範馬刃牙
第62話「弱者」

全裸で手錠をかけられた上に、
尿をかけられても相手をあざ笑い大爆笑する主人公


・・・そりゃ『餓狼伝』のゲームには出れんわなぁ


ある意味、SAGAでなくても15禁ぐらいの迫力です

心臓が弱い人にはお勧めできないかもしれません



「楽しませてくれるぜアンタ・・・・・・・・・・・・」


オリバさんを虚仮にするため、
散々っぱら罵倒した挙句まだネチネチ言葉責めを繰り返すバキ君

・・・とりあえず相手を否定する事だけを言って、いきなりキレて脅したり
小馬鹿にしたように笑い出して「自分の方がレベルが高いんだ」と感じさせようとしたり


・・・小学生の口喧嘩みてぇな事してますねホント


ちょっとちょっとバキ君。私は確かに「幼年編の頃のテンションを思い出せ」とは常々言いましたが、


誰も精神年齢を幼年に戻せなんて言ってませんよ?


むしろ幼年編より酷くなってる気もします

そんなバキ君の幼稚な罵倒でも、意外と繊細なオリバさんにとってはナイフのように心を鋭く抉っているようです


ぬいぐるみみたいに目を見開きながら、
ただ黙ってバキ君の罵倒に耳を傾けています

いや、もうそのまま黙って蹴っちゃってもいいと思いますよ?


バキ君、なんだか某鞍馬君のように

自分の背負ってるハンディを相手に見せ付ければ攻撃できないなんて思い込んでそうですし


もしくはアレだ。尿じゃ喜ぶだけだから今度はオリバダイナマイトだ(必殺技名は暗喩

いきなりズボンを下ろして尻を向ければ、流石のバキ君もひるむかも知れません

あるいは、デズムの『死神の便意』のように口を開くパフォーマンスで受けて立つかもしれませんが


・・・・・・あれ? なんで後者の対応をしてる姿しか思い浮かばないんだろ?



「ハハハハハハハ
笑わねェのかいミスターアンチェインッッ
笑えねェのかいミスターアンチェインッッ
ハハハハハハハハハハハハ」


うん、もう読者も笑えないと思います

なんだこのヘルシングに悪役として出てきそうな笑い方する男


尿ですっかりハイになっちゃってる様子の主人公はさておき、
いきなり場面は切り替わってオリバさんが10万カロリーを摂取する場面になります

ホテルの一室のような豪華な牢獄で刑務所員をサービス係にしながらの優雅な食事です

しかし、こんな豪華な食事を前にしてもオリバさんは浮かぬ顔で黙って食卓を見つめるだけです


バキ君の事はうやむやにしたまま食事するために戻ってきちゃったんでしょうか?

そんなに気分が晴れないなら、あの時点でボコボコにするなり罰を与えればよかったのに・・・



「あの・・・ミスター・・・・・・・・・
せっかくの海亀のスープでございます
どうか冷めないうちに・・・」




え? バキ君スープにされたの?(そんなわけあるか)


※意味が分からない人は「海亀のスープ」で調べて下さい
微妙に怖い話系のネタなので直リンクなどはやめておきます


いや、オリバさんの気持ちは大変よく分かります
世の中には刑罰としての食人を行う風習もあるとの事ですし

(Q:なんでこっちは直リンクを張るんですか?

A:うちのサイトの読者の一部にとって確実な需要があるからです)


いっそ食ってしまうというのは正しい行動かもしれません

・・・主人公が食われて終わるってのもZOO1以上に斬新な最終回だろうなぁ


「ミスター ご覧を
掘り出し物でございます」



すっかりホスト役が板についてしまっている所員さん
XX年のロマネコンティというどこの世紀末救世主時代の酒だ
高級車一台分の値打ちがある高級酒をオリバさんにお勧めします


そして以後、7ページに渡って続けられるオリバさんのワイン評


・・・私は流石に『今週の神の雫』とか『今週のソムリエール』をやってるわけじゃないので割愛します


と言うかオリバさん

なんで少年誌でそんな城アラキが原作書いてそうなワイン評してるんですか


せっかくの少年誌なんだからもっとはじけたリアクションしないと!

