桃から生まれた怪男児



『桃太郎』

日本人なら、この名前に聞き覚えが無いという人は、血液型がRH−の人以上に少数派だと思われます
昔から、多くの子供達に親しまれてきた、日本古来より伝わる、伝統的な昔話です
しかし、安易に昔話だからといって、ただ眺めるだけでは意味がありません
そこで、少しこの『桃太郎』という物語の内面を探ってみることで
子供達により深い意味での理解を促す手伝いがしたいと思います

まず物語の始まりは、昔々あるところに住んでいたおじいさんが山に芝刈りに行き、おばあさんが川に洗濯に行くところから始まります
この辺はいいでしょう、いつの時代だとか、どこに住んでたとかまでを問うのは野暮ってものです

問題はここからです
『おばあさんが川で洗濯していると、川上から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと…』

あれですか、この川の上流には





原子力発電所でもあるんでしょうか?


おばあさんはそんな放射能まみれの可能性の高い桃を拾って食べようとします


随分とまぁ、豪気なばあさんですな

昔は、当たるリスクをあえて背負ってフグを食べてた食通が多かったらしいですが
白血病覚悟で桃を食うばあさんがいるとは思いませんでした


おばあさんは巨大な桃を川から拾い上げ、家に持ち帰ります
老婆のなせるワザではありません
むしろこのばあさんが鬼退治に行った方が良い気がします

桃を真っ二つにするシーンでは、なんで桃太郎に傷一つないんだとか、散々ツッコまれてることですが
これは不思議でも、何でもありません、ただ純粋に桃太郎に





坊や哲並の天運があっただけです


鬼退治など行かずに、ギャンブラーになった方が鬼から財宝強奪するよりもよっぽど稼げた気もします

さて、おじいさんおばあさんは、そんな桃から生まれた正体不明のミスクリエーションを育てようとします
相当肝の据わった武人だとお見受けいたします

もしもこれが日本ではなく
中世ヨーロッパの話であれば
生まれてすぐに焼かれていたことでしょう
これも桃太郎の天運の一つなのかもしれません

そんな天に愛されし桃太郎は、大きくなると
「鬼退治に行きますから,キビ団子を下さい」
と言い出します
おばあさんとおじいさんは驚きましたが、桃太郎の決心が本物だと知ると、旅支度を整えてやります
この二人、理解ある武人だとは思っていましたが、さらに





キチガ○の世迷言に
つきあえるほどの
お人良しだったようです


これも桃太郎の天運{以下略}

とりあえずまぁ、鬼退治はいいでしょう、桃から生まれた変異種がいるのなら、鬼がいても不思議ではありません
だけどね、キビ団子ってなんですか?
木を削って武器作るなり、クワ借りるなりで、武装するよりも
こいつは団子を選んでいます
栄養価や保存とかはどうでもいいのでしょうか?

もしかしてこいつ、遠足にでも行く気でしょうか?
なるほど、確かにキビ団子なら500円以下になりそうです
いえ、もしかしたら、鬼ヶ島に逝って来ますという自殺を暗示するメッセージかもしれません

さて、桃太郎君が鬼ヶ島に向かって旅をしていると
犬が声をかけてきます
『桃太郎さん、お腰につけたキビ団子、一つ私に下さいな』

…まぁ、鬼がいるくらいですしね、そりゃ犬だって喋りますわ、キビ団子だって、食いますわ

ただ、よく考えるとこれは





鬼退治の恐怖に気付き
その恐怖に耐えられなくなった桃太郎が
妄想の世界に逃げ込んだ


とも考えらえられますが、まぁ、五分五分でしょう
そんなテンパった桃太郎は犬にこう言います

『これから鬼の征伐についてくるならあげましょう』

おいおい…キビ団子一つで都を荒らしまわるような鬼との死闘に付き合わせようとするのかあんたは?

しかも、この犬、納得しやがります
飢えて死ぬ寸前だったのでしょうか?
これではもうどちらがだか判りません
まぁ、正義のためなら何をしても許されるという理論ってキチガ○の桃太郎君には相応しくもありますが

桃太郎はこんな調子で次々と仲間を増やしていきます
最終的なメンバーは桃太郎の他に、キビ団子一つで雇われた犬、猿、雉

一日分の食料になるかも怪しいものです


さて、キビ団子3つで動物性タンパク質を確保した桃太郎は、鬼ヶ島へ向かいます。船で


これも散々ツッコまれてることですが、正々堂々というよりもう裸の王様です
見張りの鬼もさぞ驚いたことでしょう
上陸に際して攻撃を受けなかった理由は二つ考えられます
まず一つ
これは言うならば、桃太郎は完全非武装で真っ向から未知の鬼ヶ島へ臨んだワケですから
警戒していた鬼にしてみれば、自分らが銃を構えているところに





素っ裸の男が突っ込んでくるようなものです


そりゃ百戦錬磨の兵士の中の兵士でも隙が出来ようというものです

そして、もう一つ考えられる理由が、この船に乗っているのは犬猿雉に子供一人。これはどう見ても





人身御供にしか見えません


この集団が自分達のタマを取りに来た百戦錬磨の武装集団に見えたなら
そいつは激しい戦闘の末、イッチャッタとしか思えません

そしてついに最終決戦
犬猿雉&桃太郎VS百戦錬磨の武装した鬼軍団





オッズは100:1ぐらいでしょうか?


