ジョジョの奇妙な冒険
第六部ストーンオーシャン
Act.158『出会い』

先週、神父の言う『天国の世界』に到達した宇宙
宇宙を一巡した事で、人は己の運命を知り、『覚悟』できる
『覚悟』する事こそが人類にとっての幸福なのだ、と神父は言います
まぁ、早い話が全人類が『ラプラスの悪魔』になったって事らしいんですが・・・







1時間後にワードが強制終了するって分かってるのに保存する事も出来ずに文章書き続ける事のどこが幸福なんでしょうか?


パンドラの箱も、『予兆』が外に出なかった事で「希望が残された」ワケですし
量子力学という剣を持ってしても退治できないラプラスの悪魔はまさに最悪です

まぁ、そこは狂信者の戯言だと思って納得しましょう
第五部の最終テーマであった『人は運命の奴隷』に通じるものがありますし

さて、そんな感じで運命を支配しようとした神父
ジョースターの『正義』の心を受け継いだエンポリオが
神父を利用して自分の脳にウェザーのDISCを挿入しました
『ウェザーリポート』のスタンドで神父にラッシュを仕掛けるエンポリオ!
しかし、一瞬にして神父はエンポリオの背後へと移動し、エンポリオに対し言い放ちます



「神の御命においてしりぞけるッ!
おまえの行動はエンポリオ・・・
自分の悲鳴をさらに地獄のラッパにするだけの事だった!!
所詮頭に他人のDISCを入れてもウェザーの能力はウェザー本人の才能ッ!!
おまえが楽々と自由自在に操れるおもではないッ!! そして!!」


ここらへんは『フーフー吹くだけなら〜』とか言ってたDIOを彷彿とさせます
何だかどっちも微妙に間抜けな辺り、やっぱりこいつらいい友達だったみたいです

そして『天国への階段』の能力が発動し
時計の針は急回転し、花は勢いよく朽ち果て
エンポリオが流してい血液は固まって剥がれ落ち
岸辺露伴は〆切と必死に格闘しているのでしょう



「再び『時を加速』させた―――ッ!!
我が大いなる目的の前でエンポリオ!
崩れ落ちる自分の貧弱さを思い知れェエ―――ッ」


エンポリオの周りを旋回しながら今まさにトドメを刺さんとする神父
しかし、その手刀が『ウェザーリポート』の頭に叩き込まれようとした瞬間
なんと、神父の手の血管から血が噴出し、神父は驚いて攻撃を止めてしまいます。マンモーニです

しかし、エンポリオの方も目から血を噴出しています
そのままよろけ、急加速のせいで豪快にピアノに突っ込んでしまう神父!

一体何が起こっているのでしょうか?



「なんだ・・・こ・・・れは!?
・・・・・・立て・・・・・・ない・・・・・・
なにかまずいぞッ!
もっと『加速して』逃れなくては・・・・・・・・・・・・!!」


この期に及んでまだ『加速』
ウィルスとかだったらどうするつもりでしょうか?
相手がフーゴだったら、加速した時点で神父だけ死んでます

・・・単純に考えれば、「ただ早くなるだけ」の能力なんですよね
でもその単純なゆえに、最強の『スタープラチナ』を凌駕したのでしょう
まぁこの場合、馬鹿の一つ覚えでただ間抜けなだけなんですけどね

時を加速しようとする神父の前に立ちはだかる『ウェザーリポート』
どうやら、この謎の現象は『ウェザーリポート』が引き起こしているものらしいです



「おまえも知らなかった能力のようだな・・・・・・・・・
潜在の中で眠っていたウェザーの能力 本で読んだ事がある
生物にとって最も身近にある「猛毒」は・・・・・・『空気である!』・・・・・・・・・と」


うんエンポリオ
僕もその本読んだ事あるヨ







『バキ』6巻でしょ?


多分、ジョジョファンはここで全員
「分かった時にはもう遅い」って叫んでた事でしょう
まぁ、威力に関しては柳の空掌よりもこっちの方が凄そうなのですが



「いくら『時を加速』しようと関係ない・・・
「ウェザーリポート」は天候を操る能力!
すでにこの部屋に純粋酸素を大量に集めていたんだ
そして意識を失っていく・・・・・・・・・100%の酸素は・・・・・・・・・
組織の「内部」へ・・・「内部」へ・・・」


そして必死で立ち上がろうとする神父の顔面に
ウェザーリポートがゆっくりと拳を近づけていきます



「ぼくの意思じゃあない
ウェザーの眠っていた能力だ
あんたがウェザーの記憶を奪い
そしてカタツムリの能力と共に目醒めさせたのはプッチ神父・・・・・・

あんたなんだ

人の出会いも「重力」!
あんたは因縁が切れなかった!」


え? いやちょっと待て
『エンポリオの意思じゃない』って
ウェザー、自分で発動させてエンポリオ巻き込んでるんですか?
やっぱり、アナスイと二人っきりで幽霊部屋に閉じ込めてた事で怨み買ってたんでしょうか?

