餓狼伝BOY
Vol.15 『勝負』

「期待にこたえろタンバァッッ」


前回からの引きで切雨先生が叫びます

まぁそうですね。そろそろ応えてもらわにゃ困ります。読者の期待に


もうなんかヘタレすぎの丹波君。餓狼伝読者にとってはありえないほどのヘタレぶりです

実は丹波そっくりの元イジメられっ子が丹波{本物}の入院をきっかけに入れ替わっていたといわれても納得できてしまいます


ともかく、そんなミスターサタンもビックリなトリックの数々が全校生徒にバレてしまった丹波君
生徒の皆さんに囲まれながら「な・・・・なんだ・・・・」と冷や汗ダラダラ流してビビってしまっております



「(やられるッッ 袋叩きに!!!)」


ある意味マガジン的展開の理想像ですが、
バキ君と違って丹波君、100人{?}相手にビビりまくりです

さらに、「てめェら」と口だけ凄もうとして背中に蹴りを食らってスッ転ばされてしまいます


「この・・・・」と再び凄みながら起き上がろうとしますが、
「説明しろよッ」との外野の野次に勢いをそがれてしまいます



「どーゆーことか説明しろよ」

「その前によ 誰が蹴った?」


服についた土埃を払いながら、なんとか凄もうとする丹波君
しかし、全てがバレてしまった丹波君に恐れをなす者など最早おりません



「その前にじゃねーよ
説明しろッつッてんだよ」

「〜〜〜ッッ」

「蹴ったのは俺だよ 文句あんのかよ」


丹波君に凄み不良生徒A。典型的な雑魚キャラ顔です
しかし、現在の丹波君はそんな雑魚キャラにもなめられる状況

内心屈辱を感じながらも精一杯の虚勢を張ろうとします


「てめェ人のケツに蹴り入れといて―――
(こんな名前も知らないヤロウがこの俺に・・ッッ)」



しかし、ハッタリをきかせる前に不良のビンタが丹波君に炸裂!

ショッキングシーンに木戸君も悲痛な表情です



「バックレてんじゃねェよ
てめェのやったトリックについて説明しろつってんだっての」



勢いづいた不良はもう止まりません
丹波君を土下座させんとばかりの勢いで怒鳴り散らします

しかしそこはハッタリを磨いてきた丹波君
呼吸を落ち着かせて汗を引かせると冷静に言い返します


「おめェらはどう思うんだ?」


質問を質問で返してきました

とりあえずなんとか優位に立とうという意識が見え見えです
この期に及んでどこぞの政治家並に往生際が悪いです丹波君


つーかこんなの相手が小学生でも騙されないと思うんですけど
それとも丹波君、小学生でも騙せないけどヤンキーなら騙せるとふんだのでしょうか?

思わず不良達も仲間うちで確認しましたが、
「どう思うも何も今見た通りだろうが」と再び詰め寄ります



「全部インチキじゃねェか
てめェ苦し紛れにてきとうなこと・・・・」



確かに悲しいほど苦し紛れなんですが
不良に襟首捕まれて殴られそうになる丹波君

諦めたのか、そのまま殴られそうになってますがその時、一艘の助け船が!!



「ごめんなさいッッ」


なんと、木戸君が謝りました
予想谷しない展開に不良も丹波君もびっくりです

まぁ、一人だけ違う学校の制服の奴が力士教師と一緒に立ってるんでそう言う意味でもびっくりな存在ですが



「ごめんなさいタンバくん
ボクがやりました」



意外極まるカミングアウトに、丹波君再び汗ダラダラ

切雨先生もちょっと驚いちゃってますが、不良生徒は「誰だアイツ」と結構冷静のようです



「タンバくんの強さに憧れて追いつきたくて
タンバくんのように板や石を割りたくって
それで・・・・タンバくんが留守の際に板や石やビンに仕掛けを・・・・
ごめんなさいッッ それをタンバくんの前で割ったら驚いてくれるかと・・・・」


なんと木戸君、全ての泥を引っかぶろうと偽の告白を行いました

最強の権力を目指すと言うより、どこぞの政治家秘書みたいな感じです


木戸君が何者かと言う点を除けば一応説得力はある告白に、

切雨先生も「シンイチきさま」とムッとしています。今夜は覚悟しておけとかそんな響きがあります


そして驚いたのは丹波君も同じです
木戸君の告白を受け、その名を呼ぼうと「・・・・シ・・」と口を開いたその次の瞬間!

