範馬刃牙
第59話「追う者、追われる者」

昔の人は言いました


バカにバカって言われるのが一番ムカつく



と、言うワケで前回開き直ってオリバさんに「飯食って出直してこい」と叫んだバキ君

挑発ならこれ以上ムカつく挑発もそうは無いと思いますね
なんせ、読んでる読者ですらムカついてるぐらいですもん。何様だこいつ(主人公様だよ)


オリバさんへのこの暴言に、
腰ぎんちゃくである所長も声にならない悲鳴をあげます



「(ミスターアンチェインに対しなんてことをッッッ)」


この後にくるであろう大爆発を予想し、慌てふためく所長と看守の皆さん

当のオリバさんは、バキ君の暴言を反芻しながら顔面に血管を浮き上がらせていきます


ば、爆発しちゃうよオリバさん!


なんだかこのまま弾けて内側から溢れる肉で刑務所を押しつぶしてしまいそうです


ただのアンチェインからパワーアップして「はじけるアンチェイン」に変身しそうな勢いです(『YES! アンチェイン5』)


そんな爆発寸前のオリバさんを前に、
バキ君はちょっとビビリ入りながらもニヤリと笑います
正直、このままぶん殴られても自業自得以外の何者でもないのですが

ここでしたり顔しながら身構えると言う事は、
一応、バキ君の目的としてはオリバさんを怒らせて本気で向かってこさせる事にあったのでしょうか?

なら、前回わざわざ「出直してこい」とか言わなくても、
あのまま普通にバトルが始まりそうだったようなものなんですが

どうも挑発というよりは無意味に相手を怒らせようとしてるだけって気がします


果たしてバキ君はこのまま自分の蒔いた種で身を滅ぼしてしまうのか?

さぁ、いよいよオリバさんが爆発してバキに襲い掛かるぞ! ・・・と、思いきや


「ナルホド・・・君の言う通りだ」


ば、爆発しないのかよ!


今までノリノリでキレそうになっておきながら、結局キレない

最近はノリツッコミが主流になっていた板垣先生ですが、

ここで新たな大技「ノリツッコまず」の開眼に至ったようです


自分ではツッコまずに読者に思わずツッコませる呼吸は流石に超知力の持ち主です(関係無い)


そしてあのままメガンテを唱えそうなぐらいはじける寸前だったオリバさん

急にマリアさんとSAGAを終えた後のような透明な笑顔になってバキ君に語りかけます


「わたしはまだ朝食をすませてなかった
これはうかつと言うべきだろう・・・・・・・・・・・・
貴重なアドバイスだったよ」



あくまで大人の態度で接しようと言うオリバさん

まぁ、バカにバカって言われてバカって言い返す方がバカですしねー

ここは幼稚園児におじさんと言われたお兄さんのように余裕を持って返すのが大人です


しかし、根拠の無い自信を振りかざして調子に乗るのが若さの特権

バキ君、オリバさんが「いい大人がガキに踊らされたくない」だけだとその余裕ある態度を批判します


・・・そりゃ、誰だってガキの挑発でマジギレして
自分の品性貶めたくないから冷静さを保とうとは努力ぐらいするでしょうよ

逆に言うなら、自分がガキだって事を承知で大人をおちょくろうとする開き直りぶりもどうなのか



なんかもー居直り強盗みたいですね主人公


こう言う事を言ってる少年が、
「僕は未成年様だぞ!」って叫んで犯罪犯してアテルイ2世にぶん殴られるんですよ



「どーしたんだバキくん
わたしはただ朝食をとり忘れたと言っているだけなんだよ
元祖とか新参とか・・・・・・ヘンだぞ今日のバキくん(はぁと)」



・・・人間、あんまり怒りがこみ上げ過ぎると急に泣いたり笑い出したりしますよね・・・


アメリカンな態度の裏にマグマの如く煮え立ったオリバさんの怒りが見えそうです

怒りをかみ殺しながらフランクにバキ君の肩に手を置くオリバさんですが、
バキ君はその手を振り払うと、どうでも良さげに言い放ちます



「いいよもう・・・・・・
自分が自由なのか不自由なのかなんて
俺にとっちゃど〜〜でもいいことだ
自分こそが世界一の自由人だとカン違いしてるオッさんに教えたかっただけ」



まぁ、妄想の世界に生きるバキ君にとってはどこにいたって大して不自由は無さそうですが


つまりこれはこう言う事ですか

今まで散々みんなに迷惑かけまくって起こしたこの脱走騒ぎも、


全てはオリバさんへの嫌がらせのためだったと


バキ君、口ぶりは謙虚に「オリバが世界一不自由なら、俺は二番目に不自由でいい」

って感じに語っておりますが、迷惑度合いで言うならある意味オリバさん超えています


こう言う人を電子ドラッグでも惑わされない真の犯罪者と呼ぶのでしょうか


なんかもう、オリバさんと戦うためと言うより
本格的にオリバさんを怒らせるためだけに行動しています

マリアさんと添い寝してた頃からバキ君のこの計画は始まってたんでしょうか?


