履歴、雑感など
起 2002/12/31
更新 2003/12/30
☆ 2003/12/30 鴨の仲間の雌はどの種類も同じような羽色で、近くに雄がいないと亭主のような素人には判別できません。その雄の羽色にしても、特徴のあるものはすぐにそれと分かるのですが、亭主のテリトリーに番で遊弋している大型の鴨に妙なのがいます。 それは、雌の羽色が妙に明るく、雄は首に白い輪があるのは真鴨と同じなのですが、その上の部分が光沢のある緑ではなくネイビーブルーなのです。あまり鮮明な写真はとれなかったのですが、これがそうです。合鴨かも…
よきことを指折りしつつ年惜しむ 雌山 年の暮とり憑かれをりひだる神 雌山
今年最後?のレンズ弄りで、M28o/F2.8のマウント外しを試みました。前の所有者が安直に精密ドライバーか何かでマウントを外そうとしたらしく、1本プラス溝を舐めているのです。ここのネジは取っ手の太い0番ドライバーを使わなければ失敗の危険大です。 これを抜き取るためには、逆ネジを捻じ込む方法もありますが、M2に捻じ込むとしたらM1.4の逆ネジでしょうから現実的ではありません。そこで、1.5oのドリルで舐めたプラス溝の中心に穴を開けていく方法を試みました。 作業は容易です。ドリルが皿の部分を抜けたら2oの刃と取替えると皿は取れてしまいます。この状態でマウントは外れますから、通常通り分解します。絞りリンクを組み込んである部分にネジのシャフト部分が残っていますから、これにドリルをあてれば容易に回転して押し出され、裏側に抜け取れます。組み立てたままでこれを行うと残存ネジは中のリンクに当たって外れませんから、分解が絶対に必要です。 壊してしまったネジの供給元はジャンクの鏡筒です。市販のネジを使う手もありますが、規格が同じものの方が体裁が良いですから… 分解して気付くことは、M28o/F2.8とM28o/F3.5の絞りリンク部の構造がほとんど同じで、流用できる部分が結構あるということです。開放値が違うことから、ビス止めのカム形状は異なっていますが… 標準レンズ系の絞りリンクとは構造が相当に異なっていますから、組立には若干てこずりました。結局、こつを会得しましたが… また、最後部の玉周囲に光に透かすと見えるカビ痕があったのですが、取り外して例のハンドパワーと無水エタノール攻撃を加えるとすっかりきれいになりました。
☆ 2003/12/29 昨日の朝は霜柱が高く上がっていましたが、今朝は夜明けの光の照らす屋根の霜も薄っすらの暖かさです。
ふくふくと見渡しにけり餅筵 雌山
亭主の散歩コースである鶴見川鴨居付近に飛来している鴨は、オナガガモとコガモです。マガモは見かけません。この時期ウミネコやユリカモメも遡上していますし、カワウ、アオサギ、ダイサギ、ハクセキレイ、カワセミ、チドリなどがよく目にすることができる水辺の鳥たちです。 *ist Dご近所散歩用として入手したTamron28-300(A06)ですが、解像度は不満です。軽量小型で手持ち撮影が身上のはずが、長い部分できりっとした写真になりません。これでは、ほかの人に薦められない性能です。同社がOEM生産しているPentaxFA28-200は十分満足できる性能なのですが…
Sマウント(M42)用のリバースアダプターというものがありましたが、現在は販売されていません。流通量が少ない中古市場から調達するしかないのですが、これとリバースリングライトアダプターKを組み合わせると、BESSAFLEXなどM42マウントカメラにKマウントカメラを正向きで取り付けられる(近接叉は接写のみ)という利点もあり、遊びの道具として面白い存在です… また、これと49→52ステップダウンリングとケンコーのOMリング(52o)とを組み合わせると、クローズアップレンズを正向きでSマウントに取り付けることができます。ベローズやヘリコイドエクステンションを組み合わせることで、いろいろと遊べます。
☆ 2003/12/28 「2003年・平成15年」というのは、銀塩カメラの終焉が決定付けられた年として歴史に記憶されることになるでしょう。それを成したのは*ist DとイオスKissDということになります。 2004年以降に新たな銀塩高級一眼レフが上梓されることは無いでしょう。それに代わって、デジタル一眼レフの高性能化と低価格化の競争が激化し、これに後れたメーカーは必然として消え去ることでしょう。 一眼レフの最大の利点は多様なレンズ交換にあります。この利点と楽しみを奪った製品に成功はありえません。過去のレンズ遺産にも配慮した製品に利があることは自明の理です。その点でオリンパスは苦戦することでしょう…
デジタル写真は、趣味としての写真の本質的な要素を手軽に手にすることが出来るという点で、銀塩写真より圧倒的に優れています。 写真というのは絵画と近似の機能を持っています。作品を他人の手を経ることなく自分の手だけで、想いだけで作り出すことが容易であるデジタル写真に、銀塩写真は膝を屈するほかはないのです…
銀塩カメラでもフィルムをスキャナーでデジタル写真にすれば同じこと、という論もあります。しかし、フィルムを現像しなければならないという足枷は、高品位という欲求だけがそれをよしとする以外に、デジタルカメラの利便性に太刀打ちできないのです。写してすぐに確認できて、加工に取り掛かれるデジタルカメラには、銀塩カメラは到底勝ち目がないのです。
枯山やはぐくむちからみちており 雌山 冬ざれや鴉の萎れ歩くあり 雌山 氷面鏡結ぼれる吾映しをり 雌山
また、今年のトピックの一つに、コシナのBESSAFLEXがあります。銀塩一眼レフとしては日本で最も最近に発売されたこのカメラは、基本部分や主要な外装部品は同社のローライ35RFやBESSA-R2と共通ですが、一眼レフ化するにあたってM42マウントを採用して、PENTAX SPと同様な絞込測光の機構を組み込んでいます。この品、膨大なレンズ遺産の活用をコンセプトとした隙間商品とでもいうべき存在ですが、これも写真における大衆性とは異なった趣味性の一つの方向なのでしょう。
デジタル一眼の方向性として、ファインダーの合理化、つまりミラーとペンタプリズムを使った仕組みからの脱却が考えられます。 ファインダー内に等倍(50o時)・等視野のモニターを実現できれば、フランジバックの頸木から放たれて、レンズ設計の自由度や互換性の範囲が大きく拡大すると思います。背面の見難いモニターも廃止できますし…
2003/12/27 朝雨戸を開けるとうっすらと雪が積っていました。初雪です。
胸につむこと数多なり古暦 雌山
オートベローズSにはカメラ本体とを繋ぐマウントリングが付属しているのですが、これのマウント部外径が52oしかないため、アダプターKを利用してKマウントのAFカメラ本体を取り付けたときにフォーカスエイドが働かないという不便さがあります。 そこで、マウント部外径を58oにしたマウントリングの制作を目論んでいます。素材は真鍮かステンレスで、旋盤加工だけで製造可能だと思いますので、購入したままで何年も慣れない「花子」の勉強を兼ねて図面を引いたりしています… オートベローズSはまだ相当数が健全な状態で残っていると思われますので、これを*ist Dなどで便利に使えるようにするのも面白いと思います。 また、タクマーの絞り環とマウントの間に、内径と厚さを調整した、オート・マニュアル切替レバー部を切り欠いた外径58oのC環を挟み込めば、フォーカスエイドを働かせることができるなどとも考えています。 真鍮で作って磨き仕上げにすれば、黒い鏡筒とのアンサンブルとしてぴったりです。鏡筒の構造上、135oなどには適合しないでしょうが…
☆ 2003/12/26 今年は今日で仕事納め、明日から9日間の休暇です。その間、何が出来るか、何をすべきか…
思ひのみ取り散らかして暮れ早し 雌山
☆ 2003/12/25 バタークリームで装飾されたクリスマスケーキがケーキのイメージそのものだった時代は何時のことだったのか…幸せなのか不幸なのか、遥か遠い記憶の中にしかありません。
クリスマスケーキ半値も見向かれず 雌山
このコーナーもあと何日かで開設から一年になります。また、9月6日から始めた「毎日作句」も、とりあえずの目標の期日を迎えようとしています。結果的にはどれも汗顔の駄句ばかりですが、軽く作れて、苦吟が無かったことだけは収穫でした。
こせ言をうずたかく積み年暮れる 雌山
☆ 2003/12/24 黄変SMC Takumar35o/F2にあてがうために、色温度変換フィルターC2を求めに川崎駅前の量販店に寄りました。ポイントの残があるので小物をいろいろ物色しましたが、この店、来る度に店内配置が変わります。銀塩はますます押しやられていくようです… *ist Dの予備電池携帯用に電池ポーチを精進、いろいろなものがあって迷いますが、結局セミハードにしました。 ところで、エツミから面白い品が出ていました。コンパクトカメラ用のレリーズ補助具です。ベルクロテープでシャッタースイッチの上にセットしてケーブルレリーズが使えるようにする小物です。これ、*ist D用などのケーブルスイッチCSをオートベローズ用のダブルレリーズで押せるのではないかと思うのですが…ケーブルスイッチFは駄目でしょうが…
フォクトレンダー(コシナ)のコーナーを覗くと、同社の製品がいろいろ置いてありました。同じショーケースにローライ35RFが置いてあります。知らなかったのですが、これ、コシナのOEMのようで、BESSA-R2と瓜二つなのです。仕上げや表面の張り物は異なっていますが、造形はどこを比べてもまったく同一、マウントもM… コシナはニコンのOEMもしていますが、BESSAシリーズのアイピースがニコンと同規格であるとか、今度出したトプコール58o復刻版にM42以外ではニコンマウントだけを設定したことや、ULTRA-WIDE HELIAR 12mm F5.6 SL AsphericalのマウントをFマウントにしたことなど、ニコン色を深めています。ULTRA-WIDE HELIAR 12mm F5.6 SL AsphericalのKマウントが欲しい…
ケーキ売る声疲れをりイブ更ける 雌山
2003/12/23 SMC Takumar300o/F4の無限遠は、ピントリングの周囲にある3本の芋ネジを緩めて調節できるのですが、SMC Takumar135o/F3.5の無限遠調節は、飾りリングとフィルター取付枠を外さなければなりません。これ、標準系の鏡筒と共通の構造です。 SMC Takumar200o/F4は、300o/F4と同様ピントリングの周囲にある3本の芋ネジを緩めて調節できます。SMC Takumar135o/F2.5も同じです。すごく便利…
感染した悪性の鏡筒分解病が治りません。どうなってしまうのか… M135o/F3.5の分解は、ピント環のビニール環を抜き取ることから始めます。抜き去ると穴が6個出てきます。 穴の底にはマイナス芋ネジとプラスネジが1個置きにありますから、プラスネジだけ外します。マイナス芋ネジは絞りの先枠を押さえているので、触れないようにしましょう。プラスネジを外すとフードごと先端部が抜けます。 ピント環とコアの隙間にへなへなの薄いリングが入っているので、無限遠調整用のネジが見えません。ピント環の6個の穴を利用してリングを前に押し出しましょう。このからくりを発見しないと分解は迷宮入りに… 絞りの開度調整は後からアクセスします。マウントを外すだけで作業できます。後群レンズホルダーの周りに3本あるプラスネジを緩めて調整しますが、このネジは決して抜き取ってはいけませんぜ… 絞り羽根のメンテナンスは、ヘリコイドを抜き取らないと十分にはできません。標準系のようにユニットになっていませんから…
白壁に冬陽を浴びて蔵しづむ 雌山
レンズエレメントを取り去ったM50/1.4の鏡筒ですが、これ、引伸しレンズ取付けのベースとしても使えます。ライカマウントを適当なステップリングとかガラスを取ったフィルター枠にでも接着すればいいのです。 もっとも、無限遠の関係から、引伸しレンズはf=105o以上でないと駄目ですが…
ケンコーの「OMリング」なるものがありますが、これも改造には便利かも…
クローズアップレンズNo10開放で撮影です…
☆ 2003/12/22 幾つかあるM50o/F1.4のうち、一番バルサム劣化の激しい個体のレンズエレメントを取り去り、自動絞り機構だけを残した鏡筒をでっち上げました。 この品、何に使うのかと言えば、クローズアップレンズNo10(f=100o)を先端に装着してピントと絞りをコントロールするのです。接写リングKのNo1を追加すれば無限遠が来ます。 亭主の手持ちは52oなのでステップアップリングを挟んでいますが、49oのものを使えばオート接写リングKのNo1でも無限遠が来ると思います。 しかし、MEsuperで使うためにはオートでないほうが絞り効果の確認がしやすいという利点もあります。 当然各収差が盛大にありますから、とんでもなく面白い絵が作れます。特に流行のクリスマスイルミネーションなどの夜景は秀逸… クローズアップレンズNo5ならf=200oですから、オート接写リングK100oやベローズを追加すれば望遠になります。
寒風や刈田のひつぢ震へをり 雌山
☆ 2003/12/21 どれも盛大に黄変していることで有名なSMC Takumar35o/F2ですが、色温度変換フィルターC2を装着するとポジ画像をほぼ正常色にすることができるようです。C4だと少し青すぎるかもしれません… これの作られていた時代に使われていたある高屈折ガラス(トリウムガラス?)が黄変の犯人のようで、このレンズに限ったことではない現象です。近いうちにC2を入手して、手持ちのC4との違いを、カラーバランスを固定した*ist Dを使って実験するつもりです。
陽だまりや綿雲のぬくぬくと浮き 雌山
懸案だったSMCTakumar300o/F4の鏡筒の分解ですが、大げさな工具を自作しなくても、市販のフィルター外し(77〜62用)セットで出来てしまいました。おかげで、フードを抜いて固さも調整できました。
☆ 2003/12/20 今朝は良く晴れて冷え込んでいるのですが、風は無いのに霜が降りていません。空気が乾燥しているせいなのでしょうか。冬型の気圧配置で日本海側は風雪の予報ですが… 師走も今日で中旬が終わり、いよいよ押し詰まった感じがします。今年の暮れから新年にかけては土日の並びのせいでお休みが長いのが嬉しい…
豆球の瞬く垣や星聖夜 雌山
現行ペンタックスのアイピース左右溝底間の寸法は20oですが、キャノンイオスのそれは18oです。ニコンの角窓は21o、なんでこうもバラバラなんですかねえ、ハア…
午前10時を回って風が出てきました。庭木や街路樹を大きく揺すっています。雲が飛ぶように行過ぎます…
☆ 2003/12/19 新宿に行ったついでにPFに寄り、いつのまにか手元に来ていた絶版LX用グリップBに吊座取付改造をしてもらいました。20分もかからずに1Kで加工してくれます。 LXはグリップなど付けない方が使い良いと思っていますが、せっかく手元に来たことなので、少しでも使い道が多いように、いざというときに処分もしやすいようにしておこうという軽薄な動機です。 その帰りに駅前の量販店に寄り、またファインダーカバー兼ホットシューカバーとME用接点カバーがあるのを見つけて買占めました。それと、何と垂涎のMシリーズ用台形吊環…
年の瀬を越えつ渡りつ吐息のみ 雌山
ペンタックスブランドのタムロン型レンズキャップに62oと72oがあります。72oはFA28-200用ですが、62oはFA28-105用です。これがタムロンの新型28-300に使えるので入手しました。何と言っても*ist Dの常用ですから…
☆ 2003/12/18 日増しに寒くなるのは、朝の気温と懐の中…
霜纏ひ輝く甍吾もはや 雌山 冬の陽や衰へをるもちからあり 雌山
☆ 2003/12/17 昨日の様に富士が朝から晩までくっきりと見えている日は、ここ南関東では冬でも何日もないのですが、今日はもう曇りがちの空です。北風は寒いですが、写真にとっては味方です…
北風と駆けるものあり落葉みち 雌山 赤き陽の照らしをれども冬の窓 雌山
☆ 2003/12/16 特殊フィルターばかりをまとめてたくさん入手しました。新品を買い集めれば馬鹿にならない額になりますが、中古なので安価です。 どれもけれん味の強い品ばかりなので、使えるか自信はありません。そのうち…
わらわらと落葉駆け来る北颪 雌山 旅の鴨水鏡して憩ひけり 雌山
☆ 2003/12/15 特殊効果用のフィルターは種類がたくさんありますが、高価なのでなかなか入手できません。遊びの道具としては面白そうなのですが…
富士浮かべ甍の波に霜光る 雌山
2003/12/14 朝日の最初の赤みを浴びている家々の屋根には白く霜を置いています。この冬一番の冷え込みです。薄氷の便りも…
ほっこりと花を抱きて枯木立 雌山
☆ 2003/12/13 夜明けの空は快晴です。冷え込んで風もほとんど無いせいか、朝露が盛大に降りています。昨日の宵の口まで降っていた雨で空気が湿っていたせいもあるのでしょう。隣家の北向きの屋根には霜らしきものも見えます。紅葉も終わってしまったのですが、日中暖かくなったら、軽いカメラを首に懸け、冬の季語を懐にして、枯木立でも求めて散策することにしましょう…
露時雨こころにおりてすきとほる 雌山 木に懸かる師走の夜半の下り月 雌山
久しぶりの川岸散歩コースはすっかり冬枯れでした。鴨の仲間の冬鳥もたくさん訪れています。都鳥や海猫?も鴨池橋付近まで上ってきています。翡翠も目にしましたが、これまた遠すぎてカメラに収まりません。 底まで見える水中には巨大な鯉がそこここにじっとしています。鶴見川はまだKHVに汚染されていないのでしょうか… 尾長鴨かも…
☆ 2003/12/12 各社のアイピースの左右溝底間の幅と溝幅が分かれば、アイカップや視度調整レンズ、マグニファイヤー、アングルファインダーなどの流用の可否が判別するのですが、どこかにデーターが転がっていないのでしょうか… ちなみに、M42レンズたちの救世主Bessaflex TM のファインダーはニコンの角窓と同寸ですから、角窓用のアイテムがほとんど流用できます。 ニコンとペンタックスには共通点がまったく無いので流用不可です。 キャノンの旧型はSPシリーズなどペンタックスのKシリーズ以前のものと同寸ですから、相互に使用可能です。 オリンパスとペンタックスのMシリーズ以降のものの流用は可能なよう(亭主は未確認)です。
姦しき蟲の只中夢手繰る 雌山
☆ 2003/12/11 レフコンバーター・ネタの続きです。67用のレフコンバーターとアイカップMUを組み合わせれば、MEシリーズ以降のカメラで使えそうです。現物で確認した訳ではありませんが、アイカップMUには67視度調整レンズが取り付けられることから、レフコンバーターやマグニファイヤーも取り付けられるのではと推測しました。 もっとも、ネット中古でも15Kぐらいはしていますから、MやAの中古と大差ないので、メリットはありません。新品は少し安いのですが…
わが嘆く息嘯の風の霜となれ 雌山 鰯雲風の乾らぐ匂ひあり 雌山
☆ 2003/12/10 ローアングルがほとんどである草花の撮影や仰角を上げる天体撮影には必要不可欠なアングルファインダーまたの名をレフコンバーターというしろもの、ペンタックスの場合Kシリーズ以前とMEシリーズ以後とではアイピースの幅が異なっていることから、新旧共用することができません。旧のSP用は大量に市中にありますが、これをMEsuperやLX、MZ-Sや*ist Dで使うことができないのです。 もっとも、SP用のレフコンバーターは鏡使用のため正立逆像であり、見た目とは逆の方向に振らないといけないという、いささか使い難いしろものではあります… 現行のレフコンバーターAは、プリズム使用の正立正像で1×と2×の切替機能が付いているとはいえ、えらく高価で、中古も品薄で高く、なかなか手が出ません。現在は代用品の改造キャノンで我慢していますが、いつか手に入れたい…
夕されば風冴え澪に千鳥鳴く 雌山 風花の噂の如く流れたり 雌山
☆ 2003/12/9 古いレンズも整備をすると使い心地が良くなります。自分ですると一段と…自己満足ですが…
吾が内に稲刈唄のよぎる空 雌山 唐黍の爆ぜ焦げ香る空高し 雌山
2003/12/8 昨夜分解整備したM28/2.8ですが、これもIDが6から始まるものと7から始まるものがあり、製造国刻印の有無など微細な差異があります。M50/1.7とまったく外形寸法が同一なので、MEシリーズに装着するには最適な広角です。 この品、以前のオーナーがカビ取りを試みんとでもしたらしく、マウント止め付け小ネジのプラス溝が1本「舐め」ており、回らない状況です。以前同様なものを電動ドリルで除去したことがあるので、これもチャレンジするつもりです。 プラスネジはドリルをあてる中心がありますから、作業は比較的容易です。要点はツイストドリルの寸法を吟味するだけです。ああ、ボール盤が欲しい…
SMCTakumer300/4の鏡筒分解に挑戦しているのですが、無水エタノール攻撃をかけてもフードの根元の部分が回りません。このレンズは太いので力が入れにくいのです。やはりやわらか生ゴムシートを手に入れねば… これに限らず超望遠系の太い筒を分離するために、鋏式の工具を自作しようと思っています。12o厚ぐらいの合板を切り抜いて作ることを構想していますが、二組作ってカニバサミ…
SMCTakumer300/4の飾りリングなどの大径のものを回す工具も手持ちが無いので、自作しなければなりません。レンズのフィルター径より6〜7o直径の小さな「筒」があれば簡単に作れます。手ごろな「筒」としては、広口ビン、景品・粗品で貰った細身のグラス、湯呑、コーヒーカップ…
繰言の多くなる身で栗食みぬ 雌山 駄句るのも愉しみの一夜長し 雌山
☆ 2003/12/7 レンズ弄りが止まらず、昨日の夕食後はM50/1.7に手を出しました。これ、Mシリーズ用にコンパクト化されているため、M50/1.4とは構造が相当に違います。M50/1.4と同様な分解をするとヘリコイドが外れやすく、組立に難儀します ;;;(>_<);;; タクマー55/1.8と同様、レンズと絞りがユニット化されて一体で取り出せ、しかも絞りリンクはマウント部からの分解で整備できますから、距離環は外す必要がなく、無限遠の調整も不要で、整備性は向上しています。絞り開度の調整は必要ですが… 教訓:ヘリコイドの分解清掃・給油目的以外には、決してM50/1.4と同様な分解をしてはいけないのでした。また一つ勉強になりました。フウ…
稚遅弛恥痴群雀の聲吾を責む 雌山 悠久に空翔ける雁花知らず 雌山
今日は昨夜から無水エタノール漬けにしておいたM50/1.7の超カビ玉を拭き上げましたが、カビ跡が取れていません。カビ自体はずっと以前に死滅して、乾燥した死体がこびり付いているらしいのです。紙で拭いても布で拭いてもはかばかしくありません。そこでエタノールを付けた指先でこすったところ、どんどん取れていきます。これぞハンドパワー… 調子に乗って、M28/2.8のカビ付を分解しました。広角レンズは初めての挑戦です。飾りリングを外して前群ユニットを取り出すと、一番後ろの面(絞りの直前)にカビがびっしり…これもハンドパワーで楽々クリヤーになりました。
M50/1.7は2から始まるIDと3から始まるIDのものがあり、当然2から始まるものの方が古くて、両者は部品の細部が異なっていました。MEsuperに付ける標準レンズとしては、これが一番バランスが良いようです。 明日の晩はカビ付SMCタクマー300/4の鏡筒分解に挑戦するつもりです。力任せでっせ…
☆ 2003/12/6 雨の週末にならずに済みそうです。でも、風邪が治っていないので、戸外の撮影はだめです。自重、自嘲…
山鳥のほろ打ち空し峰一つ 雌山 木守りはヒヨの糧なり吾もまた 雌山
今日はお外に出られないので、懸案のレンズ弄りをいたしました。SMCタクマーの標準を4本、まとめて分解整備したのですよ、フフフ、フッ… 3本行った50/1.4はKマウントのM50/1.4とほとんど同一の構造ですが、マウント部の分解は前から外さなければできません。55/1.8も同様です。標準タクマーの分解は初めてですが、特に難しい場所もなく…と言いたいところですが、55/1.8はとんでもなく面倒でした。構造自体はKマウント判で経験済みでしたが、使われている小ネジがすべてマイナスなのです。 分解はプラスでもマイナスでもたいした違いはないのですが、マイナスネジの場合、組立の難しさは半端ではありません。治具が欲しくなりました… 分解整備した4本は、いずれも絞りの挙動が渋いという症状です。それと鏡筒の汚れが少々… 分解点検の結果、絞り本体にはどれも異常がなく、単体ではスムーズに作動します。故障の原因はマウント部リンクの潤滑不良で、関節部や回転部、摺動部に注油したことで症状は消えました。ヘリコイドにも新しいグリースを施したので、滑らかな操作性となりました。光学系には異常がなかったので手を付けません。絞り本体の分解もしていません。無限遠の調整は2キロ以上向こうの岡の上の鉄塔で行いました。気持ちオーバーインフにしました。 使用した道具は精密ドライバーセットと00番プラスドライバーと、「雌山特製」飾りリング回しだけです。
