範馬刃牙 
第183話「範馬勇次郎/談」
 



とりあえず勇次郎を出せば話が転がるシリーズ第二弾


とりあえず、バキ君が活躍した後は、勇次郎メインの話になります

主人公の残したインパクトを吹き飛ばす、余韻を一切残さない川柳のような表現ですね


まぁ、主人公が何も残さないってのは流石にどうかと思いますけど



「(合衆国アリゾナ州アリゾナ州立刑務所
通称――ブラックペンタゴン
何故ペンタゴン・・・? 建物の形が五角形だから・・・・・・??
イヤイヤそうじゃありません ここには・・・・・・そう・・・・・・
全米中のワル中のワル 犯罪のエリート達が集まるから・・・・・・だそうです)」
 


オリバさんが服役する、ブラックペンタゴンの説明が入りました

ところで、今週のタイトルは「範馬勇次郎/談」でしたけど、


ひょっとしてこの説明文も勇次郎が朗読してるんでしょうか?


(違和感MAXだろ)


ところで、犯罪エリートの集まる場所とされてますが、

アイアン・マイケルも犯罪エリート扱いなんでしょうか?


強くて手がつけられないから、ひとまとめにされたんでしょうか?

そう考えると、どちらかというと、暴力性の高い人ばかりが出てきてる気がしますね


いっそバランスとるために、エリートヤンキー三郎でも収監してみてはどうでしょうか?


それはさておき、ブラックペンタゴンといえばオリバさん

そのオリバさんが、勇次郎の前に立っています



「全米最強かなんか知らんが・・・・・・
受刑者だろオマエさん さすがに取り過ぎだぜ場所」

「ここにあるのはまだ5分の1程度さ」

「訊いちゃいねェ」
 



イマイチ言葉のキャッチボールができてませんが、楽しそうだからいいんでしょう

強者同士ですから、自然とこんな感じで自分の言いたい事を言い合ってる感じになるんでしょうか


オタクの飲み会でよく見られる光景ですね


基本的に、自分の萌えるキャラの話をしていれば会話が上手く転がります(偏見)



「過剰に搭載した筋肉―――図書館並みの蔵書―――
所有する量はそのまま 不安の裏返しにも見て取れる」
 



逆説的になりますが、普段の稽古はいざって時の自信になります

人間、自分が積み重ねたものに自己の成長を投影して満足するものですから


それは勇次郎に言わせれば、「稽古を積まねば自信も持てないのか」という事になるのでしょう


ここら辺、ちょっと花山さんに似てますよね

まぁ、似た部分の考えを持ち出したのはこの後の布石なんでしょうが


ところで気になったのは、ここで勇次郎がグローブをつけている点

こういう手加減的なものは、勇次郎の好むところではないと思うんですけど、

これはオリバさんと「遊んでいる」という意思表示なんでしょうか?

この二人が本気で喧嘩したら、刑務所が廃墟にクラスチェンジしそうですし

二人で仲良く喧嘩する旨を話したら、所長が土下座しながらグローブを渡したのかもしれません



「君の倅である刃牙が―――
例の―――古代人と闘ったそうだが・・・・・・・結果は知ってるだろう
君はあの決着を――どう見る・・・・・・?」
 


とりあえず、話題は息子の事になりました

勇次郎の親馬鹿日誌ぶりは、親友ならご存知でしょうし、

息子の話をしておけば、上手く話が転がるのでしょう。「オタクの飲み会では萌えトークさえしてればいい」理論です(違う)


あと、オリバさんが勇次郎の発言にかぶせなかったのは、

ぶっちゃけ勇次郎もツンデレ気質があっていつも要らん事言うので、

本気で自分を侮辱しているわけではないというのが親友フィーリングでわかってるのかもしれません


息子の方はわりと本気でいつも他人に侮辱発言吐いてばかりですが

なんだかんだで、勇次郎の悪口には温かみがありますよね



「弱者として生まれ落ちた者が―――
純正の強者を追い詰め――ついには格闘技という武器を使用わせた・・・・・・
故に―――弱者の勝利・・・・・・と」
 


とりあえず、花山さん理論を言ってみる勇次郎

発言にかぶせながら突っ込んでいくオリバさん


やっぱり、さっきの不安発言に怒ってるんでしょうか?

