ダイエット日記第二回
〜相方紹介〜
(樫の木おじさん)……相方その1。最近、「樫の木おじさんに変わる萌えキャラが欲しい」とかってリクエストがあったため、金髪ツインテツンデレ幼女に変化しようかと思案中。ツンデレの研究中、マジギレした桜邪をツンデレ呼ばわりして鉈で刻まれた
(桜邪)……相方その2。サイト開設以来、閲覧者にすらまともに萌えキャラ扱いされた事が一度も無い『非攻略対象メインヒロイン』。もし樫の木おじさんが外見萌えキャラになったら、自分より人気出るんでしょうねーと苦笑している。苦笑で済んじゃうんだ
「ダイエット日記第二回、始まるよ〜」
「え〜と、今回のテーマは『食生活その1』でしたっけ?」
「そうだね〜。じゃあ当時の様子を振り返ってみるか。大丈夫、すでにチケットがあるから手っ取り早く過去へ飛べる。もう私の体を縦に裂いたり横に裂いたり錆びさせたりさせる必要は無い!!」
「じゃあ次はカビさせてみよう。上手くすればペニシリンができるかもしれん」
「うん、西洋医学の発展は拷問の歴史と対になってるんだよね。いいから大人しく江戸時代にでも行ってペニシリンの粉末化にでもチャレンジしとけ。もしくは吉原でMIRAIさんでも指名してろ」
「一応どっちもジャンプ関係ではあるんですけど、そのネタが分かる「少年」は一人もいないでしょうねぇ」
〜2006年8月〜
「知ってますか! ダイエットの語源は「日々の食事」という意味です! つまり正しい栄養補給とカロリーコントロール、そしてほんの少しの楽しみがダイエットの極意といえましょう!!」
「はい、質問。なんで暗黒騎士ガウザーのコスプレしてんのお前?」
「そりゃお前、落ちこぼれには非情な制裁を与えるって無言の圧力だろ」
「・・・我らが偉大なる独裁者様、一日二回は一欠けらのパンと薄い塩味のスープをお恵みいただけますか?」
「貴方が虫けらでない事を証明してみなさい!! ・・・・・・ではなくて。人の話聞いてます? 「正しい栄養補給」ですよ。量は調整しますが、三食きちんと食べないと身体壊しちゃうじゃないですか。いくら痩せられても、大吉さんの健康が害されるようではそれはダイエット失敗なんですよ・・・? 大吉さんには、健康な身体を手に入れて長生きしていただかないと・・・」
「・・・まさか相方からこんな優しい言葉をかけてもらえる日がくるなんて・・・うぅ、思わず涙が」
「じゃあ、こいつがその調整した量とやらで満足できずに間食繰り返したら?」
「え? 殺しますよ? 当然じゃないですか」
「うん、うちの基本方針は飴と鉈だっけね。いいからさっさと次行こうか次」(無言で静かに涙を流しながら)
「飴の中にも針が入ってたりするんじゃないかな? するんじゃないかな?」
「どうすりゃこの惨劇を回避できるんですかね梨花ちゃま? むしろロリアーカードでもいいから助けてー! セラスの代わりに第一話からやり直してー! 吸血鬼に人質としてさらわれてるから「坊や、童貞か?」と聞いてー!! ・・・・・・想像するだけで興奮する僕はどうすればいいと思うね?」
「灰になるまで日光当ててやろうか? タクラマカン砂漠あたりがオススメだぞ。ウィグル語で『生きては戻れぬ砂漠』という意味だ」
「はいはい、いいからまずは朝食から食べて下さい」
「・・・思ってたより量多いね。野菜ばっかだけど」
「まず朝はしっかり食べなくては。温野菜の合わせ盛りとおから、ひじき、南瓜、黒豆・・・ここら辺は買ってきたお惣菜ですね。そして具が二品以上の味噌汁と納豆、食後にヨーグルトです。炭水化物が欲しい時はバナナでもつけて下さい」
「(もぐもぐ)ふむ、それなりに腹が膨れるな。これ、本当にダイエットメニュー?」
「種類はあるが、少しずつだしなぁ。脂分と炭水化物が少ないから昼には腹減ると思うぞ。キャラは多いが際立つ萌えキャラのいない萌え系作品みたいなもんだ。例えば・・・」
「消化に悪いから敵を作るような具体例を挙げるな。私も色々想像しちゃったけど、墓まで持って行くつもりだ」
