ブルームーン・グリーンストーン
<第一章 川>
荒れ地にたたずむ一人の少年。
その名はヨンサ・エンバンカン、十歳の少年。
「帰りたい…。」
何度つぶやいたことだろう。
十回、いやニ十回か。
「エレン:美しの白き姫」と言われる母さんの名前。
「サリナ:小さな美少女」と言われる6歳下のかわいらしい妹の名前。
そして「レクソン…。」
最後にしぼりだすようにヨンサの口からもれたその言葉。
かつては「勇気の戦士」と言われた死んだ父さんの名前「レクソン」
ここは死者の国、天国か地獄かもわからない。
悲しみをおさえるために、恐い話に出てくる川を目で探す。
そしてただ、ただ歩き続けて、もうくたくたになり、休もうと思う。
すると「ザーザー。ポトポト、バシャバシャ」水の音がした。
「あった!。」
少年が叫んだ。だがかすれ声で。
そして目がとらえた。川を。死者と生者の扉を。
<第ニ章 戻れ!!>
ヨンサは近づいた。その扉に。
そこに行くとぼんやりして、
いつのまにか「父さんは向こう岸にいるのかな」と考えていた。
突然、「ゴロゴロゴロ。」と雷が鳴り、大声がとぎれとぎれに聞こえた。
「ヨンサ!。きちゃだめ…。戻れ!…るんだ。」
「そして母さん…のめんどうをみて、幸せに生きるんだ。」
「ともかく…な!。目を…!。ヨンサ!!。」
「父さん!。」
ヨンサが叫んだ。
生まれて初めて聞く父さんの声。そして駆け出したヨンサ。
父さんの言った通り、戻るのだ、目を覚ますのだ。
母さんとサリナのところに、そしてもといた荒れ地に戻った。
すると…。
「ヨンサ、待て、伝えるべきことがある。」
「竜の子よ。そう、おまえは私という天龍の子。」
「だからおまえは力をあやつることができる。」
「力の使い方を教えて欲しい時は今渡すこの玉に3回息を吹きかけ、」
「ブルームーン・グリーンストーンと叫ぶのだ。では。」
それを聞き、空から落ちてきた「玉」を受け止めた後、
ヨンサは、生者の世界へ戻った。
(おわり)
この作品は10歳の次女の作品です。
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