ダイエット日記第六回




(樫の木おじさん)・・・根性極悪妖怪。駄目人間相憐れむという事で管理人と気が合ってるように見えるけど、実はどっちも相手の事を心から軽蔑しあってるから馬鹿らしくて互いに本気で喧嘩しようとしないだけ。面倒見が良くて子供好きだけど根っ子が腐ってるから結局小悪党でしかないという要するにどうしようもないろくでなし


(桜邪)・・・苦労人。この一言で全てが説明できちゃう便利な相方。クズ二人に囲まれてるけど常に前向きに思考&行動して、決して駄目人間を見捨てない良い人だけど、必要なら笑顔を崩さずに相手の生爪剥いで生きたまま鼠に喰わせる事もできるのでやっぱりどこか壊れている。




「さてさて。今回は運動編の締めとして、運動の後始末について語りましょうか」


疲れたのでもう動きたくありません。ああ、もう息をするのもめんどくさい」



「・・・俺、このナマケモノを人間として仕込み直すのは嫌だよ?」



「・・・では、難しいですがまずは私から説得してみます」



「・・・幸運を祈る」


さぁ今までこの日記を読んできた太ってる人、これでお前がダイエットを成功させるんだ。そして教えておくれ・・・管理人に・・・そう、ダイエットは面倒くささなしには得ることは出来ないのか。その答えを・・・いつか・・・私に教えておくれ・・・



まず貴方が痩せないと企画が満了しないでしょうが

・・・え〜と、大吉さん? 大吉さんは今、運動した後でずっとダラダラしてるから疲れてるんですよ。そうならないために、色々する事があります」


「・・・」(露骨に嫌そうな顔)



「(猿に芸を仕込むつもりで頑張りましょう)
大吉さん。大吉さんは運動をしたらどうなりますか?」


「疲れます」



「そうです。疲れます。疲れたらどうしますか?」


「休みます」



「またまたその通りです。そして、休むにしてもただ休むだけでは・・・」


「休んだら、もう疲れるのは嫌になるので
そのまま今までよくやった自分を労いながらゆっくりします

あの日頑張った自分。それが、未来の自分を支える事になると信じて――



人として間違ってますよね貴方?

その、パッと聞いたらいい台詞をそこまで薄汚れさせられるのはある種の天稟があるとしか思えませんが。それでも反射的に殴りたくなるぐらいクズですね貴方は!」


「うん、殴り倒しながら言わないで

だって、疲れるもん。筋肉が悲鳴をあげるもん。いくら痩せたくても体を壊しちゃ意味ないじゃないか! もっと自分を大事にしなきゃ駄目だよ! 大吉は他人が傷つくぐらいなら自分が傷ついた方がいいと思ってるみたいだけど、自分が傷つくよりも大吉が傷つく方が辛いって人もいっぱいいるんだから!!」



「・・・なんでこの人の言葉はこう一々イラッとするんでしょうか?」



「それはね、こいつが正論を自分を甘やかす道具にしか使わない生粋の偽善者だからだよ」


「くくく。堅物ほど早死にするものだからな
人生、柔らか〜く生きるのが長生きの秘訣ってもんよ」



「・・・まぁ、人としては0点なんですけど今回のコンセプト的には一応正解なんですよね」


「テストは0点笑顔は満点なのが売りだから
しかし柔らかいのとダイエットとどういう関係があるの?」



「え〜と、なるべく大吉さんにでもご理解いただける簡単に説明いたしますと、

筋肉ってのはただつければいいわけじゃなくてですね。運動とかすると筋肉や関節にダメージがあるじゃないですか。そのダメージを取り除くためには関節や筋肉をほぐす必要があるんですよ。それに、ほぐして関節や筋肉を柔らかくする事で、さらなる運動に耐えられる体もできあがるわけです。つまりストレッチをしない硬い筋肉だと、怪我をし易く疲れも残り易いのです。さらに! ストレッチをする事で体幹(インナーマッスル)も鍛えられて新陳代謝も活発になります。つまり! ダイエット向きの肉体に改造できるわけですよ! よくストレッチをする事で、ダイエットの効果は倍増するのです♪


「・・・? すまないが、学生時代に漢文の成績は良くなかっんだ。日本語でもう一度頼む」



「おいおい、そんな説明で大吉が理解できるわけないだろ?
まぁ、よく噛み砕いて説明した方ではあるが、まだまだやり方が甘いと言わざるを得ない」



「・・・申し訳ございません。代わりに説明お願いします」



「大吉・・・柔らかい筋肉ってのは要するに、


女子小学生みたいなぷにぷに柔らかい体って事だ」


女子小学生!!?



