どうもこんにちは、最近何故かエロゲに再び興味が出てきたB.Bです。
それと全く関係あるのかないのか自分でもわかりませんが、今回はKanonのレビューです。
自分とこのSSコーナーほったらかしにしといて何をしてるというツッコミはご勘弁。
この「Kanon」というゲームは、1999年にKeyというソフトハウスから発売されたWindows用ソフトです。
所謂「ビジュアルノベル」「サウンドノベル」方式のゲームで、誤解を恐れずに言うなら電脳紙芝居というヤツ。
プレイヤーは途中で選択肢をいくつか選ぶだけで各ヒロインのシナリオに入り、
後はマウスをクリックするだけで勝手に話が進んでいきます。
「こんなものをゲームと呼んでいいのか」という意見もありますが、そういう議論はさておき、
とにかくこのゲームは空前絶後の大ヒットを飛ばしました。
では、各ヒロインのシナリオ等についてレビューをば。
主人公・相沢祐一の母方の従姉妹。同い年。
一応、月宮あゆと並んでKanonのメインヒロインの片割れという設定です。
幼馴染みで、朝に極端に弱くて、猫好きの天然系で、主人公の事が昔から好きだったという、
古今東西のギャルゲーのお約束を詰め込んだようなキャラ。
こういうのは嫌いだとは言いませんが、鼻についてどうも入れこむことが出来ないと言いますか。
もっとひねった部分が欲しいです。
まあ、そのベタベタさ加減がいいんだと言ってしまえばそれまでですが。
で、この水瀬名雪シナリオですか?
練りこみが甘い、詰め込みすぎ、消化不良。
一言で言えといわれたら、こういう批判しか出てきません。
名雪シナリオに分岐した途端、いくらなんでもそりゃあんまりだろというテンポで話が進んで行きます。
まず、いきなり名雪がまだ祐一のことを好きだったことが発覚し、
いきなり祐一が名雪の事を好きになり、
いきなり秋子さん(名雪の母親)が事故に遭って瀕死の重傷を負い、
それによっていきなり名雪が部屋に閉じこもって出てこなくなり、
と思ったらいきなり祐一の説得に応じて元気を取り戻し、
最後にはいきなり秋子さん、名雪、祐一と三人揃ってハッピーエンド。
いや、話の粗筋はそんなに悪いとは思いませんよ。
良くも悪くもベタベタで、ある意味このキャラにお似合いかな、と。
でも最初に言ったように練りこみが非常に甘い。
メインヒロインがこんなに薄いシナリオで本当にいいのかと不安になるぐらい完成度が低いです。
例えばテキストをもっと増やせばこんなジェットコースターにもならなかっただろうし、
少なくとも鑑賞に十分堪えうるレベルにはなったと思うんですが。
あんなシナリオ見せられて萌え萌え言ってるマニアの気持ちは私にゃわかりません。
で、DCとかPS2の移植に際して、シナリオにテコ入れはされたんですかね。
芸術家志向、職人気質の人間なら必ず手を加えてるはずだとは思いますが。
主人公の一年後輩だが、病弱なためほとんど学校に来ることが出来ない。
しかし街で偶然出会った祐一の事が気になり、その姿を追っているうちに…
と、これもベタと言ってしまえば非常にベタなキャラです。
名雪ほど鼻につく要素もないので、個人的にはまあこれはこれでいいかな、と。
シナリオの出来も、名雪シナリオに比べれば完成度が高いです。
粗筋は不治の病に冒された少女とそれを見守る少年の純愛という、これまたベタな展開なわけですが、
十分な推敲が加えられててなかなか。
しかしそんな栞シナリオ、一言で例えるなら星飛雄馬の剛速球。
やり進めていくうちに、根本的かつ致命的な欠陥が見え隠れしてきます。
何がそんなに悪いかって、重病であと一ヶ月も生きられないっていう設定のはずなのに、
全然病人らしく見えないんですな。もう全然。
雪の中を薄着で平気でうろつき回るわ、色んな荷物買いこんでそれを持ち歩きするわ、
寒空の中アイスクリームを好んで食らうわ、挙句の果てにヤる事ヤってしまうわ。
