○フルートマスターズ代表 野亦 邦明氏との出会い
数日後、送っていただいたK18の楽器を送り返す為にフルートマスターズさん(野亦氏)へ電話を入れたとき思わぬ申し入れを聞かされたのである。「実は、私東京へ行く用事があるんです。出来れば今回の試奏の感想などお会いしてお話を伺いたいのですが。」とのことであった。私にとっても製作者である方に直接お話を伺う絶好のチャンスと思い二つ返事で申し入れをお受けした。場所をセッティングする事は容易でなかった為遠い中わざわざ我が家へ足を運んで頂く事となった。
数日後最寄の駅まで迎えに行き我が家へとご案内する。
我が家に通すなり、ろくなお構いもせずにフルート談義へと入っていった。
まずは、今回の楽器を試奏しての感想を聞かれ前に述べた内容を伝える。野亦氏は自分達のやってきている事が間違いではなかった事を確認されるかのようにうなずきながら話を聞いて頂く。駅でお会いしたときにも感じていた事だが、本当に職人さんらしかなぬ非常に人当たりの良い方である。非常に好印象を抱いたのは今でも鮮明に覚えている。
次に自分たちがどのようにしてこのFMC
フルートマスターズを立ち上げてきたかを熱く語られる。私はこの方達は本当に楽器作りに情熱を注いでいること、また妥協をせずにやってきたことへの自負を語られる。既にご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、FMC
フルートマスターズは元ヤマハ楽器でフルート製作の第一線で活躍されていた、代表の野亦邦明氏、野島洋一氏、豊田桂一氏の3名で始められたメーカーである。ヤマハを退職されるにあたりヤマハより出された条件の一つで2年間は独自の楽器を出さないようにとのことだった。
しかしそれが今日の自分達にとって非常に貴重かつ有意義な時間であった事を語られる。それというのも、2年間(この期間で国外の製品もあわせ2000本近く)リペアに専念をされたことだった。これはヤマハ時代築き上げられた高い技術を買われて色々なところから修理を依頼されたからである。これが功をそうし特許をいくらでも取れるであろう独自のシステムをいくつも開発されたのである。そぼくな疑問を投げかけてみた。
「それでは何故特許を取られないのですか?」 野亦氏曰く「良いと思われたらどんどん他のメーカーにも活用してもらいたいからですよ。フルートってまだまだ開発途上にあるところが一杯ありますからね」と。すばらしい考え方ではありませんか。しかしこれは私が感じた事ですが、真似ができるなら真似をしてみなさいと自分たちの技術に自身があるからこその発言ではないかと改めて関心したのであった。
また価格設定がどのモデル(機能上銀のモデルは少し割高)も他社に比較し非常に安いのである。これについても伺ってみた。
「他社が高すぎるんですよ。我々が適正と考えられる価格設定をしてます。他社からは怒られてますけどね。」だそうである。関心しっぱなしで、マスターズさん(野亦氏)の虜になってしまった。。。
→上記内容についてはThe
Flute第28号に掲載又フルートマスターズが配布している小冊子「message from FMC」にも考え方取り組み、またフルートの”なかみ”を伝えている。これも読めば読むほど気に入ってしまうのだ。
決めた絶対にこのメーカーから楽器を購入しよう!!
そうこうお話を聞いているうちに、2時間があっというまに過ぎてしまい、野亦氏の帰る時間の都合でおわってしまったのである。ここには書ききれないほどの沢山のお話を聴かせて頂きました。本当に野亦さん有難うございました。
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