範馬刃牙
第108話「強き父を持つ事」
今回の「野人戦争」編では、
ピクルとの対決を軸にあるテーマについて話が進みます
そのテーマとは、男子一生の本懐である「父親越え」
次代へ向けて、先代よりも先へ進もうとする『生命』において、
決して避けては通りえぬテーマだと言えるでしょう
アオリ文でも、
『溢れ出す 父を超えたいという最も強き想い・・・』
とノリノリで今回の父親超えの話を盛り上げてますからね!
いやぁ、実に楽しみですよ今回の、克己による父親超えは!!
例によって今週の巻頭カラーは内容と一切関係ありません
誰でしたっけねー、この紫色の肌した毒もってそうな子
将来の夢って、お父さんのお嫁さんになるとかそんな感じでしたっけ?
ってか、板垣先生もこの羊頭を掲げて狗肉を売るような紛らわしい表紙については、
きちんと謝罪すべきだと想います。晒し上げられた主人公に対して
イジっといてなんだけど、烈先生とアレだけ男前な掛け合いした主人公が、
ここまで惨めな引き合いに出されるってのは流石に・・・(お前の見方が穿ちすぎなんだよ)
さっ、悲しみにはさようならして今週の内容に行きましょう
「計りかねていた
初めて見るタイプの雄
必死にアプローチしてくる
親し気に近付いてくる
なのにこの雄は―――まるで俺を好きではない」
前回、客引きに捕まったピクル
相手が自分の金だけが目当てってのはわかってるようです
なるほど、言語が理解できないなりに相手の心情を計る能力には長けているようです
コミュニケーション取る相手が恐竜以外にいなさそうだったんですが
どうやって身につけたんでしょうねこの能力?
もしかしたら現代でストライダムさんとの裸コミュニケーションを受けて、
急速に身についた能力なのかもしれませんが
あと、余計なアドバイスですがピクルさんへ。貴方のその能力は、
これから行く店では一切必要ないのでヨロシク
遊びは遊びと割り切れないと楽しくないんですよ?(誰だよ)
「ダイジョーブ
オジさん お兄さんみたいなお友達た〜〜くさん知ってる
今日も明日も明後日も 汗水たらしてのトレーニング
あり余る体力溢れ出る精力
ど〜〜すんの体力 ど〜〜すんの精力
はいキマリッ 3千円ポッキリ
何も足さない何も引かない
ハイ お一人さまごあんな〜〜〜い」
流れるようにスムーズな客引きにより、
一言も発する前にピクルがぼったくりバー(断定)に引き込まれました
このままピクルぼったくりバー編が始まってしまうのか!?
店中の酒飲みつくして一週、ぼったくろうとした組員ボコってまた一週
さらに女の子持ち帰ってピクルSAGA編スタートの負の連鎖が始まるのか!!?
・・・・・・それ、感想書くのヤだなぁ
「ワルいんだけどさ
その兄ちゃん オレの友人なんだわ
カンベンしてもらえね?」
ポロッと本音が漏れたところに、救いの主が現れます
『あなたの後ろに神心会』近所でサンドイッチマンしてた兄ちゃんだ!
しかし、その一言で引き下がるようではぼったくりはできません
「自分とこも組がケツ持ってんだぞ」と言う凄みを言外に持たせつつ、客引きのおっちゃんがすごみます
なんか一筆啓上末路が見えたって感じですが、
ひとまず負けが決まったおっちゃんは置いといてシーンは神心会本部へ
深夜の道場で、電気もつけずに正座をするのはポスト主人公・愚地克己
精神を集中させながら、ピクルが連れて来られるのを待ちわびている様子です
そこへ現れたのは、師であり父親である愚地独歩です
「おやおや」
「稽古も終わった道場
正座なんかして誰を待つ?」
まぁ、それも気にかかるところではありますが、
稽古も終わった道場にフラリとやってくる方もどうなんでしょう?