病気持ちがそんな事したらあかんっつーより、大病人がそんなに動けるわけねっつーの。
俺なんざ風邪ひいたら寝返り打つのもしんどいぞ。
それにもましてよくわからんのが「栞は次の誕生日まで生きることが出来ない」という台詞。
この言葉自体は別に問題ないですよ。栞の病状を説明するだけのものですし。
でもそれは決して誕生日が来たら自動的に死ぬっていう話じゃないだろって。
誕生日の日付になった夜の公園で、今生の別れを交わす祐一と栞。
確かに感動的と言えば感動的でしょうが、根本的な何かが間違っていることに気付いた状態で、
素直にその世界観を受け入れろっつったってムリな話です。
コンシューマ版とかでは誕生日に死ぬというソニータイマーばりの仰天設定のかわりに、
この日を境に治療に病院に戻って専念するという話に変わったらしいですが、
病人らしく見えない以上そんな小手先のテコ入れはいくらやっても無駄無駄。
いっそ吐血してみてはいかが。やりすぎるとキャラ変わってしまいますが。
街を歩いているといきなり襲いかかってきた謎の少女。
そのまま目の前で行き倒れになったので仕方なく水瀬家まで運んでやると、図々しく居候を決め込む。
そしてよく理由もわからないまま、夜な夜な祐一に妙なイタズラを仕掛ける困り者。
まー、いわゆる悪戯好きの悪ガキってイメージですな。
そのイタズラが妙に腹の立つものばっかりで、それに女の子のくせに可愛げってものも全然ないし、
コイツ見てるとかなりイライラします。正直言って苦手なキャラです。(嫌いとは言いませんが)
しかしそのシナリオたるやゲーム中一、二を争うほどの出来。
名雪、栞と惨憺たる出来だったのに、何故ここに来てこんなのが出てくるんだと驚きを禁じえないですな。
真琴シナリオ、最初は悪ガキと保護者の少年のちょっとだけほのぼのした話という感じで進んでいきます。
家族にも馴染めずどうも浮き気味ではあったけども、それなりに平穏な日々。
しかしある日、熱病にうかされるようになってから話は一変。
手先の細かい作業が出来なくなり、体もどんどん弱っていき、
最後には満足に言葉を話すことすらできなくなっていきます。
憎たらしいほど元気だった真琴がどんどん変わっていく様を見る時の心境は、
例えるなら赤木しげるのアルツハイマーを知った僧我。
裏麻雀界における長年のライバルに「僧我…俺にはもう麻雀(それ)が…よく分からんのよ…」
と言われた無念はいかばかりのものだったか。
あれほど生気を保っていたお前が何故、というやりきれない悲しさがたまりません。
しかも話はそれだけでは終わりません。
不器用で人付き合いが苦手だった真琴は、皮肉にも病気によって絆を得ることになります。
祐一や秋子さんだけでなく、かつて同じような経験を味わったことのある祐一の後輩・美汐、
そして最後には、真琴の名前を呼ぶことすらなかった名雪が、真琴を家族の一員として迎え入れたのです。
水瀬家一同でプリクラを撮るくだりでは、不覚にも涙が。
しかし病は止まることを知らず、遂に真琴は最後の時を迎えることとなります。
思い出の丘で真琴を抱きながら、その時をじっと待つ祐一。
その腕の中で彼女は、まるで最初から存在しなかったかのように消えてしまいました。
そう、まるで掌の上の雪のように…
とまあ自分でも何書いてるのかよくわからない有様になってしまいましたが、
とにかくこのシナリオは完成度が非常に高く、粗がほとんど見当たらないということです。
ハリウッド映画のあざとい感動の押し売りにうんざりしてる貴方も、これならきっと素直に感動できます。
(注・効果には個人差があります)
あ、忘れてた。真琴シナリオ唯一最大のツッコミ所。
サドだろうとマゾだろうと露出癖だろうと、他人の性癖についてとやかく言うつもりは毛頭ありませんが、
白痴同然の病人を寒空に連れ出してアオカンなんて、常軌を逸してるとは思いませんかね?