そして、『ウェザーリポート』の拳が神父の頬に触れ、さらに重圧を増していきます



「や・・・やめろ・・・
エンポリオ・・・・・・
こんな事を! ・・・・・・・・・・・・
ウェザーを止めろッ!! エンポリオッ!
こんな事をさせるなァ―――ッ!!
わたしが到達したわたしの「能力」は!!
「神」のご意志だッ! 「神」が望んだ能力なのだッ!
新しい人類が始まり人間の未来はこれで救われるのだッ!
この時の加速が始まったケープ・カナベラル「以前」で・・・・・・・・・・・・
わたしが死んだら人類の「運命」が変わってしまうぞッ
きっと違う未来になる! ここで死ぬわけにはいかないッ!
ケープ・カナベラルの後ならいくらでも命を捧げようッ!!
わたしがここまでやって来た事が起こらないという事に変わってしまうんだッ!
人々は時の旅で見た運命を見なくなる!
覚悟を知る事がなくなるんだッ!
『覚悟こそ幸福』という事を思い出してくれッ!」






お前こそ思い出してくれ


『覚悟』する事が本当に幸福ならば
ここで死ぬ運命を『覚悟』する事で神父は幸せになれるはずです
それなのに、「ここでわたしは死ぬわけにはいかないのだ―――ッ」とか叫んでますし

まぁ、これは荒木先生なりの皮肉なのでしょう
何だか、神父が頭の可哀想な子みたいに思えてきました

そして、的確な皮肉をエンポリオが神父に言い放ちます



「わからないのか?
おまえは「運命」に負けたんだ!
「正義の道」を歩む事こそ「運命」なんだ!!」


スゲーカッコイイですエンポリオ
ただウェザーのDISCの入れ物になってるだけなのに
酸素で自滅してボロボロなのに、まるで自分が神父を圧倒してるようなカッコ良さ

今まで『運命』が自分に味方していると言い続けていた神父
その神父が自分の撒いた種である『ウェザーリポート』の覚醒した能力
そして自分が牢屋に閉じ込めたジョリーンに希望を託される事でこの世界に来た
自分が殺した女の息子であるエンポリオに、今まさに引導を渡されようとしているのです

これこそ、運命の皮肉なのでしょう
悪の『運命』は、滅びるのが運命なのです



「やめろ このちっぽけな小僧がぁあああああああああああああ」


そしてゆっくりと潰されていく神父
時の加速によって『ゴールドエクスペリエンス』に殴られたような状態になっているのでしょう

じゃあ何でエンポリオと会話できてるんだってツッコミは今さらな上に大変野暮です

そして神父は鉄槌を受け、死亡
神父が『ここまでやって来た事が起こらないという事に変わって』しまいました
そしてエンポリオは『グリーンドルフィンストリート』駅のバス停の前に立っています

走り去ろうとするバスに手を伸ばすバス
すると、細かい金を持っていない客と揉めてバスが止まります
バスに乗ろうとするエンポリオに、バスから降りた女性が話し掛けます



「おっ! 小僧!
このバス乗るのか?
いいトコ来たな! カネクズれる?」


その女性の顔を見て、愕然とするエンポリオ
その間に、バスはその女性の荷物を投げ捨てて走り去ります



「おい! おまえがもたついてるから行っちまったじゃあねーかよ!
次のバスまで2時間だぞッ!
どうすんだよッ! おい聞いてんのか!」


そう言って振り向いた、その女性の顔は・・・































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エルメェスの兄貴ッ!


しかし、エルメェスの兄貴は神父に殺されて風化しました
つまりかのJはよく似た別人であるため、エンポリオの事は知りません

どうやら服役していた様子は無いようですが
まぁ、スポーツマックスとは関係無い運命なのでしょう



「くっそっ
それにしてもグリーン・ドルフィンからの脱獄囚とでも思ったのかな」





そのツラじゃ無理ありませんぜ兄貴


感動の再会に、エンポリオが呆然としていると
ホルホースみたいな帽子を被った男が話し掛けてきます



「なぁ! オレの車ガス欠なんだよ
ガソリン代とメシ代おごってくれるんならば
好きなトコまで乗っけてってやってもいいぜ」


エルメェス{偽}が
「知らない人の車には乗っちゃダメってうちの姉ちゃんがいってた」
と、最萌えトーナメントで支援に使われそうな台詞を言って背を向けようとすると
突然、雨が降り始め、それを見て帽子の男が少し帽子をずらして空を見上げながら言います



