範馬刃牙
第246話「教育」
日本中が震撼する、緊迫の範馬家の食卓です
これは日本中の食卓が鬱になりながら見る磯野家の食卓よりもデンジャラスです
食事時なのに、彼らから一般人を守って立ちつくす自衛官の皆さんも大変ですね
どうしても他人に迷惑をかけずにはいられない生物達だけど、和やかに食事は続いているようです
もしかしたら、様子を見に来たジャック兄さんが通りの向こうでうろうろしてるかもしれませんが、
今のところ親子の団欒は上手くいっているようです
「(襲いかかり 殺傷し 仕留め 食す
それがオーガ!! 範馬勇次郎という男ではなかったのか・・・!!?
手に入れる―――とは奪うこと
それが範馬勇次郎ではなかったのか!!?)」
勇次郎の会釈という行為に、衝撃を受けるバキ君
まぁ、勇次郎もなんだかんだ言ってただの野蛮人ではありません
ただ腕力で全ての物事を解決できちゃうからしてるだけであって、
別に望んで腕力による解決を優先しているわけではありません
闘争以外の目的を達成するには、別に闘争という手段を選びたがっているのではないのでしょう
きっと、勇次郎が勝手に略奪行為を行わないように、
ストライダムさんあたりが勇次郎の望みそうなものは事前に手に入れて
素早く勇次郎にお供えできるように色々と手をまわしてるんでしょうね
勇次郎も多分、それをよしとしているんでしょう
それが勇次郎が日々略奪をおこなってない理由の気がします
もしかしたら、勇次郎がよくバーとかで飲んでる時も、
お会計になったらいつでもストライダムさんがすっ飛んできて、
代わりにお代を払ってくれる仕様になっているのかもしれません
なんか、バブル期の女王様に貢いでる男みたいですねストライダムさん
(勝手に境遇を決めつけて同情するな)
「(「いただきます」―――!!?
いったい何に頭を下げたのだ!!?
両親・・・!? 食材となった生き物・・・・・・!?
そこに関わった人々・・・・・・!? それ等全て・・・!?
その・・・・・・どれでもない・・・!?
お・・・・・・ッッ 俺・・・・・・!? まさかの俺ェ!!?)」
確かに、勇次郎は感謝どころか、顔射もしなさそうな直情人間っぽいのに
一体誰に頭を下げたのかというのは興味深い問題です
たとえばストライダムさんがいくら勇次郎のために骨を折っても、
「いつもありがとうストライダム」と、ストさんをねぎらう勇次郎の姿なんて想像できません
むしろ、感謝された瞬間、ストさんはビックリして心臓麻痺を起こすんじゃないかってぐらいです
両親に頭を下げたってのもなさそうです
なんせ、外伝では赤ん坊でありながら母親に授乳を強制させた男です
そう考えると、食材への感謝という線が一番ありそうな気がしますね
バキ君の「まさかの俺ェ」はちょっと自意識過剰な気がしますが
バキ君もなんだかんだで、自意識がやたら肥大してるような気がします
「なっちゃいない」
「え!!! ・・・・・・え?」
「漫然と口に物を運ぶな
何を前にし―――何を食べているのかを意識しろ
それが命喰う者に課せられた責任―――義務と知れ」
「・・・・・・・・・ハイ」
そして怒られるバキ君
食事をする時は食事に集中しろ。ありがたいお言葉です
きっと、バキ君が食事中に携帯をイジりだしたら、その場で鉄拳制裁です
食事時にテレビを見るのも、ひょっとしたらNGかもしれません
夕食時にサザエさんを見ようとしたら、テレビごと頭を叩き割られるかもしれません
でも、食べ始めにバキ君が会釈しなくてもそれは咎めませんでしたし、
マナーに厳しい教育パパというわけではないのかもしれませんね
食事時に会釈しなかったからと勇次郎が怒って、
バキ君にそれが反発する形で親子喧嘩が始まるというのはアリかもしれませんが、
その場合、どう考えてもバキ君が悪役だしなぁ・・・
「(な・・・・・・なんてマトモな事を・・・ッッ
一分一厘 反論の余地もない・・・!!!
この人をたくさん考えた
この人の多くを憎悪んだ
この人を超越えようと強くなった
この人を知ろうとし 確かな成長を遂げた
なのにどうだ 今さら―――今さら俺は自身に驚いている
俺は一体 この人の何を知っているというのだろう)」
勇次郎がまともな事を言っているという事実に衝撃を受けるバキ君
やっぱり、SAGA直前の「喰らって喰らって喰らい尽せッ!」とかには反論したかったんでしょうか?