ある夜、机に忘れたノートを取りに学校へ侵入すると、そこにいたのは抜き身の剣を構えた一人の女生徒。
そして何か不穏な気配が現れたかと思うと、女生徒はそれに向かって剣を振る。
事が終わって彼女が言葉少なに語ったのはただ一言。
「私は魔物を討つ者だから…」
雰囲気的には、近年の時代劇っぽい漫画なんかに出てくる無口で無愛想な女剣士といった感じ。
全体的にまったりした感じの作品世界の中で一際異彩を放つ存在です。
ある意味では型にはまったキャラでも、場所を変えれば妙な存在感が出てくるといういい例では。
シナリオの良し悪しは別にして、ヒロインの中では個人的に一番のお気に入り。
とは言ったものの、シナリオに特に粗らしきものは見当たりません。
深夜に学校に簡単に生徒が出入りできるなんて警備は何をしとるんだとか
細かいツッコミを挙げればキリがありませんが、まあおおよそこんなものでいいのではないかな、と。
ただ、粗というわけではないですがどうも首をひねらざるを得ない点が一つ。
舞シナリオは当然のように、魔物との深夜の戦いを軸にして話が進んでいきます。
で、クライマックスに至って魔物の正体が明らかになり、舞の知られざる過去が語られるというわけですが、
その後の展開がちょっと。
最後の決戦におけるゲーム上の日付は確か、二月の上旬から中旬の間。
それから過去語りとかモノローグとかが色々入って、三月の卒業式に飛びます。
でも、舞は最後の戦いの後、瀕死の重傷を負うんですよね。
同様に親友の佐祐理さんも、魔物との戦いに巻きこまれて重傷を負って入院しています。
そりゃ、入院して一ヶ月もすれば動けるようにはなるでしょうが、
そんなに元気に動き回れるようになるってのはちょっとどうですかねぇ。
と言うかそれ以前に、卒業式のシーンが終わるとそのままエンディングを迎えてしまうわけなんですが、
それまでのモノローグとエンディングとの脈絡があまりになさすぎるため、
どうも夢オチという印象を拭い去ることが出来ません。
それまでの展開が非常に読ませるものであっただけに、どうも惜しいです。
とはいえ全体的にはソツなくまとまっているため、酷評に価するほどひどい作品というわけではなく、
むしろよく出来ていると言っていいものだと思います。良作。
ちなみに五人全員のシナリオをクリアすると、舞シナリオからの分岐として
「佐祐理シナリオ」が選択できるようになります。
おまけシナリオなんでそんなに濃度は高くないですが、これもなかなか楽しめます。
いつも笑顔を絶やさない佐祐理さんの過去には何があったのか?