☆ 2003/12/5 今週末も雨のようです。昼からの雨で傘を持たぬ人も多く見ました。風邪は…昨日からすっかり声変わりしています。
枕香を蕎麦殻換へて忘するなり 雌山 香の立ちて気の引き締まる青蜜柑 雌山
☆ 2003/12/4 今朝は富士が綺麗でした。駅に下りる坂で見えます。そういえば昨日も…
否よ非よの鵯に問ふ吾愚か 雌山
☆ 2003/12/3 長引きタイプの風邪です。憂鬱…
消えるまで火の色見入る焚火守 雌山 胸探り熾き掻き立てて夢照らし 雌山
52oフィルターは色温度変換やNDなどひと通り持っているので、49→52のステップアップリングを少し入手してなどと、細かいことばかり… ☆ 2003/12/2 風邪が抜けずに体調がいまいちのところ、師走に違わず仕事が忙しいので、句作の余裕がありません。ましてやカメラ弄りなんぞ、とてもとても…
あれこれと己を指図年の暮れ 雌山
通勤帰りの電車の中で、新来LX用のレンズはフィルター52oで統一しようかなどと夢想している亭主です。えーと、在庫はA24/2.8・K50/1.2・K105/2.8・M200/4…お経やないで…しょうもない…
☆ 2003/12/1 昨夜から降り出した雨は一日中降り続きました。季節外れの台風の影響でしょうが、冷たい雨ではなかったのが救いです。ううむ、風邪が治らん…
吾洗ひ山肥やしけり木の葉雨 雌山
☆ 2003/11/30 朝方の強かった雨もどうやら通り過ぎたようで、昼には止みました。今日で11月も終わり、明日から師走です。今年の12月は働く日数が少ない…
囲むより並ぶが似合ふおでん鍋 雌山
☆ 2003/11/29 予報どおり朝から雨です。風邪気味で鼻の奥が炎症を起こしていて、顎下のリンパ線が少し腫れています。午後のジュビロ×マリノスには行かないほうがいいかも…
風邪なんか寝てりゃ治るは口癖に 雌山
見に行かず寝ていたお蔭でマリノスは優勝し、体調も少し良くなりました。万歳…
☆ 2003/11/28 今日から雨の予報でしたが、夜まで降らずに済みました。あすの午後は近所の横浜国際競技場でサッカーJ1の試合があり、それに連れて行かれるそうです。雨が降るとの予報なので憂鬱です。雨じゃ、*ist D持って行けないもんね…
恫喝に屈せぬ矜持黄水仙 雌山 凍て雲や腹いせだけの捨て台詞 雌山
☆ 2003/11/27 新規入手の*ist Dご近所散歩用Tamron28-300(A06)ですが、昨日少し写しました。結果は、設定を間違えてスポット測光にしたせいで露出があまり当たらなかったこともあるのですが、何かぴんときません。FA☆の写り具合と比べてしまうからかもしれませんが… AF自体は明るいところではそれなりの速さで、まあまあの感じです。300o付近だと中ボケからピンまでだいぶ迷います。いったん大ボケの方に行きたがるようです。 問ふ前に答出しをり都鳥 雌山
☆ 2003/11/26 デジタルカメラの楽しさは、ランニングコストに気を使わずにシャッターを押せることです。構図だけに拘ったり、シャッターチャンスやタイミングだけに拘ったり、ボケの効果に拘ったり、いろいろと勉強になります。まだイニシャルコストは相当にかかりますが… ただし、これはパソコンなど画像処理アプリケーションを使える環境を持っている、その環境を自身で使えることが前提となります。パソコンの操作がままならない人にとっては、プリントを街のラボに頼まなければならない人やプリンターのダイレクトプリント機能に頼らなくてはならぬ人にとっては、銀塩との違いはそんなに多くはないと思います。 亭主は標準の設定では赤っぽく印刷される古いA4プリンター(BJ F850)しか所持していないので、現在の欲望はA3ノビの写真画質印刷ができるプリンターの入手です。額に入れて壁に懸けて楽しむためには、四つ切ワイドのプリントは必要な大きさです。とかく自己満足の代償は大きい…
霜月や残りの年を数へをり 雌山 葡萄酒や芳醇目指すものありき 雌山
霜月や木戸の向かふに夢を見て 雌山
☆ 2003/11/25 江ノ島弁財天のご利益は今年最後の宝くじに託すとして、長谷の阿弥陀はんのご利益は来世のことかもしれません。 *ist Dに取り付けるご近所散歩用としてTamron28-300(A06)を入手しましたが、AFはとんでもなく遅いです。同社OEMのFA28-200の快速AFとは大違いで、ちょっとがっかりです。まだ昼間の光で試写していないので、どんな写りをするのか不明ですが…
息潜め脈を数へる枯野かな 雌山
FA☆28-70の写りは、やっぱり優れていると思います。腕が上がったと錯覚するほどに違います。このレンズの全機能が使えるデジタル機体が出てほしいと強く思います。
☆ 2003/11/24 三連休の最終日は曇り空です。今朝の南極皆既日食実況中継放送にてプロミネンスなるものを初めて見ました。コロナのたてがみの中の黒い太陽、肉眼で一度見てみたくなりました…
小雪や閉じて行く戸を叩きけり 雌山 宝船乗り遅れまいぞ弁財天 雌山
昨日の山登りと階段登りが利いて、体が痛い亭主です。阿弥陀はんと弁財天のご利益はいつごろあるものか…
☆ 2003/11/23 今日は新嘗祭、勤労感謝の日です。誰が誰に(何に)感謝するのかなどと堅い事は言わんときましょ…
枯葎望みなしとは言へざりき 雌山 馬手刺刀牡蠣を弓手に頬緩み 雌山
妻の供で鎌倉へ遠征したのですが、北鎌倉駅に降りるとものすんごい人の数、円覚寺、建長寺経由コースはすぐに断念し、山越えして長谷へ転進。 しかし、この難儀な山道すらも人、人、人の行列、蟻の如し…肝心の紅葉はまだ端緒についたばかり、来週末でもまだ早いかも… 長谷からは満員の江ノ電で江ノ島へ。まだ島へは一度も足を踏み入れたことがなかったのですが、初めてのここも人の行列。それでもってこの先、おそらく二度と足を踏み入れることはないでしょう。クタビレタ… 連休の中日はご近所の徘徊か、うちでごろ寝が最も賢い選択のようです。
☆ 2003/11/22 予報では今日から冬型の気圧配置のようですが、夜明けの光が行き渡ったばかりの空にはまだ透明感がありません。これから北風が強くなってくれば、凩が来れば、未明の空で遊んでいた鰯雲を海へと追い払うのかもしれません…
枯草に火を放ちをり夢の中 雌山 秘めをるに顕れにけり思ひ羽 雌山
このあたりでは、落葉する街路樹や公園樹としては、鈴懸、公孫樹、そして欅や櫻が多く、楓のように赤くなるものは少ないので、どうしても紅葉は地味です。櫻は今が盛りで、欅も色が変わった葉から競うように落ちて行きます。
竹箒苛立たしげに濡れ落葉 雌山
北海道は吹雪になるそうですが、一昨年十二月初旬の旅先札幌で、街路樹の鈴懸が青い葉を付けたままで粉雪を浴びていたのを思い出します。秋口に寒さが急に来たので、紅葉するいとまもなく壊死乾燥し、あわれ落葉となれずに木に残ってしまったのでした。
鈴懸の想ひ残れり凍て青葉 雌山
☆ 2003/11/21 今日は暑いぐらいの一日でしたが、明日からの連休も天気が良さそうです。初冬の景色でも拾いに行きますか…
枯菊や明日を夜明けを待ちにけり 雌山 人の世は掻ひつ潜りつ息長鳥 雌山
☆ 2003/11/20 今日も朝晩の通勤時だけ雨が止みました。有難いことです…
枯尾花瞋恚の炎高くあり 雌山 笥に葱のみ糟湯酒酌む壺の侘し 雌山 湯たんぽや己の姿見へざりし 雌山 氷雨とて歩むほかなしこの道を 雌山
☆ 2003/11/19 午後から雨との予報は外れ、夜になるまで降らずに済みました。勤め人にとって通勤時に降られるのは憂鬱なことですから、まずは良かった…
羊羹を切り分け縁に置く小春 雌山 団栗のかちりころろとまろびけり 雌山
☆ 2003/11/18 凩、小春、初霜、初氷、めまぐるしい気候の変転で体調の維持は難儀です。雌山亭近辺の紅葉はもう少し後のようです。来週末かな…
山茶花や言ひ張ることの無かりけり 雌山
真鴨かも… ☆ 2003/11/17 冬は赤き実。高くは昇らぬ陽に照らされていと麗し。小鳥の糧となるも善哉。クロガネモチ、ピラカンサ、千両、万両、アオキ、南天…
万両や下にあれども優りけり 雌山 千両や上になれども劣りけり 雌山
☆ 2003/11/16 ここ何日か風邪気味でぐずぐずしていたのですが、昨夜も頭痛があり、早寝しました。 でも、夜中に目覚めるとまだ頭痛は続いているので、愛用のバファリンを服用して治癒しました。これで30分以内に治まらない痛みは重症・重大ということなので、物指しとして最適な常備薬です。 風邪と云えば、昨夜の雨の上がった今朝はよく晴れていますが、風が強く、窓から見える街路樹が大きく揺さぶられています。それにしても暖かい朝です。
見向かれぬ落葉の土を肥すあり 雌山 温むより燃やすがための焚火かな 雌山
☆ 2003/11/15 七五三を祝う風習は、かたちはどうあれ若い世代にも受け継がれているようです。子の健やかな成長を願う親の心は普遍性があるということでしょうか…
指の節折りつ伸ばしつ七五三 雌山
晴天は長続きせず、今朝はどんよりとした空です。写真を柔らかく無難に撮るにはこのような光がいいのでしょうが、晴天のコントラストを使いこなしたいなどと不遜な考えもあったりして… 雌山亭のある南関東には時雨というものがありません。雨は降り出したら止むまで続くだけです。止めばあとは晴れて行くだけ…北陸や東北の晩秋・初冬に降るような驟雨と晴れがめまぐるしく変転する時雨は旅の中だけにあります。
一の橋古りにし擬宝珠時雨けり 雌山
晩秋の不来方に一人旅した思い出の句です…
自転車の修理が完了しました。後輪のシナ製タイヤを外してみると、同じくシナ製チューブがバルブ付近で腸重積状態でした。適正な空気圧の維持を怠ったのが原因でしょうが、大和製が中心の昔は、こんな無様な現象は見たことがない…。 アルミリムに狂いがあったので、昔取った杵柄ならぬクロモリ鋼ニップル回しを振るって縦振れ、横振れを小数点以下に修正しました。エヘン… ブレーキ・レバーの遊びも修正し、各部を増締めして完成。まさにプロ級の技…
☆ 2003/11/14 明日は子供の通学用自転車の後輪パンクの修理です。チューブがずれてバルブの根元にストレスがかかったのが原因らしいのでチューブ交換です。クイックレリーズの外装ハブと違い、ナットを外したり内装変速ハブのチェンなどを外して泥除けステーなどを外さなければなりません。いささか面倒…
凍て蝶や顧る身の忸怩たり 雌山
☆ 2003/11/13 イチョウの黄葉を撮影したいと願っているのですが、絵になる場所が見つからないのと、絶妙なタイミングに出会わないのが悩みです。初冬の快晴の早朝、朝日を半逆光にした並木を超望遠で積み重ねて切り取るのが望みですが、時期と時間と天候が一致しません。それと、夏に強剪定を受けてしまった並木では風情が半減してしまいます。目当ては田園調布駅前なのですが…
鴛鴦の浮寝ありけり闇深し 雌山 夜神楽や吟味の笞繁かりし 雌山
☆ 2003/11/12 写真と俳句をオーバーラップさせられたら…というのが不遜なる亭主の願望なのですが、これはまことに難しい、というよりこれまで一つも成功していないのです。写真は基本的に具象ですから、言葉なら容易な抽象性を表現し難いのです。五感のうち視覚というのはなんとも頑固で、連想の連鎖が起き難い…
味はひの深くなるなり懸け大根 雌山 逡巡をかなぐり捨てて蓮根掘る 雌山
☆ 2003/11/11 昨日今日とようやく冬らしくなってきました。雨が降るのは閉口ですが…
腰伸ばし振り返りけり負真綿 雌山 勝ち負けは続きありけり世継榾 雌山
☆ 2003/11/10 選挙の度に思うのですが、白紙投票を含めて膨大な数の無効投票があります。また、投票時間を午後8時までにしようが、不在者投票の制限を緩和しようが、投票率は一向に向上しません。これは、投票したい候補者がいないというのも原因の一つなのだろうと思われます。 そこで、マイナスの投票も許す制度を導入すれば、棄権や無効投票が大いに減少すると思います。現実の無効投票の内容を見ると、このことは強く感じます。ヒットラーのような政治家が出てくることを喰い止める効果も期待できますし…
積むよりも崩すが易し冬薔薇 雌山
☆ 2003/11/9 今日は曇天の見本のような日です。朝から降るでもなく暗い空が午後も続いています。すべての色が重く沈んで、モノトーンの世界…
白き目を浴び頑なに焚火守 雌山
☆ 2003/11/8 パソコンから目を上げた窓外をメジロが鳴きながら横切りました。一の酉でもある立冬の早朝、身の引き締まる寒さ…と言いたいところですが、昨日の夜の天気予報では夏日になるだろうとのこと、季語の「今朝の冬」とは大いにずれているようです。
落葉掃うず高くしてほくそ笑む 雌山 陽だまりで夫婦目白に温みけり 雌山
天気予報どおり摂氏26度を越えて夏日です。夏の衣装はすべて仕舞い込んでいますから、下着だけになってふうふう言っています。それにしても暑い…
2003/11/7 暦の上では今日までが秋、季語で言うと「冬隣」という時期ですが、えらく暖かい、と言うよりむしろ暑いという陽気で、季節相応に身支度しているので電車の中では四六の蝦蟇よろしく大汗を流しています。 今朝の通勤の途上、早朝の歩道には欅並木から降り散った落葉で見事なゴブラン絨毯が出現していたのですが、これを掃き片付けている不埒者が何人もいるのです。なんと情けない…
己等に絵心無きや落葉掃 雌山 凩の罪は問ふまい吹き溜り 雌山
☆ 2003/11/6 どうも句作の方が行き詰まっています。なにかピリッとしません。雑念が多すぎるのかもしれません。亡霊LXなんぞに手出しした祟りかも…
腰掛けて頬杖突いて芒原 雌山
使いたい季語はあるのですが、それを挟叉する言葉が浮かびません。凩、小春、虎落笛、北颪…
☆ 2003/11/5 道楽で手を出したLXですが、ワインダーやフォーカシングスクリーン、スナップ付吊紐、グリップA、標準ファインダーなどはまだ店頭にありました。ソフトケースも…
と見かう見迷ひの募る紅葉狩 雌山 人を指し己養ひ秋を切る 雌山
全部に手を出したわけではありません。グリップBや三角頭のFA-2はもう無いようです…
☆ 2003/11/4 半月ほど前に新宿の某量販店でX接点用のプラカバーを緑袋で入手したのですが、今日は同じ店でホットシューカバーを見つけ、これもあるだけ買占めました。もうとうの昔に廃版になったと思っていたのですが… この品、アクセサリーシューのカバーとファインダー窓カバーを兼ねている優れもので、MEシリーズ用の小物としては欠かせない逸品なのです。販売価格0.11Kですから、流通経費を考えたらPENTAXの心意気以外の何ものでもないと嬉しくなってしまいました。
振り返り振り返りして草紅葉 雌山 胡坐して矯めつ眇めつ菊一輪 雌山
☆ 2003/11/3 晴れは1日半しか続かず、今朝はもう雨です。なにやらと秋の空の喩えどおりの推移です。今日を入れても今年の秋はあと5日、今回の総選挙が冬の時代の始まりとならねばいいのですが…
手をかざし温みを得たり冬牡丹 雌山 山門のいてふ黄葉や暮れかかる 雌山 胸突きの此経難持や木の葉雨 雌山 掌中のカメラと語る國の穐 雌山
☆ 2003/11/2 庭木の剪定を造園屋に依頼したので、庭や家の中がすっかり明るくなりました。2日がかりで繁茂し放題の熱帯密林から、サバンナ程度に模様替え… 街路樹もばっさりと剪定されたので、柿の背景がなくなり、バックボケの写真が撮れなくなってしまいました。トホホ…
一文字の潔きかな白き肌 雌山 冬木立小さき夢に陽を当てて 雌山
☆ 2003/11/1 霜月は雨で明けました。連休の初日だというのに… 隣の富有柿は鳥たちの餌食になりました。わが亭の次郎柿も…
枯蔦や捨てたるはずの欲疼く 雌山 研ぎ上げて切れ味想ひ葱洗ふ 雌山 ☆ 2003/10/31 今日で10月も終わり、今年の秋もあと7日を残すのみです。明日からの連休は、そこいらで晩秋を拾うとしますか…
言はむことせむこと直に鐘冴ゆる 雌山 立ち止まり窓を鏡に返り花 雌山
☆ 2003/10/30
生きてきた証ぞ孫の千歳飴 雌山 軟らかき柿好ましと媼たち 雌山 置炬燵取り片付けて旅支度 雌山
道楽、道楽、ハハハ…ハァ… ベローズ・タクマー100oでっせ…
☆ 2003/10/29
一の酉まだ間があると延べてをり 雌山 根が生えて身動きならぬ切炬燵 雌山
☆ 2003/10/28 ベローズ・タクマー100oにマウントアダプターKを装着してヘリコイド接写リングK+接写リングK1号に取り付けたものは、なかなか使い心地が優れています。絞り羽が8枚ですから絞ったときのボケが自然で、プリセットですからピント合わせも手軽です。最短撮影距離も約73cmで、無限遠も出ますから一般撮影に何の問題もありません。
まずまずとせずばなるめえ十日夜 雌山
☆ 2003/10/27 システムカメラという言葉には魔力があるようです。その魔力の導くままに、使いこなしもしないのにシステムの完成まで続く果てしない物欲、所有欲…あな恐ろし…桑原桑原…
遺伝子の導く旅や山野燃ゆ 雌山 頼るより頼らるる良し神の留守 雌山
☆ 2003/10/26 1週間前、もう銀塩には戻れないかも、なとど言って置きながら、ふらふらと禁断のLXに手を出してしまいました。「病膏肓に入る」です。なんともはや…
夢を見ている夢を見て冬隣 雌山 秋日和どの写真にも嘘つかせ 雌山
午後LXが届いたのですが、IDは5361XXXで、これが最終ロットのようです。LXは実質的には521XXXXから始まっていますから、15万台余の製造だったのでしょうか… また、接写リングKの1号(9.5o厚)を安価で入手しました。これをヘリコイド接写リングと組み合わせると、smc PENTAX BELLOWS 1:4 100oを無限遠から18o繰り出せて使えるため、*ist Dで手軽に使えるのです。オート接写リングKのセットならば結構中古市場にあるのですが、これの1号は少し厚過ぎて無限遠がこないのです。それにセットでまでは欲しくなかったので、待てば海路の日和とやらです。本当は11.5o厚ならもっといいのに…
☆ 2003/10/25 正岡子規没後百年を迎えましたが、子規の提唱した俳句は、俳諧の発句からの解脱を目指したものとされています。あえて芭蕉を批判し、蕪村を評価したその主張を、自己の句作によって示そうとしたようです。 今日代表作、というより子規の俳句として一般人の知っているものといえば、 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 という句しかないのではと思われますが、この句の何がかくまで人口に膾炙させるのか、名句とされるのか、写生文という概念を推し進めた子規のこの句に込めた思いが何なのか、子規という人間をまったく知らない場合に、この句を詠んだ状況を承知していないとした場合に、つまり、亭主がまさにその状況なのですが、単に俳句として鑑賞した場合にどのような感銘を得られるのか、共感を得られるのか、虚心になって凝視してみました。 まず、この句から読み取れる情報を列挙してみます。 「柿くへば」とあることから、季節は中秋を過ぎた頃から晩秋のころというのが妥当でしょう。詠者子規が柿好きだったかどうかで句の解釈は変化するのでしょうが、嫌いな人があえて柿を食うという状態を句にする必然性は少ないし、子規は柿が好きだったと解釈するのが自然でしょう。 「鐘が鳴る」というのは、時刻を表していると解釈できます。その時刻としては、何の説明も無い以上は、晩鐘の鳴る時刻が柿の色や晩秋という季節と「響き合って」相応しく思います。何の共感や感銘なくして句作するというのは、いかに「写生」といっても無理があるでしょう。 「法隆寺」とあるからには、場所は大和盆地奈良郊外の斑鳩の地、山近くの田園風景の広がる秋景ということになります。 また、「柿」という詞から夕焼け空も連想され、山の端に茜に染まった雲のかかる情景も目に浮びますし、帰巣する鴉の鳴き声も耳に届いてきます。これは季語の持つ力でもあります。 「鐘が鳴る」という詞から聞こえてくるものは遠い響きであり、乾いた空気であり、付近の静寂であり、このことからも、晴れた夕暮れの落ち着いた情景であると見えてきます。 柿を好む人間がその舌で味わっている喜びと眼前に広がる景色から得る感慨と、耳に届く遠い鐘の響きと、さらには皮膚にも秋を感じ、五感のすべてが古都の秋の中にいる自分を写生した、というのがこの句のありようであると解釈することができて、これが読み取ろうとする人の感性と共鳴するときに名句との評価が生まれたのだと推量するのです。
この句を鑑賞して得る限りにおいて、芭蕉と、蕪村と、一茶と、その他数多の世に知られた俳人の句と等質であり、ことさら革新的とも言えず、単に俳句の本質を把握したに過ぎないと思います。この句は詞によって「写生」したものではないが、心象に写生させた句であると結論することができます。 しかしながらこの句には、心情がこもっているとは見えず、それが物足りないと感じさせる原因だと思います。芭蕉の句にはそれがあります。その分凄みの質に差があるのです。
木守りを望めど羨し柿簾 雌山 渋柿や同じ顔した人の群 雌山 顔背け俺は違うと柿齧る 雌山
☆ 2003/10/24 都庁に行った帰りにPFに寄り、*ist Dの気になっている点を見てもらいました。出来上がった画面上に点が幾つか付いてしまう現象です。点検の結果、ノイズの影響であり、カスタムファンクションを初期化したとのことで、試写の結果では、点は消えていました。 話は違いますが、PFの窓際にずらりと並んでいる67Uなどの超望遠レンズ群の視界の先に薄の一叢があり、今がちょうど見ごろです。カメラの点検を待つ間に、すべてのレンズの視野とフォーカスを薄の穂先に合わせて、ファインダーを覗いた人にバックのボケとの対比の美しさで感動を与えるよう仕掛けてきました。フフフッ…
嘲られ邪険にされて街落ち葉 雌山 街路樹を我が物顔に群雀 雌山
待ち時間の無聊のままに、PFで現行のほとんどの35oSLR用レンズに触れて感じたのですが、絞り環の操作感覚はMレンズまでと比べて明らかに劣るものになっています。リミテッドシリーズも☆シリーズも埒外ではありません。これは大いに不満です。
☆ 2003/10/23
暮六つの鐘身に沁みて衿を持つ 雌山 枝離れ這ふが定めの木の葉かな 雌山 草枕仮寝の宿の濁り酒 雌山
☆ 2003/10/22 Kマウントレンズ用のマウントキャップは、M;レンズ以前のものとAレンズ以降の鍔のついたものの二種類がありますが、SマウントのレンズにマウントアダプターKを取り付けた場合に使えるマウントキャップは、Mレンズ以前の鍔のないものです。Aレンズ以降のものだと緩くてすぐに脱落してしまいます。 Takumarを*ist Dで快適に使うためにマウントアダプターKをまとめ買いしたので、亭主所蔵のM以前のレンズマウントキャップはすべて鍔付の現行品と置き換えてしまいました。
独り居て濁り酒酌む背の丸し 雌山 山裾の萩零る庵影長し 雌山
☆ 2003/10/21
ひょんの笛夕べに吹くを戒めぬ 雌山 萩の戸やおとなふ声の絶へてをり 雌山
☆ 2003/10/20 亭主が記念撮影のスナップ以外の写真を写すようになってから三年目です。その間、秋になると我が家の庭先に現われるつがいのメジロを写そうと狙っていたのですが、一度もうまくいきません。 でも、昨日とうとう念願が叶いました。絶好の光線で、絶好のポーズを写すことができました。下の写真の他に、他の鳥がつつき開けた柿の実の穴の中に頭を突っ込んでいるポーズもものにしています。無法者の四十雀に追われて飛び去ってしまい、その間十数秒、これはもう二十三夜待ちの功徳なのでしょうか…
目配せに目尻を下げて薯蕷汁 雌山 共寝して傷舐め合へりそぞろ寒 雌山 夜鍋懸け爪繰る針を見詰めけり 雌山
☆ 2003/10/19 昨夜二十三夜の月の出は11時すぎでした。生憎雲が残り、垣間見ることしか出来なかったのですが、有明の月は雲一つない中天にかかりました。この姿がまさに下弦の月… 亭主の三脚では天頂付近に仰角を付けるのが困難なので、800oを手持ちで撮影したため、F11で1/125ですが若干手ぶれしています。撮影時間は6時を少し回ったころです…