「そうだ。お前が大好きな女子小学生はみんな柔らかい。解るな?」


「解る・・・理屈じゃなくて、魂で理解できるよアニキ!!



「そして、トレーニングをする事でお前はそんな柔らかい体を手に入れる・・・

つまり、お前は女子小学生の肢体を手に入れる事ができるんだ! 解るか!!?」



「キュピーン。友情インプット完了!!



「よし、大吉に柔らかい石の入れ物のような笑顔が戻ったぞ。解るか? こうやるんだ?」



「すいません、今度は私が解らなくなりました


・・・私、どうしてこんな悪徳の巣窟みたいな場所にいるんでしょうか?


あと、私にはその笑顔はウォーズマンスマイルのような禍々しいものに見えるんですけど」


「要するにアレだろ。女子小学生の体は柔らかいから色んなプレイに耐えられる。つまり、体が柔らかいと筋肉への負担が大きくても吸収できず怪我をしない! 『柔ラカイ』トイウ事ハ『ダイヤモンド』ヨリモ壊レナイッ!!



「・・・鉄パイプで細切れにしたい衝動にかられましたが、一応概念は伝わったようなのでほっときます。そのままサルディニア海の波を追い続けさせたい気分です」


「しかし、ストレッチやるのはいいけど、動きが地味だからノリが今ひとつ気が乗らん
それ以前にさー、運動もしてさー、疲れてるんだからさー、風呂入ったらストレッチなんかせずにゆっくりしたいって言うか・・・」



「・・・」(黙ってアニメを点ける)


「・・・・・・」(黙ってストレッチ運動をしながら画面に食い入る)



「は〜い、そこで股裂きして下さ〜い。エアロバイクや散歩とか、下半身を中心に動かしてるから大腿部を念入りにほぐして下さ〜い。・・・なんで20分以上も黙々と、しかし嬉々としてストレッチ続けられるんでしょうねこの人は?」


静かにしろい

このアニソンが・・・オレを蘇らせる・・・何度でもよ



「・・・俺はたまに思うんだ。こいつにとって、一番難しいのはダイエットではなく・・・


このアニメ依存症を治す事なんじゃないかと



治るんですかね?

京極堂さんも、魍魎は落とせないとか仰ってましたし。この人のアニメ依存症もそういう類のものだと思います。もしくは、落とした瞬間家族が壊れて死んじゃうような」


「う〜ん、アニメ見ながらだとやっぱり股裂きが一番楽だなぁ。前後左右に開いてれば、普通に座ってアニメ見てるのとあまりかわらないし」



「・・・お前にもう少し根性があったら、相撲取りが天職だったと俺は常に思う」



「・・・高校の頃、部員がほとんどいない顧問の先生にガチで勧誘されてましたよね。かなり太ってましたし、毎日アニメ見ながらストレッチしてたらあの柔らかさでしたし」


「まぁ、確かに相撲も悪くないと思うのだよ・・・私も、あの頃自分が相撲部になって活躍するビジョンは確かにあった。それは・・・」



「あ、ちょっと待て。聞きたくない


「普通の相撲部だと思ってたらそこは実は女子相撲部でさぁ

そこで私がたった一人の男子でさぁ、あ、もちろん個人的嗜好から『RD〜潜脳調査室〜』に出てきそうなポッチャリ系の女子は要りません。女子相撲部なのに、何故かロリとかスレンダーとかが比率多目です。きっと、人一倍力がなかったから女子相撲に憧れたとかそんな感じなんだよ!! うおお、先輩達に『かわいがり』されて血の小便とか赤玉出るまでシゴかれてぇよ〜!!」