とりあえず、今まで知らなかった勇次郎の一面を知ってショックを受けるバキ君
なんか展開が親子の団欒というよりラブコメっぽい言い回しですがそれはさておいて
でもまぁ、世間一般の家庭でも息子は父親の事はよく知らんものですよ
私も、父親の事は知り尽していたつもりでも、以前父親の部屋の掃除を手伝った時に、
隠してあったホモAVを見つけた時は流石に衝撃を受けましたし
新宿二丁目によく通っているという話を聞いた時もわりとショックでしたね
あと、妹がいきなり妊娠して「父親は八割方今の彼氏だと思う」とか言い出した時もビックリしました
あと、私がこういう家族の恥を嬉々としてサイトのネタにしているのも、
うちの家族はもう「流石にもうしてないだろ」と思ってそうなので、
案外家族の事なんかみんなあまり理解していないもんだと思います
(このサイトの閲覧者が、お前の家族について一番詳しくなりそうなのはどうなんだ)
まぁ、とりあえず読者を一通りドン引きさせたところで感想の続きです
自分からも会話をしてみようという事で、メカブをすすりこむ勇次郎にバキ君が話しかけます
「そのメカブ・・・最近よく食べてるんだ
カラダにいいからね パックだから・・・
色々入ってんだろうけど・・・カラダにいいから・・・・・・」
やたらカラダにいいを強調するバキ君
怪しい通販の健康食品みたいです
なんか、こういう勧められ方をすると逆に引きそうですよね
みのもんたに勧められた食品を他人にまた勧めてるような印象です
ちなみに私は最初にこの台詞を読んだ時、真っ先に思い浮かんだのは
喧嘩商売で金田が十兵衛に下剤入りスープを飲ませようとしたシーンです
(お前は主人公をなんだと思ってそんな連想をするんだ)
「うむ・・・防腐剤・・・着色料・・・保存料・・・
様々な化学物質 身体によかろうハズもない
しかし だからとて健康にいいものだけを採る
これも健全とは言い難い
毒も喰らう栄養も喰らう
両方を共に美味いと感じ―――
血肉に変える度量こそが食には肝要だ」
そして勇次郎はバキ君の「カラダにいいから」理論に対し、
かなり理詰めでまっとうな事を言い出しました
なんでしょうか今日の勇次郎は
ひょっとして、これは勇次郎の皮を被った海原雄山なのでは?
でも、雄山だったらもっと着色料とかを親の仇のようにボロクソに言いそうなので
もしかしたらクッキングパパの方なのかもしれません。ウマいぞ!
「(ヤバい・・・泣きそうだよ
親父が俺にまともな教育をしているッッ
ああ・・・・・・何てステキな裏切りの数々・・・・・・ッッ)」
勇次郎の食育教室に感動するバキ君
まぁ、生まれて初めてされた教育っつったら、コンクリートに投げつけられる事ですからね
順番的に前後してそうですが、範馬家的にはそろそろマナーを教える時期にきたのかもしれません
できればもっとステキに裏切って、ジャック兄さんにも教育してあげればいいんですけど
「(親父が―――あんなにも美しく箸を持つなんて・・・・・・・・・ッッ
あんなにも綺麗に操るなんて・・・・・・・・・ッッ
俺の知らない作法の数々を・・・・・・
俺の親父はスマートに身に付けているッッ
魚って・・・・・・あんなふうに食べるものだったのか・・・
誇らしい・・・・・・初めて親父が―――
まっすぐに誇らしい)」
そして勇次郎は魚を綺麗にバキ君の食べ方汚っ!!
美味しんぼだったら刺殺されるレベルで食べ方が汚いです
ここで、まともな教育を受けていないバキ君のマナー不足が浮き彫りになってしまいました
>戦闘力で負け、人気で負け、知性で負け(語学力や解説を見るに)、そして今回の食事で人間性で負け……
刃牙よ、お前本気で何で勝つ気だ?
なんかもう、ここまで勇次郎が紳士的にふるまうと、
過去の色々な行為はとりあえず置いといて、バキ君が敵役みたいに見えます
というかよく考えると、強くて人気があって知性的でマナーもわきまえている、
勇次郎がBL漫画に出てきそうな完璧超人ぶりなんですが
バキ君は戦闘力だけでも上回る事ができるんでしょうか?
でも、バキ君本人もすでに「勝てなくていい」とか言ってるしなぁ・・・
ともかく、父親の完璧超人ぶりにほれなおした様子のバキ君
しかし、ここでバキ君に当初の野望がメラメラと萌えだします
「だから・・・・・・だからこそ言ってみたい!!!
”親父ィ・・・・・・・・・今日は洗い物やってくんね!!?”」
言ってみるか・・・そんな事も・・・!
父親が誇らしいのと洗い物とどういう関係があるか分かりませんが、
もしかしたら「今の親父なら洗ってくれるかも!!?」って発想があるのでしょうか?
これでOKされたら父親が洗い物をやってくれる姿を見れるし、
断られたら力づくだってんで親子喧嘩になる。バキ君的にはどう転んでもオイシイ展開ですね
いっそ、洗い物をOKしてもらえたら、親子で風呂に入って
「次は背中を洗って」なんていう注文をしてみる事もできそうです
次週は、ついに勇次郎とバキ君が激突するんでしょうか?
でも、このちょっと威圧されてる状態のバキ君だと、
「嫌だよ。お前が洗え」とか言われたら、
「……だよね」とか言って自分で洗いに行くかも
(どんだけヘタレなんだよ)