範馬刃牙 
第181話「闘争の不文律」
 



ようやく死闘が決着しました



これでピクルがバキ君を食べたら超展開なんですが


ピクルは体育座りをしたまま、虚ろな瞳で足もとの砂を見つめるばかりです


そして気絶したバキ君は、小坊主達によって担架で運ばれていきます

ここだけ見れば、しっかりバキ君が負けて終わりなんですが、審議会から物言いがかかりました



「ご両人・・・・・・動こうとしないピクル
動こうにも動けん刃牙 この状況 お二人はどう見る」
 



みっちゃんは判定を投げました


まぁ、こんだけ引っ張った野人戦争を、

「優勢だったバキ君が調子こいて肉体勝負したら、ピクルに技使われて負けました」では、


地下闘技場のヌシとしてあまりに情けない締めくくりです


なんか、いい感じに締めくくれない? とみっちゃんが二人に無茶振りします



「愚問です
ピクルに攻撃の意思が認められぬとはいえ
生殺与奪が彼にある以上解答は明白 ピクルの勝利です」
 



まぁ、常識的な判断ですよね

そりゃ「負けた方が負けたと思わなければ勝負続行」ですが、

だからってその理論で延々続けると勝者は敗者を殺すか拷問して屈伏させなくちゃ勝負ありにならなくなります


まぁ、実際は地面に這いつくばった時点で自分の負けを認識するものですが

主観はともかく客観的に見れば、より優位な状況にある方を判定勝ちとするのが人間の思考です

人間、他人より金かなんかを多く持ってるかどうかで勝ち組・負け組と分けたがる単純な生き物ですからね


哲学者でもなければ、この決着に疑問を挟む余地はないでしょう

しかし、漢の美学を持った男がその裁定に異を唱えます



「フム・・・・・・ナルホドの 同意見かな 花山の」

「自分は少し違います
技術ってやつぁそもそも
強え者とハリ合うため弱え者が作ったもんです
言い換えりゃ武器だ
ピクルにゃ体格がある 体力がある
その上下さらに 武器を手にするってのは・・・・・・
強く生まれちまった者の不文律 小細工する権利はない」




強くなろうと武器を手にする考えが女々しい


現代に生きる侠客である花山さんの言葉としては納得です

虎は生まれたままに虎だから強い。だから虎に技術や武器を与えようとするのは野暮の極み


美学としては分かります。分かるんですが……



「強者に生まれ落ちた花山薫
いかにもな啖呵じゃのォォォ
視点を変えるならそこまでピクルを追い詰めた刃牙は・・・」

「心情的には勝利としたいところです」
 



それ、百歩譲ってもピクルの負けではあってもバキ君の勝利ではない気が


だってこれ、もしバキ君が「ピクル武器使った! 俺の勝ち!!」とか言い出したら、

花山さんが「そのとウりだ!」とか言い出す姿がまったく想像できないんですけど



>刃牙君が徹頭徹尾真っ向勝負をしかけ続けた末に技を使われて破れたとかならまだ納得の余地が有るんだけどなぁ………………


なんていうかほんと、肝心なところで台無し感を漂わせる子ですよね

散々、妖術だの挑発だの繰り返してて漢理論を使われても……


これがもし花山さんがバキ君の立場だったら、

烈先生が決着言いだした時点で「いや、それは違う!!」と叫びましたが、

バキ君見てると、なんか花山さんをこの勝負に関わらせる事自体が侮辱だと思うの……



というか、そもそもバキ君だってでっかい武器を持ってますもんね



主人公補正&範馬の血という二刀流を



特に後者だけでオリバさんに殴り勝てる筋力を得てるのに、

なんだかんだでピクルにも殴り勝とうと思えるだけの体力を得られてるのに、


そりゃ私だって何も言わずにピクルの左腕をサイコガンに改造したくなるさ



「さすがじゃ・・・・・・
武に生きる烈 侠に生きる花山
共に正しく共に厳しい」
 



と、みっちゃんが締めました

なんかえらく灰色的ですが、まぁ終盤の泥試合ぶりを見てたらある意味似合いの決着かもしれません


とりあえず、なんでこの場にいた解説が烈先生と花山さんだったかには納得できましたね

確かに武と侠という視点を持ってくるには、烈先生と花山さん以上の適任はいないでしょう


これでもし本部さんが「武器を持つのは卑怯だ!」とか言い出したら、


その一言で1年はネタにできるぐらいみんなから突っ込まれると思います



と、言うワケで解説役にこの二人が選ばれた理由は納得できましたね。扱いには納得できませんが


ところで、今週の作者コメント



『三ツ星の料理を「なんとも言えない…」と表現するレポーター。
オマエもかTBS!!』
 



なんでツッコミ待ちしてんの板垣先生?