愛憎の果ての二人や衣打つ 雌山
早起きのご褒美です。雌山亭への今年最初の訪問も、やはり番でした… M400o開放です… *ist Dは被写界深度が浅いので、立体的な写真が撮りやすいと思います。ホワイトバランスもオートにしておけばほとんど問題が無く、経年により着色してしまったレンズでも気軽に使えます。何より優れているのは、これはどのデジカメでも共通ですが、撮ってすぐに大きな写真にすることができることです。 また、銀塩だととても撮ろうとしないものも気軽に撮ってしまいますから、望外の絵が写っていることがあります。亭主としては、もう銀塩には戻れないかもしれません…
☆ 2003/10/18 亭主好みのMEsuperジャンクにはX接点カバーが欠落しているものが多く、これの入手は課題の一つでしたが、きのう初めて販売しているのに出会い、店頭にあったものすべてを買い占めました。場所的に脱落し易いBessaflexにも使えますから、(^O^)/ です。 Sマウント用のキャップといい、シャッターボタンアタッチメントといい、流通の経費に比べてあまりにも安価なこれらをこれからも供給するのか、そうだとするとPENTAXの誠意というか、心意気というようなものを感じてしまいます。
華やかも身の丈なりの秋の花 雌山 爪先で拾ひあつめて冬用意 雌山
*ist Dにバッテリーケースを取り付けてFA☆28-70oを装着したものを持ち歩くのは、少々根性が要ります。首にずっしりと応えますし、構えても腕応え十分です。でも、近接が利きますから、広範な被写体に使えて便利ではあります。パワーズームが使えないのは、とほほ…
何無くも二十三夜は汝と吾 雌山
今日は二十三夜、下り月の半月、夜半頃に東の空に昇り、明日の遅い朝、南西の空に下弦の月として落ち残っていることでしょう。月待ちの中でも最も艶やかなものか…
☆ 2003/10/17 入院中だったFA☆28-70oをPFから受け出してきました。ああ痛い… 行きがけの駄賃で寄った新宿の某量販店の緑袋コーナーにME用X接点プラ・カバーがぶら下がっていたので、あるだけ手に入れました。@0.04K也…万歳!!シャッターボタンアタッタメントもあったので、少々補給。@0.075K…
小夜砧己の分を量りけり 雌山 行く秋や影の中にも玉を置き 雌山 足元を踏み確かめて牛蒡引く 雌山
☆ 2003/10/16 ふうー…
山錦鬱散じたり散り散りに 雌山 雨雲を切り開き月皓々と 雌山 数多なる嵐のありき晩稲刈る 雌山
☆ 2003/10/15 午後地震がありました。主として上下動でした。被害は無し。
食ひ縛り胸突き出して芋嵐 雌山 芋の葉の白露払ふ風無情 雌山 雲中でもがき足掻いて後の月 雌山 井の中に捕らへられたり寝待月 雌山
☆ 2003/10/14 今日は鬱陶しい一日でした。昨日の暑さから一転うそ寒くなったのは救いですが…
直中にをると思へば秋惜しむ 雌山 積もる胸二十三夜を待ちにけり 雌山
☆ 2003/10/13 変動性?国民の祝日ということで今日は体育の日。でもって、以前の10月10日はスポーツの日にしようという提唱が某団体から発信されているらしい… 昨日雨だったので、今日が順延で運動会の学校が多いことでしょう。雌山亭の裏の小学校からも銃声やスピーカーの音が聞こえて来ます。でも、夏に逆戻りしたように暑くて、湿度が90%近くあって、おまけに時々スコールが来て、ええい、洗濯物濡らしてしもうたやないか…
華やぎも散るを思へば山の秋 雌山 秋なれば入日麗し我等もか 雌山
接写の世界を本格的に愉しみたいと目論んでいるのですが、リングライト(ちと高い…)の入手とスタジオの構築を考えています。スタジオといっても接写用ですから、大き目の段ボール箱の中で十分なのですが… 照明を自在にコントロールする仕組みができれば、結構愉しめそうです。それと、オートベローズMを連結して使うための長くて頑丈な三脚用プレート…
濡れ薄ただ恨み泣く日のありき 雌山 暴れ雲吾より湧ひて秋野伏す 雌山 秋惜しむ去るを送るを数へけり 雌山
正午を過ぎて真っ暗になってきたかと思ううちに豪雨が降ってきました。運動会も何もあったものではない、南無…
吾が胸を天知るごとし白き雨 雌山
小一時間ほど降った雨があがって、空の色が綺麗です。虹が見えるのを期待したのですが、まだ陽が高くてだめでした。これから「まじかるあわー」になりますが、夕焼けになりそうな気配です。
夕映えに佇む吾に秋の聲 雌山
ぼけの花、なんちって…
☆ 2003/10/12 昨夕から雨になり、明け方は強く降りました。主室である「分解整備詳解」に少し手を入れました…
石榴裂け泥濘避ける知恵の付き 雌山 苦しみを一つづつ積み柿熟す 雌山
☆ 2003/10/11 十四夜の月と十五夜の月を続けて写すことができましたが、写した時間が違ったために色々なことが分かりました。 月はいつも同じ面を地球に向けていると言われていますが、ふちの方は少し動いていますし、見かけの面角度もゆれ動いています。こんなこともデジ・カメだと簡単手軽に確認することが出来て、非常に興味が湧きます。 月を超望遠で写したのは初めてですが、隕石衝突跡のありさまが生々しく、地球に衝突したときのことを考えるとぞっとしてしまいます。
円熟も傷を癒して後の月 雌山
河原の蝶もその羽は磨り減り、最後の羽ばたきの日々を送っています。 SMCTakumar20oですが、色乗り、解像度ともに満足できる性能です。ぼけの具合もなかなかです…
☆ 2003/10/10 今夜は満月ですが、下の写真のように右側が少し翳っています。今日の昼間、地球の裏側で満月だったということです。日本の上では欠け始めた月なのでした。 ISO400設定、F11/800o、1/500です…レンズによって随分と色が違うものです…
満つるとも何か哀しい望の月 雌山
☆ 2003/10/9 今夜の月です。十三夜の昨日は雲に隠れて見られなかったのですが、今日は周りの雲を明るく照らしています。左側が少しだけ欠けています。明日が満月です。 ISO400設定で、手持ちでF8/600o、1/750です…
十三夜円く円くと言ひ聞かせ 雌山
☆ 2003/10/8 気が付けば、この雌山亭を開設してから一年が過ぎていました。その間、メインのMEsuper分解整備も概説から詳解へと表題を変えて、MEsuperに発生する故障とその対策はほぼ網羅することができたと感じています。 しかし、新しい個体を分解整備するごとに、何かしら新しい発見や故障の状況が現れるので、興味は尽きないものがあります。 この間、5,500回を数えるアクセスがあり、少しはMEsuper救命のために役立ったのであれば、かような陋屋でも維持する意味があったのだと思っています。
細くともこの道踏めば実り山 雌山 栗拾ひ抱えきれぬと高笑ひ 雌山
今宵は十三夜、後の月とも豆名月、栗名月とも言って、まだ少し満たない月を愛でるという、日本だけの、日本人の本質がよくあらわれた風習だと思います。 ちなみに、十六夜の月をいざよいの月、十七夜の月を立待月、十八夜の月を居待月、十九夜の月を寝待月というのもまことに風情を覚える言葉です。下り月をいとおしむ、これを優雅と言わずして何とすぺき…
変な例えですが、俳句というのは日本料理と共通するものがあると思います。旬の素材を生かして調理し、吟味した器に感性を尽くして盛る、この日本料理における器が俳句の季語だと思うのです。 素材のために器を選ぶように、使いたい言葉に合った季語を選ぶ、吟味する、この愉しみが俳句の醍醐味の一つだと感じています。その反対に、器を生かすための料理というものがあるように、季語を選び出し、その季語にあった俳句を作る、テーマを選びことばを選ぶという愉しみもまた捨てることが出来ません。そうして積み上げた詞の中からある感情が滲み出してくれば、それを感じることができれば、それは美味しい料理と等質と言えるのでしょう… 技法は様々、巧稚は問はず、月並みの謗りは甘受すべきもの、ことばという素材を調理して季語の器に盛り付けて、季節を身近に引き寄せて、人の世を眺め暮らすことにいたしましょうぞ…
☆ 2003/10/7 *ist Dは、ホワイトバランスを設定することで光源に応じたカラーバランスを制御することができますが、同一条件の場合にどのように変化するのか試してみました。光源は蛍光灯 昼光色です。 1 オート設定 2 太陽光設定 3 日陰設定 4 曇天設定 5 蛍光灯 白色設定 6 蛍光灯 昼白色設定 7 蛍光灯 昼光色設定 8 白熱灯設定 9 ストロボ設定 この結果から言えることは、オートにしておけば間違いのないカラーバランスが得られるということです。流石PENTAX (^_^)v また、このことから、手動設定は故意に色付けをする場合にしか利用価値がないという結果にもなってしまいます。 なお、朝方や夕方などの赤っぽい太陽光の設定がないので、黄変レンズ対策は色温度変換フィルターの併用か、ホワイトバランスのマニュアル設定(3種類プリセット可能)で対処することになります。オートに設定すれば殆ど問題はありませんが…
木犀に道塞がれて円く避け 雌山 木犀の散り敷きをるを掃く無粋 雌山
☆ 2003/10/6 古いレンズ、そのうち明るいレンズは、高屈折ガラスを使用しているせいか黄変しているものが多いようです。特にSMCTakumar35oF1:2はすべて見事に黄変しています。下は同一条件でSMCTakumar35oF1:3.5と取り比べした結果です。カメラは無論*ist Dです。光源は昼光色の蛍光灯です。 ホワイトバランス 太陽光設定 F1:2/35o ホワイトバランス 太陽光設定 F1:3.5/35o ホワイトバランス 白熱灯設定 F1:2/35o ホワイトバランス 白熱灯設定 F1:3.5/35o これだけ色調が違うと、ポジフィルムではまともには使えないというのが納得できます。
からっぽの胸を開いて秋惜しむ 雌山
☆ 2003/10/5 叙情詩、叙事詩という分けた方がありますが、俳句も叙事詩たりえるのだと思います。ただし、詠者と読者との共鳴で成り立つものですから、両者の間に背景となる知識の差があると成り立たない脆弱なものではありますが…
角切りやリストラの風大和吹く つのきりやりすとらのかぜやまとふく 雌山 蟋蟀飛ばぬと決めしあしたかな きりぎりすとばぬときめしあしたかな 雌山
写真も俳句も等質な部分があると考えています。季語にあたるものは映像そのもので表現できますし、その中に情念を込めることも可能だと思います。これも撮影者と見る者の共鳴が必要でしょうが…
それぞれに実りを抱き秋の木々 それぞれにみのりをいだきあきのきぎ 雌山 秋茜連なり飛ぶを誰謗る あきあかねつらなりとぶをたれそしる 雌山 空高し機影に音の遅れをり そらたかしきえいにおとのおくれをり 雌山 軽鴨のいずれ雛なる母御なる かるかものいずれひななるははごなる 雌山 芋虫のどてりと落ちて睨みけり いもむしのどてりとおちてにらみけり 雌山 色香褪せなほ競ひをリ曼珠沙華 いろかあせなほきそひをりまんじゅしゃげ 雌山
2003/10/4 毎日の句作を己に課してから一月近く経ちますが、これがなかなか難儀なことで、通勤帰りの満員電車の中などで幾つか浮かんでも、帰宅して記録しようとすると思い出せない…、なんとも情けないことです。
秋山に分け入り迷ひ暮れ泥む 雌山
月は後の月、この頃になると野の薄もそれらしくほほけて、虫の音も一段と身に沁みます。昨夜の月は半月、蒲鉾形のそれが雲間に見え隠れして、あと数日の後が楽しみです。
枝豆を山盛りにして待つ夕べ 雌山
散歩の足を久しぶりに横浜国際競技場に向けました。今日は横浜Fマリノスの試合があるようで、正午からの当日券の売出しを待つ列が出来ていました。 散歩に連れ出した*ist Dの性能には完全に満足です。自宅のA4印刷機でいっぱいに出力する限りでは完全な写真画質です。メーカーがアナウンスしているように、被写界深度は銀塩より浅めで、それだけに立体感のある絵が得られます。一段絞っても銀塩の開放と同等ですから、ISO200でも特段支障はありません。明るいレンズによる晴天屋外ボケ多用派の人は、NDフィルターを使うことをお勧めします。ファインダーが明るいので、実質F1:4以上でもMFは楽です。
秋深し人の足見る野の仏 雌山 団子屋の前通りかね暖簾分く 雌山
オンアボキャベイロシャノウマカボダラマニハンドマジンバラハラバリタヤウン…
☆ 2003/10/3 富士山麓の噴気口が気になります。噴火の前兆なのか、温泉の湧く山への変身なのか、丁半いずれの目となるやら…
銀杏を風見の鴉啄ばめり 雌山 鴉の子七つならずも國の穐 雌山 秋樵や道を失ひ日の暮るる 雌山 便り絶へ道絶へ果てて秋の霜 雌山
このようにSマウント(M42)カメラにKマウントレンズを取り付けることができます。そのためにはPENTAX純正のアダプターを組み合わせて使います…
近接と接写専用ですが…
☆ 2003/10/2 何やらと秋の空と言われるのに背き、秋晴れが続いています。これはこれで嬉しいのですが、平年並みということも大切なことです。
一網と打つを遁れて鰯雲 雌山 食欲に日増しに肥えて望の月 雌山
☆ 2003/10/1 今日から年度の後半です。「やっと半年」と「もう半年」がせめぎ合っています。
峠道汗をかくのはいずれなる 雌山
ほんの二週間前には蝉時雨の中にいたというのに、今は抜け殻だけを目にする日々です。無常輪廻の想い頻り…
空蝉や胸の鼓動を数へをり 雌山
オートベローズMに*ist Dが横位置で取り付かないという由々しき事態を解消するため、オートベローズMの基部を鑢で少し削りました。材質がアルミのため作業は容易で、満足できる結果を得ました。これで横位置に取り付けて100oF1:4Bellowsを無限遠まで使えるようになりました v(^_^)v
☆ 2003/9/30 今朝新聞を取りに外に出ると、金木犀の香りが降ってきました。毎年そうなのですが、咲くまで蕾の存在に気が付かず、ある朝突然匂いがして驚かされるのです。
木犀や分け隔てなく金蒔絵 雌山
☆ 2003/9/29 仕事を終えて帰宅する電車の窓から見上げると、あと旬日で後の月に至る三日月が西空に懸かり、夕焼け雲が幾筋も東の空をよぎっていました。乾いた空気が肌に心地良い宵です…
切れ切れに愁ひ漂ひ秋の声 雌山 うなだれて翳を重ねて秋灯 雌山 あさぼらけ吾立つ岸に狭霧寄す 雌山 落ち残る月の影踏むあしたかな 雌山
☆ 2003/9/28 二日続きの好天です。新設成った鴨池大橋の渡り初めを祝うかのよう…
あの岸とこの岸結ふて秋茜 雌山
こうして切り取れば、大都会近郊住宅地の中の法面も高原の風情です。乾いた風が吹いてくるのを感じませんか…
鴨池大橋の開通式で薬玉割りを見てから、北朝鮮の工作船の残骸を見に行きました。これはまさに漁船の改造などではなく、初めから特務艦として建造された船であることがよく分かります。船体の前半分は船体に比して異様に大型のエンジンで占められ、後半分は戦艦大和の内火艇庫のような形式の高速艇の格納庫で占められていて、燃料以外の積載空間はほとんど無く、居住スペースは皆無です。上部構造物にしても、ブリッジ以外は連装対空機関砲の格納庫であったようですから、乗組員が何人であったのかは分かりませんが、相当に居住性の悪いフネだったのは間違いのないことです。 ☆ 2003/9/27 若い頃には萩の花などは目にも入らず、それであると認識しようとする気持ちも欠けていたのですが、俳句を作るようになり、万葉集に親しむようになり、さらにカメラを愛玩するようになると、それを古代人が愛しんだ心が見えてくるように思えます。 その萩を始めとして、歌紳山上憶良が言挙げした秋の七草は、薄、女郎花、藤袴、葛と地味な花ばかりです。撫子と桔梗が幾分華やかではありますが…
我が岡に小牡鹿来鳴く初萩の花妻問ひに来鳴く小牡鹿
これは万葉集の編者大伴家持の父である大納言大伴旅人の歌ですが、奈良の都の北郊佐保の地の、当時の秋の風情そのものだったのだろうと思います。
花妻の問はれるうちの花とやら 雌山 穐至り芭蕉ざんばらざんばらり 雌山
好天に誘われて河原を歩くと、来るべき季節に備える昆虫たちの勤勉に出会いました。胴太き鯉の群れも遊弋を繰り返し、川鵜も翼をM型に広げて束の間の休息を愉しんでいます…
西の八幡湊を守る 主の留守居はノウ嬶守る…
鴨池人道橋の下流の汀で、立てた太棹に撥を叩き奏でる老境の師が、まだ若い女弟子に唄の稽古を付けていました。師の胴枯れた導きとともに、まだ稚拙な唄は広がった河川敷いっぱいに響き渡り、堤を越えて果樹園の間にも流れて行きます…
秋高し甚句川面を流れつつ 雌山 俯ける顔愛し秋の花 雌山
☆ 2003/9/26 *ist Dに付けていじっているうちにFA☆28-70のオートスイッチが脱落してしまいました。前オーナーがどのような扱いをしたのか不明ですが、プラスチックの老化なのでしょうか… 持っていないし、持つつもりもないZシリーズでしか使えないスイッチなので無くてもいいのですが、傷物にしておくのも可哀想なので、本日新宿出張のついでにPFへ持参、折損部分が鏡筒内に脱落している恐れもあり、若干埃の侵入もあるので、入院費用はちと痛手ですが整備入院させました。半月余のお別れです… これもついでに持参した自己整備済MEsuperの1台を見てもらったところ、手動選択のシャッタースピードは全速誤差の範囲内とのこと、一安心の次第なり… 欠けているワインダー接続口蓋も購入しようとしたのですが、新品は払底していて、中古ならとの申し出に飛び付き、新品と差のない美品なのにお代は0.14Kなり…
一叢の薄ほほけるビル谷間 雌山
2003/9/25 注文しておいたリバースリングライトホルダーKをようやく入手しました。これと近年入手困難なリバースアダプターSを組み合わせると、BessaflexなどのSマウントカメラでKマウントレンズが使えます。近接OR接写専門ですが… 店ではついでにKissDめにも触ってみましたが、ファインダーは我らが*istDの圧勝です。軽さも小ささも… スペックにも大きな差があり、全体として価格差以上の差があると見るのはただの贔屓目…
鳰鳥の水掻き愛し吾愛し 雌山 思ふ様羽撃けたるや雁供養 雌山
☆ 2003/9/24 雨降りモードに入ってしまいました。肌寒い雨降りですから秋霖のやり直しみたいですね。近所の神社の祭礼は台風の雨に祟られたようです。お彼岸はよい天気でしたから、神対仏、仏のご利益勝ち… 今年の河原では、なぜかあまり薄の穂を見ません。代わって荻が目立ちます。帰化植物の雄、セイタカアワダチソウもめっきり少なくなりました。当節流行るもの、農作物の掠め盗り…
行く先の思案並べて夜長かな 雌山 八十八の艱難辛苦掠めらる 雌山 ☆ 2003/9/23 彼岸の中日、空の色は秋以外のなにものでもありません。明け方の寒さで夜具の不足を実感しました。柿ももう色づき始めています…
熟柿ともがら数多地に落つる 雌山 向ふのは西方浄土秋彼岸 雌山 半殺し舌鼓して萩の餅 雌山
川原を歩いていると久しぶりに翡翠を見ました。対岸で遠いので写真にはなりません。去年見た場所で彼岸花が一輪、草の絨毯の中で咲いていました。
サイズ以外は無修正です。日の丸写真、なんちって…
☆ 2003/9/22 飛び石連休の狭間を埋めたというのに、台風に祟られて天気がはっきりしません。吹き返しの風が強く、街路樹の梢が大きく揺さぶられています。午後にはおさまるのでしょうか…
秋颶風鴉の飛翔ままならず 雌山
午後は厚い雲が取れて高い空になりました。空気に透明度が増して一気に秋が深まったようです。
☆ 2003/9/21 レンズ交換式一眼デジタルの最大のアドバンテージは、接写系のシステムが使えることです。コンパクトデジタルでは逆立ちしても実現できない写真が撮れます。 また、コンパクトデジタルではMFができないものがほとんどですが、接写の場合MFは必要です。被写界震度が極めて浅いので、画面の中で必要なポイントにピントを合わせるためにはAFでは無力です。
*ist-Dを入手していろいろいじってみると、アナログレコードが消え去ったように銀塩写真が滅び去る日はごく近いと実感します。いまその差は、素人の実用的には機材の価格差しかありません。これが縮まり、横並びとなったとき、雪崩は必ず起きます。そうなった時、一部好事家の需要のために大メーカーが新製品を開発し、作り続ける可能性は無いと断言しておきます。F5の後継機は無いということです。 フィルムがいつまで供給されるのか、これが古いカメラを愛玩する趣味の命運を握ります。また、街のDPE業もあっと言う間に消え去るでしょうから、これも致命的なことです。いつの時代でも、一つの文明が滅びるときは同じであったのでしょう。文明の残照の中にいつまでいられるのか、おもしろいものを見させてもらうことになるでしょう…
見るべきは見つと云へども池の月 雌山
写真の先祖は絵画であることは否定できない事実です。その絵画の起源は、文字の起源をはるかに凌駕して古く、その誕生した原因は、人間の記憶の忘却性であると思っています。 つまり、写真の真の使命は、人間の記憶の忘却性を救済する手段であるということです。従って写真の真の価値は、過ぎ去ろうとしている今を切り取って記録することにあります。対象や構図は派生的な、枝葉末梢の些末事に過ぎません。芸術性とは、そんな空花の概念なのです。その徒花を美しいと感じるのも人間の本性であり、他の動物から人間へと進化させる原動力となった欲求の根源なのですが…
2003/9/20 台風が日本列島の南岸に沿って北上しそうな様子です。少し涼しいのはありがたいのですが、連休が台無し…
手探りの闇夜の日々も蟲の聲 雌山 皿舐めて舌鼓して蕎麦の花 雌山 腹撫でてあと一杯と今年米 雌山
俳句に限らず、詩に分類される文は、口に出したときにその価値が定まるものだと思っています。したがって翻訳は不能であると… 翻訳詩の名作といわれるものがありますが、それは翻訳者の創作であって決して翻訳ではない…翻訳者が原詩から受けた感銘を元に創作したものであると… 俳句の場合、文字数が定まっているということと、季語を使うという約束があるという制約の中で表現する窮屈さ、これを逆手に取った緊張感の中で愉しみを味わうところに醍醐味があります。 それに、口に出してなんぼ…という側面も無視しては成り立ちません。そこで意識せざるを得ないのが韻という概念です。 漢詩における押韻とは違うものの、同音、同行音を並べて使う、リズムを刻んで使うというのは、耳で聞いたときの心地良さのためには必要な技巧です。同音異義語を使う、掛詞や縁語を使うのも、使用できる語数に限りがある中で有効な技巧なのです。 他の詩もそうでしょうが、特に俳句は意味を説明するととたんに色褪せてしまう繊細なしろものです。読んだ人間がその感性と教養とに共鳴させることで観賞するものですから、詠んだ人間の感性と懸け離れていたり教養に欠けていると共鳴は起こりません。 巷に溢れている俳句観賞本を読むと、その解説に反発をおぼえることがよくあります。亭主のほうが詠者とより感性が近いか、本の筆者の感性と懸け離れているのだと思います。そんな本でも教養を獲得するためには役立つものではありますが… 亭主が俳句を作るときには、複数の意味や概念を持つ言葉を選びます。その意味や概念が多いほど他の言葉と共鳴させることが容易になります。隠語や異称、符丁、女房詞は必須と言えるほどです。江戸前的駄洒落も大好きです。芭蕉には敵いませんが… 歴史的仮名遣いを確認するためにも辞書は不可欠で、幾つもの辞書や百科事典をインストールしてあるパソコン無しには亭主の俳句は作れません。
早朝からずっと暗かった空から昼前、とうとう降ってきました。台風の近くで降る間歇的な驟雨ではなく、しつこく降る長雨型の雨です。しかも相当に強い…
手持ち無沙汰なままに、いたずらしています。 手持ち1/8速の写真です。サイズ以外は無加工です…手ぶれしています…
ちょこっと魔法をかけるとこうなります。あなおそろし…
風は変わらず、立ち込めた霧は澱んだままです。青空の見えるときは何時来るのでしょうか…
井の中の蛙の相撲蛇睨む 雌山
再びいたずら…100oベローズです… サイズ以外は無修正です。魔法をかけてもほとんど変わりません。絞りはF1:8です…
上の写真はオートベローズMを使用しての撮影ですが、そのままでは取り付かないので接写リング#1を併用しています。ほんの少しのことなので、オートベローズMの基部の角を2oほど削ってしまおうと考えています。100oベローズで無限遠が来ないのは、何としても不便ですから…