いい加減にしないと『デビル・トムボーイ』でバラバラにしますよこの似非力士


「ナニィ!!? ここから股割りの特訓とか夜の猛特訓とか四十八手を学び尽くす展開が待っているのに!!? はぁ、どす恋どす恋



「五月蝿い。お前の爛れた妄想なんて理解したくない。かろうじて理解できるのは、もう誰もどす恋ジゴロなんて覚えてねぇって事だ


「しかしまぁ、体の柔らかさにはちょっと自信があるんだよねぇ。思えば中学の頃ぐらいからかなぁ? なんとな〜く、風呂上りにアニメ見ながらストレッチをするのが習慣になって。毎日毎日続けてたらこうなった。継続は力だねぇ。高校の頃も、全国大会経験者の少林寺拳法部の奴には勝てなかったけど、そいつ以外に柔軟具合で負けた事はないよ!」



「一応、数少ないとりえではあるわけですね」


「しかし、ダイエットとしてストレッチをさらに高めるのならば・・・もっともっと柔軟性を極めたいものだね。今までは筋を伸ばすストレッチが主体だったけど、体幹を鍛えるようなストレッチを盛り込んでみるとか」



「それより、アニメ見てばかりで散漫になりがちな意識をストレッチに集中させてみろ。お前はもうアニメ見ながらでないと呼吸ができない新種の植物みたいな生き物だからそこは諦めるとして。漫然とするのではなく、常に伸びる筋肉をイメージして柔軟性を高めるように努めるといいぞ。なんだかんだ言って筋トレの一環だからな。イメージはとても重要になってくる



「なるほど・・・つまり、イメージの力で関節を増やすんだな?

そしてイメージ関節を加速して超音速(マッハ)ストレッチ! これなら30分のアニメ見てる間に数百、数千のパターンのストレッチを行う事ができる! これがストレッチの501年目か!!」



「・・・手っ取り早く、増やしてあげましょうか? 物理的に。折りたたんで」


「うん、普通の人間はジャガッたら死ぬから無理だね」



「せめてビデオ見たり鞭の動き見て研究するところから始めろよ。リアルシャドー万能論はもうみんな色んな意味で腹いっぱいなんだよ。いいからわき道にそれるな。柔らかくなりたいんだろ?」


「うん! だからとても柔らかい自分をイメージしてストレッチするよ! 柔らかいと言えば、たとえばなんだ?」



「・・・ヨガのビデオでも見ますか?」


「いやぁ、ヨガを習って腕が伸びたり火ぃ吹いちゃったりしてもやだしなぁ」



ヨガ嘗めんな

・・・じゃあ、お前の一番イメージし易い『柔らかいもの』だから・・・アレだな




おっぱいだな




や、柔らかい!!





「そうだ! おっぱいは柔らかい! そんな、柔らかなおっぱいに自分の全身がなったとイメージしながらストレッチしてみろ!!」


「お、おっぱい! 俺はおっぱいになりたい・・・

いや、違う! おっぱいは俺だ。俺が・・・おっぱいだ!!(cv宮野真守)

我が心すでに乳、乳なるが故に無!!



「よし、ここからしばらくは特訓シーンだな。ロッキーで言えば生卵を呑んだり牛肉を叩いたりするシーンだ。となると、BGMはこのあたりがいいか・・・うむ準備万端、それではストレッチスタートだ!!」



「うおお! 頑張るぞー!!」








『おっぱいがいっぱい』



作詞:冬杜花代子
作曲:三木たかし



ぼくがのんで いもうとものんだのに
ちっちゃくならない ママのおっぱい
おふろのなかで さわらせてもらったら
空気たりない ゴムマリみたい
ぼくがのんで いもうとものんだから
おっぱいがでない ママのおっぱい
あまかったのか 思い出せない
たくさんのんだはずなのに へんね
おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
うれしいな さわりたい

ぼくがのんで いもうとものんだのに
おっきなままだね ママのおっぱい
ひとさしゆびで ちょこんとおしたら
びっくりするほど やわらかだった
ぼくがのんで いもうとものんだから
おっぱいがでない ママのおっぱい
もひとり赤ちゃん 生れるときは
また出るようになるのかな ふしぎ
おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
きれいだな だいすきさ

おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
きれいだな だいすきさ







「・・・・・・」(自分の人生について深く考えている)


「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」



「どうした大吉! まだ・・・やるかい?


「ヘッ・・・おっぱいがいっぱいだぜ(スペックスマイル)

今まではただ大きいだけの柔らかくて当然のおっぱいだ! だがここからは、柔らかさの中にかすかに芯のある、女子中学生のおっぱいをイメージする!! 絶対可憐! だから負けない!!



