まほう犬メアリー(第一章)


<第一章 メアリーの誕生>

静かな春の朝、ロラス一家のお屋敷ではバタバタと大騒ぎです。

「リーム、良かったね。子犬が生まれるんだってさ。」

「あなた、獣医さんは。…」

どうやらリームと言うブルー毛のポメラニアンに子犬が生まれるようです。

リームは子犬が大きいみたいで必死でがんばっていました。

「リームちゃん。がんばれ!。」

「もうちょっとだよ。」

家族の声にこたえ、リームはチョコレート毛の子を生みました。

「この子、父犬そっくり!。」

男の子カントが父犬と見比べていいました。

そしてロラス家の次女クラリーンは子犬に名前を付け始めました。

「小さいのからルーク、ラット、ジョン、ニー、ラスっていうのはどうかな。」

「賛成よ。そうでしょ。みんな!。」

姉妹がお決まりの「順番言葉」をやりました。

みんなうれしく、姉妹の言葉が面白かったのでさわいでいましたが、

一人だけ納得のいかないものがいました。

末っ子の男の子クローです。

「どうせ、この子犬たちは去って行くんだよ。」

クローの言葉を聞いてみんなびっくりしました。

そんなことは考えてもみなかったのです。

「大丈夫、今は思いっきり楽しむ時よ。安心してクロー、みんな。」

お母さんルーローリーンが言いました。

するとクローは

「一匹は残すんでしょ。」とルーローリーンに聞きました。

「そうね。一匹は残しいいわ。」

とルーローリーンが答えました。

「僕、オスを残したいな。」

「いえ。メスよ。」

そういう言い合いが昼まで続きました。

 

(おわり)

この作品は10歳の次女の作品です。

 

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