「とにかく朝だけで三十品目以上の摂取を目標としました。大吉さんの場合、今までの不健康が祟って血液ドロドロ、体内に有害物質たっぷりなので色々取った方がいいんですよ。特に納豆は血圧やコレステロールを下げるので大吉さんにはうってつけです」
「納豆といえばさ、アレ無いの?」
「アレとは?」
「痩せる食材」
「・・・・・・・・・・・・」
「下剤でも添えてやろうか? 痩せるぞ。家畜用だから威力もたっぷりだ」
「私はイロモノ担当の手品師女じゃねぇんだ。いやだって、よくテレビとかでやってんじゃん。どうせダイエットのための食事ならそういうのとって手軽に痩せた方が」
「そんなもの、スーパーで食材適当にカゴに詰め込めば三つに二つは含まれると思いますよ。人間が食べれるもので役に立たないものなんか見つける方が難しいものです。駄菓子かファーストフードしか食べてなかったからそんなお門違いの了見になるんですよ。いいからさっさと食べなさい。あと、月夜野さんも彼女なりに頑張ってるんですから彼女に謝りなさい。イロモノやれる女性キャラは希少ですから、今後も彼女は作者の期待とS心を一身に背負って頑張り続けるんです」
「お前こそ謝ってやれよ。・・・ただ、これ全部食うとなると時間かからない? 一応社会人だし、会社あるんだけど」
「早起きすりゃいいだろ。つーか急いで喰うなよ。一口50回以上は噛め。少なくとも30分はかけて喰え」
「え〜? 早起きして飯黙々喰うってかなり苦痛よ? しかも肉っけがまったく無いわけで食べる楽しみも期待できないし・・・」
「その文句は想定の範囲内です。では大吉さん、これを見て下さい」(テレビを点ける)
〜30分経過〜
「――ご馳走様でした」
「・・・気持ち悪いぐらい素直に食ってたけど、何見せたのお前? 拷問の記録映像?」
「そんなもの見たらますます食べられなくなりますよ。そんな特別なものじゃありません。ただ普通に見ててもらっただけです。食事の間、アニメを」
「・・・あ〜、こいつ、アニメ見てる間は静かだからなぁ・・・」
「社会人になってから新番チェックとか大変なのよこれがまた」
「お行儀良くないし、消化にも本当は良くないんですけどね。ただ「アニメを見るため」というお題目があれば早起きも時間かけての朝食も苦痛無く行えそうなので実利を優先しました」
「“不思議だ・・・・・・アニメを見ていると何もかも許せる” “自由のない早起きも、醜い食事も、こんなにも苦しいダイエットも・・・そして会社に行く今日の運命も・・・・・・”
“何もかも許して、生きてゆけるような気がする・・・・・・” 〜大吉マスター21の手記より〜」
「・・・ここまで簡単だとお前の人生はいっそ機能美の極致であるかのような錯覚すら覚える」
「とにかく朝はこの「ながら喰い」で長時間かけて野菜を食べてもらいましょう。少しOKFF(オタク・食い倒れ・フード・ファイター)の邪道食いっぽくなってしまいますがこの場合は仕方ありません」
「くくく、あんたの喰い方――”がっつき”だねっ!」
「そりゃお前の今までだろうが。いいから分かり難いネタに走ってないでしっかり噛め。ワインのコルクが口の中でスープになるぐらい噛め」
「まぁ、これで朝飯に関しては満足した。で、昼飯はどうすればいい?」
「はい、バナナ」
「・・・は?」
「はい、ゆで卵。しかも二個!」
「・・・栄養補給はどこに行った貴様」
「はい、カロリーメイト!!」
(似てない大山のぶ代ボイスで)
「ああ、それならバッチリ絞め殺すぞ貴様」
「それに関しては止めはせんが、朝昼夜と量を少なくするのはダイエットの基本だぞ?」
「少なくしすぎだろ。連載初期と長期休載直前のハンター×ハンターの描き込み量ぐらい減ってるぞこれ」
「あと、それ昼の分と夜の分ですから。一度に食べないように。量が少なくても何度かに分ける事で満腹感が得られたり栄養のバランスがとれたりするのです」
「・・・肉体以前に精神のバランスが取れるかどうかが疑問なのだが・・・うぅ、昼夜合わせてバナナが一本、カロリーメイトが二袋、ゆで卵が二個だけ・・・食事どころかこのまま股間にぶら下げときたくなるような内容だよぅ」
「見栄張ってんじゃあねぇぞ枝豆」
「誰が枝豆だゴラァ!!?
