範馬刃牙
第197話「堂に入る」
烈先生がボクシングジムでチャンピオン相手に大暴れだ!!
ほんと、何がしたいんでしょうこの人
陸奥九十九みたいに、『中国拳法でヘビー級世界チャンピオンを目指す』とかやるんでしょうか?
そう言えば、前に大擂台賽が外部参加者に滅茶苦茶にされました
その報復に、まさか中国拳法による世界中の格闘大会を侵略するつもりでしょうか?
まずは、アイアン・マイケルを海王軍団でフルボッコにしてみるとか
刑務所を脱走しようとするマイケルの前に、十八海王が立ちはだかる!!(参考動画)
そしたら、椅子を使う攻撃ならプロレスラーが最強だと猪狩が参戦してきたりして(何の連鎖だ)
まぁ、復讐の連鎖は非常に虚しいので、烈先生には前向きな目的があると信じましょう
今は、前を向き過ぎてとてもとても失礼な事を先輩にしてるわけですが
拳児の世界なら、トニー・譚みたいな扱いされそうなぐらい礼を逸してる烈先生
スパーリングを申し込むチャンピオンに、あんたじゃ無理だと駄目だししてます。ほんとあんた何しに来たんだ
「彼ではダメですッッ
キケンすぎるッッ」
評価は正しいんですが、正しい事をそのまま言う事は正しい事ではないのが人の世の常
と言うか、チャンピオン捕まえて彼ではダメとか言ってると、
烈先生がスパーするにはアライパパでも連れてくるしか無くなるんですけど
サンドバッグ叩いてコーチング受けるだけなら、ジムに入門せずに
神心会みたいに外部コーチでも呼べば良かったのに。ほんとこの人何しに来てるんだ
「でけェ声でオマエ・・・・・・
アホかァ・・・・・・」
はい、極めて正論のツッコミが入りましたー
せめてコーチに耳打ちするぐらいならまだ可愛げがあるのに
仮にも世界戦を目前にした東洋太平洋チャンピオン相手に「こいつ弱いからダメ」宣言
これでキレないのは、幕ノ内一歩ぐらいだと思うんですけど烈先生はどうもそう思ってないみたいです
そう、烈先生はこれでも克巳に問答無用で喧嘩売った時よりは成長してるのです
次の一言からは、烈先生のそんな『成長』の様子が見てとれます
「武術を甘く見てはいけない」
はい、どうやらこれは烈先生なりの優しさ発言だったようですね
上から目線で、『忠告』をしてくれました
どうも烈先生的には、あくまで親切で言ってあげてるみたいです
あんたじゃ危険だよと、武術を甘く見てはいけないよと、
ボクシング入門二日目の自分が東洋太平洋チャンピオンに諭してあげるよと、
そんな優しさが込められた一言だったみたいですね。流石烈先生!!
自分がやられたら血管キレるまでブチギレるだろうくせにね
とりあえず、この超ツンデレのツンモードは無意識的に大迷惑なレベルで周囲に影響するようです
「誰かグローブ嵌めてやんな」
「知らんぞ 止められんぞもう
言うまでもないッ ボクシングと拳法は違う
甘く見てるのはおめェの方なんだよッッ」
そして、いい加減チャンプもブチギレます
キレなければもう玉無しってレベルで挑発されてたんで仕方ないですけど
ただ、コーチもその発言はいかがなものでしょう
ただでさえ噛まされるのが決定してるチャンプなのに、
その噛ませレベルを上げるような後押し発言をしなくてもいいのに
「拳法の兄ちゃん 蹴飛ばしてもいいぞ
使用えんだろ? キック・・・・・・」
「オ・・・・・・オイ麻仁・・・ッッ」
そしてチャンプもここまで負けフラグ立てんでもえぇのに
路上じゃなくリングの上で最強なのがボクサーなのに、そんな安い挑発しちゃダメでしょ!!
ここでさらにキックなんか使われたら、あの纏足キックを尻の穴にねじ込まれるのがオチですよ!!
まぁ、それぐらいキレても無理からぬぐらい挑発されてるのですが
そして、そんなチャンピオンの言葉に答え、軽やかにリングに飛び乗って言います
「ボクシングをやりたいのではないのか?
無論 蹴る気はない 蹴る必要もない
それでもなおッ あなたではキケンだと云っているッッ」
おい、誰か物には言い方があるってこの人に教えてやれよ
もう完全に、神心会を厄介払いされたからこのジムに寄生しに来たようにしか思えません
まさか、あの汗スプリンクラーのせいで追い出されちゃって、道場に代わる密閉空間を求めてきたんでしょうか
烈先生は親切で言ってるのかもしれませんが、傍から聞いてると道場破りでももうちょっとマシな言い方します
「あちゃあ・・・・・・」
「どうしたオマエら
さっさと用意しねェから
いつまでもくっちゃべってンだろうがァッッ」
理不尽なキレ方の矛先が、他の後輩達に向いた!!
まぁ、いつまでもくっちゃべってて話が進まないというのは同意ですが
できれば、それを主人公にも聞かせてあげたかった(巻き込むな)
「コーチ さきほどあなたは
ボクシングと拳法は違うと言われた
それは間違いだ 拳を使用する以上はボクシングもまた拳法ッッ
しかも・・・・・・不完全な」
言っちゃうか・・・そんな事も・・・!
