範馬刃牙
第55話「脱走」
朝起きたら、ゲバルの寝床である清掃箱は空でした
同室の人達もゲバルさんが清掃箱から出たところを見てはいなかったようです
そして清掃箱の中には便箋が残されていただけ・・・
なるほど。これはつまりアレですか。刑務所的には大問題ですね
気絶してた重症患者清掃箱に押し込めたんかお前ら
やっぱりイジメですよこれ
きっと清掃箱にはセットで牛乳拭いた後の雑巾も詰め込まれました
そりゃゲバルも脱走しちゃうって話ですよ!(そんな話では無い)
看守さんは焦り気味ですけど、むしろ脱走の方がいいんじゃないですかね
後でゲバル国に加藤みたいな表情のゲバルが詰め込まれた清掃箱が届けられ、
全島民が復讐のためにアリゾナ刑務所に集結する、とかって展開になるよりはまだ平和的ですし
でもまぁ、ゲバルさんも手紙書く余力もあった事ですし、わりと元気なようです
残された便箋はオリバさんとマリアさん宛てと言う事でオリバさんが呼ばれます
まぁ、勝手に来たのかも知れませんが。看守にオリバさんを呼びつける度胸も権限も無さそうですし
便箋を開けると、中には100ゲバル通貨が入ってました
「紙幣だな
奴の島の通貨じゃねェか」
・・・ツッコむところはそこだけでいいんですかミスター?
ここまであからさまに権力者が自己主張しちゃってる貨幣って、
私はペリカ以外には知らないんですけど
この金って、きちんと流通してるんですかね?
レートが気になるところですが、1ゲバルは何ドルなんしょうか?
なんか、ゲバルの気分でレートが変動しそうなんですけど。大丈夫か世界経済
あと、島の子供達は絶対このお札を使ってゲバルさんを笑わせていると思います
意味が分からない人は、お札の肖像を山折り谷折りでジグザグに折り曲げてみましょう
「・・・こ・・・ッ
こんなものをいつの間に・・・・・・」
オリバさん達がゲバル札に注目してる間、
一応仕事はきちんとやる看守の皆さんは清掃箱の中に、
コンクリートをぶち抜いて作られた大穴がある事を発見します
どうやら、休んでる間に直立不動の姿勢からこんな穴掘ってたようです
・・・地球拳に引き続き、技の謎ばかり置き土産にしていきますねゲバルさん
まぁ、普通に考えたらロッカー開けてこそこそ作業してたと思うんでしょうが、
それだと流石に同室の連中はその事を知ってるはずでしょうし、やっぱり直立したまま掘ったんでしょうか
「アンタ等への親切さ
堂々と表門から出ようと思えば
楽々と出られる力を持つ男だ
だがそれをやっちゃアンタ等の顔が立たん
門から歩いて出る受刑者を「見ない振りしていました」とは言えんわなァ
だから脱走たのだ
「見ない振り」よりは「気付かなかった」のほうが処分ははるかに軽い
奴なりの配慮だ ありがたく受け取ってやれ」
ゲバルさんのこの気遣いに、看守の皆さんも複雑な表情です
多分、心情的にはカツアゲされた後で電車賃だけ返して貰ったって感じに近いんでしょう
と言うか、看守への気遣いで脱走するのはいいんですけど、
大統領に前科がついたままって事態の収拾はどうつける気なんでしょうか?
「どーしたもんかね これ」
「刑務所ではモチロンアメリカ本土でも使用えない」
「ナルホドね・・・・・・」
「使用える場所はこの世で一つ」
「招待状ですねこれは」
「フフ・・・使用いたいなら島まで来いってか」
「行くんですか・・・・・・・・・?」
「ン〜〜〜・・・・・・今日はいいかな」
部屋にいる連中が一言ずつコメントしながら、
和やかな雰囲気の中でオリバさんは「いつか」の招待を受けます
何気にマイケルだけ喋ってませんが、まぁ最後の「行くんですか」がマイケルかも知れません
いや、別にマイケルはいいんですよ。マイケルはいつもこうなので特に問題はありません
問題は、なんか妙に清々しい笑顔をオリバさんに向けてる主人公様の方でして
・・・バキ君は、一言だけでも出番があった事がそんなに誇らしいのでしょうか?