しかし、大番狂わせが起こります
犬が鬼に噛みつきます、猿が鬼をひっかきます、雉が鬼を突っ突きます

…どれ一つとっても致命傷どころか、全治一ヶ月にも至らなそうな気がするのは、気のせいではないと思います

しかし、これで島に独立王国を築いていた鬼軍団が押されるという事から、この国の戦力を推測すると






ムツゴロウ王国以下


ということになります
しかし、仮にも都を荒らしまわり、人々から恐れられるような鬼達の戦力が
そんなガキ大将グループ以下というのは考えにくいことです
だからといって、犬猿雉がこんなに強いとは考えられません
仮にこの猿が夜叉猿だったとしても、鬼{オーガ}にはかないっこありません
ならば、考えられることは一つしかありません






おばあさんが一服盛った


キビ団子には、おばあさんの愛情たっぷりの非合法ドラッグがしこたま詰まっていたに違いありません

なるほど、この時代、キビといえば
麻薬の隠語だったようです。謎は全て解けたって感じですね

おじいさんが山に行くのは、芝刈りと、栽培している大麻の世話をしにいくためで
おばあさんがあんなに豪気な性格で、常人を超えたパワーを発揮できたのも特製キビ団子のおかげだったのです

先ほど、500円以下とか言ってしまいましたが
そんな末端価格でいくらするかも判らないスーパードラッグなら
命をかけても手に入れようとする動物だってでるでしょう
そりゃ桃太郎もヤク漬けにされてコワれるワケです

さて、そんな桃太郎君もバッドトリップしながら、日本刀を振り回し、鬼を斬殺しています
さすがに金棒を持った鬼





キチガ○に刃物と薬の究極コンボ
にはかなわないようです


結局、鬼達は惨敗しました
敗因は、キチ○イでありながらもここまでこれた桃太郎の天運
おばあさんが麻薬調合のプロだったってことです

そして桃太郎は鬼達に、もう悪さはしないという口約束を取り付け
鬼達が奪った財宝をさらに強奪し、村に帰っていきます
キチガ○の理屈は常識では図れません

村に帰った桃太郎達は、村のみんなで宝を分けます
ここで一つの疑問が浮かんできます





この村って鬼の被害にあったことは無いはずなんですが?


火事場泥棒もいいとこです
自分らの村さえ潤えば良し、他の大衆{ブタ}は飢えて死ねとでも言いたげです

OK、理解出来ました、桃太郎は






この村に独立王国を築くつもりなんですね


財宝で資金は充分
金で懐柔してから、キビ団子でヤク漬けにすれば、村人達は
死をも恐れぬ不死身の戦士に大変身です
小動物ですら鬼を圧倒できるその効力は実証ずみです
鬼の侵略も受けず、力を蓄えまくったたくましき村人が服用すれば
数十人の村人で一国の軍隊にも匹敵するほどの兵力を得られることは確実です

ゆくゆくは桃太郎は世界征服も可能でしょう
恐るべきは桃太郎の天運おばあさんのドラッグです

さて、桃太郎の国盗りシュミレーションにも興味はありますが
物語自体は、宝を持ち帰った時点で終わりです
そこまでで、この物語の内容と教訓をまとめてみましょう





桃から生まれたミュータントで
天運の持ち主の桃太郎が
黒薬剤師のおばあさんに拾われ
ヤク漬けにされながら育てられ
ラリって鬼退治にでかけ
道中、薬目当てで傭兵になった
犬猿雉をお供に、鬼ヶ島に
殴りこみをかけ、散々虐殺し
略奪を行って村に帰り
人様の宝を自分達の村だけで
独り占めにして幸せになった物語



教訓

『人間大事なのは運だ』
『ドラッグを制する者は世界を制す』


…あの〜、『桃太郎』って





いつから18禁ハードバイオレンスものになったんですか?


こ、こんなに子供達に悪影響を与えそうな本がPTAに有害図書の烙印を押されずに公然と売られていたなんて…

まったく、呆れてものも言えませんよ






こんなもん徹夜して書いてる私自身に


あとがき

…え〜、もちろんネタなんで、本気で怒ったり抗議したりとかは辞めて下さい
あと、やはりこういうもんに立て続けにツッコミ入れたりすると
オチで苦しむはめになるってのがよく判りました{泣}