☆ 2003/9/19 夜八時、家族で食事して家に帰り着いて南の空を見上げると、もう話題に上らなくなった火星が光っていました。心なしか小さくなったような…
あの顔も盛りを過ぎて百日紅 雌山
☆ 2003/9/18 今年の気象庁の二、三日先の短期予報は極めて的中率が低い感じです。暑くても湿度が低いなどと予報したくせに、この蒸し暑さはなんだろね…
秋刀魚焼く七輪去年に毀れけり 雌山
Mレンズのうち、回転三脚座付の長いやつが難物です。裏技取付改造は成立しませんから、自動絞りを諦めて実絞りに改造してしまうか、まだ決断がつきません。翡翠ハンターをやるには必要なのですが…
☆ 2003/9/17 勤め帰りの駅を出ると、真っ黒い雲に上空は覆われ、日没前の時刻なのにまるで夜、これはまずかんべとあわてて帰宅。 着替えをしているうちに雨音が我が家の屋根を叩き、胸を撫で下ろしました。
秋霖の開けて炎暑の日の続き 雌山
☆ 2003/9/16 今日もえらくお暑うごんした。辟易の階乗でごわす…
萩薄撫子桔梗余は知らず 雌山 女郎花葛藤袴世に知れず 雌山 誉なれ憶良言挙ぐ秋の七草 雌山
*ist-Dでまともに使うために、手持ちのK/Mレンズのマウント面にロック用穴を追加する改造を施す決意をしましたが、良く考えるとマウント金具自体はどの焦点距離のものも共通であることから、光学系または前半部のみに損傷を受けたジャンクを入手して、これのマウント金具を加工して交換するのが適当なのではないかと思っています。これならオリジナルに戻せますし、標準系や28o、135oなどなら相当安価にて容易に入手出来そうですから… 手持ちレンズと同一品のジャンクが入手出来た場合は、自動絞り機構を取り去る改造をして交換することも視野に入れられます…
☆ 2003/9/15 ん、まー、毎日お暑いことでんな。もうじき彼岸ちゅうのに、ええかげんにしてほしゅうおます… こんな陽気で体育祭なんぞやったら、いまどきのひ弱い子供ら、みな熱中症でバタバタいくんととちがいますやろか…
早起きして近くの川原を歩いていたら、南の国に帰る前の栄養補給をしているのか、燕がせわしなく飛び交っていました。北の国から鴨たちが渡って来るのももうすぐなのにこの暑さ…
萩の花が開き始めています。彼岸花も咲いたとの便り…蜆蝶も草原で乱舞しています。その中を青大将が悠然と横切っていきます。
水澄みて鯉の背数多あらわるる 雌山 秋彼岸白鷺一羽鶴見川 雌山
☆ 2003/9/14 日曜の朝のしじまを破って蝉の輪唱が響き渡ります。一頻り競演が続いて、しじまが戻ります。空の色は秋です。高く輝く空です。欅並木を鳴らして吹く風は乾いています。
風見して首をすくめる放ち亀 雌山 銀杏の臭さ辟易石の原 雌山
☆ 2003/9/13 去年の彼岸には冠雪の富士を見たのですが、今年の山頂はまだ摂氏10度以上だそうです。冷夏長雨のあとの残暑はこたえます。でも、台風が去ると大陸の冷涼な高気圧が押し寄せて、一気に秋が深まるのでしょうか…
秋扇爆弾発言取り消さず 雌山 風よ吹け神風よ吹け秋の陣 雌山 道暗く風に靡くは木の葉髪 雌山 秋の霜丞相痾篤かりき 雌山
*ist-Dをいろいろいじっている日々が続いていますが、ハイパープログラムモードが素晴らしいです。絞りダイヤルを動かせば絞り優先に、そこからTvダイヤルを動かせばシャッタースピード優先に切り替わります。グリップから手を放さずに出来ますから、露出の制御が片手で思いのままです。プログラムに戻すのも緑ボタンの一押しです。 視野はAPSサイズなものの、同一レンズの場合、ファインダー内の見える大きさがMEsuperと同じなので、違和感がありません。積み重なりなどのレンズの演出性は換算値とはならず焦点距離のそのままですから、35oサイズ写真の周囲をトリミングした絵になります。やはり標準は50oで、望遠は85oから、広角は35oからの感覚です。広い範囲を納める以外にことさら短焦点のレンズを選ぶ必要は感じません。 このカメラの機能を堪能するためには、Aシリーズ以降のレンズでなければなりません。K/M以前のレンズは、そのレンズ固有の個性を愉しむ以外には役割を終えたと言えるでしょう。 デジカメを使える環境を持っている人は、実用として銀塩に戻ることはないでしょう。それくらい利便性は勝っています。趣味や道楽はまた別の世界ですが…
☆ 2003/9/12 宮古島から東シナ海を北上して朝鮮半島南部を襲っている巨大台風のせいでしょうか、異様に暑い一日でした。昼頃の積乱雲の様子では夕立があるかと心配しましたが、帰宅するまで無事でした。
百年の暖簾千切って颶風去ぬ 雌山 神仏頼る当て果て曼珠沙華 雌山 竜胆や手拍子に鳴く龍もあり 雌山 拍手に合いの手入れる鉦叩き 雌山 夜祭の近づきにけり遠太鼓 雌山 到来の松茸据ゑて思案かな 雌山 あの顔もはてあの顔も萩の餅 雌山 唐黍や蒸すの焼くのと姦しき 雌山 手の平のひらりひらりと阿波踊り 雌山 蜘蛛の巣に絡め捕られて明日を待つ 雌山
☆ 2003/9/11 夕方、お月見の風習などまったく無縁であろうと思われる風体の若い女が薄の穂を束にしたものを手にしているのに行き会いました。人は見かけで判断してはいけないのです。でも…
月待つは吾のみか否蟲めらも 雌山 芒原靡き靡くはいずくへぞ 雌山 蚊の命叩き潰して吾平然 雌山
東京都知事の石原慎太郎、その名に背き慎みの片鱗も無し。その品性なんという下劣さ、その言動醜悪の極み、このようなものを選挙した東京都民、愚の極みというべし…
*ist-D を入手したものの、夜中にあれこれといじるだけで、まだ本来の用途には使えていません (^^;ゞ 11点も測距点があって、いったい何に使うんだべ…ど真ん中に一つあればたくさんだべ…と思っていたのですが、三脚に据えてフレーミングをし、しっかと雲台を固定してからピントを合わせるときに便利なことに気付きました。 縦位置グリップ電池ケースも一緒に入手したのですが、これは必需品です。横位置でも本体だけだとグリップが短すぎて窮屈なのが、これを装着することで”よい感じ”になります。 縦位置撮影の場合、左目でファインダーを見るとカメラをしっかと保持できます。右目だと右脇が開いて不安定になります。横位置でも左目のほうが安定します。 外に持ち出すときの常用レンズは、当分☆28-70になりそうです。明るいし、相当に接写も利きますから、守備範囲が広いと思います。それにしても、パワーズームが持ち腐れとは、なんともはや… 換え用のレンズは魚眼17-28になるでしょう。コンパクトデジでは実現できない世界として楽しめそうです。これに360ストロボと×2リヤコンを持てば、まあ、ほとんど不自由はしないでしょう。そうそう、メモリーはレクサーの1GBです…
☆ 2003/9/10 昨夜9時過ぎに南の空を見ると、月齢十三日の月が明るく光っていました。そのすぐ右下には赤い巨星が光っています。月が瞳ならさしずめ泣き黒子…
片笑窪月火の宴に酔ひにけり 雌山 枯木立夢見ることの罪を問ひ 雌山
2003/9/9 今年は二百二十日と中秋の名月が重なります。果物屋の店先の幸水は豊水に主役の座を譲りました。
このところ茶毒蛾の発生が多く、かぶれなどの被害が続出しています。冷夏のせいで発生が抑えられていたところに残暑が来たので一気に発生したようです。例年は2回から3回の発生ですが、今年は今が1回目です。山茶花や椿の垣根には近づかないようにしましょう。
大接近した火星と満月の競演が見られるでしょうか。十五夜は明後日の晩です。
栗を茹で芋を蒸して団子盛り 雌山 薄抜き祓いを真似て真顔かな 雌山
だんだん調子が戻ってきました…
実の入らぬ穂のそそけ立つ風祭 雌山 俵積み虚ろに響く秋じまひ 雌山 鍋洗ふ流れでくるり芋車 雌山
*ist-Dでは自動絞りのK/Mレンズがまともには使えないことになってしまったので、順次改造をしていくことに決めました。とりあえず重複所持しているものから試みるつもりです。レンズのマウントを外して穴を一つ開ける加工をするだけですから気楽なものです… 相対的にSマウントレンズの地位が上がります。アダプターKを改造してレンズに取り付け、マウント面に穴を一つ開けようと思っています。無限遠の調整が可能なら薄板を挟んでフォーカスエイドが効くようにしたいですね。これも重複所持品から着手です…
☆ 2003/9/8 職場の文芸誌(年刊)に投稿しようかなどと逡巡しています。
髀肉撫で槿眺めて陽傾ぶきぬ 雌山 秋風に蝕まれたる夕べかな 雌山 毬を脱ぐ穐を失ひ梢守る 雌山 病葉の枝を離れて見る夢は 雌山 枝を撓め失ふ花の紅さかな 雌山 夜の底で鳴らぬ枝あり風祭 雌山 陽よ陽よと鵯群れし木守柿 雌山
はあ…、息が切れてきました。三日坊主に終わるかも…
☆ 2003/9/7 大容量コンパクトフラッシュの市価がじりじりと上昇しています。*ist-D発売の効果かもしれません。
群鶫いま天翔けて風騒ぐ 雌山 満ちて行く月の行く手に雲の群れ 雌山
☆ 2003/9/6 三年前にしたように、毎日欠かさず俳句を作ることにしようかと考えています。とりあえず年末まで、一念発句、なんちって… 月を待つ野面の出穂に風抜けて 雌山 夢果てぬ鄙に三年月見して 雌山 子泣くらむ月高くして夢未だ 雌山 まどろみの夢をかたちに酔芙蓉 雌山 望の月凡愚の夢を写しをり 雌山 櫻貝小さき夢を拾ひけり 雌山 望天の夢を散らすか青嵐 雌山
午前9時20分、*ist-Dが配達されました。説明書を一読して、淡い期待は見事に裏切られました。亭主が当初に予想したとおり、K/Mレンズについては、測光機能や絞り優先AEは、絞り位置に関係なく開放以外では使えません。自動絞り機構などの何らかの改造が必要です。市価暴落は避けられないでしょう。トホホ…それに引き換え、ますますSマウントレンズ(タクマーなど)の価値が向上して、市価高騰は必至です。トホホのホ… 最もショックだったのは、オートベローズMには縦位置以外では取り付かないという事実です。横位置だとカメラ下部がベローズ基部に当たってしまいます。エクステンションリングの下駄が必要で、利用価値が半減してしまいます。トホホ… まだメモリーを入手していません。これから買いに行かねば…
新しい玩具を買ってもらった子供になって、あれこれといじっているのですが、何か変なのです。K/Mレンズを取り付けて絞り優先AEで写すと、絞り位置に関係なく正常な写真が写ってしまうのです。 絞りが絞られないわけではありません。レリーズするとちゃんと絞りは絞られます。絞りの設定を何にしてもシャッタースピードの表示は開放と同じです。それでいて全部正常に写る。さて面妖な… あれやこれやしているうちに、あることに気付きました。絞りによってシャッター音が違うのです。つまり、表示とは異なるスピードでシャッターが作動しているらしいのです。なんとこれは… 自動絞りの無いレンズを取り付けてみると、絞りに応じてシヤッタースピード表示は変化し、正常に写ります。自動絞りレンズでもMモードで絞りを動かすと濃さの違う写真が写ります。これから導き出される推論は、自動絞込みの作動の過程で絞り位置を測定し、その位置に相応したシャッタースピードを実行しているらしいのです。何とも恐れ入りました…
うーん、やっぱり何だか変です。シャッター音が変化するのは確かなのですが、開放と全絞りとの差が少なすぎます。レリーズすると絞り込まれるのは見えるのですが… どうも早合点しているようです。やはりAEは開放状態でしか実行されていないようです。絞りの作動はシャッターの作動の後で行われているらしいのです。なぜこのようにしているのかは理解できませんが…
今日は俳句三昧の早朝から始まって、*ist-Dに一喜一憂した一日でした。蝉の声が止まった今、蟲の声が暗い庭に響きます。それにしても暑い熱い一日でした… 蟲の声命の限りおらびけり 雌山 灯明かりを胸にうつして文を読み 雌山
☆ 2003/9/4 予約注文しておいた某社から今夕メールが来て、*ist-Dほか付属品を発送したとのこと。クロネコへの荷渡しは明日になるらしいので、早ければ明日、遅くとも明後日には手元に届くことになりました (^O^)/
リバースアダプターSと組み合わせてSマウントカメラにKマウントレンズを取り付ける(接写・近接のみ)ためにリバースリングライトホルダーKを先月11日に発注したのですが、入荷は10月になりそうだと連絡がありました。多分作り貯めの在庫が払拭したのだろうと思います。Pentax の通販にも載っていませんから…今頃下請けの工場ではせっせと旋盤が回っているのでしょう…一度に1000個ぐらいは作るのでしょうか…
*ist-D用のメモリーを手当てしなければならないのですが、やっぱりレキサー・メディアの Write Acceleration Technology 機能搭載コンパクトフラッシュカードがよいのでしょうか…2GBでなんと88K…フウ…
☆ 2003/9/3 MEsuperばかり蒐集してきましたが、このごろは入手難に陥っています。完動品には手を出しませんし、あまり外見の良くないものにも食指が動きません。理想は外見美品の不動品ですが、これはなかなか手に入りません。みな簡単に治ることを知っているようで…
とは言うものの、このところサボって手術室を閉鎖しているので、オペ待ちの患者が列を成しています。*ist-Dが手に入ってからという言い訳が使えるのはあと何日…
☆ 2003/9/1 いよいよ9月です。風の盆、越中で立山、加賀では白山…、八尾では、今夜は町流しがあるのでしょうか…
待ちかねた*ist-Dの発売も今週末に迫りました。SやK/Mレンズをどのように使えるのか、オートベローズが内蔵ストロボと干渉せずに付くのか、もうすぐ分かります。 スイッチによる電子プレビューの機構なのですから、カスタムファンクションの設定でプレビュー固定にするのは簡単なことで、おそらくそのような仕掛けなのだろうと推理しています。これなら絞りをA位置以外にしたA以降レンズも、アダプター経由のSマウントレンズも同じ使い方です。つまり実絞り測光やAEが可能ということです。もしこのようにしていないとしたら、ただのお間抜けです。Pentaxともあろうものが、そんなはずはありませんよね… ☆ 2003/8/31(日) デジタル一眼カメラの被写界深度が、同一レンズの場合銀塩より浅いという情報がありますが、*ist-Dを使ってカメラ分解組立作業のマクロ撮影を企てている亭主としては心穏やかならざることです。肝心の部分がボケては意味がないですから…
先日も少し書きましたが、Kマウントレンズを実絞りにして使うための改造方法としては、自動絞りレバーを切り取る方法のほかに、レンズのマウント面にストッパーピンの受け穴を追加する方法があります。正規位置より少し上、ストッパーピンが入ったときに最小絞りにした絞りが開かない位置に開けます。この穴にストッパーピンが入った状態でレンズは実絞りになります。 この改造の利点は、他の機種では正規に取り付ければ元通り開放測光の自動絞りレンズとして使えることです。工作もネジを5本外してマウントを外し、それを適当な板などに木ネジで固定して、ドリルでストッパーピンと同寸プラスαの穴を開けるだけですから簡単です。 ただし、バヨネットに対して完全な取付とはならないことから、光漏れなどの弊害が無いことを確認してから実施する必要はあります… また、取り付けたときにレンズ指標が少し右に来ますから、使うのには慣れが必要かもしれません。 なお、*istシリーズ以外の機種にこの取付をすると露出が狂いますから、その場合は被写界深度確認のためだけにすべきです。その理由はお分かりでしょう… *istシリーズで使わないとなったら、開けた穴をエポキシ粘土で埋めれば良いので、気が楽です。 ☆ 2003/8/30(土) MEの電装系は、巻上レバーを引き出すとレリーズ半押しを止めても30秒程度は電源が入ったままになり、巻上レバーを格納した状態では半押ししているときのみ電源が入ります。これがMEsuperと異なる点です。MEsuperは、巻上レバー位置で電装系に変化は生じません。 また、ファインダー内には補正警告表示がないので要注意です。その他は同じ操作感覚で使えます。
ヤフーなどのオークションに出てくるMEの裏蓋には、メモホルダーがMEsuperと同じ新タイプのものがあります。亭主の2台はいずれも板バネ入りの旧タイプですが、MEの販売時に新タイプの裏蓋が付いていた時期があったのか、興味のあるところです。 ちなみに、新タイプのものも2種類あって、メモホルダー部に化粧革が貼ってなくて塗装地金のものと、全体に貼ってあるものがあります。どちらが新しいのか不明ですが… 亭主の入手したMEsuperの中には、旧タイプの裏蓋が付いたものがありましたが、これは二個一でしょう…
MEシリーズは機種間で部品の互換性が相当にあり、流用が可能です。一例ではMEsuperとME-Fのシャッターユニットは共通で、相互に流用できます。 また、両機種のファインダー形式は異なっていて、ユニットでの互換性はありませんが、スクリーン自体は同寸ですから、枠から外せば、ME-F用をMEsuperに流用できます。その反対は困難ですが…
金属外装で革張りのいかにもカメラであるという機体は希少な存在になりつつあります。MEシリーズはコンパクトで扱い易いカメラですから、きちんと整備すれば、これからも相当長く使われていけそうです。
8月も明日で終わり、もうすぐ*ist-Dが発売されます。MEsuperの分解整備過程をマクロ撮影する日ももうすぐ…
2003/8/29(金) 今週はレンズ付のME銀が安くころがっていたので、入手してしまいました。MEについては完全分解整備の実績がないので、勉強のつもりでしたが、シャッター制御不能とのふれ込みに反してモルト不良とファインダー汚れのほかはまったく正常でした。電池を液漏れさせて接触が不良となっていただけのようです。電池蓋を清掃しただけで正常作動するようになりました。しかしモルトの状態は全滅ですから、どのみち完全分解整備が必要ではあります… M1.7/50レンズにはカビがありますが、これも分解清掃で取れる程度です。全体に傷の無い美品で、どうやらコレクション級の儲けものになりそうです…
☆ 2003/8/25(月) 世の中は開放測光があたりまえになっていて、どのような仕組みでそれを実現しているのかや、絞込測光と実絞り測光の違いを理解していない人が増えているようです。これがペンタックスフォーラムなどで*ist-Dに触ってきた人の各サイトにおける報告が曖昧になっている原因でしょう。 Pentaxの場合、MZシリーズではプレビュー(絞込み)すると測光機能は働かない仕組みになっています。つまり絞込測光はできないのです。もし自動絞り機構を解除できるレンズなら、実絞りで測光が可能です。アダプターでTakumarレンズなどを取り付ける場合がこれにあたります。このプレビュー機構が*ist-Dにも踏襲されているのなら、Kレンズでは絞り環の設定位置に関係なく開放状態でしか測光が行われないことになります。 このように考えると、やはりKレンズは、そのままでは使い物にならないことになります。 しかしながら、シャッタースピード優先AEがレンズ開放値情報なしに実現が可能な仕組みになっているのなら、レンズ絞りを最小にしておけば、カメラは絞込レバーを比例制御しますから、AEできることになります。これだけが唯一希望の光です…もしかすると、プログラムでも…
APSサイズのデジタル一眼を使用している人の提供情報だと、同一レンズを使用した場合に、35oフィルム一眼よりAPSサイズのデジ一眼の方が被写界深度が浅いのだそうです。2段程度は余計に絞る必要があるとのことですから、開放でしか使えないレンズは止めを刺されたようなものです。 被写界深度が浅い理由は、フィルム面では入射角の大きい光束も結像することができるがイメージセンサーでは周辺光量が不足したり、色のにじみが発生しやすい(特に広角レンズで顕著)ことによるものと思われます。
☆ 2003/8/24(日) 各サイトに書き込まれた*ist-Dに触ってきた人の情報では、A位置以外では実絞りとなるとの説明を受けたとのことです。また、Kレンズやアダプター取付レンズは絞込み測光との情報もあります。しかし、これだけでは、絞込み測光するにはどのように操作するのか、実絞り時AEの可否など不明なので、情報提供者には申し訳ないことですが、隔靴掻痒のいらだたしさが募ります。自分でペンタックスフォーラムに行って確認すればいいのでしょうが…ユキタイ
夏というのはこういうものなのだと実感させてくれる昨日今日の暑さです。でも処暑を過ぎた日差しは傾いているので、真昼の光も夏ではありません。地蔵盆も過ぎたし、あとは風の盆、風祭…
越中立山加賀では白山駿河の富士山三国一だよ… …目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる…
蝉時雨何時間に集く蟲の聲 雌山
ヨドバシのサイトには*ist-Dの価格が、別売付属品の価格とともに掲げられています。ポイント還元を含めれば予算の内ですから、ヨカッタヨカッタ…
*ist-Dを使うとなると記録媒体を決めねばなりません。コンパクトフラッシュとマイクロドライブが使えるようですが、どちらがいいのか、どのような性能差なのか、知らないことがたくさんあります。また、コンパクトフラッシュのタイプTは512Mまでで、1GからはタイプUとなるようです。記録の速さもいろいろあるようで、判断に迷いそうです…
☆ 2003/8/23(土) ようやく30度を超える日が続くようになり、蝉の声も斉唱、輪唱と言えるようになりました。でも、光はとうに秋のものですから、油照りという感じはありません。今年は夏痩せという言葉が人口に膾炙されることはないでしょう… とは言うものの、昼下がりの合羽橋(上高地の河童橋ではありません…)界隈を逍遥するにはちと暑すぎました。キッチンのIH化でアルミの角蒸鍋が使えなくなり、代替品を見つけに出かけたのですが、幸い、ステンレス製の手ごろな製品に行き逢い、ついでに値ごろの7寸牛刀も入手しました。柄がクラブヘッドのように中空のステンレスで出来ている軽くて衛生的な品です。
*ist-Dの実売価格が忖度されています。160Kぐらいで入手可能なのかと推測しています。CanonのKissは120Kぐらいのようですが、両者の仕様に示されたクオリティには大きな差がありますから、比較対象とはなりえないでしょう。
Bessaflexの上梓や、*ist-Dの発表の効果でしょうか、Takumarの市価が上昇しています。また、品物の出現も活発になっているようです。きょうびの品と違って鏡筒の造りに風格がありますから、数寄心をくすぐるのでしょう。
☆ 2003/8/20 朝は上着がいるほど寒かったのですが、日中は久しぶりに気温が上がりました。でも真夏日にはなりません。
Canonから普及版小型軽量デジ一眼が発表されましたが、そのスペックはまったく*ist-Dの敵ではありません。価格はオープンとのことで実売がいくらになるか、これだけが脅威となりえる要素です。 Canonは遠からず銀塩から手を引くかもしれません。ドライで機を見るに敏な社風ですし、中判の軛もないことですから…
デジ一眼の撮影素子はAPSサイズが標準になるのかもしれません。電源を含めた機体サイズの点で、手の中に納まるというためにはこれが限界と思われます。各社とも広角系でイメージサークルを小さくした専用レンズがラインアップされるということですから、この潮流は確かな流れになると思われます。気の毒ですが、オリンパスの提案した規格は負けるでしょう…
☆ 2003/8/18 先週末の週間天気予報は外れ、今日も冷たい雨の朝です。もう太平洋高気圧が関東以北を覆うことはないのでしょう。秋霖が明けて秋の移動性高気圧が待たれる状況です。
*ist-DにおいてKマウントレンズを裏技で使う場合、安全快適に使うためには、レンズマウントにストッパー受けの穴を追加する改造が必要です。でも、MEシリーズで被写界深度確認のために裏技を使うときには、操作性が悪くなってしまいます。いささかジレンマであります…
☆ 2003/8/17 またまた寒さで目の覚めた朝です。雨も降っています。昨夜のNHKラジオ番組での鷹羽狩行さん(秋桜子門?俳人)の話では、戻り梅雨というのは7月末までのイメージであるとのことですから、これはやはり秋霖というべきと納得しました。 同番組中で、冷夏というのも季語であるが、秀句は見当たらない…とのことでした。冷夏は異常気象なので、普遍性の無い句は読者の共感を得られないということなのだそうです。
銀河行く賢治嘆くか寒き夏 雌山
