範馬刃牙
第76話「拳の果て」
今週もバキとオリバの殴り合いは続きます
バキ君は100キロも重いオリバさんを力技だけで圧倒しています
もう物理法則もマイケルの助言もガン無視です。力こそパワーだ!!
「ワカっていることが一つある
オリバに勝つ それは―――・・・・
技術で勝つ―――――・・・・・・
頭脳で勝つ――――――・・・・・・
違う・・・・・・どっちも違う・・・ッッ
オリバに勝つ・・・って そういうことじゃない
100キロも重いオリバに勝つ
それは―――腕力で・・・・・・」
まぁ、口プロレスでは勝ってましたけど、
バキ君的にはやはり相手の土俵で勝つ事が重要なようです
地上最強の腕力の持ち主相手に腕力で勝つ
それでこそ本当に「勝った」と言えるのでしょう
死刑囚で散々迷走した勝ち負けの定義よりはよほど分かりやすくていいですね
というか、そのご立派な思想をなんで数年前に言ってくれなかったのか
あの時は死刑囚達にフルボッコされた後、
SEXして毒を食らって死に掛けてただけじゃない!!
・・・・・・2行にまとめると、つくづく主人公のあらすじじゃないなぁ
ともかく、主人公の立ち位置からスピンアウトしかけてたバキ君も、
少年誌の王道らしく自分よりも圧倒的に筋量のあるオリバに対し真っ向勝負です
漢の戦いに理屈は要らないとばかりにオリバに渾身の一打を次々と叩き込みます
剛体術すら無効にできるオリバが、バキ君の攻撃を受けて鼻血を迸らせながら押されていきます
「真正面から・・・・・・・・・
真正面だけ・・・・・・・・・
防御げずに・・・・・・真後ろへ・・・・・・・・・
押し切る・・・・・・ッッ 向こうの壁へ 壁の向こうへ」
なんか小宇宙が燃えているような感じでオリバさんへの五連撃を放ち、
そのまま足場を踏み壊すほどのパワーでオリバさんごと壁に向けて突貫しようとします
とことん真正面から殴り倒すことだけを望んでいるバキ君
オリバの『先』を見据え、乗り越えようとする主人公らしい戦い方です
まぁ、もしかしたら以前壁をぶち抜かれた恨みを晴らそうとしてるだけかもしれませんが
「誰が言うともなく・・・・・・・・・
全員が帽子をとっていました」
いつの間にか、ボブさん達も帽子を取って戦闘に見入っていました
あれ? 貴方達、この戦いがスゴすぎて見られなかったはずでは?
もしこの作品が所長による探偵物だったら供述の矛盾を指摘されてしまいます
相手がコナンだったらこの時点で犯人扱いされて色々と質問責めにされるとこですよ!
結局、ボブさん達は
「家族で見るドラマに出てきた濡れ場に対し、
いきなり興味をなくして目をそらしたかのように見せて、
実は横目でしっかり見ている中学生男子」のように熱心に見入っています
しかし、それもある意味無理からぬこと
花山さんに魅入った片平巡査のように、
たとえ看守であっても、たとえ相手が犯罪者であっても
「男の戦い」というものにやはり男はあこがれてしまうサガなのです
たとえ「なんで剛体術利かないような相手にフツーの攻撃が利いてるんだ?」と思っても、
それが「男の戦い」だと言われれば、納得せざるを得ない遺伝子が我々にはあるのです
いいじゃないですか、原理なんかよく分からなくても
範馬の血があればSEXしただけでパワーアップする事もできるし、
鬼の貌が浮かべば全体重が拳にかかった一撃より重い連撃が放てるんですよ
原理は分からないけど、なんとかなってるものなんていくらでもありますしね
ほら、飛行機だって実は飛ぶ原理が完全に解明されたわけじゃないって言うじゃないですか
この世には沢山の、夢を織る機械があるんですよ!
些細な事は気にせず、この男の戦いを見届けるのが正しい楽しみ方でしょう
よしよし、無理矢理Fateネタやって自己欺瞞に成功
これでようやく物理法則を気にせずに戦いを楽しめるぜ(もう決着だよ)
「いるんですね・・・・・・ああいう男が
あるんですね・・・・・・ああいう戦いが
気高くて・・・・・・崇高で・・・・・・おかしがたく・・・
跪きたくなるような・・・・・・」
ボコボコにされながらも進み続けるバキ君に、
ボブさん達も思わず帽子を脱いじゃうぐらい敬意を評しています
マイケルなんか、下手すりゃパンツまで脱いでるかもしれません
前回、必死に叫んでおきながら魂の叫びを無視され、
今週はただ呆けたように戦いを見守るだけのピエロっぷり
いるんですね・・・・・・ああいう男が
あるんですね・・・・・・ああいう戦いが
気高くて(その割りにすぐヘタレて)・・・・・・
崇高で(持ち上げられて落とされて)・・・・・・
おかしがたく(でもみんなにイジられて)・・・・・・
ネタにしたくなるような・・・・・・
来週も、戦いの決着とマイケルの行く末から目が離せません
(後者に対しては、見て見ぬふりをする情けが虎眼流の門弟にもあると思う)