「嵐がくるな・・・・・・きっと
次のバスが来るまで君らが濡れずにいられるか
試してみるのもいいかもな」


その顔を見て愕然とするエンポリオ
そう、この顔もまたよく見知っている顔
登場したばかりの頃は女だったはずの顔

エンポリオが声も出ずに驚いていると、また一人見知った人物が車から顔を出します



「乗りなよぼうや
怪しいものじゃあないわ
あたしはアイリン 彼の名はアナキスよ」


ジョリーンではなくアイリン
つまり、『ジョジョ』では無いという事でしょうか?
化粧をすると残酷になるという事でしょうか?{そんなワケあるか}



「ママとパパはどうしたの?
あたしたちもこれから父さんのところへ会いに行くのよ
彼・・・ボーイフレンド
どうなるかわからないけど
父さんさえ許してくれれば・・・・・・
結婚するかも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたしたち」


そう言われてアイリンの手に頬擦りするアナキス
変態じみてるところはアナスイとあまり変わらないようです

この偶然にもはや声も出ないエンポリオ



「くそっ本当に嵐がくんのか!?
でも10ドル以上はぜってーに払わね―――っ
それにケープ・カナベラルにも寄ってもらうからな!」


車に乗り込むエルメェス{偽}



「あなた名前は?
ほら乗りなさいって!
お金なんてとらないんだから
ふるえてるわよ 寒いの?」


自分の上着をエンポリオにかけようとするアイリン
その背中には、ジョースターの血統の証である星型の痣が・・・

その痣を見たエンポリオは、たった一言の言葉を繰り返す



「エンポリオです・・・・・・」

「え?」

「エンポリオ
ぼくの名前は・・・・・・・・・

ぼくの名前はエンポリオです」


もう一度出会えた仲間に
自分だけは覚えている別人の仲間に
もう一度覚えてもらうために、自分の名を告げる

そして一向を乗せた車はケープ・カナベラルへ向かう
すると、雨の向こうにヒッチハイカーが立っているのが見える



「あ! 見てヒッチハイカーよ!!」

「もう乗せないからな
十分だよ2人で・・・・・・・・・」

「嵐が来るっていったのあんたよ!
停めなさいよカワイソーだって!」


そして、止まった車に駆け寄るのは
誰が見ても分かる特徴的な帽子を被ったあの男
彼を乗せ、彼らは再び走り出すのでしょう。運命の旅を・・・





JOJOの奇妙な冒険PART6
ストーン・オーシャン



はい、唐突な最終回でした
この情報が流れた時、ネット界は激震しました
編集部と揉めたためだとか、荒木先生が連載に疲れたからだとか
最萌えトーナメントのジョジョキャラの活躍に荒木先生がキレたからだとか

私もショックでした
しかし、このラストには納得しました
まぁ、賛否両論で否定派の方が多いでしょう
でもこれは第六部の終わり方としてある意味ベストです

そりゃ、鬼面組{夢}オチじゃねーかとか
この場合の承太郎はDIOを倒してないのか?とか
ジョルノはDIOの息子なのに結局ケープ・カナベラルに来なかったのかとか















この場合フーファイターズはミジンコのままジョリーン達の友人になる事さえ無いんじゃないかとか


まぁ、エンポリオが覚えているのでそれはいいでしょう

確かに一見バットエンドっぽい印象がありますが
この終わり方は、以前の刑務所内での夢オチとは違います

第六部は、人と人が出会う『運命』の物語でした
そして、『天国への階段』の能力を完成させた神父は
前の世界で承太郎達を殺す事で、彼らの運命を断ち切ろうとしました
しかし、彼らは別人となり、姿を変えてこの世界に、エンポリオの前に再び姿を現しました

ジョースターの『運命』を断ち切ろうとしたのは、DIOの『運命』を受け継いだ神父
しかし、DIOの『悪の運命』ではジョースターの『正義の運命』を断ち切る事は出来なかったのです

運命の絆は繋がったままだった
『人間賛歌』がテーマであるジョジョにおいて
これほど明確な勝利は無いであろうと思います
まぁ、少年漫画としては地味な事この上無い勝利ですが

まぁ、『天国への階段』はDIOが神父に託した『運命』なのだから
エンポリオがジョリーンに託された『運命』で決着をつけたのも納得の展開です

たった一人でもエンポリオが覚えているのならば
正義の運命が悪の運命を凌駕した事実を知る者がいるのならば
第六部は決して『夢オチ』では無く、意味のある戦いだったのだと思います

『正義の運命』は新しい未来を掴んだ
そして脈々と『正義の運命』を繋げていくのでしょう
ジョリーンは、運命で固められた『石の海』から抜け出したのです

じゃあ第七部はどんな展開になるのでしょうか?
ここである意味DIOとの因縁断ち切っちゃったみたいな感じですし

でも第七部が始まらなきゃ困りますし
いや何が困るって、昂ぶる私の心が困る
荒木先生も『スティール・ボール・ラン』が次回作と言ってますし
これが第七部になるんじゃないかな〜、とか思っているんですけど・・・
そうなると、『ジョジョ』じゃなくなった『アイリン』はどういう位置付けになるのかと
『アイリン』だから『アイアイの奇妙な冒険』とかだったら、かなり嫌な感じなんですが

ともかく、荒木先生お疲れ様でした
自作、『スティール・ボール・ラン』を期待しています