誘い受けなの? 感想サイト全員からガンガンツッコまれたいの?

まぁ、いろいろ思うところはありますがとにかく決着のようで、ピクルも動きます


意外とピンピンしてるピクルは、足下の砂をすくって握りしめます

砂に染み込んだ、格闘者達の『歴史』を感じ取っているのでしょうか?


そしてそのまま、ふらふらと闘技場を出て去っていきます



「いいのですか 止めなくて」

「放っときゃええ
動物じゃあるまいし」

「慌てるだろうなァ…ペイン博士」
 



ペイン博士は怒っていいと思います


ちょっとじっちゃん! あんまりペイン博士をないがしろにしてると、

気付いたら後ろに注射器持ったペイン博士が立ってるなんて事になりかねませんよ!!


でもまぁ、確かにペイン博士はやや過保護な気もしますね

たとえば、バキ君のフィジカルを長年チェックし続けてきた地下闘技場のメインドクターは



「ま・・・・・・・いつのまにか出かけちまったちゅうことは
異常なしちゅうこっちゃろ アホくさ」
 



どうですかこの注射器を投げ捨てるヤサグレぶり



ペイン博士も、いっそグラップラーなんて非常識な人種にかかわるなら、

これぐらいヤサグレないといけないんですよ!!(それもそれで酷い話だ)


で、失踪した範馬さんちの刃牙君はどこに行ったかというと

高層ビルの屋上、それもピクルが佇む場にいました。流石のストーキング能力です


「傷ついて――・・・・・・ヘコんで落ち込んだとき 見たい景色がある
この辺りだとここがイチバン見晴らしがいい 視界を遮らない
ここからなら――見えるんだろうな有史以前――遥か以前の手付かず・・・・・・
大白亜の絶景が・・・・・・」
 



なんかバキ君にも見えちゃいけないものが見えてるようです


いや、ピクルが妄想で見れる分にはわかるんですが

なんか「スゲ・・・・・・」とか言ってるところを見るとバキ君も視覚を共有してるような

もしかしたら、バキ君のリアルシャドー力が高まって、『SIREN』で言うところの視覚ジャック能力を手に入れたんでしょうか?


まぁ、バキ君もサイレンが鳴ったら生き返るゾンビみたいなもんですからね

とりあえず、見えちゃうものだと納得して話を進めるのが賢いやり方なのでしょう



「センパイ・・・たまには・・・観にきていいかな・・・」 



と、言うワケで。なんか絆が芽生えた風に決着したわけですが

・・・・・やっぱり、勝負の最中の挑発やら妖術やらのお茶濁しのせいでしょうか



このとってつけた感のある友情は



心情的には、決着の寸前に口から毒針を吹いて襲いかかるような敵役が急にタイマン張ったらダチだと言いだすような

なんだか釈然としないものが残ります。まぁ、あまり気にしても仕方ないので、バキ君はそういう子なのだと思って納得するのが一番みたいです


ピクル戦が一段落ついたので、来週からは新展開なんでしょうか?

まぁ、こうなったら次の敵が未来から来た範馬16世でも異世界から来た範馬大魔王でも驚きませんが


ところで、余談ですがこんなコメントがきました



>いつもは「梁山泊 バキ」でググったら一番上だったのに、なぜか今日は8番目でした。

大吉さん………とうとうグーグルにまで警戒されるくらいの何かを………



googleの思惑は知りませんが、試しに私もググってみたら


かもっちさんのサイトの方が上に来ていました



どうやら、グーグル先生的には『梁山泊 大吉』と言えば当サイトの事ではなく、かもっちさんのサイトの事のようです


畜生! なんだよグーグル先生め! なら来週からはかもっちさんが感想書けばいいじゃない!


いっそ来週は、バキ感想のリンクはかもっちさんのサイトに張ってやろうか!!

どうせグーグル先生的には、かもっちさんが封神演義のポジションだったらうちはAKABOSHIなんですよ!!


そりゃめだかBOXや鍵人とどれが先に終わるかでブックメイカーもオッズを出すわ!!


とりあえず、烈先生と花山さんはバキ君の勝敗について判断がわかれましたが、

かもっちさんと私の勝敗については、私の負けという事で一致しそうですね♪


次回以降からの私の範馬刃牙感想のテーマは、どうやってグーグル先生に認めさせるか