不良Aの拳が鼻先にモロにヒットしました



「テキトーこいてんじゃねェよッッ
山田と五分ったこと――どう説明するンだよォッ
ええッ 言ってみろよオラッ 言ってみろッつーのッッ」


残念です。木戸君の超知力による作戦を、山田と五分った丹波君のヘタレっぷりが上回りました

そして山田と五分り、名も無き不良に一方的にボコボコにされる丹波君を見て、
周りの連中のサドっ気に火がついたのか、いきなりみんなで丹波君をフクロにしてしまいます


つーかこのときの丹波君の顔が即死してんじゃねぇかってぐらいのツラで見てて怖いです

頬に爪先が思いっきり刺さっちゃってますよ。近年稀に見る面白顔ですよ

そしてそんな丹波君を心配そうに見る事しかできない木戸君の肩に切雨先生が手を置き、残酷に言い放ちます



「もう少しで・・・・親友を救えたのにな・・・・」


もう全てが終わったと言わんばかりの態度の切雨先生

すると、なんとボコボコにされてた丹波君、いきなりザッと立ち上がるではありませんか!


攻撃力はそれ程でもない様子ですが、タフネスだけはある様子です

つまり、丹波君は山田君と同じタイプのグラップラーと言う事でしょうか?


ともかく、このままボコられてもジリ貧です
丹波君、全身を震わせながら何かを決意したように言い放ちます



「ほんとに・・・・ほんとにブッ殺してみせりゃいいんだろ」


そう言って生徒達を退かせて先ほど割られたビール瓶の前に立つ丹波
トリックはもうなく、首から下の太い部分だけが残るかなり割れにくそうなビール瓶です



「こいつを割ってみせりゃ・・・・文句ねェな・・・・・・」


まぁ、確かにそりゃそうなんですが
ただ、丹波君はそれができなかったからトリック使ってたわけで

これはもう単に自棄気味になっての暴挙にしか見えません
その事を察してか木戸君も「ダメだ〜〜〜」と小声でうろたえています

そして「ラクショーだぜ」と脳内麻薬でもキマっちゃったように呟く丹波君



「やめろタンバァッッッ」


皮肉にも、木戸君の悲痛な叫びを合図にするかのように、丹波君の拳がビール瓶めがけて打ち下ろされます!


そして縦に押し潰すようにビール瓶を砕く丹波君
その手からは当然のように血が流れ、飛び散ります

まさに肉を斬らせて骨を断つかの如き諸行。後には引けない状況とはいえ見事な覚悟です



「切雨ッッ オレと勝負しろッッッ」


そしてさらに切雨先生に勝負を挑む丹波君!
木戸君の前でこれ以上醜態はさらせないと腹を括ったか!!?


ただ、このままやっても丹波君が勝てる見込みは無さそうです
なんせ相手は丹波君が五分った山田を一撃で倒す程の実力者です
・・・こう言うと山田君がヤムチャ的ポジションのように聞こえてしまいますが


ともかく、戦力差は歴然としています
さらに、丹波君は今の試し割りで拳を傷つけました

これで戦っても、勝てる確率はムエタイが勇次郎に勝つぐらい低いと思うのですが


来週が休載なのは残念なのですが、これから丹波君がどう立ち向かうのかが楽しみです


いっそ山田君を仲間に引き入れて木戸君と三人がかりで挑んでみるとか

一本の矢は簡単に折れても、三本あれば・・・・・・・・切雨先生の場合、

まわしに挟んで尻の筋肉だけで折っちゃいそうだなぁ