復活した鉄鍋のジャンなんて、タンタンメン食った人が顔面中の穴から体液迸らせながら勃起してたんですよ!?


オリバさんもせっかくの筋肉を生かして、
美味しいものを食べたら筋肉が膨張するとかすればいいのに

最近は、寿司職人ですら鎖帷子を着ながら寿司を握る時代なんですよ!!?(そんなの坂巻だけだ)


そんな地味に高級ワインを評したオリバさん
しかし、本当に美味しい食事も、たった一人で、しかも嫌な気分でして楽しめるわけがありませn



「しかしだ・・・・・・・・・
この葡萄を発酵させた液体のどこに――――
10ドルで売られる手頃なワインの10000倍もの価値がある
ウマさはせいぜい19倍 喜びもせいぜいが22倍」
 


そう言うとオリバさん、ワイン瓶の口に思い切り平手をぶつけ、
圧縮した空気を送り込んで瓶を粉々に粉砕させてしまいました

10万キロカロリーの食事も高級ワインをまぶされて無惨の一言になってしまいました


・・・・・・えーと、別にバキ君を活躍させる事に不満は無いのですが、


その前提として、元々魅力的なキャラを貶めるのはどうかと思うんですけど


いくらバキ君にムカついてるからって、その一言は野暮の極みですぜオリバさん

ワインの質を0.1倍美味くするために生涯かけるようなワイン農家の皆様もいらっしゃるわけで
それに大金を払うと言うのは、彼らの仕事に敬意を払うという事に他ならないと思うんですけれども

(まぁ、日本人――エコノミックアニマル――が言うなってツッコミ受けたらそれまでなんですが)


効率だけ考えて食事したり生きてたって人生楽しくないなんて
きょうび小学生にだって分かる事だと思うんですけど
まぁ、差別的な見方すればこの辺がアメリカ人の気質なのでしょうか

値打ちだけで物事が計れるんなら、かの国ではさぞカロリーメイトが売れてるんでしょうね


筋肉や恋人への愛を語る傍らでこんな狭量な行動されると流石に戸惑います


そんなブラックモードに入ってしまったオリバさん
破壊された瓶を握り締めたまま、ダークな表情で所員達に命じます



「所長を呼べ」


不満を持ったまま食事を終えたオリバさん・・・いえ、オリ原雄山は所長を呼びつけます

美味しんぼの海原先生は、
最初はとことん嫌なキャラとして登場したものの、
話を重ねるごとにどんどん人間的な度量の深さが増していき、
最終的には主人公がただ逆恨みしてるだけの偉大な父親になりましたが


オリ原先生の場合は逆パターンで、
これからどんどん嫌な敵役になっていくんでしょうか?



オリ原「マイケル! 馬鹿どもに自由を与えるなっ!!

マイケル所長「ははっ!」


・・・これはこれで見たいような絶対見たくないような


ともかく、刑務所全体を巻き込んでの制裁が始まりそうな予感です

その頃、当の主人公は老囚人に手ずから水を飲ませてもらっている真っ最中です



「スマンなバキ・・・・・・・・・
氷を用意したいところなんだが・・・・・・・・・・・・・・・」

「うンめェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


『最高級ワインに満足せぬ者と
たった一杯の水に感嘆する者・・・。
絡んだ運命の糸は、もう解けない。』
 


と、今週はとことんオリバさんをダシにしました主人公

正直、ここら辺の「自己満足最優先理論」は、嫌いじゃないんですが


死刑囚編の終盤を思い出すのであまり流れ的に歓迎できない部分があります


大体、ナンバー1がオンリー1に引け目感じるのは
そりゃアンタが優れてるから感じる謂れの無い罪悪感みたいなもんだから考えたら負けだと思います


とりあえずバキ君の場合、尿を浴びてから身体を拭いてもらえたかどうかが気になります


もしかしたら、「尿で肌が黄色くなって、これがほんとの黄色人種
と言うネタができるようになってるかもしれません(しねぇよ)