それとも、これぐらい仕掛けてもいいだろうという勇次郎への信頼でしょうか



「(なんという不純・・・・・・・なんという穢れ・・・・・・
なんという汚濁り・・・・・・なんという不真面目・・・・・・
感動・・・・・・努力・・・・・・勤勉・・・・・・
それらの装飾は――しばしば 勝負の純正を曇らせる・・・・・・
勝利という単純な結晶を複雑にする・・・・・・)」
 



カウンターの一撃を打ち込み、本棚に突っ込ませながら自分なりの解釈を述べる勇次郎


とりあえず、息子をディスる事は忘れないのは流石ですね

ともかく、勝利云々って概念にはよく哲学が付きまとうものですからね

そもそも勝利ってものが概念の存在なので、定義が不明瞭っていうのはあります


ただまぁ、概念だけに普遍性ってものは当然あります

「誰が見ても勝利」という事象は確かに存在するものです



「打撃勝負じゃ分がワルい・・・」 



崩れた本の中から立ち上がるオリバさん

ところでこれ、後で誰が掃除するんでしょうか?

やっぱり、所員の皆さんが業務としてやらされるんでしょうね


もしかしたら、残業代を発生させないように所長が自ら掃除しに来たりして

オリバさん、案外細かそうだから本の並びがおかしかったら怒られたりするんでしょうね


気苦労の絶えない所長はともかく、今度は勇次郎に手四つの組み合いを挑むオリバさん

純粋に筋肉で勝負しようというのでしょうか。つまりこれは、範馬筋肉VS人類最高峰の筋肉の頂上決戦!!



「決着の際の標高・・・・・・海抜・・・・・・
頭の位置をより高きに置くもの それが勝者!!」
 



グローブごしにオリバさんの手をつかみ、握力で内側からグローブを引き裂いて己が理論を通す勇次郎


膝をつき、地に伏し、余力を残さない者が敗者

実に単純明快な理論です。ある意味、ピクルと同じ野生の論理ですね。ただ、



以前、柳さんをボッコボコにした時に勝敗の判断は各々でつけりゃいいとか言ってた気がするんですが



心情では息子にデレデレしつつ、厳しい評価をつける

パターン的には、のび太のお爺ちゃんに似たタイプのお父さんですね



「や・・・・・・やっぱりね・・・・・・」

「(この時 ビスケット・オリバの頭部
海抜一一0五・八メートルに対し―――
範馬勇次郎の頭部 海抜一一0六・三メートル)」
 



とりあえず、オリバさんとの決着は勇次郎の勝利という事のようです

ところで、オリバさんは何に対して「やっぱりね」と言っているんでしょうか?



やっぱり(このオヤジはツンデレだなぁ)って事でしょうか


しかしなんだかんだで、心情的に一番納得のできる決着の論理ですよね

本人が負けを認めなければ、そりゃ心に負けの屈辱は残らないでしょうが


客観的に見れば、心が折れるよりも膝が折れてる方がよほど分かり易い決着です


カマキリの時も、勇次郎は読者の心を代弁してくれましたし、

勇次郎は正義の味方ではなくとも、読者の味方かもしれません




問題は、ついにオリバさんが噛まされちゃった事ですが



バキ君に負けたって事は、さらに勇次郎にもボコられるフラグでもあります

古くはガイアから始まり、ジャックや大勢のグラップラーも通ってきた洗礼の道です


次は、ピクルあたりも危ないですね。下手すると、

「格闘技なんじゃ覚えるんじゃなかったな」と、素の腕力で屈服させられかねません


オリバさんも、バキ君と絡まなければ勇次郎と対等でいられたのかな・・・・・・(遠い目)


勇次郎の強さとともに、バキ君のサゲチンぶりを改めて感じる回でしたね