克己を探してわざわざ足を運んだなら、相変わらずいいお父さんだと想いますけど
「なぜ黙る」
「まさか親父・・・・・・
止めよう・・・・・・ってんじゃないだろうな」
「克己よ・・・
武道家にとって
イチバン大切なことはなんだ
生き延びるってことよ
勝てる相手としか喧嘩しねェ・・・・・・・・・って
おめェじゃ無理なんだよォッッ」
読者全体の気持ちを代弁してくれるお父さん
ただ、読者の心情的には、
「頑張ってるから、死に水ぐらいは取ってやろうよ」
と言う極めてドライなものであったのに対し、
独歩は父親として息子の自殺行為を諌めようとします
お前では、ピクルには勝てないと。喰われるだけだと
暗に俺なら勝てるけどねと
自分が勇次郎へ挑んだ時の方がまだ勝算あったと
独歩はそう言いたいのでしょうか(そこまでは言わねェよ)
父として息子を死地へと向かわせられない
師として弟子を無謀な戦いに挑ませるわけにはいかない
神心会の長としては、克己がいないと下手すりゃ
末堂や加藤がしらっとトップの座につきかねないので困る
最後のが一番深刻そうですが、とにかく独歩は克己を止めます
まぁ、館長としての威を示すためには避けられぬ戦いだと想いますが、
そのために館長を失ってしまっては意味が無いと、独歩が止める気持ちも分かります
勝てる戦いだけえり好みしても、結果「不敗」と言う伝説は残りますし
不要なリスクを排し、それでいて大胆な行動はいつでも取れるのが長の器だと想います
しかし、克己にとってこれはまずその「長の器」を、
他人にではなくまず自分自身に認めさせなければいけない戦いです
「フフ・・・・・・
親父が館長だった頃・・・・・・
支部会議で時には意見がぶつかった
そんな時 親父は決まってこう言うんだ
同じ空手家同士じゃねェか
組手でカタつけようや・・・・・・ってな」
大人気ないな独歩ちゃん
脱衣麻雀ゲームで、女の子が「だったら麻雀で勝負よ!」と言うぐらいの豪腕展開です
まぁ、女の子に脱衣麻雀勝負を挑まれて断れる男子など存在しないでしょうが、
独歩ちゃんのこの発言も、別の意味で断る事ができない提案です
勝っても負けても、ハゲ館長による嬉しくない虎殺しスタイル脱衣がおがめます
どうやら神心会ではとっくに民主主義は死んでしまったようですね
ある意味、ピクルが生きてた時代に合ってる蛮族政治ですが、
まぁ、神心会自体もあちこちの流派に教えを受けたり吸収したりしてる
一種の蛮族国家みたいなものなのである意味このやり方が合ってるのでしょう
ともかく、武道家同士の意見が分かれたのなら、
勝った方のワガママを通すという実に判り易い図式です
この時点で私は、2ページ前の独歩の叫びがリフレインしましたが、
どうやら克己もここは引けない戦いになったようです。自分で自分を縛るの好きだね克己
「ワルいね・・・・・・・・・
先に言わせちゃって」
今まではほとんど父親に逆らわなかった男が、
たった一度己の意思を貫き通すために親父に挑む!
なんか燃える展開です
この世界では偉大なる父親持った男って、
『地獄少女』の依頼対象達並にろくな目に合ってない気がしますが、
克己はここでまさかの父親超えを果たすのでしょうか?
独歩の、「生き残れば勝ち」と言う理論は生物として判ります
しかし、ただ生きるだけではケダモノと同じ
人が生きるには、生きて何かを為さねばならぬと言う
克己の最強伝説黒沢さん理論も同じように判ります
克己は果たして己の意思を通すことができるのか!?
時を同じく、ぼったくり客引きVS神心会(レギオン)
まず、リーダーの兄ちゃんが手刀による棒切りを見せ、
さらに集団で囲む事により相手に圧迫感を与えます
なんでこんなに脅迫が手馴れた集団なんだろう?
最近はこういう仕事が多いので、
マニュアルなんかが作成されてるんでしょうか?
警察にも顔が利く暴力集団・・・・・・
そのうち、ギャンブルの取立てとかも担当しそうですね(どこの賭郎だ)
「ワカってもらえました?
うちらの気持ち
遊びじゃねェんスよこっちも
ここはどうか・・・・・・」
「たかが客一人のハナシだ
そこまで言うならしょうがねェ
連れてきな」
「恩に着ます
次に来るときは客として」
急に礼儀正しくなる見事な暴力交渉
脅した相手と親しくなろうとする高等技術です
なんか烈や昂昇みたいに、こっち方面の顧問も呼んで学んでそうですね
ただ、ここはぼったくりバー(まだ断定)なので、
本当にキッチリ3千円しか払わなさそうな集団に来られても逆に迷惑だと思います
そしてそのままピクルを神心会本部まで連行しようとしたとき、
ワニ皮の靴を履いた謎の男によって遮られます
「よォ」
喧嘩師花山薫参上
突然現れた超A級の暴力に、
流石の神心会も怯んでいる様子
客引きのお兄さんも、もちろん揉み手でご挨拶
一応、ピクルっぽい知り合いがいたのは本当のようです
「強ええんだって・・・・・・?」
外野を無視してピクルに声をかける花山さん
ここでまさかの喧嘩ヤクザVS原人の幕が切って落とされるのでしょうか?
しかし克己だと、「烈先生が負けたんだから、お前じゃ無理」と素直に思えるのに、
その克己に敗北経験のある花山さんの場合は、
花山さんなら或いはピクルに・・・!
と思わせてくれちゃうあたり、やはり器が違います
ただ、ここは克己にも華を持たせたいところですし、
花山さんはなるべくやんわりと退場したほうがいいでしょう
と、なるとここで花山さんが取るべき行動は一つです
まず、来週はいきなり過去編に入ります。内容はそう、
花山さんによる源王会討ち入りの回想です
これを単行本一巻分ぐらいやって、
終わったら何か理由をつけて退場すれば完璧ですよッッッッ!!
これなら無傷で克己VSピクルに移行できるし、
外伝での疵も癒えるので、一石二鳥ではないでしょうか!!?
・・・・・・・・・なんか、言ってて一人で飲みたい気分になりました