「・・・まぁ、汚物を見てる気分になってきましたが・・・真面目に努力してくれるならそれでいいですよもう。あと、私はもうそろそろ出かけるので・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・」



「・・・・・・・・・・」



「・・・って、なんですかその目は。一体どこ見てるんですか貴方達!!?


「・・・だ、駄目だよ樫の木おじさん・・・弱い考えしか浮かばねぇ〜!!
お、おっぱいは・・・この世に柔らかくないおっぱいなど何もないはずではないのですか京極堂!!?」



『カラスは黒い』と言う命題をくつがえすには何千何万何億の中にたった一羽白い翼のものがいればよい! それがお前だ、桜邪!!



「どういう意味だか分かりませんがとにかく失礼だって事はよく分かりましたよ!!」



「あ、説明した方が良かったか? つまりお前のおっぱいは・・・」


ゴキィ!!



「・・・張り手の稽古は、木材使ってのてっぽうが一番ですね♪」


「うるさい謝れ! 
樫の木おじさんはどうでもいいから、おっぱい様に謝れ!!



「・・・百歩譲って私が何か罪を犯していたとしても、あなたより罪深いと思われるのは納得がいきません」


「桜邪・・・お前、女力士になれ! ただのでくのぼうに張りとばされて死んだんじゃあ 樫の木おじさんがもうらしい(「かわいそう」の意)わ! そんで女力士になって、もっと大きなおっぱいに会って、殺されろ!



「・・・・・・」



「・・・アシュラ面・怒りって感じの形相になってるな


「オラができればやりたいけど・・・無理な事くらいわかる・・・だってオラは人間だから だから誰かおっぱいの大きなやつに仇を討ってもらうんじゃ。幸せにのん気に暮らすなんかゆるさねぇ・・・ゆるさねぇぞぉ!!」



「とりあえず、当たって痛い方がマサカリだと言っておきましょうか。あ、先に虎砲撃ってからの方がいいですかね? と言うかほんと、つくづく最悪ですね貴方は!!」



「当たり前だ・・・この俺が全霊をかけて仕込んだのだ。大吉は俺より根性悪で、桜邪よりキレ易い。この世で最悪を名乗るのに不足など寸毫もない



「・・・とりあえず、貴方が人として腐りきってる事修羅の刻・雷電編が大好きなことはよく分かりました」


「オレに足りないものは・・・葉月で埋まったよ。いやぁ、5寸(約150センチ)に2寸(約6センチ)も足りないってのは実に素晴らしいよね! 川原先生はよく分かってる! 流石、ツンデレ以外のヒロインは認めないツンデレ界の修羅だね!! 私は川原先生ご本人は否定しようとも、葉月が孕む千秋楽の日まで夜毎雷電との土俵入りがあったと確信してるからね! という訳で・・・・この妄想は史実である。あなたにとっても史実であったなら・・・・嬉しいなぁ



「・・・私はあの先生はツンデレ偏愛家と言うよりもただ単に気の強い女の子フェチなだけなんじゃないかと思ってますが・・・まぁ、いいでしょ。いい加減その妄想に付き合うのも馬鹿馬鹿しくなってきたので今回は見逃してあげますよ」



「えぇ? 夢(おっぱい)も希望(おっぱい)も血(おっぱい)も涙(おっぱい)も無いお前にしては珍しい恩赦だな?」



「いい加減にしないと、私が張り手でなくても人を殺せるところをお見せしますよ? ・・・いやホラ、この文章じゃ伝わらないと思いますけど、今日これから花火大会に出かけるために私は今、下ろしたての浴衣を着てるじゃないですか」


「ああ、文章以前の問題としてお前に興味が無かったから気づかなかった



「新しい服だと気分が良くて些細な事には寛大になれるのですよ♪ それに、せっかくの浴衣を返り血で汚したくはありませんしね〜♪ と、言うワケで私達はもう少ししたら電車の時間なので出かけますね」