ちょっとバキ君! 何似非爽やかぶってんですか!
あんた、ゲバルさんからすっかり存在忘れられてますよ?
すっかり背景が似合うキャラになっちゃって!
刑務所に入ってからあンた変わっちまったよ! 昔のあンたはもっとギラギラしてた!!
・・・まぁ、一昔前からこんな感じだったってのはともかく
ゲバルさんはあっさり脱走してましたが、バキ君はどうやってここを出るんでしょうかね
このままオリバへの挑戦を待ち続けて、
気付いたらすっかり刑期をまっとうしちゃったって展開もありそうです
バキ君は色んな意味で再出発を頑張るべきだと思います
そして所変わってゲバル国では、森林伐採が行われていました
他の作業員がチェーンソーで大木を切り倒してる中、何故か蔓に絡まれた斧が突き立つ木が一本
と、そこにその斧を力強く握り締める男が現れます
そう、アリゾナ刑務所を脱獄してきた大統領、ゲバルさんです
そのまま何事も無かったように伐採を続けようとするゲバルを、島のみんなが温かく出迎えます
「どこ行ってたンですかボスゥ」
「1か月のトイレは長すぎだッつーの・・・」
「斧も刺さったままで」
どうやらゲバルさんは伐採作業の途中でフラリといなくなったようですね
そりゃ仲間も心配するってもんですが、まぁ1か月のトイレぐらいならなんとか我慢できますね
世の中には、二ヶ月のSEXに及ぶ主人公もいる事ですしね
SAGAはある意味猥褻物陳列罪でしたし、それに比べれば1か月のトイレなんて!
ともかく、ゲバルさんがいきなり1か月も留守にした理由は、
どうやら休憩時間に仲間達とオリバが「アメリカでイチバン強えぇ」って話になり、
ふと思い立ったからそのままアリゾナ刑務所に向かってしまったようです
「エ〜〜ッッッ 行ったンすかアメリカッッ」
囚人達も驚いてましたが、確かに驚きです
1か月前に思い立って、どうやって刑務所に入ったのかとか
そもそも、壷を渡した少年はどうやってアメリカ行きを知ったのかとか
どこのエスパーですかあの少年
「・・・・・・・・・で・・・どーでした ビスケット・オリバ・・・・・・・・・・・・?」
「うん・・・・・・強かったよ・・・・・・」
「・・・・・・・・・で 勝っちゃったと」
「イヤ・・・」
「ア―――ッ」
微妙に答え難い質問ですが、ゲバルさんは気にしてないようで
そのまま負けた報告をしようとした瞬間、ハゲがいきなり何事か叫びだします
「こいつ また子供産まれたンすよ しかも双子ッ」
「え・・・双子・・・・・・・・・ってオマエ
たしか・・・・・・・・・・・・何人目?」
「9人・・・・・・へへ・・・」
「カ〜〜〜〜作りすぎじゃね!?」
どうやら、アメリカ最強の男との勝負の行方より、仲間の子宝の方が重要なようです
そのまま身内の世間話に興じる大統領。もう一国の大統領って言うかあさひが丘の大統領って感じです
アットホームでおおらかなゲバル国の様子を中継しつつ、
問題が何一つ解決していないアリゾナ刑務所編の次回に続きます
まぁ、バキ君がどうなるのか、もう予想するのも疲れたので大人しく次回を待ちます
とりあえず、ゲバル国はとても平和そうなので、
ゲバル食い目当ての観光者が突然訪れない事を祈ります
勇次郎とオリバが同時にゲバル国に行ってオリバに迷惑かけると、
なんかエリートヤンキー三郎でよく見かける光景になりそうで可哀想ですし