ピクル
第一話「新説人類史」
〜Q;ピクルの第一話の感想を一言で書くとしたらどう表現できるでしょうか?〜
A:どんだけ〜〜〜
と、言うワケでいよいよ始まりました新連載『ピクル』
連載前は「古代から復活した恐竜と勇次郎が戦うのかな?」と思っていましたが、
そこは我々の想像を斜め上にぶっちぎる板垣先生
ページをめくるとそこにはなんと、塩の壁に閉じ込められた恐竜と原始人が一人
・・・原始人? ティラノサウルスが生きてた時代の地層から? しかも生で?
「教科書と違うじゃん!!!」
あまりのも予想外の事態に、掘削作業員の皆さんも思わず
保健体育の知識のみで性行為に及ぼうとした中学生のようにドン引きしています
女性器はもっとメルヘンな形状をしているはず――
そう思っていた時期が俺にもありました
熱く溶けた泥の海の話はともかく、
この新連載ではこの塩漬け原人さんが主人公のようです
今回、巻末の「編集後記欄」ではそれぞれ担当の皆さんが
新連載の漫画についてコメントしています
ちなみに今回の連載はこのピクル以外では
海からやってきたイカ娘の話と筋肉でフンドシでゲイの守護霊の話です
設定の濃さでギャグ漫画に引けをとっていないってのも凄い話だと思います
むしろギャグ漫画ならいざしらず、史上最強の生物がどうこうって触れ込みで、
こんな発明軍人イッシンを凌駕するような存在が主人公になるだなんてどうすれば予測できるのかって話です
まぁ、予測できちゃってる人がいるんで納得するしかないのですが
流石グラップラー時代から感想を書き続けているだけあって”愛=理解!”の度合いが違います
これからは「とらさん」ではなく、
バキを深く理解しているナンバー1であるという敬意を込めてバキワンダイバーとお呼びしようかと思います(すんな)
きっとチャンピオンを開く前に「ダイブ・・・!」とかつぶやいてるんだと思われます(妙なキャラづけしてんじゃねぇ)
ともかく、この塩漬け原人さんが発掘されたところから物語は始まります
人類誕生は700万年前であるという常識を覆し、
ジュラ期に生息していたレックスと共に発掘された原人を前に、
スタッフ達へ老科学者がこの歴史的発見の発表を控える事を告げます
「この事実は現在の学説を踏みにじることになる
影響が強すぎるのだ
段階を追った情報公開を心掛けたい」
「この情報を知るには人類はまだ幼すぎる」ってやつですね
いくら世紀の発見だからとはいえ、大きすぎるニュースは混乱を生むだけです
博士の判断は妥当なものだと思われます
きっと同じような理由でリアルシャドーの存在も伏せられてるんでしょう
ある意味範馬一族の存在自体、一般公開できません。色々な意味を込めて
しかし慎重になる博士に対し、一人の空気読まない科学者が質問をぶつけます
「蘇生させますよね」
パニックアクション系のハリウッド映画だと、
後半の脱出シーンでは見かける事のできないタイプの面構えの青年です
博士にたしなめられてもすっとぼけた表情なままのところがいいですね。最期に問題起こしそうで
アレン君の蘇生発言に対し、
そんな事が可能なのかと発掘員の方に尋ねられ、
岩塩の中から蘇生した2億5000万年前の微生物の例を持ち出す博士
「塩だ・・・
厚さ1000メートルに及ぶ岩塩層と強力な塩分が
微生物を時間という不可抗力から隔絶ったのだ」
「だから理屈では可能なんですよ
このピクル(塩漬け)くんも生き返ることが」
いや、その理屈はおかしい(ドラえもん)
「正しいから死なない」並に強引な論理展開です
そりゃ少年漫画の主人公が言えば正しい台詞だと思いますが、科学者の台詞ではありません
しかし、バキ読者が板垣理論に対し出来ぬと申し出ることもまた不可能
ここはもう「そういうものだ」と納得するしかない場面です
でもほら、そう考えるとバキ君がいつも尿や汗に塗れてる理由も分かりましたしね
199×年とか200×年とかってナレーションが出て、
一体バキ君は今何歳になってるんだろうって気にはなってましたが、
なるほどこれで解決しましたね。バキ君の人並み外れた塩分が彼を時間という不可抗力から隔絶っているのです
多分、バキが裏返ったのも梢江ちゃんの涙に含まれた塩分のおかげですし、
ドリアンにやられた加藤が蘇生できたのも、烈先生の汗に含まれていた塩分のおかげです
塩分万能説でバキ世界の不思議がどんどん明かされていきます
科学の光って凄いですね(MMR並の無理矢理さ)
しかし、人はモラルなき科学を持つべきではありません
原爆の原理を考え付いた事を後悔し続けたアインシュタインのように、
アインシュタイン髭を生やしたペイン博士は部下の軽い態度を嗜めようとします
「アレンくん!!