ピコーン♪



「・・・・・・何、今の音?」



「・・・誰も幸せになれないフラグが立った音だよ」


「そうかそうか。先に一つ言っておくとな桜邪、このタイミングで故郷の婚約者の話する方にもなんらかの責任はあると私は思うんだ」



「・・・何の話ですか?」


「五月蝿い。行間読めるようなオタクの皆様はな、この時点で伏線は十分だと思ってらっしゃるんだよ」



「・・・まぁ、花火大会に俺も出かけるのは一緒だからそろそろ締めに入るか。日本の電車は優秀だから定刻通りにきちまうからな」


「うむ、そうしよう。なんでお前ら二人が遊びに行くのに私だけハブられてるのかだけは納得いかんが



「とにかく、お疲れと言うのはあるでしょうけど、その一日の疲れを取るという意味でも毎日お風呂あがりに軽くストレッチをすると言うのは大事なんですよ。吉良吉影さんだってやってたでしょ、快眠のためのストレッチ」


「そんな一文しか出てこなかった設定なんか知らねぇよ。・・・いや、ジョジョファンにとっては常識か?」



「筋肉が温まってる方が効果的だしな。運動前後にもこまめにやっといた方がいいぞ。部活経験者なら分かるだろうが、部活前も何より「怪我しちゃいけない」って理由でよ〜くストレッチするだろ? 動きが地味だから軽視する奴もいるけど、ストレッチしないと鍛えられない筋肉もあるぐらいだし、重要なんだよ」



「突き詰めて考えれば、中国拳法で言うところの『内功』の思想にもつながりますしねー。食生活を合わせる事も効果的です。『ダイエットをしなくちゃいけない』と思ってやるよりも、『健康な体作りがしたい』と思ってやるほうが長続きしますよ」


「なるほど、つまり体を柔らかくする食生活にするために、


もっともっと脂分を補給すればいいんだな


関節への潤滑油的な意味で! あと、肉を柔らかくするという意味で!!」



・・・教えてくれ桜邪。俺はあと何度この馬鹿に説明すればいい? 何回この日記の趣旨からこの(放送禁止用語)に教育し直してやればいいんだ? ゼロは何も答えてくれない・・・!


「とりあえず、飲み物として豚バラ肉をゴロゴロ入れたカレーを飲もう。これでトリコに先んじて私の『人生のフルコース』にドリンクが加わったぜ・・・!」



脂物を慎みなさい!

それから・・・・・新鮮なグレープフルーツジュースを飲むんです!!」


「グレープフルーツジュースは筋肉を柔らかくしてこむら返りを防いでくれても苦いから嫌いだなぁ」



「・・・・・・チキンが


「・・・・・・今、なんと言ったかね?」



「別に? 何も言ってねぇよ? ヘナチンが


「ほほぅ、いい度胸だ。ならばこちらは行動をもって貴様にその言葉を撤回させねばなるまい!



「お前にできるかな? 毎日毎日ただ漫然と繰り返すのではなく、ちゃんとより柔らかいボディをイメージして効果的にトレーニングする地味だが重要な作業が」


「上等だ! ルフィも裸足で逃げ出すような柔らかボディになってやるから、

その時驚くためにエネルのAAでも用意して待ってろやぁ!!



「・・・まぁ、たまにやる気出してるようだが協力してやるか。ほれ、これを飲め」


「・・・何これ? ゴムゴムの実のジュース?



「もういい歳なんだから現実と妄想の区別をつけろって言ってんだろ。。俺が調合した特製黒酢『魔黒酢』だ。零すなよ。服についたら落ちんからな」


「・・・飲め、と? 言っとくけど、体柔らかくするために酢を飲むってのは迷信だよ?」



「それはともかくとしても、黒酢は必須アミノ酸を多く含んで疲労回復にいいんだよ。まぁ、騙されたと思って飲んでみ?」


「・・・あんたはそう言って真顔で騙すからなぁ・・・・・・むぅ」(舐めてみる)




「苦酸っぱぁ!!? 飲めるかこんなもん!!」



「あっ、馬鹿! コップごと放り投げるな・・・・・・!?」





バシャア!