せめて小指よりも長いもので喩えろ!」
「・・・何の話ですか?」
「お前みたいな女が「大事なのは愛情」とか「テクニックがあれば」とか言って甘やかすから駄目なんだ。いいか? 確かに、獲物を振るうには使い手の技量が一番大きな要素だろう。しかし、男ってのはな・・・自分が使う武器には見栄を張りたいものなんだ・・・分かるか?」
「なるほど、戦士の矜持ってやつですか・・・それなら分からないでもありません」
「いや、何一つ分かってないからね君? それが微妙なセクハラだってのも分かってないからね? つーかこれマジで無理! リアルにキツいから! 正しい栄養補給ならもうちょっと食事から摂取させてー!! 夜はともかくとして、昼がこれじゃ午後の仕事に差し支えるとゲーテも言っていた!」
「ちっ、これだから文明崩れの新兵は扱いづらい。軍師よ、朝餉で出したようないいアイディアは無いものか?」
「フフッ、ではこのダイエット孫子にお任せ下さい。大吉さん、昼休みになったらこの紙を見るのです。そうすれば貴方は少ない昼食でも確か過ぎる程の満足を得る事ができるはずです」
「・・・・・・それはともかくダイエット孫子って何よ。なんでもかんでも二つ繋げればカッコ良くなるわけじゃないぞ。サイボーグ忍者とか恐竜戦車とか凄いもの二つにすればもっと凄くなるって思えるのは小学生までだと思うぞ」
「いいから弁当持ったらさっさと会社行きなさいこの穀潰し!!」
「馬鹿だなお前。人は本当の事言われると逆上するんだぞ。こいつは今のネーミングを本気でカッコいいと思ってたんだから今は聞き流して熱が冷めたところで嘲ってやればいいんだ」
「・・・・・・孫子兵法で名高い孫殯さんは、膝の骨を刳り貫かれて額に刺青を入れられたそうですよ?」
〜昼・管理人の職場にて〜
「刺青ってラジオペンチで入れられるもんじゃないと思うんだ」
「達人は道具を選ばないものなんですよ・・・あっ、ほら。大吉さんがいますよ」
「いるなぁ。つーかなんであいつ昼から走ってんの? 飯はどうしたんだ?」
「後でさらっと食べるんでしょう。今はそれより走るのが優先されます」
「だからなんで走ってんだよ」
「そこに本屋があるからです」
(管理人に渡した本屋への地図のコピーを取り出しながら)
「すまん、聞いてもまったく分からなかった。なんであいつは昼時に本屋へ向けて全力疾走してんだよ」
「ん〜・・・質問を返すようで悪いのですが・・・・・・
それ、理解したいですか?」
「俺が悪かった。あいつは腹が減ってても本屋へ走るんだな。焼かれると知っても炎に飛び込まずにはいられない真夏の蛾のように」
「人はパンのみにて生きるにあらず・・・本屋で本のエネルギーを吸収した大吉さんは生きるための栄養を得て午後も仕事に励める事でしょう」
「社会人にとって昼食時ってのは、同僚と会話をして人間関係を円滑にするための時間ではないのか?」
「むしろあの人がいない方が職場の人間関係って円滑になるんじゃないですかねぇ?」
「それもそうか。じゃあ昼飯はもういいとしても、晩飯がアレだと家で腹減った腹減ったと騒ぎ出さんか?」
「漫画読ませてアニメ見せてれば12時過ぎには寝ますよ」
「仙人かあいつは?
サブカルがあれば飯食う必要ないってどんな生物だよ」
「彼は獣ではありません。あえて言うなら誇り安き駄目人間。志低きオタクなのです。趣味の時間を削らずに済ませられる食事以外は――捕食しない」
「精神がジュラ紀で塩漬けになってやがる・・・・・・」
〜現在〜
「・・・結局、この後一年ぐらいしたらバナナやゆで卵から五穀米のおにぎりや魚肉ソーセージに代わったりしたんですけど、基本的に一年近く同じ食事メニューを繰り返し続けたんでしたっけね」
「環境への順応とかそんなレベルじゃねーぞ。お前、奥歯に「味ラジオ」とか仕込んでんじゃねーか?」
「星新一かよ。いやいや、毎日味わうものは同じだったけど、毎日読んだ本は違うんだぜ?」
「・・・え〜と、一応断っておきますけど、この日記をごらんの皆様。このダイエット、良い子は真似しちゃいけませんよ?」
「じゃあなんのためにやってんだよこの日記」
「まぁ、空腹をまぎらわすために趣味を追求するのはいい事だ。前回も言ったが、辛いだけのダイエットは長続きしない。何かしら「楽しみ」を入れないとな。あとは、極端な食事制限はやめて、昼はきちんと食うのが大事だ。夜は少なめで、なるべく早い時間に済ませられればそれに越した事は無いな。と、今日のまとめはこんなものでいいか。なぁダイエット孫子殿?」
「えぇ、そうですね。あっ、大吉さんもう向こう行っていいですよ。これから先は食欲が絶無になるシーンが続きますから。食事前に見るものじゃありません♪」
「うん、心から興味ないからもう行くわ。さ〜て、今日のご飯はなんじゃらホイ」
「さっ、まずはお腹いっぱい食べてみますか。焼けた石を」
「ギャヒィィィィィィィィィィィィィ!!」
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