ネモ:「いや。よくがんばったな」と言って頭をぽんぽんと。そんなところかな?(笑)
コロ:そんなところですね(笑)。


Ending 2

GM:じゃあ次。シャイニーとファリィ、一緒でいい?
シャイニー&ファリィ:いいですけど?
GM:ルシアさんはシャイニーのところで療養していた。んで、だんだんと快復に向かってきているようだ。
ファリィ:よかったですわ。ルシアさん、おかげんいかがです?
GM/ルシア:「はっ、司祭様!」(笑)
ファリィ:いえ、そのネタはもうおいとくとしまして。
ジューダス:(ぼそっと)もう騎士団じゃないくせに……。
一同:…………。
ジューダス:はい、すみません。続けてください。
GM:(冷たい目)彼女はちゃんと神学校は出てる人間なんで、村では重宝されるでしょう。
ファリィ:……ところで記憶の方は……。
GM:身体が良くなるにつれ、記憶の方もしっかり戻ってきているようだ。
ファリィ:…………。
シャイニー:もう起きられるようですね?
GM/ルシア:「はい。あの、司祭様……領主様も……すっかりお世話になってしまいまして……」
シャイニー:お気になさらず。それよりルシアさん、これからどうします?
GM/ルシア:「……私は……ずっとひとりよがりの夢を見ていて、色々な人を不幸にして……あんなに一所懸命にエスト先生を追いかけたのに、それは結局エスト先生の影でしかなくて……その、私には本当に何もできなかった。ただ破壊しただけ……。本当はきちんと法の裁きを受け、この命で罪を償うべきなのでしょう」
ファリィ:ルシアさん。皆さんも、ティアルさんも、そうすべきでないと思ってらっしゃいますよ。
GM/ルシア:「司祭様……」
ファリィ:死んで詫びるのはいつでもできます。それよりも、あなたは本当に何もできないのか、それとも何かをすることで償いができるのか、それを考えるべきではありませんか?
GM/ルシア:「…………」
シャイニー:ルシアさん、時間はたくさんあります。まずは……そうですね。村の教会はファリィだけでは手が足りないのですよ。もう少し良くなったら、彼女を手伝っていただけませんか?
GM/ルシア:「……私は、ここにいてもいいのですか? 私は……」
シャイニー:と、言われましても、都からやってきたルシアさんは亡くなられましたのでね。
ファリィ:そうですわ。あなたの故郷はここでしょう?
GM:そう言われたら泣き出すしかないや(笑)。
ジューダス:……みんな妙に寛大なんだもんなー。
ジュリアン:山に帰っておいでー!
コロ:あんたらわー!(笑)
ファリィ:ジュリアンさん、そんなに人員増やしたいんですか?(笑)


Ending 3

GM:さて、一番問題のとこなんだが……ジューダス、おまえさんだよ。
ジューダス:あー。俺?
GM:あー、じゃなくて。君はどうする?
ジューダス:……ケンちゃん、話があるんだけどさ。
GM/トリアイクス:「(面倒くさそうに)何だ」
ジューダス:……どうしよう。
GM/トリアイクス:「だから、何がだ」
ジューダス:何がって……おまえをルシアに返すべきなんだろうか。
GM/トリアイクス:「何?」
ジューダス:いやほら、俺は嫌なんだけどね。ルシアにとって、おまえはエストの形見だったりするわけだから。あの娘に渡すのが筋かな。
GM/トリアイクス:「…………」
ジューダス:……とか考えちゃったりしないでもないんだけど。どうしよう。
GM/トリアイクス:「何故それを私に訊く」
ジューダス:……だよな。
GM/トリアイクス:「おまえは何か勘違いしているのではないか?」
ジューダス:え?
GM/トリアイクス:「私はエスト・オーガストの所有物ではない。おまえの所有物でもない。何故私の使い手をおまえに決められねばならん」
ジューダス:……ごめん。
GM/トリアイクス:「私は私。誰のものでもないぞ。だいたい……」
ジューダス:ごめん。悪かったって。
GM/トリアイクス:「……私がおまえを使い手に選んだのは、エストがおまえに剣を渡したからではない。そこのところを承知しているか?」
ジューダス:だから、悪かったよ。ホントに。ただ……。
GM/トリアイクス:「どうせ変な気をまわしたのだろうが」
ジューダス:うー……おまえはそうしたいんじゃないかなって、思ったんだよ。
GM/トリアイクス:「愚問もいいところだな。おまえを相棒に選んだのはこの私だ。違うか?」
ジューダス:いや。
GM/トリアイクス:「わかったのなら、私に私の選択を後悔させるような真似は、極力慎んでほしいものだな」
ジューダス:あのねえ……。
GM:さて、そんなことを話しながら、あなたは村の方に歩いて来た。そうすると、ルシアさんが村人に混じって畑の世話をしているようだ。どうやら体調も良くなったらしいね。
ジューダス:…………。
GM:どうする? 何か言うことはないの?
ジューダス:言うことって……ないよ。俺が「お幸せに」とか言ったら馬鹿みたいじゃないか。
コロ:それは確かに(笑)。
ジューダス:だいたい俺は謝る気ないし、向こうにも謝ってなんか欲しくないね。
GM:じゃあ会っていかないと?
ジューダス:黙って遠目から見てる。
GM:彼女はとても幸せそうに見える。
ジューダス:……やれやれ。んじゃ、行くか?
GM/トリアイクス:「そうだな」
ジューダス:では、村から出ていきます。で、ネモとすれ違ったりするんだろう(笑)。
GM:なるほどね(笑)。シーン変えます。


Ending 4

GM:さて……ジュリアン。
ジューダス:最後はギャグで落とすのか。
ジュリアン:失敬な。
GM/A:「おやびーん、地盤が緩んじゃってますよぉ!」
ジューダス/ハンス:「だいたいこんなとこにアジト建てようってのが間違ってますよ。ししょー、そのへん少し考えてます? 考えてないと思いますけど!」
ジュリアン:うるさい! 働かないと飯も食えんぞ!
GM/B:「おやびーん、村の人からパンを分けてもらったっすー!」
ジュリアン:よし、よく奪ってきたな!(一同爆笑)
GM/B:「へいっ、仕込みとしてちょいと畑耕してきました! バッチリっす!」
ジュリアン:よし、畑を荒らしてきたか! おまえらもだんだん山賊らしくなってきたな!
一同:違うだろ、それは!(笑)
GM:領主様、もーこの人たち、山賊という名の自警団にしちゃえば?
シャイニー:いや……ちょっと遠いんだよね。立地条件的に。
一同:(再度爆笑)
コロ:でもロケットで飛んで来られるよ。
シャイニー:ジュリアンだけがね。
コロ:でももし飛んで来られたとしても、ハンスくんとかABさんが役にたつかって言えば……。
ファリィ:それを言っちゃかわいそうですわ。
GM:……やっぱファリィがさりげに一番キツイなー……。
ジュリアン:ぐだぐだ言ってないで、昼飯食ったら作業の続き! 夜までに出来あがらなかったら俺はシャイニーんとこへ行くからな! ロケットない奴はここで野宿!
一同:ひでー!
ジューダス/ハンス:「うっうっ……今日は村の納屋に泊めてもらおう……」
GM:……こうして、山賊団もルシアさんも村へ溶けこんでいくのでした。めでたしめでたし。
一同:なにがじゃ!

なしくずしに…… 〜 Fin 〜