「・・・はて、このマッハ突きが完成したような音は何かな?」



「・・・音がした方向を見れば一発で分かるんじゃないかなぁ? 俺は一度見た。二度見る勇気は無い。あと、弁解させてもらえれば今回は俺に一切非は無い。普段から食い物を粗末にするなと言われてたのに耳を貸さなかったお前だけがただひたすらに悪い」


「・・・・・・・・・・」(チラリと薄目で見てみる)





(頭から真っ黒に染まってる人型)
「・・・・・・・・・・・・・・」





























        _,. -−─−-- 、_
     ,. '´  _ -−ニ二二`ヽ、
    /   /  _,.−'⌒ヽ,ノ``'ミ,、
  ,.'   /  /  ,,イ゙\ /入、ヾ,
. /  / // -‐''"_ ヽ l l′/`_''l}
 '  / ,.イii/ /∠´ `ヾ' l lレ''´ ヾ
   / ,.' ii/u i{,_,,  ゚ }! l li{,_,. ゚ }
.  / /ii i/u uヾく,_,ノ′ l lゞi-rイ
 ,' /-、 i| u    ' ' ` ,__〉〉  |
.  /l 「ヾ'i|   ,.r‐     `'U'U_,ィ}|
 / | ー}.l| /,r 'T"丁 ̄| ̄ | l|'|
 }i iト、}( l! ,イ  |__, ⊥ _|__,l|.ト、
 `i iiiハ `| i l_/       _,ノノ|| \
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  ゙l!  | l|. 仁   _,__      ||  \ \
  /   | |l lニレ'´     `ヾ'、  ||   \ \
  /   |. |ヽ 「]、       ヾ>、||     \
/   .|  |. ヽ`「ヽ        }H|\
      |  |  ヽ`「ヽ、、,__,,ノj‐||  ` ー─
   u  |   |  \`'〔`'T''''''T´ ,ノ|
      |   |    \ ` ̄ ̄ ̄ /
       |    |    `−──‐′

























(前半部かなり略)



 連日の激務が祟つてすつかり寝入つてしまった。
 白河夜船で昔の夢を見てゐると、何時の間にか前の座席に女がひとり座つて居た。
 色の生白い、若いのか歳をとつてゐるのか解らぬ女だな。
 あと、殺気はあるのに色気はねぇわ胸もねぇわ人気もねぇわでほんと見ててろくでもねぇなこいつ




「・・・・・・・・・・・・・」



 つらつらそんなことを考へる。
 女は匣を持つてゐる。

 大層大事さうに膝に乗せてゐる。
 時折匣に話しかけたりする。
 眠い目を擦り、いつたい何が入つてゐるのか見極めようとするが、どうにも眠かつた。
 壺か花瓶でも入つてゐるのか。
 何とも手頃な善い匣である。
 女は時折笑つたりもする。



ほう



 匣の中から声がした。
 銅鑼でも叩き割ったやうな男の声だつた。




聴こえましたか



 女が云つた。蓄音機の喇叭から出るやるな声だ。
 うんとも否とも答へなかつた。夢の続きが浮かんだからだ。



誰にも云はないでくださいまし。特に国家暴力



 女はさう云ふと匣の蓋を持ち上げ、こちらに向けて中を見せた。

 匣の中にはデブキモオタがぴつたり入つてゐた。

 邪神モッコスのやうな顔だ。勿論善く出来た人形に違ひない。人形がジョジョ第六部のケンゾーみたいにバキバキ骨をへし折られて匣に入つてゐるのだろう。
 何ともおぞましい死相なので、つい目をそらしてしまつた。

 それを見ると匣のデブも
 血涙を流して、



た、助けて・・・


 と云つた。
 げげ、まだ生きてやがる

 何だか酷く男が哀れになつてしまつた。



(以下略)





(匣に詰まりながら)「――ほう」



「いやいや、なんでまだ生きてるんだよお前


「くくく、毎日ストレッチしているおかげで助かったぜ



「・・・どんだけストレッチしても、脊椎動物から無脊椎動物に退化はせんと思うのだが。むしろこれは、ここまで巧みに畳んだ技巧を褒めるべきか?」



「フッ――死なないように加工するのは、骨が折れましたよ




消え失せろ



「・・・真顔でのツッコミは酷くないですか?」


「人を匣に詰めるのは酷くないのか?」



「だからその折り畳み入道みたいな姿でまともに会話するのヤメロ。・・・じゃ、花火でも見に行くか。なんかどっと疲れた」


「花火、か・・・」



アレクセイエフの伝言は聞き飽きたからもし言ったら爆破すんぞ?」


「なんのために花火を見るんだそれは!!?」



「・・・よし、真っ黒になった浴衣に清明桔梗を染め抜いて、なんとかまともな見栄えになりました」



「・・・そこまではいいが、その手甲とか黒下駄とかはなんだ。どうしてそうお前はいつもいつも必要以上に努力を注ごうとするんだ」