番組は時節柄、お盆、盂蘭盆会に関係する季語についての話題でしたが、盆踊りの雄、阿波踊りと対比して越中八尾の風の盆のことも取り上げていました。踊りと舞ひの違い、喧騒と幽玄として捉えていました。
舞の手の嗚咽してをり風の盆 雌山 哀二韻流しておわら風の盆 雌山
去年の句です…
送り火の消え残る闇雨しとど 雌山
*ist-Dと*istは、A接点の付いていないレンズの使用制限という点では、カスタムファンクションで設定するなど、まったく同等の機能であると思われます。 生憎*istを使ったことがないので、Kマウント以前のレンズの使用制限の内容が分かりません。そこで、MZシリーズでSマウントレンズを使うときのAE等の挙動を確認し、それに基づいて推理してみました。
絞り優先AEモードでは、レンズ実絞りの変化に応じてシャッタースピードが変化します。マニュアルモードでも露出計の表示が変化します。つまり、測光素子に届く光の量(EV値)に応じてカメラはシャッタースピードを設定するのです。 この関係が*istたちにおいても成り立っていると仮定すると、レンズの実絞りを変化させれば、そのときのEV値により算定したシャッタースピードでレリーズできることになります。これは、マウントアダプター使用レンズなら、従前どおりの使用方法ということになります。
ところが、Kマウントレンズは実絞りでの使用ができません。カメラに取り付けたときには、絞り位置に関係なく開放状態になっています。この状態でカメラは適正なシャッタースピードを算出しますが、それは開放絞りでの値です。レンズを絞った状態でレリーズすると、自動絞り機構により絞り込まれ、当然シャッタースピードが速すぎて露出が不足してしまいます。つまり絞り優先AEはレンズ絞りを開放にしているときだけ適正な露出ができることになります。 マニュアルモードであれば、シャッタースピードを実絞り量に応じて適正表示より遅く設定することで適正露出での撮影が可能です。でも、これは相当に煩雑であり、熟練を要する操作であると言えます。 絞込みスイッチを押しているときにも実絞り測光を行う機能があるのなら、マニュアル撮影だけはなんとか許せる範囲なのですが、望みは無いでしょう…
結論を言うと、Kマウントレンズを*ist-Dで使う場合、AE撮影をしたり快適にマニュアル撮影するためには、自動絞り連結ピンを切除しなければならないということです。専用にするか、さらに改造が必要ですが他機種で使用する場合の自動絞りを諦めるということです。 これはやはり裏技での使用しかないでしょう…(諦めの境地…)
☆ 2003/8/16 今日も寒い朝です。雨も強く降っています。三日続きの雨です。明日も雨の予報です…
秋霖や心も腐る夕間暮れ 雌山
MEsuperを使っていて不満に思うことは唯一つ、被写界深度確認のためのインターフェイスが付いていないことです。 ただ単に写す時期、せいぜい構図を考える程度の時期を過ぎて、絵作りなどを意識し始めると、絞りによる前ボケ、後ボケの塩梅を確認したいという欲求が強くなります。こうなるとプレビユー機構のない機体はどうにもなりません。 マウントアダプターを使ってタクマーシリーズのSマウントレンズを装着すれば実絞りでの撮影ができますが、自動絞りがないのでピント合わせが不便です。 繰言ですが、Kマウントレンズに自動絞り解除機構が付いていたなら、こんな不満は生まれなかったのに…
Kマウントレンズの自動絞りリンク改造のことですが、絞込み連結ピンはリンク機構にリベットでかしめてありますから、取り外すと再度取り付けることは極めて困難です。他機種に使用するときは実絞りレンズとなってしまいます。
☆ 2003/8/15 肌寒さと強い雨音で目が覚めました。ニューヨークで停電が広がっているというニュースをラジオが流しています。この異常気象を一番喜んでいるのは東京電力かもしれません。 50年近く昔、やはり8月中旬に上着の必要な寒い夏があったことを思い出しました。
今日は多摩川の河原(東海道線鉄橋の上流左岸)で大田区の花火があります。荒天中止ですが、さて…
旭光学はSマウントからKマウントに移行する際に、二つの大きな過ちを犯しました。そのひとつはカメラ側の絞込み操作を、押す方式から引く方式にしたことで、これのために、安価に供給するアダプターによって取り付けだけは確保したものの、Sマウントレンズの自動絞り機能は失われ、レンズの上位互換性が大きく損なわれました。また、その引く方式は、絞りが粘ったときに露出が狂う元凶ともなります。 今ひとつは、レンズ側に自動絞りキャンセル機構を省略したことです。このことにより、カメラ側の絞込み機構を省略したMEシリーズにおいて被写界深度の確認ができないなど操作性に影響が出ました。そして今、そのことにより*ist-Dで使いものにならないレンズが生じてしまうのです。 コストの要請であろうと推量しますが、システムカメラという言葉を創造したとされる旭光学の、Pentaxの判断としては、大きな疑問符が幾つも重なる残念なことです。 そして今また、Jシリーズとして絞り環の省略されたレンズが上梓されています。互換性を軽視したコスト至上の製品と言うべきで、そのものに含まれる機能を操作するインターフェイスを省略する愚は、Kマウント化時に自動絞りキャンセル機構を省略した愚と同等と考えます。 機械というものは、インターフェイスが大切であると考えます。誰もが簡単に使える便利な機構を組み込むのは良いことです。しかし、基本的な部分は残すべきです。それを使うのは難しいが使えたら楽しい、というものが趣味の世界の真髄だと考えます。 *ist-Dにはレンズからの絞り情報を受け取る機能を省略しましたが、これによる販売価格低下の喜びより、操作する楽しさ幅の減による失望の方がはるかに大きいと、強く強く、強く思います。
話は少しずれますが、MEsuperなど絞込み機構の付いていない機体でKマウント以降のレンズでも被写界深度を確認する方法(裏技)があるのですが、この技を使って*ist-Dにおいて無改造KマウントレンズをSマウントレンズ並みに利用することが可能かどうか、さあお立会い…
☆ 2003/8/14 今日は涼しいというより寒いという感じの1日でした。秋の長雨が始まったのか、戻り梅雨なのか、いずれにしても東北地方は冷害に襲われること必定…
*ist-DでKマウントレンズを使うときは開放だけであるという説があります。絞込み操作時にレリーズできないとなれば、また実絞り測光ということになれば、それはそうだろうと思います。 もしそうであるとするなら、Kマウントレンズを*ist-Dで使うためには、マウント部の自動絞りリンクを外す改造が必要になります。さほど難しい作業ではありませんが、そうしてしまうと、他の機体で使うときに不便になります。これではSマウントレンズの方が用途が広いことになります。 コストダウンのためとは言え、ここまで機能を制限して、一部使用できない機能があるという説明は納得できません。絞りの使えないレンズなど、ゴミと同等です。
☆ 2003/8/12 *ist-Dはステンレス薄板をプレスして箱型のフレームを形成していますが、デジタルはフィルムを装填する必要がないのですから、必要な空間を確保する点で、これは極めて合理的な考えだと思います。製造コストの点でも相当に有利なのでしょう… パワーズームが使えないのは絶対に納得できません。これが廉価版で、近々に上級バージョン上梓を予定しているなら仕方がないのでしょうが… 内蔵ストロボの出っ張り具合が微妙で、オートベローズが直接装着できるのか、気の揉める点です。エクステンションリング併用では、ベローズの機能が制約を受けてしまいます…
天候はまた不順モードに入ってしまいました。なんともはや…
たそかれを惜しみ鳴くなり秋の蝉 雌山 夕闇の漂ひ来たり今宵秋 雌山
☆ 2003/8/11 Sマウント用のリバースアダプターの予備を入手したので、KレンズをBessaflexやESUに取り付けるためのアダプターをでっち上げるためにリバースリングライトホルダーKを入手しようと、勤め帰りにヨドバシ川崎店に行きました。すると、なんとこの店も銀塩カメラ関係の売場は大幅縮小されていました。 目的の品は在庫が無く、取寄せ注文しました。そのついでに*ist-Dの予約をしようとしましたが、まだ受け付けていないとのこと、中野のフジヤではだいぶ前から受け付けているのに…
☆ 2003/8/10 Bessaflex用としてNikonのアングルファインダーDR-3を入手しました。Nikonの角窓用アダプターに捻じ込めば、視野上部両角がほんの少し切れるだけで使えます。視度調節もできますが、今のところ私には不要な機能です。 BessaflexのアイピースはNikonの角窓と同じ寸法ですから、ほとんどのアイテムが流用可能です。これで接写が便利になります。超望遠用にマグニファイアーも手に入れようかな…
台風が去って、猛烈な暑さになりました。立秋を過ぎて残暑とは言うものの、げんなり状態です。でもこの暑さがないと秋の実りが確保できません。
*ist-Dですが、絞込み状態でレリーズできる仕組みでないと、Kマウントレンズは絞込み測光でのマニアル露出以外には使えないことも考えられます。Aレンズは絞りリングのタッチが好きになれず、入手には消極的なのですが、そうも言っていられないのでしょうか… A15oやA20oなどを精進することも真剣に考えねば…
☆ 2003/8/9 Pentaxのホームページに*ist-Dの概要が掲載されました。適合レンズはKAマウント以降のものだけで、最も興味のあった旧レンズの使用については、カスタムファンクション13で絞りA位置以外でのレリーズ(ON/OFF)を設定することでKマウント以前のレンズに対応するようですが、依然として使用できない機能の内容は不明です。 MZ用のように電源置き換えでなく電源付加形式のバッテリーグリップも同時発売されるようで、縦位置撮影に便利な機能が付いているようです。 9月6日までに220K準備せねば… ☆ 2003/8/8 待望の*ist-Dの発売が発表されました。やはりレンズ側からの絞り位置情報は伝達されないマウントになるようです。Kマウント以前のレンズを使う場合は、ファンクションで指定して実絞りAEか実絞りマニアルで使用することになるようです。 それがどのような操作になるのかはまだ不明ですが、絞込みスイッチを使うのではないかと推測します。そうでないとKマウントレンズは開放でしか使えません。 つまり、レリーズボタン部の電源スイッチは絞込み位置に固定でき、固定したままレリーズができるのだと思われます。これならアダプター使用のSレンズや67レンズ、45レンズも実絞りAEで使えます。 また、パワーズーム機能は使えないようです。これは理不尽以外のなにものでもありません。 http://www.dpreview.com/articles/pentaxistd/default.asp http://www.zdnet.co.jp/news/0308/08/nj00_istd.html
☆ 2003/8/5 どうも戻り梅雨となりそうな雲行きです。稲の穂が出る時期になってこの天候ではやはり心配です… 今年は本当に西瓜が安価です。 ☆ 2003/8/4 2日に梅雨明け宣言が出て、ようやく土用らしくなりました。 その2日土曜には、拙宅の増築で様子の変わった庭の敷石工事に従事しました。増築工事で踏み荒らされ、梅雨の長雨で湿ってデコボコに固まった土を均して、重く大きなコンクリート平板を敷き並べるという、炎天下にての久し振りの重労働だったので、普段はカメラより重いものは持つことのない亭主としては、体中が痛い昨日、今日です。 秋になるまであと4日、このまま暑さが続けば、米の買い溜めに走らなくてもいいのでしょうが、さて…
素麺を喰ひたき日々の有難き 雌山 酸ひ風に鼻うごめかす土用干 雌山 やませ止め宝風あれみちのをく 雌山
2003/7/31 今日で7月は終わります。なのに梅雨はまだ明けません。庭を彩るものは底紅の槿だけです。いつになく数が少ない八朔の実は、その存在をようやく顕らかにし始めました。 例年は蜘蛛の巣が庭の通行の邪魔となるのは8月下旬ですが、今年はもう邪魔になり始めました。秋を感じて越冬のための準備である狩に駆り立てる何かが蜘蛛たちを捉えているのでしょう…
☆ 2003/7/26 西日本はようやく梅雨明け宣言が出たようですが、関東から北は夏の南風が吹きません。冷たい北東気流の作る雲に覆われたままです。 昨夜来の宮城県北部の地震は余震の方が大きいなど群発しています。遠く離れた拙宅でも、体には感じませんが、壁に架けた鎖が長い時間揺れ続けました。 このごろアダプター類の蒐集に陥っていて、Sマウント用リバースアダプターや同じく顕微鏡アタッチメントなどが手元に来ています。どれも遊びのツールとして愉しめそうなものばかりです。
カメラ付インターホンが鳴り、モニターに横縞の制服が映りました。潟Rシナカラー現像所からの荷物です。取引の記憶がないので訝しいながら開けて見ますと、朝日ソノラマ発行「東ドイツカメラの全貌」という著者サイン入り豪華本(なんと13K)が出てきました。 当選おめでとうございます…と書かれた紙片が同封されていて納得しました。Bessaflex TM の愛用者カードの抽選に当選したのでした V(^O^)/
98年に発行されたこの本の内容はなかなか興味深いもので、特にプラクチカ関係のものはM42の薀蓄としてふむふむものです。Bessaflex TMのユーザーに渡す景品としては当を得た、気の利いた佳品です。
2003/7/24 フランジバックがペンタックスより小さな35o一眼カメラなら、Sマウント(M42)のレンズを装着して無限遠まで出せるアダプターが成立する可能性があるのですが、ニコンのようにフランジバックがペンタックスより大きいと、補正レンズ組込み以外には無限遠が出せません。つまり、近接ないしは接写専用となってしまいます。補正レンズを組み込むと、リヤコンバーターを使うのと同じでF値が1段以上暗くなり、焦点距離も伸びてしまい、元の性能も変化してしまいます。 もっとも、フランジバックがペンタックスより大きいのは、目ぼしい国産35o一眼カメラではニコンとオリンパスOMだけですから、このこともSマウント(M42)レンズが長生きしている理由の一つなのでしょう。
このままオホーツク高気圧が居座ると、ヤマセで東北地方は大冷害になるのでは…そうなると今年の秋からは米が足りなくなるかもしれません。またあのどうしようもないインディカ米を食卓に上らせなければならなくなる悪夢のような事態が再現したりして…大暑なのに南関東の最高気温が20度を下回ったのは記憶にありません。前回のことで懲りましたから、今回は買いだめします。
☆ 2003/7/20 夏休みになり、土用に入ろうというのに梅雨が明けません。南関東の実質的梅雨入りは5月の連休明けからですから、ほとんど3ヶ月、何とも長いことです。日照不足で農業などに影響が出そうです。連日寒いくらいに涼しくて、原発の停止している東京電力などの電力不足のためには良いことなのでしょうが…
☆ 2003/7/15 Bessaflexのファインダー窓はニコンの角窓と同じサイズなので、アイカップなどは流用できますが、裏蓋の開閉に支障がないのはF601・F401X用の半円形のものです。DK-9も体裁は良いのですが、裏蓋の開閉に支障があります。 超望遠や接写などに便利なマグニファイヤーもニコンのものが使えます。角窓用アイピースアダプターの併用が必要ですが…
また、Bessaflexのおでこはマウント面より前に出ているので、Pentaxのベローズ・ユニットUを装着するときや、オート・べローズに倍率定規を装着するときに邪魔になります。出っ張っているのはネジ2本で止めている銘板部分だけなので、これを取り去れば問題は解決しますが、このままでは間抜けな感じになってしまいます。 そこで、模型用の薄い真鍮板を銘板と同平面形状に切り抜き、ピカールなどでぴかぴかに磨き立ててから取り付けるという手があります。真鍮に金メッキすればさらに上々吉ですが、素地のままでも、いつも布で乾拭きしていれば金色の艶は保ちます。そのほかに、手作りナイフ素材の錫の板や銀の板でもいいかも…。真珠貝や鮑、象牙や鼈甲なんかも流行ったりして… 腕やその筋に伝手のあるひとは、ロゴを切り抜いたり、彫金すると良いでしょう…
付属の丸い吊金具は何ともお間抜けな感じなので、三角のものと替えました。Pentax MEシリーズ用のものが小型でベストなのですが、余剰在庫がないのでチープですが市販品で我慢しました。本革の擦れ止めを併用すれば格好がつきます。
Bessaflexは本当にTakumerと相性がいいです。膨大なM42レンズ資産をターゲットに開発したとのことですが、実用的な広角・望遠は、Takumerが種類・数ともに圧倒的に多いのでしょうから、それは当然でしょう…
☆ 2003/7/13 銀塩カメラの退潮は決定的なようです。横浜駅前に並び立つ利に敏い量販店の売場はどちらも大縮小されていました。代わりに拡張されたのは携帯電話とデジタルカメラの売場です。音楽の世界におけるレコードとCDの関係が再現されるのでしょうか… このぶんだと、銀塩カメラを使うのは一部のアナクロ物好き、もとい、アナログ好きだけとなるのは必至の情勢です。
☆ 2003/7/12 Sマウント(M42)の取り付け方の続きです。 昨日たまたま入手したSMCタクマーの説明書(73年6月の印刷?)に、レンズの取り付け方法が載っていました。これによると、カメラに対してあてがうレンズの指標の位置は、マウントに向かって左横にするとされています。 試してみると、確かにこちらのほうがネジの導入部がよりスムーズでした。つまり、レンズは3回転と1/4で正しく取り付くというわけです。 また、標準レンズについては、ピントリングがゴム巻きのものと従前のアルミ削り加工のものが同時に販売されていたことがわかりました。モデルチェンジではなく、ES用がゴム巻きで、SP用などがアルミのものだったようです。
この説明書と同時に入手した4本のSMCタクマーは、すべて手元にあるものと同じ焦点距離ですが、2.5/135oだけは、既に持っているものが前期型であるのに対して後期型でした。こちらのほうがフィルター1枚分長くなっています。
ベローズ・タクマー4/100oをベローズを使わずに使用するためには、2号の中間リング(オート)と縮めたヘリコイド中間リングを組み合わせると、ちょうど無限遠になります。ヘリコイド中間リングは、Lマウントの引伸ばしレンズなどを使うために必須のアイテムです V(^^ゞ
Bessaflexはファインダーが明るく、また、マット面でピントの山が掴みやすいので、いろいろなレンズを取り付けて楽しめます。
オート・ベローズはSマウント用とKマウント用を所有しています。Kマウント用のもののカメラ取付部をSマウントにしたら汎用性が非常に向上するのですが…
☆ 2003/7/11 Bessaflexにいろいろなタクマーを取り付けているうちに気が付いたことがあります。 Kマウントの場合、カメラとレンズの指標を合わせて差し込み、数10度角回転させて取り付けますが、M42マウントの場合も、レンズの絞り・距離指標を真上にしてカメラのマウントネジにあてがい、そこから3回転させるとぴったりと取り付く仕掛けになっていました。 これまではレンズとカメラの相対的な位置に注意して取り付けていなかったので、ネジの導入部が合わずにうまく捻じ込めなかったりしたこともありましたが、このようにすればほとんどうまくいきます。 昔のSPの説明書にもレンズの取り付け方は書いてないのですが、ネジの導入部を求めて探りながら回す必要がなくなり、すっきり素早く装着できるようになりました V(^^ゞ
☆ 2003/7/4 待望のBessaflexが雌山亭にやってきました。亭主が手塩にかけた愛しの MEsuper を人身御供に差し出したご利益か、税込みで福沢さん3枚とコイン数個の喪失で済みました。 さっそくF1:4のSuper Macro Takumer 50oを取り付け、日没直前の景色を眺めました。おー、明るい。絞り込んでF1:8でもスプリットは使えます。なんとF1:11でも大丈夫です。これは文句無しです。 巻き上げやシャッターの感覚は Pentax とはまったく異なっています。MEsuper に馴れた亭主としては、はっきり言ってえらくやかましい… 定価が定価ですから、全体のクオリティはまあまあです。昔のスイッチボックスみたいな荒っぽい梨地塗装仕上げなのが不満ですが…
とっかえひっかえ、いろんなレンズを取り付けて試していますが、Takumer の場合、指標はどれも若干右に来ます。 ファインダーは確かに見やすく明るいです。相当絞り込んだままでもピント合わせができますから、プリセットしかないレンズでも使い心地は良いでしょう。 F1:2より明るいレンズの場合、スプリット部にまったく影が出ないので、明るい場所だとかえって見づらいくらいです。視野率と倍率が高いのと合わせて、根暗の広角タクマー達にはうってつけのファインダーです。特に35oがいいようです。 ミラーアップさせて使いたい場合は、セルフタイマーを使えばいいので、超望遠で撮影するときなど重宝するでしょう。 この機体でダイレクト測光などによりAE化されたら、スナップ撮影用機材として絶対に買いとなることでしょう…
☆ 2003/6/28 リホームした拙宅の調度類を取り揃えるために、先週も今週もあちこちと引きずり回されて、診察室の再開ができません。DITにも行かされるので、行きがけの駄賃、安物のラジオペンチや精密ドライバーをたくさん仕入れ、専用工具を作ろうと一念発起しています。
セルフタイマーのカニ目穴用も作って専用としたいし、シャッターセレクターダイヤル溝付ナット用も、傷の付かないものを工夫したいと考えています。巻上レバー部用とASAダイヤル部用も、それぞれ完全に専用として顎を固定しようと考えています。工具は専用が一番です。
レンズの分解整備用にも、狭くて奥深い溝付ナットを回せるビットを揃えなくてはと考えています。これには精密マイナスドライバーが良さそうです。釘を加工する手もあります。取り付ける工具はコンパス型のものです。
☆ 2003/6/24 長かった拙宅の大リホーム工事も殆ど終了したのですが、荷造りしたものがまだ定位置に戻りません。診察室、手術室も再開には至りません。
田宮のノズル付チューブ入りモリブデン・グリスを手に入れるため、模型店に行ったのですが、同形式の容器でセラミック・グリースなるものが売られていました。白いグリースのようですが、これをカメラに使用できるのか、少し迷いました。
リホーム中にMEsuperのおまけで手元に来たレンズが2本ありますが、どちらもカビが生えているので、これも分解整備が必要です。一つはマウント取り付けネジの溝を舐めているので、ドリルで削らなくてはならないかもしれません。 レンズについても分解整備の過程を詳細に記録したいのですが、亭主のデジカメは接写が無能で、とても使い物にはなりません。早く*ist-Dが発売されないかと首を長くして待つだけです。
デジカメ用外付け電池ホルダーを作成する目途は立ちました。単三用ホルダー類は既に入手し、あとはカメラ端子に合わせた端子を入手するだけです。ケースは手持ちの布製ポーチ(米軍ガーランド用弾薬袋のようなもの)を使うことにしました。
銀塩フィルム用にフィルム・スキャナ(ニコンの4000など)を購入すべきか否か(主として資金の問題で…)迷っています。
6月も下旬だというのにBessaflex-TMはまだ発売されません。中国などのSARSの影響なのでしょうか…
☆ 2003/6/8 待望久しい *ist-D の発売は8月以降のことになるとのことですが、これを入手したら写真によるMEsuper分解整備の詳細解説を作りたいと目論んでいます。マクロ撮影が主力となるでしょうから、それ用の機材の整備も、特に照明は工夫がいることでしょう。
デジカメの弱点は電源です。内蔵の電池では可動時間が短いので、屋外で使う場合は外部電源はどうしても欲しいものです。腰に取り付け、カールコードでカメラのACアダプター用端子に供給する方法が一番使いよさそうです。オプションで出してくれると嬉しいのですが…
自作する場合、単一電池直列4個で6Vを得る方法もありますが、単三電池直列4本を1組として、数組を並列で使用する仕組みが一番汎用性が高いと考えています。手持ちのニッケル水素充電電池の活用にもなりますし… 体裁の良い電池BOXの制作・調達が一番の鍵になりますが、旧日本陸軍の銃弾入れみたいに厚い革で作るのもいいかも…
☆ 2003/6/7 依然としてリホーム中なので診察室は閉鎖しているのですが、新患が2台、ちょうど1ヶ月ぶりに待合室に入ってきました。いずれも銀色前期型ID19*****で容姿はまあまあです。
