範馬刃牙 
第194話「特殊能力」
 



バキ君は基本的に、一人で修業するシーンばかりが写ります

それに対して、勇次郎はわりとよく他の人達とお酒飲んだり世間話してるシーンが写ります


父親との戦いは復讐ではないと認識を新たにしたバキ君ですが、



もし勝てても、復讐を果たしたのと同じぐらい何も残らない気がします


まぁ、世間話する相手としても相手は性格歪みまくった爺さんなので、

勇次郎の交友関係もあまり恵まれたものではないのかもしれません。この爺さん、話くどいし



「ケンコーシンダンン!!?
勇次郎・・・・・・おぬし・・・・・・
わしの健康を気遣っておるのか・・・・・・?」

「アホウ 世間話の延長だ」
 



というか、そもそも勇次郎はなんのためにここに来たんでしょうか

他に話し相手もいなさそうな年寄りの世間話につきあうために来てあげたんでしょうか?


息子が完全自己完結型に育ったせいで、デレを向ける矛先に困っているとか

まさか優しく接して遺産をもらおうってわけでもないでしょうに(それは勇次郎なら暴力で奪えるし


真相は分かりませんが、勇次郎のこの突然のデレ行為に、じっちゃんのリアクションはまず盛大な溜息



「なんとお優しいことよ・・・
我が子から国家権力 果ては軍隊に至るまで
対立概念の一切に差別なしッ」

「わかった もういい」
 



何が言いたいのかよく分からないフリですが、


とりあえずジジイがくどいイヤミ言いだした事だけは理解したのか、


会話を終わらせようとする勇次郎。だが、ジジイのターンはまだ終わっちゃいないぜ!!



「だからこその”OGRE”ッ
範馬勇次郎ではなかったのか!!?
それをまァ・・・この老いぼれに健康の心配とは・・・・・・
勇次郎 ヤキが回ったかッッ」

「爺ィ・・・」

「興醒めじゃ」

「その辺にしておけ」

「シラけたぞ勇次郎」
 



茶を飲みながら、タバコを吸いながら、ねっちりじっくりと罵倒する爺ちゃん


身体の心配してもらっといてこの態度はほんとどうなんだろう


相変わらず、人として大事なものが欠けちゃってる爺さんです

そろそろ殴って黙らせた方がいいんじゃないかって気がしてきますね


つーかそもそもこの爺さん、


なんでこんな、好きな声優が結婚したみたいなキレ方してるんでしょうか?



クリスマスには、声優の皆さんが彼氏と過ごして無いかチェックしてそうですね

どうも勇次郎に妙な幻想を抱いていて、それを暴走させちゃってるようです。痛いファンと同じですね


きっと最近のRPGで敵ボスにも同情する余地があるみたいな展開になると、

「ボスだったら『面白いから』って理由だけで妊婦の腹裂いて赤ん坊取り出したりせんかい」とかキレたりするんでしょう

(その具体的な意見は、誰の考えを元にしてるんだ?



そんな逆ギレモンスタージジイに、諦めたようにボヤく勇次郎



「聞こえねェか・・・・・」

「聞こえとるわいアホウッ
キサマこそ自分が何を言ったのかワカッとるのか!!?
範馬勇次郎ともあろう者が―――」
 



悪口だけはよく聞こえるお爺ちゃん。健康を気遣ってくれた勇次郎をアホ呼ばわりです

自分こそ、何を言っているのか分かってるんでしょうか。それとも勇次郎と敵対してボコられたいんでしょうか?


そろそろ爺さんが「なんて嫌なジジイなんだ・・・」と勇次郎に抱き殺される頃かなと思っていたら、

突然じっちゃんはキセルを落とし、次の瞬間大量に吐血して前のめりに倒れてしまいます


これは勇次郎が何かしたんでしょうか? そう言われてみれば、

爺さんがぶっ倒れる直前、勇次郎はデスノートを使った月君みたいな笑顔してましたし、

わざわざ日本で親子喧嘩させようとするトンデモ爺さんを始末したんでしょうか?



「言わねェこっちゃねェ
医者を呼んでやれ」
 



しかし、なんだかんだで優しい勇次郎

女中さんに一声かけてから、その場を立ち去ります

医者を呼ぶよりも勇次郎が担いで紅葉の病院行った方が早いでしょうが、流石にそこまでしてあげる義理も無いのでしょうね


私も、この爺さん助けるぐらいだったら遭難してる春巻先生助けに行きます


で、勇次郎がついにこの爺さんに引導渡す気になったのかと思えばそうではありませんでした


そこで今回のタイトルにもあった『特殊能力』です



「(幸か・・・・・・・・・不幸か・・・・・・
戦闘うことに特化しすぎたこの男が―――
気付いていたときには身に付いていた特殊能力・・・・・・
視界に入る者全ての弱点 本人も気付いていない微細な癌細胞から―――
発見に至らぬ虫歯まで―――全ての弱点が急所として―――男の眼に飛びこんでくる!!!)」
 



要するに、ジョジョ6部のサバイバーモードになってるようです


他にも多分、直死の魔眼だのイナズマだのって感想が出てくるでしょうが

勇次郎のパワーでそんなもん突かれたらたまったものではありません


戦いの基本は相手の最も嫌がる事をするものだと色んな人達が言ってましたが、

勇次郎にはその相手の『最も攻められたくない』部分が見えてしまうようです



「(ある時は鍛え抜かれた拳を・・・・・・
ある時は研ぎ澄まされた刃を・・・・・・
ある時は飛び交う弾丸を・・・・・・遂には近代兵器・・・
打ち破り―――叩きのめし―――踏みにじり―――
破壊し―――侮辱み―――嘲笑い・・・・・・
腕力家として一点の翳りもない男の生涯・・・・・・
そんな男の経歴が 精密に造られた聴診器を
高性能のレントゲンを 熟練の外科医を 異能の東洋医学者を
遥かに凌駕る弱点発見能力を―――男の身に纏わせた
幸か・・・・・・・・・不幸か・・・・・・・・・)」
 



そのために、徳川のじっちゃんの健康についても見えてしまったのだそうです

しかしこれは腕力家にとって本当に必要な能力かどうかは分かりませんね


まぁ、リアルシャドーよりはよほど役立つ能力ですが、

眼力ではなく腕力のみに頼るからこその腕力家なのであって、

この眼力は他に生かすべきものがあると思います。なので、勇次郎には今すぐ別の職業についてもらいたいですね






たとえば、東京地検特捜部に協力してみるとか


弱点になりそうな書類とか、一発で見抜いてもらえるかもネ!