蘇生という神の領域・・・・・・・・・・・・
重く受け止めたまえ」
「アメーバーと人類・・・・・・・・・
自転車とスペースシャトル程度の違いじゃないですか」
「適切なたとえじゃないか
その差をどう埋めるのかね」
博士の皮肉に対し、それでもアレン君は慌てず騒がず、己の頭と胸に手をあてて返します
「モチロン ここと・・・・・・ここ?
あとはホラ・・・・・・・・・・・・
シャトルも自転車も・・・・・・・・・・・・
同じ乗り物っつーことで?」
絶望的な差を知恵と勇気で埋めようとしてると言えば主人公っぽいですねアレン君
ただ、展開的にこういう「現代に○○が蘇った!」とかってパターンの話だと、
このように倫理観が不足しがちな科学者の態度はビンビンな死亡フラグです
言わば、戦場でいきなり婚約者の話をするようなもの
この新たな叡智を得るために死すら厭わない態度のアレン君に、
私は非常にそそられてきました(勇次郎スマイルで)
しかしペイン博士は憤慨していますが、アレン君は中々優秀なようで
ピクル蘇生プロジェクトにおいてピクル君の観察を付きっ切りで行っているようです
こういう重要な役目ってのは信頼のおけない人間には任せられない重要な仕事ですしね
博士の目がよほどの節穴か、ハルヒ並のツンデレでなければこんな大役を怒鳴った相手には与えないでしょう
アレン君も重要な任務を与えられ、熱心にタバコを吸いながらピクル君の観察をしています
こういう実験って、わずかな振動を与えただけで誤差が出て計測失敗の危険があるというのに、
堂々とタバコ吸いながら観察を続けられるってーのもたいした心臓の持ち主ですね
きっとアレン君の学説ではジュラ期にはもうタバコが存在したんでしょう
やはりアレン君はペイン博士もその才能を無視できない程の存在と見て間違いなさそうですね(無理がある)
ピクル君には夥しい数の電気信号機器がつけられ、
ジュラ期に活動していた彼に合わせるためにジュラ期並の室温に調整し、
彼の体液に極めて似せた溶液に浸し、生命の源流である潮の満ち引きのサイクルと、
母なる鼓動のテンポを与える事で蘇生を促そうと様々な工夫が施されています
しかし、そんなペイン博士やアレン君の努力も虚しく、
どれもピクル君を目覚めさせるには至らなかったようで――あ、アレン君が
失敗にふて腐れてピクル君の顔にタバコの灰落とした
・・・実験の失敗と同時に「ペイン博士の目節穴説」が急激に浮上しました
まぁ、こうやって「実験体に対し冒涜的な扱いをする」事で
コツコツ地道にフラグを積む努力には好感が持てますが(持つなよ)
すっかり実験に興味を失ってしまったのか
――この手の「天才肌」っぽい振る舞いも死亡フラグです――
アレン君は研究室に引きこもり、プレイボーイを読みながらスニッカーズを食べてます
や・・・やってくれるぜアレン君!
この「エロ本を読みながらお菓子を食べる」という行為は、ハリウッド的な死亡フラグで言うならば、
ホラー映画の登場人物が、バカップルがこっそり二人きりになってSEXしようとするレベルです
そりゃジェイソンさんも嬉々として鉈を振り振りやってきますよ
はぅ〜☆ バカップルかあいい〜お持ち帰RYYYYYY!!(ジェイソンだかレナだかDIOだか)
これでこの部屋にピクル君の様子を映した監視カメラがあればもう完璧なのですけどね
それでエロ本やお菓子に夢中になって画面の変化を見落とせば、サムがリーチと叫んでくれます(CR海物語)
言うなれば、敵ボスに大量のミサイル打ち込んで、爆煙が晴れないうちに「やったか!?」と叫んだときの
敵ボスの生存率と同率の死亡率を獲得できます(一々喩えが分かり易いようで分かり辛い)
そんな死亡フラグがSAGA時代のバキ君並にビンビンなアレン君
スニッカーズに飽きたのか、肉(ステーキ)が食べたいという欲求が頭をよぎります
いや、いくらなんでも無理ですよアレン君
こんな研究施設に肉なんてあるわけないじゃないですか
凡人ならこのまま諦めるところですが、しかしアレンに電撃走る・・・!