容姿の劣るほうの1台は、おきまりの患部のほかに、電子シャッターが最高速でしか作動しないので、ソレノイド関係に病巣があるようです。これまでソレノイド自体が壊死している事例には出会ったことがないので、半田はがれか、二番折れによる断線の可能性が高いと判断しています。
もう一台はおきまりだけの軽症ですが、ファインダー内がいまいちです。取り外して洗浄してみないと結論は出せませんが、傷ならフォーカシングスクリーンも交換が必要かもしれません。その場合、LX用を加工することになります。容姿に問題が少ないので、それだけする価値はありそうです。
前期型のシャッタースピード選択ボタンは作動不良のものが多いのですが、その原因は接点の錆です。バネを兼ねた燐青銅が長期間の放置で錆びて、接触導通が悪くなるのです。これは錆を落とせば全快します。この2台もやはり作動不良気味です。
手術道具が取り出せないので、この2台も当分放置しなくてはなりません。
☆ 2003/6/2 昨日、所要で地下鉄銀座線に乗り、その帰途、東横デパート西館8階で開催中の世界の中古カメラフェアなるものを見ました。時間が無くてブースの間を一通り歩いただけですが、MEsuperの姿は見かけません。唯一目に止まったのは、黒塗りの型で、ストラップの吊り輪が正規品でないためにブラ地肌まで削れた醜いとしか言えない品でした。レンズ付とは言うものの、こんな品でも12,000円もします。亭主の所蔵するものの中で最も外見の悪い品より何倍も醜いのに… 夥しい数のライカ、どれも値札は溜息クラスです。亭主が普段調達するMEsuperの価格の50倍以上です。ニコンSシリーズもたくさんありました。値段はどれもライカに負けていません。外見美品のSP(ぺん太ではない…)もあります。ニコンの先生、コンタックスはライカに比べて異様に安いです。
☆ 2003/5/31 5月に台風が上陸するのは、非常に珍しい(38年ぶり)ことです。去年も関東の実質的な入梅は5月中旬でしたが、この異常気象は5年以上続いています。
今年は去年の異常な早さと違って櫻が平年並みだったので、順調な天候かと思ったのですが、梅雨の始まりはここ数年の異常な傾向と同じです。この分だと、去年同様6月中旬には梅雨の中休みで猛暑になるかもしれません。そして8月になると、すぐに秋風が吹くようになることでしょう。
風の猛威には万物こぞって平伏すほかにありませんが、台風の運ぶ雨は日本の山野を潤し、形作る自然の恵みです。台風は海から真水を汲み上げる巨大なポンプです。 台風などの雨が引き起こす洪水、これを避けるために、己らの目先の利益のためだけに人間は自然を破壊し、その挙句に、エコロジー、自然に優しくなどとふざけたことを口にしています。
洪水は川が起こすのではなく、洪水の残滓が川なのです。人間はこの川に堤防を築き、己らの領土への溢水を防ぐために嵩上げをしてきました。利根川中流域に築かれている堤防の高さは空恐ろしいほどです。 もし、この大堤防を越える水量が流れてきた時、決壊した時、人間の領土が受ける被害は自然の溢水の比ではありません。
洪水は肥沃な土地を作り、人類はこれを耕して文明が起こりました。文明は生みの母である洪水を疎ましく扱い、洪水を押さえ込もうとすることにより文明はさらに発展しました。ノアの洪水の記憶は、文明と洪水の関係をよくあらわしています。 畢竟、人類とは、地球という星に生じた癌のような存在なのかもしれません。寄生主である地球が死に絶えるまで増殖し、搾取と破壊を続ける存在…
☆ 2003/5/27 亭主のカメラ弄りは単なる分解整備の域にとどまっていますが、レストアの誘惑・必要性に直面しています。MEsuperの場合、軍艦部の素材がプラスチックであることが関門になっていますが、黒塗りモデルであれば再塗装によるレストアも可能なのではと遅疑逡巡しています。 その場合、最大の隘路はロゴのレタリングです。マスキングを工夫すれば、なんとかなりそうではあるのですが…
塗装皮膜の硬度をオリジナルと同等以上にする自信がありません。田宮など模型用のエアスプレーでは硬度が不足です。かと言って、エアブラシのセットを調達するほどの財力と気力も持ち合わせていないのです…
早苗田の白雨浴びなほあをあをと 雌山 五月女を見ることもなく田植かな 雌山
☆ 2003/5/24 雨こそ降らないものの、すっきりとは晴れません。本州では関東だけのことのようですが、やはり梅雨前線の影響だと思います。
リホーム工事による混乱は依然として続いています。石膏ボードを加工するので、家の中は埃だらけです。カメラたちは梱包されて疎開しているので、触れることができません。分解途中の患者はどうしているのやら…
☆ 2003/5/18 今日もはっきりしない梅雨空で、暖房が欲しい、まるで3月ごろの寒さです。気象庁は去年も面子に拘って南関東に5月中の入梅宣言をしなかったのですが、実質的には5月中旬には入梅状態でした。 このまま季節が推移すると、6月は梅雨の中休みで猛暑になりそうな予感がします。そうなると東京電力原子力発電所の停止は、困憊の日本経済に対して致命的な結果を招来するでしょう。
☆ 2003/5/17 拙宅リホーム中のため、すべて荷造りしてしまい込んでいるので、カメラに触れません。それで方々のお宅を訪問して、あれこれ落書きをして鬱憤晴らしをしています。アアオモシロイ…
先日奄美地方を入梅させた前線の端が関東にかかり、走り梅雨の日々が続いています。そう言えば去年もこのようだったなと思い返しています。アアサムイサムイ…
入梅や重石の下のビルの街 雌山 鬱勃の向ふ先無し皐月闇 雌山
☆ 2003/5/16 大改造中の拙宅ですが、増築部分の外壁・屋根が建ち上がり、今週始めから二階居室の内装リホームが始まったので、毎晩家財(主としてガラクタ)を移動する日々が続いています。生憎雨が続いているので、張り替えた壁紙・絨毯などの臭いがなかなか抜けません… 手術室も閉鎖されているので、患者達はほったらかしです…
13日の午後、ペンタックス・フォーラムに立ち寄ったのですが、*ist-Dの姿はありません。これの発売も遅れるのでしょうか…
と、思っていたら予感が的中(おまえは預言者か (+_<)\ペチ )して、8月末の発売に遅れるとの言訳告示が今日HPに出ました。トホホ…こんな予感は当たってほしくなかった…
BESSAFLEX-TMは、予定どおり5月の末には世に出るようです。暗めのタクマーを明るいファインダーで、自動絞りで使う快適さに惹かれてしまいます。*ist-D用の予算を流用してしまうゾ…
☆ 2003/5/10 MEsuperの場合に限ってですが、故障の状態・現象から、原因となっている場所とそこがどのようになっているから正常な作動をしないのであるかを、ほぼ正確に推定することができるようになりました v(^_^)v このことは、MEsuperの故障が類型的、限定的で、よく故障する場所以外は壊れ難いことを意味しています。 また、多くの故障品を修理して感じたことは、大多数の人にとって、カメラというのは写真を写すためというより持っていたいという動機で購入するものなのだということです。 その結果、しまい込んで置く時間が長くなり、何時の間にか動かなくなっているのです。 亭主が入手して修理したMEsuperのほとんどは、それぞれがおそらく20本程度しか撮影していないのだろうと思われる状態でした。 そして亭主のものも、修理されたあとは数本の撮影でしまい込まれていますから、これらをなんとか使われるようにしなければいけないのではと、このごろ後ろめたく思っているのです。
☆ 2003/5/8 オート・ベローズのためのケーブルスイッチCSをケーブルレリーズで押す簡単な仕掛けの試案は成立したのですが、ケーブルスイッチF用の仕掛けはまだ成案がありません。大掛かりな工作を厭わなければ可能なのですが、簡単手軽をコンセプトとするためには問題がありすぎるのです。 CS用は、1o厚ぐらいのアルミ板少々(拙宅の物置に転がっている (^_^)v )と金工用エポキシ粘土と太い輪ゴム(別名イカゴム)数本、それとジョイント・レリーズ(400円ぐらい)があれば、金ノコとツイスト・ドリルと鑢とペンチで作れます(そのつもりなだけかも… (^^ゞ )。
☆ 2003/5/7 今年5つめのMEsuperがF1:1.7/50o付で診察室に入ってきました。ID:18*****の前期型ですが、各部に保護フィルムが残っている外装は問題無しです。症状はお決まりのもので、裏蓋内やレンズに黴があることから、ケースに入れたまま長い年月を押入れの隅などに放置されていたようです。 F1:1.7/50oのレンズは、手に入りそうでなかなか縁の無かった品です。黴がひどいので分解清掃が必要です。無水エタノールに浸けて置けば取れると思います。 また、オート・ベローズMの美品をダブル・レリーズ付で入手しました。この品は既に所有していますが、もう新規に入手は困難ですから、予備として確保したものです。
☆ 2003/5/6 きのうガラクタ整理をしていたら、古いSPの使用説明書が出てきました。その昔SPを買った記憶はないので、カミさんの嫁入り道具の中にでも入っていたようです。 この説明書にはマウントアダプターのことが出ていますが、AリングというのはLマウントレンズをSPに取り付けるためのもので、BリングというのはタクマーをLマウントに取り付けるためのものとのことです。つまり、タクマーを引伸機用のレンズに使うということが行われていたのだそうです。 使い方の説明では、シャッタースピードを先に決めることを奨めています。次に構図を決めてピントを合わせ、絞込みスイッチを入れて適正な絞りを選択するのだそうです。 MEsuperを使い慣れているせいか、作画を意識して絞りを先に決め、構図を決めてピントを合わせる手順が染み付いているので、シャッタースピード優先的な手順には違和感を感じます。
☆ 2003/5/5 連休も今日で終わります。拙宅の大リホームが始まるので、家財(ガラクタ)整理で休みはすべて潰れました。アアツカレタ…
三つ食べ子供に帰る柏餅 雌山
☆ 2003/5/4 四十雀の囀りが晩春の空を覆っています。この鳴き声を聞くと、人生の峠を何成す事も無く越えてしまったこの身を嘲笑われている想いにとらわれてしまいます。
ついついと四十雀なく峠かな 雌山 蒼天の何為さぬ間の霜夜かな 雌山
デジカメ一眼が手に入ったら、ベローズなどを使って超接写、超々接写の世界に遊びたいと企んでいます。そこでダブル・レリーズの使える仕組みを模索しているのですが、市販のケーブル・スイッチをレリーズで物理的に押す仕掛けにするか、別にスイッチを工夫するかなどと、乏しい工作スキルと相談しなからあれこれそれそのと、妄想の世界を彷徨っています。
老鶯のなほ艶めけるあしたかな 雌山
液晶画面から視線を外し、新緑の濃く成り行く窓外を見やって、そこに鶯の鳴声を聞くのも良いものです…
☆ 2003/5/3 きのうの晩、今年4つ目の患者が来ました。容姿並の、おきまりの病(SARSではなかった、フウ…)に冒された、後期型81年後半ごろの番号の患者です。 待合室が混み合ってきたのですが、手術台が空かない(怠けているだけじゃい (+_<)\ペチ )ので、心苦しい…
外傷以外の原因で電子基板が病んでいる患者にまだ出会ったことがないのですが、これが経年劣化で使用不能になるためには、いったいどれくらいの歳月が必要なのでしょうか… コンデンサーなどの部品は通電時間の蓄積(延べ使用時間)が劣化の要因だとすると、カメラの場合は半永久的なのかも…
☆ 2003/5/1 基本的電気音痴の亭主としては、MEsuperの電子基板のからくりを理解することは絶望的、お手上げ状態ですが、11本しかない電線(回路)がなぜ18個あるLEDを個別に点灯させることができるのか、その仕組みについて少し考えてみました。 それで、少し分かった(正解かどうかは相当に疑問あり (^^;ゞ )ことを「分解整備詳解」の第1章に載せました。
☆ 2003/4/29 レンズ側からの絞り値伝達機構を持たない機体が発売されました。 *ist です。絞りはカメラ本体側からコントロールするのだから不要なのだという思想なのでしょう。このコンセプトの先にあるのは、ズーム環をレンズから取り去るということでしょう。つまり、レンズにはインターフェイスが一切無い姿です。 6月に発売が予定されている待望のデジ一眼 *ist-D も、ネット上に流れている写真ではレンズ側からの絞り値伝達機構を持っていません。これが試作段階だけなのか、製品もそうなのかは不明ですが、仮に製品もそうだとすると、Mシリーズ以前のKマウントレンズを使用する場合は、常識的には露出オートは望み薄です。測光機能の利用にしてもできたとしても多くの制限があることが予想できます。コストダウンの要請なのでしょうが、これがKマウントにおいては上位互換を継承してきたPENTAXのこれからの方向性だとすると考えてしまいます。
単に装着可能というだけでは、そのレンズ固有の個性を愉しむ目的以外には使えない…、ということになってしまいそうです。こうなると、Aレンズの市価が高騰しそうな予感がします。個人的には絞り環の操作感が嫌いで、あまり積極的に見ていなかったのですが、そうは言っていられなくなりました。
コシナのBessaflexが5月に発売されるようで、多くのカメラ雑誌に取り上げられるなど相当な話題になっています。M42(Pマウント)のレンズは膨大な品が世の中にあるでしょうから、マウント口径の制約から基本的に根暗で個性的(癖のある?)な、何より安価なそれらを手軽に、快適に使いたいMFカメラのファン(特にペンタックス・ファン)に売れるでしょう…カウカウ(おまえはカラスか (+_<)\ペチ ) オールインワンに背を向けたコンセプトは買いです。内蔵ストロボを排したのは当然として、ホット・シューも付けなかったのは一つの見識です。 隙間商品といってしまえばそれまでですが、シリーズ化の展望を含めて、成功しそうな予感がします。 同時に、レンズのメンテナンスやリメークを安価に受注するシステムを確立する企業があれば、これも成功するでしょう。電子機能内蔵のカメラ本体は経年で確実にその生命を失いますが、レンズはそうではありません。バルサム切れの更生が可能であれば、半永久的に使えます。
☆ 2003/4/27 4月から公私ともに多忙なことと、3月末から引きずっている風邪が悪化したこともあって、心に任せぬ日々が移り過ぎています。 3月23日に手を付けたMEsuperが作業台に乗ったままです。病巣はすべて手当てし、あとは半田付けをするだけなのですが、半田こてを温める気力が出ません。全部で15分もかからない作業なのに…
10月に「雌山亭」を立ち上げてから7ヶ月が経ちます。その間、3000回の訪問を受けることができました。これは望外の喜びです。近い将来、デジ一眼を入手した暁には、なんとかビジュアルな内容へと変身したいと目論んでいます。
☆ 2003/4/13 空の塵を掃く箒であるかのように寒風の中に屹立していた欅の枝に芽吹きが来て、柔らかな薄黄緑色に染まっています。櫻も春の絶景ですが、落葉樹の芽吹きも心に映る歓びです。 この季節、柾木などの常緑樹の枝を切り落とすと、その切り口から水が流れ出て木肌を広く濡らします。命の営みの驚異です… ☆ 2003/4/11 今年3つ目のMEsuperが手元に来ました。遮光モルトが死んでいて、ミラーアップ、巻き上げ不能になっている患者で、電池を入れて電気系統が健全であることは確認しました。 底蓋のIDは34…で、亭主の手元に来たものの中で最も大きな番号です。恐らくME-Fに移行する直前の製品だと思われます。軍艦部を外せば前部端子盤の形式で判断できるでしょう… 高騰気味の相場からすると非常に安価でしたが、外回りはあまり良好ではありません。底蓋などにスクラッチが多く、Bランク以下でしょう。フォーカシングスクリーンにも汚れがあるので、これが傷ならLX用ナチュラルブライトにでも換装が必要になりますが… 巻上レバーの飾りボルトや巻き戻しクランクを外してみましたが、それらの下の溝付ナットに分解痕は見られません。飾りボルトは接着剤で回り止めがされていました。専用工具を使わずに緩めるのは難しかったことでしょう… アイピースレンズ内側に黴らしきものがあります。ここに黴がある品は初めての経験です。多分無水エタノールで取れると思います。バルサム切れはありません。バルサムは本当に煮沸で剥がれるのでしょうか?バルサム切れの在庫が幾つかあるので、一度実験してみようとは思っています。剥がれた物をガラス用瞬間接着剤でうまく貼り合せた経験はあるのですが…
☆ 2003/4/10 一片と吹き千切られて遠き花 雌山
☆ 2003/4/8 昔欧州製自転車部品の蒐集に血道をあげ、それを使った自転車の組立に熱中していたことがありますが、それに比べてカメラの分解整備はあっけないほど簡単です。単に小さいだけで組立にあたって繊細な調整などは必要としません。これは部品の精度が高く、組み合わせの誤差が少ないことが原因なのでしょう。特にMEsuperは、整備上必要な分解部分が少なく、本当に素人向きの素材です。どんどん入手して整備しましょう。
☆ 2003/4/7 昔、「自転車に乗らないサイクリスト」という言葉が自嘲的に、また実走派からは軽侮の念を込めて囁かれた時代がありました。亭主などもそう言われた口でしたが、今は「写真を写さないカメキチ」に陥っています。結局、三つ子の魂百までということでしょうか… 「黄金の70年代」というのは亭主のよく使う慣用句ですが、それは自転車及び自転車部品が多様性を競い合っていた時代で、ユレー、サンプレックス、ストロングライト、ブルクス、マハック、カンパニョロなど、こだわりのある趣味の対象として眩しく輝いていた頃でした。 また、本当に金色(オロ)が好まれた時代でもあり、ハンドル、ステム、ハブやデレイラーは当然として、フリーやチェンなどの消耗部品も金色メッキされていることが最高級品の証とされていました。81年発売LXのゴールドモデルなどもそんな時代の余韻の中で生まれ出た存在なのでしょう…
☆ 2003/4/5 悪性の風邪が続いているので、手元に来た黴Mレンズの分解清掃を手がけました。どこもかもネジが固く締まっていて相当に苦労しました。 黴は前群の2枚の内側同士と後群の最後の内側に木の根状に繁茂していました。前群の黴は無水エタノールをしみ込ませたティッシュで拭くだけで取れたのですが、後群の黴はしぶとく、拭いただけでは取れません。そこで昨夜から一晩無水エタノール中に漬けて置きました。今朝、取り出して見ると、黴は跡形も無くなっていました。 ヘリコイドや絞り機構に異常はないので手を付けません。内蔵フードが緩いので、フェルトを剥がして下に両面接着テープの下駄を履かせたところ、とてもいい感じになりました。 全体の雰囲気はあまり使われなかった様子です。この時代のレンズの敵はバルサム切れだけです。それさえなければ整備していつまでも使えます。この3.5/135oは5群5枚構成なので半永久的に使えるでしょう。ソレニシテモヤスイ… v(^_^)v このレンズ、先代のK時代には絞り羽根6枚でしたが、8枚に増量されています。M150oは6枚のままですから、メーカーとして力の入れ方が違うようです。 ☆ 2003/4/2 昨日無理をして仕事に出たら、今日は完全に声が出ません。完璧にダウンです。うぅぅぅ…ム ☆ 2003/4/1 年度が変わり、身辺風雲急を告げていて、何かとせわしないのですが、花粉症の季節なのに重症の風邪を引いてしまいました。これはこの30年間一度も無かったことです。 花粉症が発症しているときには免疫が亢進していて、風邪の菌なんぞは寄せ付けないのです。でも、ことしは甜茶製剤を服用していたので花粉症の症状はごく軽かったのです。 声もかすれるので寝ていたいのですが、抜けられない用事があって休めません。とほほ… ☆ 2003/3/30 *ist は発売が4月末に延びたようです。レンズから絞り環を取り去ることがSLRカメラの向かう方向なのか、次に取り去られるのはズーム環…
BESSAFLEXが発売されると、タクマーの市価が高騰することは必至だと思われます。アダプター・リングを使うよりもスナップ撮影の使い心地は向上するでしょうし、SP一族に比べてファインダーが明るいですから、暗めの広角系・望遠系は使い易くなると思われ、小さな3.5/35が特に高騰しそうです。明るい標準系についても、SP一族より一段速いシャッターですから、ISO400を常用している人にとって相当使い易くなるでしょう… ☆ 2003/3/29 今年の櫻は遅れていて、まだちらほらの木がほとんどです。去年があまりにも早すぎたのですが…
出番かと袖から覗く櫻かな 雌山
BESSAFLEXは、本当にお代は片手のようで、5月中旬に買えるようになるようです。渦巻き君たちのために奮発してしまいそうです…
☆ 2003/3/25 新聞を取りに戸口を開くと、沈丁花の香りに包まれました。少しつよい雨が降っていて、湿った朝は春の暖かさに満ちていました。 雨よりもつよくありけり沈丁花 雌山
気ぜわしくて、分解途中の患者に触れる気持ちになれません。はあ…
☆ 2003/3/23 整備途中で2週間ほど手術台(作業台だって (+_<)\ペチ )に放っておいた前期型MEsuperを完成させました。シャッター・ユニット機械部分が死んでいた初めての患者でした。泥沼の底から拾い上げた心臓を移植しましたから、完璧に甦りました。測光値も基準機と同等ですし、1秒以上の長いスピードも電波時計と同等です。巻き上げも軽く、専用ストロボも正常に作動します。ワインダーも快調に作動します。容姿の衰えさえ気にしなければ、絶好調のカメラになりました。 ワインダーと言えば、それを取り付けて作動させるとフィルム・カウンターが動かなくなることが多いようです。振動によってラチエットバネが外れたり、カウンター・ダイヤルが引っかかったりするのが原因です。この部分がMEsuperの弱点と言えるでしょう。
余勢を駆って、新患の分解に着手しました。ワインダー接続口の蓋が無いだけの後期型美人です。IDから推測したとおり、後期型でも早い時期のもので、55年8月製のスタンプがフレームにあります。前部端子盤の形式もそのころのものです。すべてのネジにまったく分解痕がなく、ワインダーに取り付けられていたことにもよるのでしょうが、シールの残る底蓋に擦り傷がほとんどありません。 開けてみると、やはり遮光モルトは全部軟化しています。まだそこまで分解が進まず確認していませんが、緩衝ゴムもすべて駄目でしょう。 MEsuperの場合、製造から一度も分解整備を受けていないものは、必ず遮光モルトと緩衝ゴムが駄目になっています。もし何の支障も無く今使えているのは、偶然の幸運に過ぎないのだろうと私は確信しています。これは設計ミス以外のなにものでもありません。 この遮光モルトと緩衝ゴムの劣化が原因の故障は簡単に治せます。また、これらが原因の故障が圧倒的に多いのですから、ペンタックス株式会社は、この修理を引き受けるべきです。それが製造者としての責務ですし、優良な会社と言われるための前提となるものです。
MEsuperの分解整備で最も手間と時間がかかるのが溶けた遮光モルトや緩衝ゴムの清掃と新しいモルトの貼り込みです。その他の作業はさほどの手間ではありません。きわめて分解しやすく、組立も容易です。このことに関しては、設計の優秀さと製造技術の高さを実感しています。
☆ 2003/3/22 「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句に背いて、冬の寒さが居残っています。櫻も遅れているようです。 それでも燕は律儀に戻って来ました。この寒さに耐えられるのですから、燕が秋に南の国に去るのは、光を追いかけているのかもしれません。 カメラは光の友達です。その光を慕う燕、今年は燕を追ってみようかなどと、風冷たき春のまぶしい光の中で思ったりしています。