まぁ、あんまりそっちの方面に特化し過ぎるとただの嘘喰いになってしまうのですが


でも、リアルシャドーよりはよほど便利そうです

弱点と言えるかどうかは分かりませんが、たとえば突然空爆されたとして、

咄嗟に『爆撃の穴』が見えてそこに逃げ込む事ができれば、近代兵器にも充分対応できます


まぁ、ライフル狙撃は通用するって前提がすでにあるんでどこまで万能な能力か分かりませんが


しかしここでの問題としては、この『幸か不幸か』って台詞の裏がありそうな部分です

今回では、この特殊能力がおもに『病気の部分が分かる』というものだと強調されました


考えられるパターンとしては、いくつかありますが。この不幸の部分が、



1.勇次郎は自分が病気だと知ってしまった



ある意味ベタですが、ラスボスが病気で弱体化する展開。これならバキ君も勝てます

『勇次郎が地上最弱なら自分は二番目に弱くていい』とか言っていましたから、

病床の勇次郎になんの躊躇いもなく剛体術を叩きこむ事でしょう。人としてどうかはさておき


ただ、ここまで長引いた親子喧嘩の決着が片方の病死ってのもどうかと思うのでこれはない方がいいですね



2.バキが病気だと知ってしまった



別に主人公が病死してもそれはそれでいいんですが(いいのか?)


まぁ、以前は毒が裏返ったという妙な前例があったぐらいです

バキ君がいきなり死病にかかって、ウィルスを克服する事で逆にウィルス進化する前振りかもしれません

ウィルス進化、という単語の説明に関してはジョジョの5部参照です。バキ君のリアルシャドーは、スタンド能力だったんだ!



3.弱点が見え過ぎちゃって勝負がつまんない



さっきも言いましたが、勇次郎の真骨頂は腕力です

でもこの特殊能力があったら、勇次郎はその弱点を小突けばいいだけの話です

言わば、相手が素手のグラップラーなのにこっちは鬼が金棒を持っているようなもの


勝負が見え過ぎちゃってつまらない、そんな最強の悲哀があるんでしょうか?

じっちゃんみたいな人に自分の存在を勝手に決め付けられるような、王者の孤独ならぬOgreの孤独があるのかもしれません


ただ、これも「勇次郎が自分のサガを持て余している」という事になるので、

思うままに生きている勇次郎が抱える不幸としては、なんだか不釣り合いな気がします

むしろ、能力があろうとなかろうと気にしないのが勇次郎。じっちゃんがどうキレようと、

好きな時に暴れ、好きな時にデレてこそのOgreです。ヒロインの弱点(デレポイント)だって見えるはず!



4.強過ぎてどうにもならなくなった。作者にとっての不幸



個人的に、これが鉄板だと思います(オイ)

ただでさえ強いのに特殊能力なんて持っちゃってどうするのよ

バキ君を出すと、勝手に「お父さんはすごいや! やっぱり風天組は最高ス!」と弱体化するくせに、

勇次郎は勇次郎で出番があるたびに強くなっていく。作者の手を離れ過ぎてもうどうにもならなくなっちゃった


そんな、作者の嘆きがじっちゃんの吐血となって溢れだしたような回なのかもしれません


そして最後のページ。今週はどんなオチで引っ張るのか、ドキドキしながらめくってみると・・・・・・


そこはボクシングジム。訪れたのは、スポーツボクシングとは不釣り合いなチャイニーズ



「入門の許可を 是非・・・・・・ッッ」

『烈・・・・・・さん・・・・・
突然のボクシング挑戦!?
中国拳法、また捨てるのッ!!?』
 



もう多分、この時点で誰もじっちゃんの事なんか覚えていられなくなったはず


なんであんたがオチをモッてっちゃうんですか烈先生! おかしいですよカテジナさん!!(錯乱中)

片足になったハンデを乗り越えるため、拳技を磨くためにボクシング技術を学ぶつもりなんでしょうか?


どうせだったら、片足カンフーとか編み出して空飛ぶギロチンに戦いを挑めばいいのに(何がだ)

あと、中国拳法にも拳が主体の武術はいくつもあったと言うか、伝統派格闘技は足技よりも手技がメインな気もしますが


それに、ボクシングは大地を蹴る格闘技だとバキ君も言ってたので、足を使わない手技を学ぶ意義も薄そうです

そもそも中国拳法の方が、『地面を蹴る』格闘技としては大先輩ですし。烈先生はボクシングで何を学ぶつもりなんでしょうか?


じっちゃんの生死よりも、来週はどんなツンデレボクシングが飛び出すかが非常に気になりますね


あ、でも烈先生登場のインパクトにも負けず、ちゃんとじっちゃんについてのコメントを送ってくれた人もいたんですよ







>ジジィが死んだ!
天罰ですね(オイ





これが全てなような気がしますね



生まれ変わったら、お金は持ってなくていいから人の心を持って生まれて欲しいものです