出ました。定期的に出る「ボクサー不完全説」です
まぁ、中国拳法でも突きをメインにする武術はありますし、
ボクサーにも蹴り技はあるとバキ君も変な目ぇしながら言ってましたが、
突きをメインにする翻子拳も、蹴り技を学んで弱点をカバーしますし、
一つの技を磨くにしても、ボクシングほどそれが極端な格闘技も無いでしょう
「その根拠を――
今からお見せしよう・・・・・・」
そして、結局勝負を受けるんですから理不尽な話ですが、
それを烈先生は実地で証明してくれるようです
そしてここから、恒例の未来トークが始まります
「(「堂に入る」という言葉がある
コーチを務める深町元一(46)氏は後に―――
月刊ボクシングマガジン誌でこう述べている
”イヤな予感がした”・・・・・・と
「構え」が堂に入っていた・・・・・・と)」
雑誌でなんて事口走ってんでしょうかこのコーチ
ちょっと! このチャンプ、あんたのとこのスター選手よ!!?
その人がぼろ負けした話をそんなボクシング通のルミナ君の耳にも入るような経路に乗せなくてもいいのに
それとも、これからは烈先生をスター選手として売り出すつもりなんでしょうか?
でもこの人、雑誌のインタビューとかで
「私はボクサーではなく中国拳法家だ
ちなみに、この拳法は私が臨時コーチをしている神心会で学べるゾ!」
とか、空気読まないコメントしそうですよね
烈先生の目的は、そうやってボクシング人口をさらに減らす作戦なんでしょうか?
「(麻仁も理解ったと思いますよ
出られなかったですもん・・・・・・前に
烈ですか? 動きません ハイ 一歩もです
麻仁ですか? ええ 困ったと思いますよ
どんな予感があろうが打つのがボクシングですから)」
男には、噛まされると分かっていても仕掛けなければならない時がある
フットワークもクソも無い烈先生の行動に、チャンプもたじたじです
思い切り踏み込んで、ただ撃つだけという烈先生の狙いが丸見えですが、
それだけにチャンプも動けません。本来なら、そういう動きの鈍い相手を
素早い足さばきで翻弄して、撃たれる前に撃つのがボクシングのはずですが、
それを実行するには烈先生の構えはあまりにも『堂に入って』いたのです
「(ハーフタイム(一分間)を過ぎたあたりでした
麻仁の戦略が決定ったのです 完璧なものでした
ツー・ワンツー いきなり右から わたしも同じ戦略でした)」
そして、ついに噛ませ犬が仕掛ける!!
撃たれる前に撃つべく、いきなり右からの一撃
最初の一撃を制してから、必殺のワンツーで仕留める
しかし、戦略でどうにかなる事とどうにもならない事があります
「ええ・・・・・・その通りです・・・
止めりゃよかったンですよねェ・・・・・・
始めから・・・・・・)」
烈先生の義足が、リングマットを破るほどに強く踏みこまれ・・・
「(文句のつけようがありません
とてもボクシングと言えるシロモノじゃありませんでしたが・・・・・・
それは間違いで・・・そんなボクシングを私らが知らなかっただけですから・・・・・・)」
はい、予定調和の一撃KOでした
ほんと何しにここまで来たんだよこの人
チャンプを真っ向からKOしておいて、烈先生が何を学びたいのかは謎ですが、
どうもそのスタイルを見る限り、フットワークとか手数の素早さとかそういうものではない気がします
まぁ、そのスタイルを改善するための何かを学びに来たのかもしれませんが、
これでただ単に「新しい刺激が欲しかっただけ」だったらボクシング界は怒っていいと思います
ともかく、最近『拳児』読み返したばっかなんでちょっと中国拳法について(にわか乙)
前にも言いましたが、突きと言えば中国拳法です
地面を蹴る力をそのまま拳に乗せるのが中国拳法の突きなので、
今週烈先生が見せたように、フットワークもクソも無く最速最短最強の一撃を見舞います
ボクシング漫画で『満腹ボクサー徳川』と言う漫画が昔あったのですが、
あの漫画で出てきたエコノミーラインという概念も、中国拳法には存在します
その詳細はちょっとよく思い出せませんが、ボクシングを不完全と言い切れるぐらいには中国拳法は突きに精通しています
たとえば有名な話ですが、突きで有名な翻子拳なんかは、
モハメド・アリがその拳法を絶賛したと言う逸話が残っているぐらいです
ただ、ボクシングはそこでスポーツ医学的に『パンチ』のみを突きつめました
階級別に分け、カウントや3ノックダウンなどのルールを導入する事で『打ち合い』を念頭に入れ、
素早く動き、素早く当てる。フットワークやコンビネーションを洗練させたのが近代ボクシングだと言えます
もしかしたら、烈先生は近代ボクシングの思想を学ぶ事で、
素早さを磨いた、新しい拳法をつくろうとしているのかもしれません
日本人は、たとえば剣道では示現流や新陰流など、一流派のみを専門に学ぶのが当たり前みたいに考えてますが、
中国拳法の場合、複数の拳法の技を学んで新しく発展させるのはむしろ当たり前のように行われてきた事です
まぁ、違う流派を学ぶ、と言うのは語弊がありますがとにかく中国拳法は数百の流派があるので、
余所の拳法の長所をパクる、あるいは長所が流出しないように秘匿する事に関してはとても熱心でした
まぁ、だからこそ克巳も烈を招いて中国拳法をパクリまくろうとしたんでしょうが
烈先生も、この機会にボクシングの奥義をパクりまくろうとしてるんでしょうか?
もしくは、ボクシングに中国拳法の技術を取り入れさせて、
ボクシング界を中国拳法で席巻するつもりなのでしょうか?
烈先生の意図が読めませんが、来週はせめてチャンプがこれ以上恥を上塗りしないように祈ります
あと、じっちゃんの夢はどうなってるんでしょうか?
じらされると、あの爺ちゃんの事だから期待よりも不安が募るなー