天才アレン君は、この施設に大量の肉があることを思い出しました
そして思い立ったら即行動と涼宮ハルヒ並のアグレッシブさで冷凍保存庫に走ります
「人類初・・・・・・・・・ッッッ
どころか生物史初
レックス(ティラノサウルス)を
初めて食べた雄ッッ アレンくん(はぁと)」
止めろー! アレン君を止めろ!!
彼は暴走している!!(なんでジャイアントロボやねん)
ある意味、モラル(良識)なき科学の末路です
多分、彼の座右の銘は「博士の研究資材は俺のもの。俺のものはアレンくんのもの(はぁと)」です
というかペイン博士、一度帳簿の計算をしっかりやった方がいいと思います
まぁ、ここまでやってくれればいっそ愛しい気もしますけど
好奇心を抑えきれずに暴走しちゃうのも重要なフラグ立てですしね!
あと、個人的にはメガネをかけているってのもフラグの一つだと思っています
ほら、メガネって犠牲者の遺留品として小道具に使いやすいですし
メガネと死亡フラグの関係性については、新たにペイン博士に研究してもらいたいところです(世界一無駄な研究)
さて、現場でアレン君が貪欲にフラグを立てているその頃、
ペイン博士も後押しというか、駄目押しのフラグを立てようとしています
「(バカな・・・・・・
レックス(ティラノサウルス)の筋肉を構成する成分と
彼(ピクル?)の―――胃の中の内容物の成分が一致
意味することは一つしかない ピクルはレックスを捕食していたッッッ)」
ここで蘇生する怪物の強度をアピールするのは重要なフラグですね
師弟の合わせ技で、アレン君の死亡フラグは神でも倒せない塔のように聳え立っています
そんなある意味最も死に近い男であるアレン君
ワインをかけてフランベまでして、ノリノリでステーキを焼いています
「10トンもあるんだ
チョットくらい・・・・・・
200グラムぐらい・・・ワカりゃしない・・・・・・って(はぁと)」
こういう輩が新しい発見の芽を潰してきたんだと思いますが、
最期の晩餐と思えば暖かく見守れそうです
そしてアレン君の要らん行動で案の定、ピクルがステーキの匂いをかいで目覚めます
2億年の眠りから目覚めたピクルはまず何をするのか・・・
そんな疑問を残しつつ、残念ながら話は次週へと続いてしまいます
ただ、編集がつけたアオリ文に
「オレの獲物に手を出すな!
ジュラ紀の掟は絶対!!
ピクル怒りの目覚め!!!」
とあるので、多分みんなの心は一つです
アレン君はここまでくると、
12回それぞれ違った死に方で死ななければ滅びないんじゃないかってぐらいの伝説を打ち立てている感じです
これでアレン君が死なずに生き残るという展開は、
作者が織田栄一郎でもありえないと思いますが
そこは「予想は裏切り期待は裏切らない」板垣先生です
もしかしたらアレン君が生き残ってしまうのではないか・・・そんな淡い一抹の期待を持ってしまいます
これは来週もこの『ピクル』から目が離せませんね!!
(貴方は明らかに注目する部分を間違えています)
しかし、この展開はこの展開で面白いのですが、
このままこの連載はバキの世界とリンクさせずに続けるんでしょうか?
確かに、バキは一応リアル志向の世界観ですし、
こんな蘇った原人を出すような真似はできないかもしれません
勇次郎なら問題なくあと2億年ぐらい時を超えそうな気もしますが、
リンクの有無も含めて今後の展開が楽しみですね。いっそ勇次郎VSピクルぐらいの展開が見たいものです
そういや、塩漬けから蘇ったピクル君はともかく、
先週うっかり失言を繰り返してしまったストライダムさんはどうなったんでしょうか?
最後は勇次郎の歓心を買えたような描写でしたが、
この話とリンクしていないなら、単にあの笑顔は地雷が爆発する瞬間の可能性もあります
ひょっとしたら、あの後フルボッコにされた上に塩漬けにされて博物館に展示されてたりして