範馬刃牙
第209話「喧嘩勧誘」
さて、今週も喧嘩勧誘と書いてナンパと読む、達人のみなさんの日常シリーズです
正直、『喧嘩勧誘』と書いてイジメと読むのが正解だと思うんですが
ヤクザやら街の喧嘩自慢をボッコボコにして潤う達人の皆さん
こんな達人が幾人もいるかと思うと、日本の治安が不安になりますが、
そりゃピクルが東京に潜んでても違和感無いですよね。こんな修羅場メイカーどもがうろついてちゃ
そして、煽りでも
『徳川の口から、栗谷川へ闘技者の日常が語られる。
達人・渋川剛気は心に眠る殺生本能を街の喧嘩で日々抑え込んでいたが…!!?』
と、どう聞いても達人とは思えない日常をまとめられています
心に眠る殺生本能て。なんでこの人と柳さんの立場が逆になってなかったの?
そしてそんな違法達人の渋川先生
路地裏でハァハァと息をきらせていますが、
無事に逃げ切った事を確信すると、自嘲気味に笑います
「(ヘッ そのうち捕まっちまうぜ
こんなこと繰り返してちゃよう・・・・・・・・・)」
うん、渋川先生はね。もっと被害者の心配をした方がいいんですが
つくづく最凶死刑囚達とあんまり変わらん存在になってますね渋川先生
と言うか、そんな喧嘩がしたいならしたいもの同士で潰しあってれば一番いいと思うんですが、
その喧嘩したい者同士が出会うと、決まって酒を飲むだけといういいお友達ぶりなのが世間の迷惑なところです
そして渋川先生が暴力を楽しんでいる間、同じように街をぶらつく達人がいます
「はァ!? タツジンやってンだオッさん」
「うん・・・・・・まァ・・・・・・
カラテ・・・・・だけどね・・・・・・」
独歩ちゃんの獲物は、チャラい若者のようです
おい、この人達は本当に戦いの場が無いから餓えてこんな事してんだよな?
ヤクザや若者が嫌いだから狩ってるわけじゃないよな?
つーか、個人的に喧嘩がしたいならお互い同士ぶつかり合うなり、
門下生でも稽古と称してボコボコにしてればいいんじゃないかと思いますが、
立場のある人間に限って、こういう違法行為に手を染めて悦に入るのはなんなのでしょうか?
やっぱり、武人である以前に根っからの喧嘩屋なんだなこの人達……
「どっちかっつーとアレだ
相撲か柔道っつー体形じゃね?」
「相撲 柔道はド突けない」
「ド突き合いしたいんだオッさん」
「もういい歳じゃん」
「ド突き合いは好きじゃない
ド突くのが好き・・・・・・一方的にね」
最悪だこのおっさん
弟子がこういう事を言ったらむしろボコボコにする立場がこのおっさんだと思うんですが
たとえば、私が空手道場に入った後、師範と会話して
師範「なんで空手やってるの?」
私「相撲や柔道はド突けないからです」
師範「……ド突き合いしたいの?」
私「ド突き合いは好きじゃない
ド突くのが好き・・・・・・一方的にね」
一方的にド突き回されると思います
この人、そりゃ克巳が早々と館長継ぐわってぐらい人間ができてません
と言うか、素人にこんな事言って喧嘩売りだす達人ってのもどうかと思いますが、
まぁ、この世界の人達って強さを磨いて心を鍛えるんじゃなくて、
強さを磨いたら心の赴くままに行動するような人達が99%を占めてるので、
ある意味、今更な事なのかもしれません。もう神心会幹部のみんなも、諦めてるんだろうな・・・
そして笑いながらもあくまで威圧的に接し、喧嘩を売っていく独歩先生
あくまで人のいるところでやってるのも、正当防衛の御免状が欲しいからなのでしょうか
まぁ、虎殺しレベルの腕があって、素人と殴り合って正当防衛が勝ちとれるかは甚だ疑問ですが
もしかしたら弁護士や検察にも神心会の人達がいて、無罪を勝ち取れる確信があるのかもしれませんね
・・・・・・暴力団より先にこいつら取り締まれよポリスメン
とにかく若者相手にバリバリ喧嘩を売っていく愚地先生
私が弟子だったら、この姿見て泣きながら退会届を書くレベルなんですが
そうとは知らない若者二人は、笑いながら愚地先生の喧嘩を買ってしまいます
「じゃあオッさんアレだ
喧嘩強ェえんだ」
「ん〜〜〜・・・・・・
喧嘩に至っては神の領域だね」
あんたの手は空手で神の手って呼ばれてんだよ
そんな街の喧嘩屋として使ってていいレベルの手じゃないんだよ!!
なんで私がこんな才能あるチンピラにかける声みたいな事言ってるのか知りませんが、
これで倒した相手に「これが空手だ。覚えたかったら教えてやるぜ」とでも言えばそれなりにカッコイイんですが、
この人の場合、殴り倒したら殴り倒したでそのままほっぽって行くだろうからなぁ……
「オッさん 俺ら一応不良やってて
喧嘩上等なんだけど・・・・・・
喧嘩する・・・・・・? 俺らと」
あぁ、ついに犠牲者が出てしまうのか……
そう思った時、「やめとき」と忠告してくれる謎のハゲが現れます
いや、現れるって言うかさっきからちょいちょいコマの端に映って微妙に目立ってたんですが
何者でしょうかこのおっさん。ひょっとして、変装した寂海王か!!?