萌草を袈裟切りにして初燕 雌山 ☆ 2003/3/19 BESSAFLEX TMと命名されたM42マウントマニュアルSLRカメラが、先日開催されたPHOTOEXPOにおいてコシナのブースに参考出品されていましたが、これは絞込測光の仕組みでした。 マニュアルカメラにおいて開放測光のメリットがどれくらいあるのかということを考えると、プレビューしなくても適正露出が分かるということだけです。 絞りの効果を確認するためにプレビューしてからレリーズするのであれば、絞込測光であっても操作手数にまったく差は生じません。 開放測光が決定的に有利となるのはオート機構が組み込まれているカメラにおいてであって、撮影においてはSLRの機能を駆使することを前提とすると、マニュアルカメラにおいては、絞り位置による補正機構が必要になることにより、また実絞りによる露出値ではないことによる狂いの恐れがある分、開放測光はマイナスの要素が多いことになります。 一方、撮影時にはプレビューが常態であることを考慮すると、ファインダーが明るいことが何よりも優先して求められます。したがって、これが実現されている同カメラは、マニュアルカメラに求められる性能は充たしていると言えます。 このカメラに対して、現在のマウントのままでオート機能を盛り込むためには、シャッターユニットを電子式にすることと、ダイレクト測光機構を組込むことが必要となります。 この場合、絞り設定に対する適正シャッタースピードを事前に確認するためとマニュアルで撮影するための資料とするためには、プレビューすることにすれば十分に実用性は高く、オート化によってスナップ撮影用、長秒露光撮影用として魅力的な存在となるでしょう。 このような機体が提供されれば、マニュアル撮影だけでは心許ないと思う客層でも引き付けることが出来、マニュアルだけのものより相当大きな需要が見込めると思われます。 M42が各社で採用されていた頃から25年以上が過ぎていて、そのころのカメラは経年劣化の罠に陥り、ほとんどの品が故障していたり安定した作動が見込めなくなったりしています。しかし、そのレンズは基本的に健全であることがほとんどで、たとえ多少カビが繁茂していても、絞り羽根が粘っていても、分解清掃によって実用品にすることは容易です。それら旧レンズ・メンテナンス受注のシステムを確立することが、内外の膨大なM42マウントレンズ群の命を長らえさせることにもなり、必ずこのカメラの販売増につながるでしょう。 これら貴重かつ豊富な資源・資産を快適に使用できることは非常な歓びであるはずです。そのために、ぜひ実現していただきたいものです。 なお、ダイレクト測光オートを組込んだ機体は、絞込機構だけを備えたマウントを置き換えるだけで、現行BESSAシリーズ同様、各社の旧レンズ用としてバリエーション化することも考えられますので、そのような方向性も含めて開発されれば、必ずや大きな成功を得るに違いありません。
☆ 2003/3/18 *ist DでKマウントレンズを使うときに制限される機能はどのようなものがあるのか、もう少し考えてみました。
レンズ側からの絞り位置情報の伝達ができないという前提で、AシリーズからMZシリーズに至る歴代製品と同様カメラ側からのレンズ絞り制御ができないとすると、マニュアルでの使用以外はできない、オートは不可能であると考えられます。 この場合は開放測光もできないでしょうから、唯一プレビューによる絞込測光のみが可能となるのかもしれません。これが最悪のシナリオで、もっとも安易で、しかもありそうなことです。 ヌオオオッ、コレデハSPジダイニギャクモドリダ… このシナリオが採用されるのであれば、PENTAXを捨てることを真剣に検討しなければならないでしょう。山のような旧レンズをまっとうに使えないのでは、他社に移行しても同じことですから…
最も希望的シナリオとしては、昨日検討した、レンズの最小絞り位置を使用してカメラ側からのレンズ絞り制御ができるということです。 このためにはレンズ開放値をカメラ側絞り制御機構に手動で設定する必要がありますが、プログラムオート、シャッタースピード優先オート、絞り優先オート、マニュアルの全ての撮影モードが理論上設置可能になります。 いま流布している写真などを詳細に検討する限りは、そのためのインターフェイスが見当たりませんから、このシナリオは絶望的です。
でも、これからはレンズ側では絞り設定をしないというルビコン川を渡ったのですから、代償としてKレンズ長者&貧者のためにこれくらいの仕掛けを付与しても撥(罰)は当らないと思うのですが… もちろん他社Kマウントレンズ達のためにも福音となることは言うまでもありません。
☆ 2003/3/17 *ist Dについては、現在流布されている説ではマウント部に絞り位置連動ピンが設置されておらず、レンズからの絞り位置情報の伝達はできない仕組みになっているようです。このような前提のもとで、A位置のないMシリーズ以前のKマウントレンズを大きな機能制限なしで使用するためにはどのような仕組みがされているのか気になってしょうがないので、少し推理してみました。
*ist Dと同時に発売されるFAJレンズには絞り環が省略されており、従前のレンズはA位置で使用することとなるようです。カメラ側で手動(グリップ後部ダイヤル?)またはオートによって絞り値を設定し、レリーズしたときにその設定値まで絞込連動レバーが作動(電動)するという仕掛けです。 もともとA位置というのは機械的にはレンズをカメラから外せば最小絞りになる状態です。従って、A位置のないMレンズとKレンズでも、絞り環を最小値に設定すれば機械的にはA位置と同様な状態で絞込連動レバーとの関係ができることになります。 しかしながら、M及びKシリーズのレンズにはAシリーズ以降のものにある電気接点が付いておらず、レンズごとの開放値をカメラに伝達することができません。このことから、カメラ側の絞り設定機構に何らかのレンズ開放値設定機能が必要になると考えられます。
カメラに取り付けたレンズの開放値をカメラ側の絞り設定機構に設定するための仕掛けがされているのであれば、M及びKシリーズでも絞り環を最小値に設定することでプログラムオートも可能になります。プレビューもカメラ側で設定した絞り値で実行されます。絞り優先オート、マニュアルにおいても、レリーズすればカメラ側で設定した絞り値にまでレンズは絞り込まれることになります。 この場合、アダプターを介したレンズについては、Kマウントの絞込連動レバーが使用できないことからカメラ側からの絞り操作は行なえず、レンズ実絞りによる絞り優先オートと実絞りマニュアルが可能ということになります。 この仕掛けがされているなら、ダイレクト測光などは特に必要ありません。
もしカメラに上記のようなレンズ開放値設定の機能がないとするならば、A位置のないKマウントレンズでは、マニュアル時と絞り優先オートの場合はカメラがそのレンズをどの開放値として認識するのかによって相対的に絞りを設定することになるのではないかと推理します。しかし、これではあまりに使いにくいものです。プログラムオートとシャッタースピード優先オートは支障なく作動するのでしょうが…
Kマウントではマニュアルと絞り優先オートモードだけが可能であるとするためなら、絞込時のダイレクト測光によりシャッタースピードがオートで実行される仕組みになってさえいれば、任意の絞り環の位置で実行可能です。ダイレクト測光の仕組みはLXにおいては行なわれていたものですから実現可能でしょう。これまでのカメラと同じようにプログラムオートとシャッタースピード優先オートを諦めれば、これが最も自然に操作できる方法です。 また、絞り位置連動ピンを廃止した意義を推理するなら、レンズからの情報とカメラ側の設定との整合性を計る複雑さを嫌ったということなのかもしれません。絞りの操作はカメラ側からのみするということにすれば、レンズ・カメラとも機械的な部品の省略にもつながり、重量、コストの面で軽減されるというメリットがあるということでしょうか…
2003/3/16 MEsuper分解整備概説を詳解として書き換えました。 晴れていたのは午前中だけで、午後は雲が厚くなっています。天気の移り変わりがすっかり春になりました。夜はまた雨かも… ☆ 2003/3/15 久しぶりの雨…、3月の寒波もようやく去る気配で、花の足踏みも止んで、光だけではない春が進むようです。 櫻の数多い異称の一つである徒名草、この語感を愉しむ季節もすぐです…
知命なほ徒し情けの櫻雨 雌山
今年になって二番目となる新しい患者が〒マークのあにさんに付き添われて待合室に入ってきました。 軽く診察した結果は、ワインダー接続口カバーの欠品(薬代¥300也)の外はお決まりのモルト及びゴム類劣化症ですが、電気系統は健康、手垢にまみれてもいないとびきりの後期型美人(悪く見てもAB+?)であります。むふふ、ふふっ… (^^♪)
PHOTO EXPOに参考出品されていたBESSAFLEXのお代のことですが、私が片手を出してこれくらい以下ならと言ったら、説明してくれた係の人はニコニコしていました。まさか15ではないでしょうね… 40oF1:2のレンズが付いていましたが、あっさりとしたファインダーは妙に明るく、スプリットの確認がしにくかったような気がします… 根暗の20oとか魚眼用にカウカモ… タクマーが高騰するかも…
来し方は鴨の水掻き行く末も 雌山
☆ 2003/3/14 PHOTO EXPOに行きました。BESSAFLEXという参考出品のカメラが印象に残りました。ライカマウントなどの距離計連動カメラ・シリーズをベースにしているようですが、M42マウント(Pマウント)です。説明では、膨大なM42ユーザーをターゲットに開発を進めているそうです。裏蓋を開けて確認しましたが、縦走り1/2000シャッターでした。 わがPENTAXの*ist Dは、たった1台がガラスの箱の中でくるくると回っているだけで、レンズが付いているのでマウント内の様子は不明です。質問にも何も答えていません。新しく分かったことは何もありません。 *istはなかなかの出来栄えでした。縦位置グリップは必需品です。
☆ 2003/3/9 一眼レフカメラが最大のアドバンテージを示すのが超望遠と並んで接写の分野だと思います。特に超接写の分野においてはそうですが、でも、その用途ではAFはほとんど意味が無い、無用に近い機能であると思っています。しかし、長秒間露光をオートで正確に行える機能は必要なものです。もっとも、DIGITALカメラであれば撮影結果はすぐに確認できますし、被写体は逃げにくいものですから、ストップウオッチ片手のマニュアル撮影でも良いのかもしれませんが… パソコンのモニターで見ることを主要な目的とする写真を得るためだけなら高価な一眼レフカメラは必要ないといえるのでしょうが、陋屋雌山亭改築をはじめとして自由気ままなネット生活を謳歌するために使う写真を得るためには必要な超接写機能と自在なフォーカシング機能を満足させてくれる機材はコンパクトDIGITALカメラの中にはありません。 他社のDIGITAL一眼カメラシステムにも手を出すほどの経済的余裕は持ち合わせていないので、ささやかではありますが亭主手持ちのPENTAX銀塩カメラシステム資産を少しでも多く活用できるDIGITAL一眼レフカメラがぜひとも欲しいと思うわけです。
雌山亭もその一隅に仮寓している「邸宅 (^^;ゞ」もMEsuperとほぼ同等の齢を重ねたため、水回り設備を中心とした老朽に悩むようになり、壮大なリニューアル計画が俎上に登りつつあります。そのためにあれこれそれそのと企画計画の目論見が飛び交い、「迺公出ずんば…」の気配濃厚となって、亭主も洞ヶ峰を決め込むわけにもいかない情勢に至っています。そんな事情でMEsuperたちの救命事業に割ける時間がなくなりつつあるのが現状です。
☆ 2003/3/8 雌山亭を改築するために絶対に欲しいと思うので、今一番興味があるのが「*ist D」ですが、この写真では絞り位置検出用連結ピンがありません。絞り位置検出用可変抵抗器を動かすためのリング部自体は付いているようですが… もしこのまま発売されるのだとすると、KやMシリーズのレンズは開放値すらカメラに伝達できないことになり、絞込み連結レバーを利用する仕掛けでも施されていない限り、マニュアルでしか使えず、測光機能は使えないないかもしれません。 望みの綱、絞込み連結レバーを利用する絞優先オートの仕掛けとしては、あらかじめ検出ボタン(絞込みスイッチ?)などを押しておく必要がない場合は、レリーズボタンを押すとカメラは絞込み連結レバーでレンズを絞り込んで絞り位置を検出し、その瞬間の光の量をダイレクト測光で検出して瞬時に適正なシャッタースピードを決定して実行する、というのが虫の良い推理(これなら必ず可能)なのですが… パワーズーム用の接点も付いていないようです。これでは☆ズームが泣いてしまいます。む、無念…
あれこれつらつら考えてみると、絞込み連結レバーによって絞り位置を検出するというのは、どうも無理のようです。 でも、ダイレクト測光システムであることが大前提ですが、オートのシャッタースピード決定時は絞込み連結レバー作動完了時(絞込み時)とすることで絞り優先オートが出来ることになります。タクマーでの実絞りオートもこれなら出来ます。プレビューすればマニュアルのための露出決定資料も得られることになりますし… この仕組みになっている(「これしかない」との思いが強まっています…)のなら、パワーズーム無し(大泣き)でも、旧レンズ長者にとっても十分買いだと思いますが…
☆ 2003/3/3 故障したシャッター・ユニットの機械部を完全分解して感じたのは、チャージ部分の構造が、かかる力に比べて脆弱なことです。 メイン・フレーム側からの入力を受ける先端が太鼓状のレバーは薄い板状ですが、これの平面に穴を開けてそこにピンを垂直に圧入してあり、このピンでラック・ギャを押し、押されて動いたラック・ギャがピニオン・ギャを駆動して、その回転がシャッターをチャージする仕組みになっています。 巻き上げの都度、板状レバーに圧入してあるピンには相当大きな力がかかりますが、シャッター幕などに異常な抵抗があると、そのピンにかかる力はさらに増大します。薄い板に圧入だけで組み立ててありますから強度は少なく、通常より大きな力が加わればピンは穴から外れてしまいます。 穴の形状やピンの嵌合部は外れるときに変形していますから、外れたピンを再度組み立てるのは困難です。 結論を言うと、このシャッター・ユニットの最大のウイーク・ポイントはここだと言う事です。他の部品はこの部分以上に強度があり、容易には変形・破損することがありません。 経年劣化による溶融粘着を起こす緩衝ゴムは幕部にある十字状のアメ色ゴムだけですから、これを取り去り、また幕を変形させたりしなければ、このシャッター・ユニットは相当長期に渡って使用することができます。
☆ 2003/3/2 そのままでは使えないMEsuper(早く言えば故障品)の市価が高騰しています。トホホ… 競って入手した人は、きちんと整備してあげているのでしょうか…すごく心配です。ミラー・ボックスは当然として、シャッター・ユニットとエア・ダンパーの分解整備を省略すると、必ずまた故障します (お前は預言者か (+_<)\ペチ ) そのままでは使えなくても、自然に故障したものならほとんど治せますが、故障したものを好奇心だけで分解したものは再起不能にしてしまうことがよくあります。 たとえそうなっても、臓器移植の尊い素材となりますから、決して捨ててはなりません。しかるべき筋に提供し、その製品としての尊厳を社会のために役立てましょう。 とはいうものの、残念ながらしかるべき筋というのが確立していません。
この部品さえあれば再生するのに…ということがあります。本来これを供給するのがメーカーの使命ですが、MEsuperの場合、それが望めません。そこで、故障品を入手してその部品を得るということが行われているのだと思われます。 しかし、こう高騰しては、この手はなかなかままなりません。 部品取りのために入手した品は、それ以外の部分は無用の長物と化します。これを捨てるのは、捨てられるのはあまりにも悲しい…なんとかならないものか… 啓蟄や己に似せた穴を出る 雌山
今日分解したMEsuperは、シャッター・ユニット機械部が死んでいました。初めてのケースです。チャージ・レバーに垂直に圧入してあるピンが抜けかかって倒れ、半月状のラック・ギアを駆動できなくなっていました。ピンをエポキシで固定することも考えましたが、相当力が加わる部分ですから無理と判断しました。代役のシャッター・ユニットは裏庭の泥沼から引き上げます。 死んだシャッター・ユニットからは、幕部分ほかを泥沼に沈めておきます。機械部のEリングやバネなども何かの役に立ちそうです。
☆ 2003/3/1 「*ist」ですが、フィルムは右側にセットする構造になっています。これは、この空間を「*ist D」においては単三4本の装備に利用するためでもあるのでしょうか… DIGITALの弱点は何と言っても電池です。本体に大容量を装備したのでは重くてたまりません。いくら供給が容易でも交換が頻繁では使い勝手が問題です。 そこで、プラグで簡単に脱着できるカール・コードで繋げる大容量電池ケース(肩から下げたり、腰に着けたりできるもの)の仕組みが欲しいですね。プラグの位置は下面と側面を選択できることが必要です。 私がDIGITAL一眼を欲しいと思うのは、一般撮影に使いたいというのではありません。ホームページの作成やネット・オークション資料の作成に便利だからです。 いま所有しているデジではMFが無く、接写がままならないので、ベローズやマクロが使えるMF可能な一眼は待望のものでした。
装着可能レンズは、K、KA、KAF、 KAF2マウントレンズ、およびアダプター使用によりスクリューマウントレンズ、645用・67用レンズです。レンズにより一部使用できない機能があります、とのことですから、この「*ist D」は、ペンタックス一眼用なら110シリーズ以外は新旧すべてのレンズが使えるようで、ペンタリアンは当然として、他社Kマウントや海外M42マウントのレンズを所持している人にもその登場は朗報であろうと思われ、まさに連綿たる一つの文化・文明の正統継承者としての登場です… ただし、ベローズの取り付けには接写リングの下駄が必要そうなストロボ部の出っ張りではありますが…
絶対にダブル・レリーズが使える仕掛け(スイッチ)を自作するぞ ((+_+))/
写真をよく見ると、「*ist」と「*ist D」は特に共通のベースというわけではないようです。サイズも相当違いますし、マウント左側の長さも全幅が大きい「*ist D」の方が短いようです。デザインも相当異なっています… 左側のダイヤルは、Pモード、Avモード、Tvモード、Mモードなどの切替スイッチで、その下のレバーで測光方法の切替をするようです。電源スイッチと絞込みスイッチ、AFボタンなど全体的に、操作性としてはMZ-Sと近い配置のようです v(~o~)v ハヤクコイロクガツ…
分解途中だった最初期型の患者ですが、慎重に配線を外し、ミラー・ボックスを外して故障の原因が判明しました。シャッター・ユニットの機械部分の作動不良でした。このシャッター・ユニット、初期の基板形状をしています。この形式のものは本当に初期のものだけです。 分解の過程で判明したのですが、この患者は購入後ほとんど使われなかったようで、内部に汚れはまったく見られません。察するに、長期間仕舞い込まれていたものを取り出してきて、巻き上げてレリーズ・ボタンを押したところいきなりミラーアップしてしまい、亭主の手元に来る事になった、ということのようです。 シャッター・ユニット内で20数年緩衝ゴムに押し付けられていた白ジュラコン樹脂の部品が貼り付いていてシャッター・チャージがされておらず、そこでレリーズ・ボタンが押されたのでミラー・アップの過程までは作動の連鎖が進んだのですが、シャッターが作動しないので立ち止まってしまった、と言う訳です。 まだ分解していませんが、エア・ダンパーの粘着もあるようです。おそらくフィルム数本程度しか通されていないこの患者ですが、永い眠りを醒まされたとたんに故障し、それでもいたずらに廃棄されること無く亭主の手に渡り、こうして再生の朝を迎えたことは、神の奇跡以外のなにものでもありません (お前の手は神の手か (+_<)\ペチ ) シャッターチャージ・インジケーターのネジがクロームメッキであるなど随所に後のものと異なる部品が使われていて、資料的な価値が高いと思われるので、慎重にレストアしようとおもっています。
ふうー、組立完了です。電池を入れて、すべての機能、作動が完璧であることを確認しました。極めて軽快です。これだけ状態の良いものは初めてです。あとは革を貼ってフィルム室の遮光モルトを入れるだけです。 ☆ 2003/2/28 本日、仕事で都庁に行ったので、すぐ前のペンタックス・フォーラムへ寄ってきました。 で、ペンタリアンの関心集中の「*ist」とその交換レンズを見ました。 ガラス・ケースの中にひっそりと鎮座していて、見るだけでしたが、各パーツ類を含めてその質感はなかなか上等な印象でした。 縦位置レリーズ・ボタン付の電池ケースも本体と一体のデザインで、これが付いても、なおとてもコンパクトです。 これなら、6月に発売を噂される「*ist D」もたのしみです。(泥沼の底では、膨大な数のレンズたちが痺れを切らしています。) ペンタックス・フォーラムでは、MEsuperに換装するための素材として、LX用のフォーカシング・スクリーンを入手しました。 後期LXに標準装備のナチュラル・ブライトのスプリット・マイクロ・マットは、補修部品の保持期間(LX製造終了後7年間?)は、必要なら追加製造してでも供給を続けるようです。 しかし、他の交換用のものは、よほど引き合いが無い限り、在庫がなくなればそれまでとなる可能性が高いようです。 ナチュラル・ブライトのものとしては、マットと格子付マットの2品がありました。 また、MEsuperワインダー接続穴の蓋も入手しました。これはいつまで供給されるのか不明です。 なお、隣の席の客が持ち込んだA3とMXの修理は部品がないと言って断っていましたが、MXだけは街の修理業者(横目で見た案内地図からするとあの「長谷川工作所」らしい)を紹介していました。 これがMEシリーズだと、どうなのでしょうかね…
一日中屋外にいた2日前から30年来の付き合いである花粉症が訪問していますが、今年は去年までとまったく違います。 2月半ばから甜茶抽出製剤を服用しているのですが、その効能か、症状が極めて軽いのです。外出にマスクは当然の装備ですが、去年までと違い、くしゃみがほとんど出ません。鼻水も出てもごく少量です。 ポリフェノールを含んだ食物はヒスタミンを抑制するという情報をテレビ番組で取り上げていますが、私の場合、今のところ効いているようです。
☆ 2003/2/24 底蓋のIDの話の続きです。やはり去年入手して整備待ちになっているものに99****というIDのものがあります。予備診察によれば中身は後期の前期、21****から22****ぐらいの時期に相当するのですが… 99****というのは補修用部品のIDなのでしょうか。分解を受けている痕跡がある個体です… 一般的な基板になった前期型は19****が一番若いIDで、後期の晩期型で26****までは手元にあります。 電子基板が同一形式な物の中でも、3タイプがあります。一番初期がLEDの輝点が小さいもの、次が輝点は大きいが前部端子盤が輝点の小さいものと同じもの、一番新しいものは輝点が大きく、前部端子盤の形式がME-Fと近いものです。 2003/2/23 アイピースを取り付けて覗き込むと変なんです。シャッター・スピード表示がボケています。目がおかしくなったかとあたりを見回しても平常です。また覗き込むとやっぱり変です。 例の長期入院患者のアイピース・レンズにバルサム切れがあったので、泥沼の底に沈んでいたアイピースと枠ごと交換したのです。 製造時期によって焦点距離が合わないものがあるのかとびっくりしましたが、実は、レンズを枠の中に裏返しにセットしてあったのでした。アイピースは以前分解清掃して沼に沈めておいたのですが、清掃のときに組立を間違えたようです。
去年入手して整備待ちになっていたものにようやく手を付けました。シールが残っている裏蓋のIDが16****で、ほとんど使われなかったように綺麗な外装です。 病状はミラーアップで、シャッターにまで連鎖が行っていません。二又銅製部品の作動不良と目星を付けています。 分解痕跡がまったくない軍艦部を開けてびっくりです。基板が初めて見る形式で、前部端子盤の3本端子が一列型でなく斜め型です。これは最も初期のものです。ASA可変抵抗器も古い形式です。 以前、新発売月より前の月の日付がある個体を分解整備したことがありますが、それとも基板の形式は異なっています。これも分解痕跡のない裏蓋を開けて、ワインダー端子の配線が初期型であることを確認しました。 メインフレーム下部に製造日付がありました。昭和54年12月5日です。新発売の日が12月の何日だったのか知りませんが、その前後の時期に作られた個体であることに間違いありません。 これで、MEsuperの基板もMEと同じように何タイプかあることが確認できました。でも、その基板の体裁は手作りのような雰囲気で、もしかすると試作品なのかもしれません。IDが16****なのもそう疑わせます。
