工場見学の日記

 私達は、2月26日から1泊2日で4つの工場を見学しました。ここに、日記を書きたいと思います。
 1日目は、日吉の銀杏並木集合でバスに乗り込みました。遅刻者がでまして、どうなることかと思 わせる船出でしたが、最初の訪問地である横浜市青葉区の三菱化学総合研究所で合流することができ ました。一安心でした。さて、話を戻すことにします。ここでは、まず三菱化学の製品を見せてもら い、その後はロボットによる実験のデモンストレーションを拝見できました。自社製のロボットで、 まだまだ無駄な動きが多いと関係者は語っておりましたが、貴重なものを見ることができました。い つかは、実験も全てが自動化されて、人間はデータ処理や最終判断さえすればいいような時代が来る のではないかと、思ってしまいました。
 さて、三菱化学を後にして、一行は途中足柄で休憩をとり、次の訪問先である富士市の旭化成富士 支社へ足を運びました。富士は製紙工場の町というイメージが強かったため、まさか旭化成が田子の 浦港の半分を占めているとは、思いもよりませんでした。旭化成では、はじめに富士支社での事業に 関するビデオを見せてもらいました。それから、ピューロン工場及び樹脂成形工場・解析技術室の見 学がありました。
 まず、皆さんはピューロンと聞いて、何を想像されますか?実はポリアクリル系合成繊維なのです。 糸がピュ―と伸びることから、ピューロンという名がついたそうです。高級ファッション用ニット製 品には欠かせないため、元の糸を製品化すると価格が100倍にもなる、という裏話も聞くことができま した。それから、難燃性の素材なので、よほどの高温でないと燃えないという実験も簡単にやりまし た。ドラム缶のように繊維を紡いでいることに驚きました。
 解析技術室では、学生実験で使用した解析機器に関する説明がありました。ラマンという言葉を聞 いたのは久しぶりでしたので、すっかり忘れていました。構造解析に用いるNMRの機械は初めて見 たので、こんな器具で測れるのかと思ってしまいました。
 旭化成の方々は、一つ一つを詳細に説明して下さったので、研究に関する理解が深まりました。
 さて、今回の旅行は工場見学がメインでしたが、温泉旅行でもありまして、2日目に三島に行くこ とを考えて、三島から30分で行ける修善寺温泉にて1泊しました。温泉旅館だったのですが、夕食・ 朝食はなかなか豪華なものがでてきまして、大変驚きました。夕食後にちょっとした飲み会をひらき まして、引率して下さった太田先生・樋口先生から貴重な話を聞くことができました。
 2日目は、朝9時に修善寺を後にして、はじめに協和発酵富士工場へ行きました。発酵と聞くと、 醸造のイメージが浮かびますが、皆さんはいかがでしょうか?確かに、醸造部門も伊豆長岡にあると のことですが、ここでは主に製薬を扱っているとのことです。旭化成と同様に、まず協和発酵の事業 に関するビデオを見せてもらい、それから製薬部門の研究所を見せてもらいました。このビデオで、 協和発酵は主として医薬品を扱っており(会社の中で40%を占めている)、醸造や食品部門は10 %ずつ占めるに留まっています。医薬品にも色々な種類があるのですが、ここでは経口剤(錠剤)及 び注射剤を主として生産しています。試薬の調合や薬の包装の現場は見ることができましたが、それ 以外は工事中で残念ながら拝見できませんでした。最後に、お土産として当社が扱っているインスタ ント食品"たまごスープ"をいただきました。
 さて、協和発酵を後にした我々は、東レ三島工場へ行きました。予定していた時間より2時間近く も早く到着したため、三島周辺を散策する時間ができました。そこで、太田先生は貴重な体験をされ ました。話を戻します。東レは山田先生の推奨により、訪問することにしました。最初に、東レの事 業に関するビデオを見せてもらいました。最後の訪問先であったことから、皆さんも相当疲れていた ようです。三島工場は、東レにとって欠かせない存在のようで、ここでは繊維・フィルム・医薬品を 扱っています。今回の訪問では、ポリエステル繊維テトロンの生産現場を見せてもらいました。4階 建ての工場で、流れ作業で生産されています。糸を巻きつけた後の形が2種類(ドラム型・ボビン型) あり、それぞれ使われ方や性質が若干異なるそうです。それから、繊維の生産速度が時速400kmと新幹 線よりも速いことに驚きました。
 今回の旅行は、バスで行ったこともありまして、例年に比べてかなりハードなスケジュールをこな したように思います。最後に、引率して下さった太田博道先生並びに樋口昌芳先生、お忙しいにも関 わらず説明をして下さった訪問先の方々、色々と手配していただいた矢上の学事課の小川さん、そし て日吉の生協プレイガイドの方々、色々とアドバイスをいただいた山田徹先生並びに同期の方々に、 深く感謝いたします。

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