しかし、その偽寂さんの忠告も虚しく、不良達は律儀に勘定をすませ、喧嘩を開始します
そして、相手からの一撃を待っている独歩ちゃんに無防備に近付いてしまいます
「なにしてンのオッさん
始まっちまったぜ ケンカ」
何も知らずに近付いていく哀れな犠牲者
あぁ、この未来ある若者も理不尽中年にボコボコにされてしまうのか・・・?
しかし、独歩ちゃんに叩きのめされるはずだったその青年は、
隣から伸びてきた別の拳によって吹き飛ばされてしまった!!
「ハゲはねェだろ」
ここで新キャラ! ハゲのおっさんの乱入だ!!
じゃあ、劣化寂海王と呼んでいいのかと聞けば、呼んだ瞬間殴られると思いますが、
どう考えても正当防衛にはならない言いがかりで殴りかかった後、
もう一人も軽々と投げ飛ばすと、頭から落として耳の横を踏みつけます
別に最後の踏みつけは要らない気はしますが、お前にはやるぞと言う独歩ちゃんへの威嚇でしょうか
と言うかこのハゲも、受け身が取れないようにして後頭部から投げるとか、
人でなし(グラップラー)サイドの人間のようですね
そして夜の公園で向かい合う二人のハゲ
ハゲとハゲ、毛が無く済むはずの無い死闘の幕開けです
月が浮かんでるのも、思わずどっちかの頭かと思ってしまいました
(二人がかりでボコボコにされるぞお前)
「ひでぇなアンタ・・・・・・
あの2人 もうオチてたのによ」
独歩先生的には、「この不良、”陥落(オチ)”た!!」と確信する状態だったようです
それを横取りされて、しかし独歩ちゃんは怒る様子でもなくニヤニヤと笑いながら言います
まぁ、この人も一方的にド突けるなら誰でも良さそうですしね
一般人ならせめてハンデ作れよとか思わないでもないですけど、
ハンデつけたら一方的にド突けないですしね。ある程度強くて、一方的にド突けるのが理想なのでしょう
「タチが悪いにもほどがある
街の喧嘩自慢相手に腕を振るうレベルではないハズだ
愚地独歩さん」
「おたくは・・・・・・・・・?」
「心瞑活殺流 船井零」
「どうやら・・・・・ツイてるようだな今夜は・・・」
お前も武術経験者なのかよ。じゃあタチが悪いのも一緒だよ
どうやらこの人も、喧嘩相手を求める餓えたグラップラーの一人のようです
既存キャラでさえ大変なのに、新しいキャラまでうろうろしてるんだから大変です
RPGみたいに、武器持ってうろついてれば自然とグラップラーに絡まれ(エンカウントし)そうです
とにかく夜の公園に武術家が二人なので勝負でしょう
独歩が「ぼちぼち始め……」と言いかけた瞬間、船井の奇襲攻撃が放たれる!!
頭を低くして、地面に片手をついての回し蹴り
相手にはまるで消えたようにも見える必殺の一撃でしょう
しかし、隻眼の独歩ちゃんはそれがみえていたかのように身を沈めて構えの照準を合わせます
「(やべェよなァ・・・・・・
たまたま今宵 好敵手に恵まれただけ・・・・・・
こんなブランド物は そうそう出逢えるものじゃない
やべェよなぁ・・・・・・)」
そう考えながら独歩ちゃんが放ったのは、さわやか中指一本拳人中打ち
やべェのはあんたの頭の中身だ
かの名作『神聖モテモテ王国』でも「死にます。」と注釈のつけられた伝説の大技を放つ独歩ちゃん
ちなみに、本誌にも載ってる解説文によると、
『人中(痛急所)
頭部 正中線に存在する最大の急所の一つ
直角に強打
仮死または殺傷可
行動を完全に停止 あるいは昏睡状態に陥らせる
(活法による回生 可)』
殺す気で打ってるぞこのおっさん
何が問題かって、グラップラー相手に放ったこの必殺の一撃
下手をすれば、ただの不良相手に打ちこんでいた可能性があった事です
『バキ』の序盤だけを読んでいた読者にすぐこのシーンを見せれば、
「なんで独歩も最凶死刑囚になってるの?」と質問されそうです
と言うか、回生可って書いてあるけど、蘇生させる気がさらさらないぞこのメガネハゲ
「(一般人相手の喧嘩三昧・・・・・・
そのうちブッ殺しちまうぜ・・・
こんなことを繰り返してちゃよう・・・)」
もう捕まえちゃった方が日本国民のためだよこの人達
とりあえず、若者達が連続で殴り殺される事件が起きたら独歩ちゃんが犯人って事で
徳川さんの言ってた戦いの場が、本気で社会貢献の場であった事を実感させながら次回に続きます
と言うか、克巳さんへ。この超タチの悪い徘徊老人を止めてやれよ