場合によっちゃヒロインがもう一人増えてた可能性も。
ってーか名雪シナリオ削ってコイツ入れろ。マジで。
七年前、この北の街で知り合った幼馴染みの少女。
しかし祐一は彼女のことは覚えていても、彼女との間にどんな出来事があったのか忘れてしまっていた。
それはただの記憶の風化なのか、或いは…
というワケでKanonのメインヒロイン、四人のシナリオをクリアして最後に現れる、いわばラスボス。
世のマニア連中には、このあゆの口癖「うぐぅ」がよほど心の琴線に触れてしまったらしく、
1999年から2000年にかけて、「うぐぅ」が口癖のオタク連中が赤潮のごとく大量発生致しました。
無論一時期ほどではないにせよ、今でもその残党は多数残っております。
別にオタクがウザいとかそういう理由じゃないですが、私ゃこの「うぐぅ」がどうも気に入らない。
劇中で事あるごとにうぐぅうぐぅ言われると、ええから黙って話を続けろと言いたくなります。
そんなワケでこのあゆも、私にとって苦手なキャラの一人であります。うぐぅ。
あゆシナリオの序盤は、はっきり言って別にどってことない話です。
何かは忘れてしまったけど大事なものを探しているというあゆを手伝ったり、
風邪こじらせて倒れた秋子さんを看病したりと小さなイベントがいくつかあるだけで、
他にこれと言って目立った動きはありません。
が、物語が佳境に近づくにつれて話は急展開。
七年振りに二人で訪れた思い出の場所の変わり果てた姿に、二人は悲しい記憶を取り戻します。
そしてあゆは祐一の前から姿を消しました。
祐一はもう一度あゆに会うため、七年前プレゼントした人形…
願いを三つかなえてくれるという思い出の人形を必死に探します。
そしてそれを見つけて思い出の場所に辿り着いた祐一の前に再び現れたあゆ。
人形を手渡すと、これでもう会えないから、七年前からそのままの三つ目の願いをかなえてくれと言います。
その最後の願いは…
「ボクの事…忘れて下さい……
ボクなんて最初からいなかったんだって、そう…想って下さい…
ボクの事…うぐぅ…忘れて……」
ぐわっ(顔を思いきり背ける)
な、泣いてなんかないからな!部屋が暑くて目から汗が吹き出てるだけだからな!
っつーか反則。
口癖がウザくて、もの凄い不器用で、外見も中身もガキそのものではっきり言ってヤなキャラだったのに、
こんな切羽詰った場面で思いきり痩せ我慢しやがって。
美しいじゃないですか、愛する人の為に自分の感情を押し殺す姿は……
もう私ゃこれ以上、このシナリオについて語る口は持ちません。
痛みに耐えてよく頑張った!感動した!……言えるのはこれだけです。はい。
そんなワケで一通りレビューをしてみたわけですが、いかがだったでしょうか。
ついでにシナリオの出来の個人的順位を挙げてみるなら、
真琴≧あゆ>舞>栞>名雪
といった所です。
異論反論はなんぼでも受け付けますが、最近2ch葉鍵板の某スレでSS書くのが忙しいため、
返事が遅れるor永遠に返事がない可能性もありまする。悪しからづ。
では、最後に一言。
「だおー」の使用が許されるのは天才空手家だけです。
寝ぼけ眼の女子供が使っていいものではありません。
以上。
B・Bさんのサイトの9999HIT記念にKANONのレビュー貰いました〜♪
で・・・
名雪ぃぃぃぃぃ!!?
おかしいですよカテジナさん!!
名雪シナリオはそんな唐突シナリオじゃありませんよ!?
7年前と現在のお互いの心の動きを強引な展開の中で絶妙にかみ合わせてですねぇ
樫の木おじさん「いいから黙れ駄目オタ」
黙ってられっかぁぁぁぁ!!
名雪シナリオの妙味ってのは言わば
『絡新婦の理』のように綿密に組み合った様々な心的伏線がだねぇ!?
「そんな事知った事ではありませんが、悔しいならあゆさんのSSでも書いて復讐でもなさったらどうですか?」
・・・SS書く事がどうして復讐になるんだ?
それならむしろ逆に名雪の応援SS書いた方が・・・
「・・・貴方は自分のSSが他人からどういう評価を受けているのかを今ひとつ理解していないようですね」
つーわけで私は鍵に裁いて仕置きする事にした
樫の木おじさん「・・・何をする気だ」
俺は人は殺さない。その怨念だけを殺す
名雪萌えを世間に認めさせてくれる事こそ我らの勝利!!
アニメKANON!? あんなのをKANONのアニメ化とは認めねぇ!!!
樫の木おじさん「・・・勝手に頑張ってくれ」
「はぁ・・・まったく、骨の髄まで鍵っ子ですねぇ」
・・・ところで、何でいるのキミ達?
素敵なレビューをくれたB・Bさんのサイトはここ!!