範馬刃牙 
第160話「祈り」
 




今週のタイトルを「ブッキー」と読んでしまった人はどれぐらいいるんでしょうか?



(きっと地球上でお前だけだ)


先週、30メートルの高さから落下したバキ君とピクル

ピクルは相変わらずのノーダメージですが、バキ君の様子がおかしいというところで引きました


さて、バキ君は一体どうしてしまったんでしょうか?

リアルシャドーの副作用で、ちょっとした瞬間にも妄想に没頭するようになってしまったのか!!?


(ほとんどナルコレプシーみたいなもんじゃねぇかそれ)



「(やすやすと間合いに・・・ッッ
ええ〜〜〜!!?
すでに失神しちょる??ッッ)」
 



このままあっさり終わってしまうのかと思いきや、

虚ろな目のままバキ君は迫りくるピクルの手を払いのけます


一応、起きてる様子です。では、この状態の意味とは?



「こッッ これがせいいっぱいッッッ
30メートルからの落下のショック
まるで幼い頃 ジャングルジムで
落下したあの時の―――
ブランコから落下したあの時の―――
強烈な蹴りが水月に食い込んだあの時の――
あの呼吸困難の最大級!!
落下によるインパクト
内臓が大混乱を起こしているッッ
横隔膜がせり上がるだけせり上がり―――
肺を押し潰し―――新しい酸素の補給を完全に妨げているッッ」
 



要するに、ピクルにずっとしがみついてたせいで大ダメージ受けてたみたいです

そりゃまぁいくら範馬一族でも30メートルの高さから落ちればダメージ受けますよね


なんでわざわざピクルの自爆落下に付き合ったんでしょうか

上から目線が好きなので、ちょっと高いところに昇りたかったんでしょうか?


それとも、「(今は)これが精一杯」とか言ってるから、



女の子の信じる心が足りないとか言うつもりでしょうか



いや、バキ君は本当に(リアルシャドーで)空を飛んだり、

湖の水を飲み干したりできそうですけど


とりあえず、凄い苦しいって事を数ページかけて説明するバキ君


さらに、口いっぱいに血が逆流し、これをかろうじて飲み下します



「(吐血ッッ
内臓の損傷ッッ
倒れたいッッッ
膝を折ってしまいたいッッ
寝転んでしまいたいッッ
両膝が巨大な岩を支えてるようだ・・・・・・ッッ
潰れちまいたい!!!)」
 



自分の窮地に、巨大な岩がのしかかる様をイメージするバキ君

ちょっとちょっと、駄目ですよそんなネガティブな思考したら


バキ君は、体力測定してても勝手に肉体がローラーをイメージしてしまう特殊体質


下手にリアルな想像をしてしまったら、


本当に幻影の岩が背中にのしかかりかねません


それとも、どM細胞がさらなるダメージを求めて、

わざわざモノローグをフル活用して苦しさを倍増させてるんでしょうか?


どんだけどMなんだよ



「(いかに刃牙さんが強靭とはいえ
あの高さからの落下・・・・・・ッッ
明らかに人類の耐久力外だ)」

「(無事なハズがねェッッ
よくぞ立ったままで・・・・・・ッッ)」
 


烈先生と花山さんも驚愕のダメージです

まぁ、バキ君を人類の範囲に含めていいかは微妙ですが(いいんだよ)


なんか花山さんなら意外と耐えそうな気もするんですけど、

とにかく全員でバキ君のダメージがすごい事を強調しています


そんな大ダメージの中、

戦いの相手に弱みを見せぬようふるまうバキ君

これぞ男の仕事だといわんばかりの大した痩せ我慢です


きっと、梢江ちゃんを寝取られた時も、


こんな感じで必死に耐えてたに違いありません



ひょっとしたら、あまりの精神的ダメージに、

ちょっと口や鼻から吐血が漏れちゃってたかもしれません



「(しかし――野生は見抜いていた
目の前にいるかけがえのない遊び相手が――
一見何事もなく佇んではいても――
それは擬態 その実――重大なダメージを負っている
一見 好戦的に見える立ち姿の本心は―――
こうすることを望んでいる)」
 



ピクルの目に映るのは、
地面をのたうちまわるバキ君の姿でした 

出川やダチョウ倶楽部上島も
裸足で逃げだすような勢いでリアクションしてますね


あと、右下のうずくまってるイメージ映像が、



なんとなく『シグルイ』のちゅぱ右衛門みたいに見えました



「(ピクルッッ
なにをしているッッ
討ち込んでこいッッ
俺は弱ってるぞッッ)」
 



決して命乞いはしないグラップラーの矜持か、
声を出せない状態でもバキ君は戦闘の続行を叫びます


まぁ、すっかりどMキャラとして定着しちゃってるんで、



こういう事叫ばれるとさらなる快感を求めてるようにも見えちゃいます


(そろそろMキャラの代名詞が垣原組長から範馬刃牙に移りつつある)



さて、では何故ピクルが攻撃しないかというと



「(原人は悔いていた・・・
自分は―――やりすぎてしまったのだ
この壊れやすい玩具を――
乱暴に扱い過ぎてしまったのだ・・・・・・
ああ・・・どうか元どおりに―――)」
 



なんとバキ君が誇りを傷付けたかに見えて、
ピクルは壊れた玩具を心配するかのように、祈っていました


この完全なる強者の余裕に、バキ君がブチギレる!!


自分がするのは、いい!


でも、他人から上から目線で接されるのは大嫌いだ!!


(それじゃバキ君、ただの心狭い人だろ



「(敵が――己の為に祈るという屈辱・・・・・・
それを目にしたとき――少年の気位はかろうじて――
空前の肉体的苦痛を上回った)」

「(俺のために―――ッッ
祈ってんじゃねェェッッ)」
 



闘っている相手に、無事を心配して祈られる屈辱

それがバキ君を突き動かすエネルギーとなったようです


読者が「まともに戦ってくれ」と、


十数年祈り続けたパワーは届かなかったようですが、


ともかく主人公はまだまだこんなところでは終わらないようです


戦いを行うために、
まずバキ君はピクルをぺちぺち叩いて挑発しました

次に、ピクルはダメージを受けたバキ君を心配する事で自尊心を傷つけました



これこそまさに互いの誇りを賭けた戦い!

どちらが相手のプライドをズタズタにするかという、心を折る戦い!!


多分、そのうち「おしりペンペン&あっかんべー」や

「お前のかーちゃんでーべーそー」などの大技の押収になるでしょう

小学生の喧嘩じゃねぇんだ


とりあえず、怒らせ方に関しては、

バキ君はわざと相手を怒らせようと振る舞うイヤミキャラタイプなのに対し、


ピクルは善意の行動が相手をイラつかせる天然邪悪キャラなので、


誇りを傷つける度合いとしては若干ピクルに軍配が上がりそうです

例えるなら、ジュン君のデザインノートを勝手に発表して登校拒否に追い込むタイプの人間です


その純粋な悪意に、挑発の天才はどう挑むのか!!?


なんか、どっちも勝って欲しくない気がしてきましたが、

相手は怒らせても読者が怒らないようなスッキリした決着を望みます


ともかく、バキ君とピクルの間では、

いまだ大きな力の差がある事を示すようなエピソードでした


ここからバキ君が逆転するとなると、


また範馬の血二段覚醒とか、

もしくは勇次郎が乱入してうやむやにするぐらいしか思いつきませんが、


果たしてバキ君の命運やいかに!!?


・・・・・・いや、別に「尽きてもいいか」なんて思ってたりはしませんですよ?

(目をそらしながら)