☆ 2003/2/21 新患の相手をしていたため遅れましたが、長期入院患者のシャッター・オーバー・ホールを完了しました。例のアメ色緩衝ゴムは原型をとどめていたものの、ピンセットで取り上げることが出来ないぐらい変質していました。溶け流れて悪さをするのも時間の問題でした。幕もリンク部に若干の汚れがありました。私はこれまですぺてのMEsuperについてシャッターも分解していますが、これも含めてすべて正解でした (^_^)v 道草の話ですが、SPシリーズはミラー・アップとシャッター鳴きが持病のようですが、これらには急所に対するグリース責めが効果が高いようです。グリースの中で動くぐらいに施した結果、どれもほとんど鳴かなくなりました (^^♪ MEsuper分解整備概説第1章にエレメントについての考察を追加しました。
遮光モルトの切り貯めをしました。そのつど切るのでは億劫ですから、相当量を切っておきます。 裏蓋部のものは裏糊の無いプレーンな2o厚を2o幅に切ります。金属の定規を押し付け、切っ先部の湾曲した薄刃ナイフを鋭利に研いだもので切りますが、2〜3pぐらいずつ刃先を押すように切っ先部の湾曲を使って切っていきます。手前に引くとモルトが押されて変形し、真っ直ぐに切れません。 裏糊付のモルトを裏蓋部に装着する人をとっても尊敬しちゃいます。私にはとてもできません…
ミラー先端部用は2.5o厚の裏糊付です。ミラー奥は3o厚が適切です。LEDの下は2oで、横は5o厚の裏糊をそぎ取って押し込みます。 シャッター・ユニット周囲に使うのは1o厚、メイン・フレーム内のミラー・ボックス回り各部は2o厚、底の角穴も2oを使います。 裏糊付を切る場合は、切っ先部を引いて切ります。剥離紙があるので変形しません。 刃物は医療用メスでも良いが、私はスイス・アーミーをべた研ぎ加工して使っています。ビクトリノックスよりウエンガーの方が軟らかくて研ぎやすく、刃形もこの仕事に向いていて、また道具がいっぱい付いているほうが重くてハンドルが厚く握りやすいので仕事が楽です。刃の側面を砥石(平らであることが必要)にべたっと当てて交互に両面を研ぎ、指の指紋で軽く触るとざらっとする(当然指紋は切れている)まで鋭利にします。こうなれば当然髭も剃れます (^_^)v 新品から使える状態にするためには砥石は荒砥から仕上砥まで使います。べた研ぎは砥石の平面性が命ですから、合わせ砥をかけて常に手入れする必要があります。ですから砥石を買うときは二面同時です。 切れないほどに軟らかいものは論外ですが、刃物は研ぎやすいのが一番です。硬さ(刃持ち)を誇る高名な鋼材もありますが、私は評価しません。研ぎにくい物は研ぐのが億劫になり、結局切れなくなっても使うことになります。私の道具は、今日ぐらいの仕事量なら、刃を欠かない限り、中砥と仕上砥の上を左右10回程度滑らせれば切れ味は復旧します。 ☆ 2003/2/19 患者は長期入院とはなりましたが、できることはやっておきます。ミラーボックス周りの機械部分の整備です。緩衝ゴムはすべて更新しました。リンク相互の関係や作動をチェックし、異常が無いことを確認。 病の原因はやはりエア・ダンパーでした。ピストン頭に取り付けてあるはずの緩衝ゴムはシリンダー奥に貼り付いていて、これにピストン頭の緩衝ゴム取付突起が突き刺さり、この抵抗でシャッターがなかなか作動しないのです。 粘着していた緩衝ゴムを取り去って清掃し、新しい緩衝ゴムをピストン頭に取り付けました。当然特製代替品です。この品は長期使用の実績がまだありません。したがって可否の結論は先送りです… 今夜のお楽しみは、シャッターの分解清掃です…
玄関のチャイムが鳴って、久しぶりに、そう、今年になって初めて、新しい患者が〒マークのオヤジに付き添われて待合室に入ってきました。 軽く診察した結果は、シャッター後幕走行不完全病とチャージ不良病の複合感染と診断しました。ワインダー端子絶縁部品とX接点キャップが欠品ですが、電気系統は健康、世間の垢にまみれて幾分やつれは見えるものの、なかなかの後期型美人であります。むふふ… (^^♪) ☆ 2003/2/17 矢継ぎ早ですが、次の患者が手術台に乗りました。症状は、レリーズ・ボタンを押しても、少し使わなかったあとの最初だけなかなかシャッターが切れない病です。 これの原因は二つ考えられます。シャッター・ユニットに作動連鎖を伝える二又銅製部品に粘着がある場合と、エア・ダンパーの中ですが、ほとんどの場合エア・ダンパーです。 一度分解整備を受けている個体でしたが、この整備が何とも粗雑で、裏蓋に整備記録メモ書きがあるので業者が行ったのでしょうが、内部の遮光モルトはまったく手付かずで、例の3箇所の緩衝ゴムのうちシャッターからの出力リンク下のものだけをジュラコン樹脂と置き換えています。それにしても、こんな杜撰な、誠意の感じられない整備を大金を取ってするのかと思うと腹が立ちます。 この患者、以前のオーナーからは相当無頓着、無慈悲な扱いをされたようで、容姿は見苦しいほどにやつれています。ファインダー内はまあましで、内部部品の欠品も無いので、このまま部品取り用として裏庭の泥沼に沈めてもいいのですが、一応できるところまで整備しておくことにします。 いや、意地でも、最高のコンディションに回復させてあげないと… メイン・フレームと裏蓋の再塗装を検討します。可動部品をすべて外し、下地調整して、セミ・マット塗料を何層か吹付け塗装するのがいいでしょう。 メッキ部はどうしましょう。再メッキは手に余ります。黒塗装に変身させるしかないでしょう。レタリングが不安ですが… 塗装は時間がかかるので、この患者は長期入院です。次の方、どうぞ…
☆ 2003/2/16 手術中の患者ですが、シャッター・ユニットの分解清掃手術を施すことにしました。アメゴム・ダンパーは、外から触るとべたべたですから、取り去る必要があります。まだ幕には悪さをしていないようですが… エア・ダンパーは、やはり分解して正解でした。緩衝ゴムはとっくに死んでいて、シリンダーの奥に貼り付いていました。雌山亭特製代替品をピストンにセットして組立完了です。エア・ダンパーを分解するようになって7台目ぐらいですが、そのすべての緩衝ゴムが死んでいました… 絞込みレバーの戻りが激突する緩衝ゴムも、雌山亭特製の補強付をセットしました。この場所用としては完璧な特性です( 自分で思っているだけのことじャィ (+_<)\ペチ ) シャッター・ユニットは、分解前の外見ではアメゴム・ダンパーは原型を止めているように見えましたが、開けて見ると幕リンク部には若干の粘着物のこすれた形跡がありました。アメゴム・ダンパーは分解しなくても取り除くことが可能ですが、やはり分解清掃は絶対に必要な作業だと確信しました。たとえ作動に異常が感じられなくても分解清掃すべきです。さほど難易度は高くありませんから… フィルム室周囲の遮光モルトの取り付けは、裏糊付のものでない方が圧倒的にやり易いです。接着剤を使わなくても外れることはないですし、端や屈曲部などの要所だけ両面テープを使うのでも大丈夫です。 MEsuperの場合、数え方にもよりますが遮光モルトは十数か所貼ってあります。これをすべて更新することを「モルト更新済」と言うべきで、ミラー前縁とフィルム室だけを更新してそう言うのはいかがかと思われます。 MEsuper組立最後の段階で、シャッター・ユニット端子の白色線の役割を探るため、これを接続しないで仮組みし、電池を入れて挙動を試しました。結論を言うと、露出表示(シャッター速表示)は正常に動きます。オートでもMモードでも、どの速度の表示でもシャッターはすべて同速です。つまり、電磁ソレノイドが作動していない状態です。 再度軍艦部を外して白色線を接続し、本組みをして正常かつ完璧な作動( ほんまかいな (ーー;) )を確認しました。 このことから、白色線の系統の役割は、電磁ソレノイドを働かせるものであることが言えると思います。ただし、これが単にシャッター・チャージ状態を制御回路に伝えるだけなのか、電磁ソレノイドに通電するためのスイッチでもあるのか、まだ判断できません。 外は雨です。冷たい雨、でも春…
☆ 2003/2/15 メイン・フレームには巻上軸が組み込まれていて、これの関係の機構は様々な役割を担っています。上部に組み付けられているのがフィルム巻上関係の機構で、主としてギヤにより巻上軸の回転を伝達します。 ところで、MEsuperの巻き上げは巻上レバーの操作角135度とマニュアルなどに書かれていますが、フィルムを巻き上げるために使われる回転角は120度です。なぜこのことが断言できるかというと、巻上軸の上部に取り付けられている爪がフィルム巻上関係の機構に回転を伝達するギヤ上部のラチエットを押して回す仕組みですが、このラチエットが等間隔に3つだからです。つまり、360度の1/3で120度なのです。 残りの15度は何なのかと言えば、ラチエットを押す爪の作動のための遊びです。巻上レバー自体の回転角を規定するのは爪を取り付けているカム板周囲の形状で、135度の間隔でメイン・フレーム内で回転できるようになっています。このカム板は角穴で巻上軸上部に嵌合され、マイナス逆ネジで止め付けられています。カム板に取り付けられた爪はスプリングによってラチエットに押し付けられて、これの形状にそって一方向にのみ回転を伝える仕組み(ワン・ウエイ・クラッチ)です。 巻上レバー自体は回転軸に直接取り付けられていません。予備角(30度)を作り出す機構に取り付けられていて、この機構が噛合っているカム板に回転を与えるのです。 巻上軸自体は135度回転します。この動きは軸下部に角穴嵌合により取り付けられているカム板に伝わります。カムを軸に止め付けているのはワインダー接続金具で、順ネジになっています。巻上レバーの回転で135度回った回転軸を元に戻すのは、回転軸下部に取り付けられているごつい板状のゼンマイ・バネです。 下部カムにはその周囲形状以外にラチエットやクランク軸などが付いています。これらがミラー・ボックス・チャージ、シャッター・チャージ、二重巻上防止、巻上軸途中逆転防止の役割を担うのです。コレッテ、エライデスネ、アア、エラカッタ、フウ…
ここまで読まれて巻上軸機構分解作業の問題点を予測できた人は、もちろん経験者は別ですが、エライ、とんでもなくエライ( おまえがエラくないだけじゃィ (+_<)\ペチ )
巻上軸下部カムにより駆動されるミラー・ボックス・チャージやシャッター・チャージなどのリンクは、軽量化のために薄い鉄板で作られているものの、それなりの幅を確保しているために直接大きな力で仕事をする二次元形状が変形することはほとんど考えられないのですが、三次元形状、これは重なり合う幾つものリンク類相互の関係を決めたりお互いがそれぞれの作動の中で干渉しないように逃げる形状に造形されているのですが、薄い鉄板を折り曲げていることから簡単に変形してしまい、リンク相互の動きを干渉して故障状態になりやすいものです。 変形をもたらすのは、噛み込みなどで作動が止まったものを無理な力で巻上レバー操作したものがほとんどで、あとは無知な作業者によって不正規な組立を受けたものです。 リンク相互の関係や逃げや受けは極めて巧妙繊細に作られていますから、その正しい相互関係をよく理解・認識してから分解整備する必要があります。 リンク類の作動に必須なものとしてバネがありますが、様々な形式のバネがいろいろな場所で使われていて、これらの働きを理解・認識することも絶対に必要なことです。また、これらバネは小さく繊細ですから、無頓着な扱いは破損や変形を招き、これは致命的な故障をもたらすものです。 この部分の分解修理を初めて行う人は、別に正常なものを用意することをお勧めします。分解過程を写真で記録しても立体的な関係をなかなか記録できにくいものですし、写真では作動過程の相互関係までは記録困難だからです。組立の時にその理由を思い知ることになります。ダカラワタシハスコシモコマリマセンデシタ、フウ… 正常なものと見比べながら組み立てれば、特別に細かな作業が必要なこともなく、作業としては易しい部類に入ると思います。しかし、最後の上部カム板の組付け、これは結構難易度が高いです。バネを爪にかける方法が特殊で、これをかけた状態でカム板を裏返しにして巻き上げ軸の角穴に嵌める、当然その下のラチエット付ギヤの噛合い位置は正解が3箇所しかありません(これが上記問題点の最も深刻な正解です。)トホホ…
春霞立つを見捨てて行く雁は花無き里に住みや習へる 帰る雁来る燕の間かな 雌山 かへるかりくるつばくろのあはひかな 2003/2/14 メイン・フレームに組み込まれている部品、特に巻上軸関係の部品の破損、変形による故障は稀なので、これまで分解の機会がありませんでした。しかし、部品取りされて残ったメイン・フレームがあるので、構造の勉強のためと流用可能な部品の蒐集のために分解してみました。その結果、逆ネジに1箇所遭遇しました。
☆ 2003/2/12 カメラ側の絞込みレバーの機能について、誤解していたことに気づきました。 レリーズ・ボタンを押すとレンズが絞り込まれますが、これはカメラ側の絞込みレバーが絞り込むのだと思っていましたが、違うことに気づきました。 本当のところは、レンズをカメラに装着すると、レンズ側の絞込みレバーがカメラ側の絞込みレバーを押し上げ、その過程でカメラ側の絞込みレバーの抵抗にあったレンズ側の絞込みレバーが押し戻されてレンズを開放にするのです。 ここでレリーズ・ボタンを押すと、カメラ側の絞込みレバーは上方に逃げます。レンズ側の絞込みレバーはこれを追いかけていきますから、開放状態だった絞りはレンズ側のバネの力で絞り込まれることになります。 シャッターが切れるとカメラ側の絞込みレバーは下に復帰してレンズ側の絞込みレバーを押し、開放にします。 この一連の行程の最後で、カメラ側絞込みレバーは緩衝ゴムに衝突しません。つまり、緩衝ゴムは、レンズを装着している限りは不要な存在なのです。 ところが、レンズを装着していない状態で空シャッターを切ると、カメラ側絞込みレバーは戻ったときに緩衝ゴムに激突するのです。 この衝撃はすさまじく、そのことは緩衝ゴムをシリコン・チューブで作った場合は数回から数十回の空シャッターで千切れることでわかります。 結論: MEsuperのオーナーの皆さん、レンズを装着しない状態では空シヤッターを切らないようにしましょうね。 ☆ 2003/2/11 次の患者MEsuperを手術台 ( ただの空箱 (^^;ゞ ) に据えました。巻上レバーの予備角を作るクリック感がありません。バネが折れているのでしょう。部品取りで手当てするしかありません… 裏庭の泥沼の底には、このバネが付いているアッセンブリ部品も沈んでいますから、何の支障もありません ( 威張るな (+_<)\ペチ ) シャッター幕の作動が異常、むふ、ごっつぁんです。チャージが異常、むふふ、ごっつぁんです。フォーカシングスクリーンに拭き傷、ヌ、ヌヌ、こりゃ駄目だ… LX用を蔵から出して換装するか、泥沼から拾ってくるか、これが問題だ…( お前はハムレットか (+_<)\ペチ ) カワハギ完了、軍艦部開放ヨシ、底蓋開放ヨシ、整備履歴ナシ。 底板のIDと軍艦部の形式とLEDと電線の色はすべて前期型、それも後期のもので一致していて、ニコイチを受けておらず当初のまま、分解整備の痕跡もない、と鑑定セリ ( お前は鑑定士か (+_<)\ペチ ) 巻上げ予備角クリック用のバネは、やはり折れていました。死体を泥沼の底から引き上げ、ハイエナするために解体しました。コレ、電気系統の挙動がおかしいので沼底で死体していましたが、モルトやプリズム回りは以前完全手入れ済だったので、こちらも整備することにしました。ゾンビです… でも、シャッター・ユニットの幕は以前完全整備したつもりだったのですが、挙動がおかしい…先幕の畳み込みが遅れる… 詳細に観察すると、シャッター・ユニット・チャージレバーの基部回転部に赤黒い粘着物があります。どうも芋グリースの変質したもののようです。ベンジンとCRC5-56で軟化させ、取り去って注油すると、快調に動くようになりました。 フレーム内の巻上げ関係のギヤやカムにもグリースなどを施すと、驚くほど作動が軽くなりました。やはり機械には潤滑油が大事なのだと自信を深めました。 また、自分の技量が、というより観察力、洞察力が、これを整備した頃より数段上がっているのを実感します…ヤハリカズヲコナサナクッチャ 別の残骸からクリック用バネを移植して、今日の患者のクリックは回復しました。死体漁りに熱中したので、これ以上の患者の腑分け( 手術だって (+_<)\ペチ )は後日に延ばしました。フランケンシュタイン作りの方が面白い… ☆ 2003/2/10 久しぶりにMEsuperの分解整備が完了しました。また1台現役が増えました。 このごろMEsuper故障品の市場価格が上がり気味で、亭主が手出し可能な価格では入手難となっていて、一向に修理待ち在庫が増えません。どうも、どの故障も簡単に直るということが常識になってきているようで、そろそろ… 2003/2/8 MEsuper分解整備概説について、また少しだけ手を入れました。 このごろ毎晩、MEsuperの大先輩である、おーるどぶらっくESUの鳴き言に付き合っていますが、泣けてきます… たく、まー、20oで近所のアーチ橋を近遠斜仰とあれこれ撮影したのですが、どれもものすごいデフォルメでした。ム、ムズカシイ… ☆ 2003/2/5 MEsuper分解整備概説について、主として「第4章 分解と組立の解説」 に手を入れ、シャッター・ユニットの作動関係についての記述を追加しました。
吾が庵に春立ち寄りぬ梅が香のほのかに流れ鶯の鳴く 雌山 あがいほにはるたちよりぬむめがかのほのかにながれうぐひすのなく 匂鳥枝伝ふとも音のまだし 雌山 にほひどりゑだつたふともねのまだし
昼前にちらりと風花が舞いました。午後は薄く日差しが出て、少しは暖かく、光は春らしくなりました。 ☆ 2003/2/2 ページの体裁について、若干の手入れ、模様替えをしました。
カルカモと顔つき合わす寒の川 雌山 かるかもとかをつきあはすかむのかわ
「か」が五つ連なりました。 (^_^)v ☆ 2003/2/1 MEsuper分解整備概説について、「第5章 電気系統概略」 に手を入れ、また、新たに電子基板ソケットに接続している電線の行く先とその機能の概略を載せました。 でも、本質的に亭主は電気音痴ですから、皮相的な事項に終始しています (^^ゞ ☆ 2003/1/30 MEsuperの測光の仕組みとそれを反映してシャッタースピード選択にまで至る仕組みについて、多くの障害の事例を考察することで概ね理解することができました。だんだんブラック・ボックスの部分が少なくなります… 海外のホームページからダウンロードできるMEsuperのサービス・マニアルは、ごく初期のものについてのマニアルのようで、日本で普通に販売された前期、後期モデルとは少し内容が異なっています。亭主はこのマニュアルと同じ内容のモデルを1台だけ分解整備したことがあります。基板は前期・後期のものとかなり異なっており、抵抗などの部品の半田付けが幾つもあったりして、試作品の雰囲気を持っていました。 ☆ 2003/1/26 MEsuper分解整備概説について、本文の記載を多少見直しました。自分では分かっていることについて、短絡的に表現している部分がかなりあり、気が付いた部分などを加筆訂正しました。 ☆ 2003/1/19 納戸部屋の中のことについて、重要な、そして嬉しいご教授をいただき、即加筆改定いたしました (^^♪ 熱病はますます重くなります v(^_^)v ☆ 2003/1/18 20oのレンズを連れて歩くと、まったく違った景色に出会えます。いつも見慣れている街も別の街です。 対象を正面から見たのでは、ただ広い範囲がファインダーに収まるだけですが、構図を斜めにすると、まったく違った世界になります。 ☆ 2003/1/17 ME super 達の内の1台のLED表示が異常であることに気付きました。AUTO位置でシャッタースピード選択ボタンを押すと、正規のシヤッタースピード表示とは別に、他のLEDが点滅移動するのです。 選択スイッチ部周辺の漏電による現象だろうと推測していますが、測光機能もシャッターも正常に、正しく作動していて特に支障はないので、まだ再分解はしていません。 それにしても、次々と色々な故障が発生するものです… また、露出計作動不良の原因の一つとして、底蓋とメインフレームの接触不良があることを体験しました。 黒塗りモデルの一つが、底蓋の三脚取付傷があまりに酷かったので、整形してパテ埋めし、内外ともに塗装しなおしました。すると、露出計の作動が不安定になったのです。 再分解も考えましたが、塗装前は正常に作動していたことを思い、推理を巡らして接触不良に思い至りました。 底蓋の内側の取付ネジ部の塗装を剥がし、取り付けてみると、障害は見事完治していました。 ME super はマイナス・アースのシステムになっていて、電池蓋がマイナス接点になり、底蓋を経由してメイン・フレームにマイナスの電気が流れるようになっているのです。 ☆ 2003/1/10 最近入手したSMC-TAKUMER 4/300 の光学系内に大きなゴミが一つ見えるので、分解して清掃することにしました。 フード付なので、鏡胴の途中で分割できるのではと推理し、ルーペで観察すると、フード・ストッパーの部分で分かれています。 無水エタノールを分かれ目に塗布し、太い鏡胴にゴムシートをあてがって渾身の握力で回すと回りました。 鏡胴は幾つにも分かれる形式でした。光学系内のゴミは、ネジ部端の反射防止塗料が剥がれたものが後群のレンズ上に付着していたもので、ブロワーで吹き飛ばして清掃は完了です。黴や傷は無く、きわめてクリアーな光学系が復活しました。 ヘリコイドや絞りの作動は軽快なので、マウント部は分解しません。 また一つ鏡胴の構造を会得しました。 ☆ 2003/1/4 南西の風が強く吹き、非常に暖かい…。雲一つ無く晴れて、昨日までの寒さが嘘のようです。 鶴見川の鴨居橋までユリカモメ(都鳥)の群れが上っています。富士と丹沢を背景にして川面に舞う姿を、MEsuperとM3.5/135oで捉えました。 鷹ならぬトンビが一羽、風切羽根を広げて強風に翻弄されていました。
都鳥浮き寝の夢の果てたるや 雌山 みやこどりうきねのゆめのはてたるや ☆ 2003/1/3 朝からまた雪がちらついています。三日続きです。これは非常に珍しいことです。 箱根駅伝復路の選手たちを苦しめ、結局、積雪量としてはこの三日の内で一番多くなりました。
いや重けと千両万両に雪つもる 雌山 いやしけとせんりょまんりょにゆきつもる ☆ 2003/1/2 今朝は庭木の上に少し雪が積もっています。この冬は雪の多い型のようです。 生垣の山茶花の枝が二ヶ所揺れています。メジロの番です。毎年この季節に我が家を必ず訪れる賓客です。 清澄な朝日を浴びて、八朔の黄がその重さに枝を垂れた濃い緑の中で輝きます。 モチの赤い実を鵯の群れが啄みます。野鳥達の囀りを乱すものは、餓えた烏…
雪を負ひ南天の実の艶めけり 雌山 ゆきををひなんてんのみのつやめけり 赤き実や春待つ鳥の糧となり 雌山 あかきみやはるまつとりのかてとなり ☆ 2003/1/1 謹賀新年 今年は曇り空で明けました。雪もちらついてきましたが、なんとか晴れに向かう一年であってほしい…
初日待つひとよの夢の数多かな 雌山 はつひまつひとよのゆめのあまたかな 新しき年の始めの初春の今日ふる雪のいや重け吉事 大伴家持 あたらしきとしのはじめのはつはるのけふふるゆきのいやしけよごと
露出調整用の透過光装置として適当なものを発見しました。パソコンのモニターです。エクセルのシートを全画面表示にするとバッチリです。照度を変えるのはセルにパターンや色を付ければよいのです。EV値ごとにシートを作れば完璧です。CRTより液晶の方がより良いようです。 ☆ 2002/12/31 SMCタクマーレンズをまとめて get しました。4/300o、1.4/50o、3.5/28o、4.5/20o、4/17o の5本です。黒の「ESU」も付いています。 これで、ME super 「オタク」から、「タクマー」へ変身。いや、「…たく、まぁ…」かな… 「ME super」 の分解整備待ち在庫がまだ7台あるのに…、「SP F」 の露出計もいじらなければ…、正月からは忙しい…
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