もしかしたら、一人だけ彼女とラブラブなオリバさんを心の底から妬んでる可能性があります


しかし、それならバキ君が何の脈絡も無く突然オリバさん並のパワーアップができても納得ができます

なんせ、オリバさんの愛に対抗できる力があるとすれば、

一人身の男がバカップルを憎む心だけだと思いますから


これでバキ君がまだ童貞だったらさらにポイントが高かったんですけどね(何がだ)



「帰ろうや所長」


散々オリバさんをコケにしてから所長を引き連れて帰ろうとするバキ君

所長も、このままここにいたらまたとばっちりを食うと思ったのか、素直にバキ君に従います



「バカバカしい・・・・・・・・・・・・・・・
世界一自由でなければ自由を感じられない・・・・・・って

なんて不自由な男だい
カワイソ・・・・・・・・・」



皮肉の言い方だけは地上最強レベルに近づいているバキ君

かつて勇次郎がボッシュ大統領に言った皮肉に似た台詞を浴びせてその場を去ります


確かに、オリバさんは自分以外のアンチェインを許さない狭量な部分があります
アイアムbPで無ければ気がすまないアメリカ人的気質かも知れませんが、
それでもバキ君の一言は真実としてオリバさんの心に深く突き刺さってしまったようです


いっそここで

「お前なんか「時期が来た」とか言いつつ


結局アレコレ言い訳して親父との戦い延び延びにしてるじゃねーか


とでも核心突いてやって、泥沼の口喧嘩に持ち込んでも良かったと思いますが(良いワケが無い)


バキ君の一言がよほどこたえたのか、オリバさんはそのまま固まったように動かなくなります


「あ・・・あの・・・ミスター
これ・・・・・・車庫に入れときますネ」



重い沈黙に耐えかねたのか、
気をきかせてオリバさんに声をかける看守さん


パニックアクション映画だと、二番目ぐらいに死ぬ役どころです


するとオリバさん、なんだか能面のような表情でその言葉に反応し、
自分でバイクを車庫に入れようとしてハンドルを握り締めます

そしてそのまま動かなくなる事数秒間

またまたたまらず「あの・・・」と声をかける看守さん

よっぽどこう言う沈黙が苦手なんでしょうか


次の瞬間、バイクを車庫まで思い切りぶん投げるオリバさん!



「とっ替えようと思ってたンだ
新車にしといてくれ」


いつものワガママですが、なんだか表情に冴えがありません

とてつもない怒りをかみ殺しているかのような、嵐の前の凪のような表情です


今にもこのままのそのそ刑務所に歩いていき、
主人公の頭掴んで壁に向かって思い切りぶん投げて

まったく同じ表情で


「とっ替えようと思ってたンだ
新主人公にしといてくれ」



と言い出しかねないような恐ろしさを感じます


とりあえず、今後はオリバさんがバキ君にどう接するかですね

正直、このままボコボコにしても世論が許すと思うのですが


流石に大人気ないと言うか、この場でここまで見逃しておいて
後で直接暴力を振るいに行くと言うのもなんか行動としてそぐわない気がするので

オリバさんがバキ君に対してどのような行動を取るのか、気になりますね


いっそ、箱詰めにして日本に送り返しちまうとかでもいいかも知れません

ホラ、中国編の時もなんか色々とうやむやになって帰国してましたし


そう言う星の下に生まれた主人公だと思えば納得です(しちゃ駄目だろそれは)



しかしまぁ、オルビムでも寄生してるのか? ってぐらい調子こいてるバキ君


いっそ天罰でもあたった方が見てて爽快感がありそうな気もしますが

ここら辺で何か主人公の面目躍如できるような行動でもしてくれるんでしょうか?


なんか、前に看守を助けてあげたちょっといい話も、
今回の生意気発言でプラマイ0になってしまった感がありますし

そもそも、あの時点でちょっと因縁ができたようなゲバルとも
すっかり忘れられたまま別れる事になってしまいましたしねー


・・・ひょっとして、ゲバルさんに無視されてグレちゃってるんでしょうかバキ君


それでオリバさんには相手にされたくて、
必死に強がって挑発してみせてるんでしょうか?


まぁ、それはそれでとても駄目なツンデレって気もしますが


とりあえず、今週で一番気になったのは、本誌の表紙でバキ君がお笑い軍団に包囲されてる構図



何故か真上にヘイトがいた事ですね



・・・ギ、ギャグ漫画?(一切理解できそうにないものを見たような目で)